2019.08.10
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
当院では犬の皮膚病における正しい食事療法、スキンケア(シャンプー療法)やサプリメントでの体質改善に力を入れています。
特にその効果を実感できるのが「膿皮症」なのですが、今の皮膚科の標準医療とどう違うのかお話してみようと思います。
今の皮膚科の膿皮症に対する基本の治療方針は「抗生物質+シャンプー」で、決して間違いではないのですが、「抗生物質を使うと治る」のですが「やめると再発する」というのがよくあります。
抗生物質は確かに膿皮症を改善させますが、「再発する=抗生物質は膿皮症の原因を治していない」ということなのがわかります。
比較して当院では膿皮症に対してどうアプローチするか?
もちそん原因はさまざまなのでその状況によってかわりますが、「膿皮症の原因に直接アプローチする」という視点をもっています。
その1つが「正しい食事療法」と「スキンケア&サプリメント」です。
今の皮膚科における食事療法といと、新規たんぱく質・加水分解たんぱく質・アミノ酸系フードといった低アレルゲン食事療法というものです。
山のような種類があるため、色々チャレンジして体質に合うものを探す・・・やってみないとわからないというのが今の皮膚科なのですが、実は違います。
正解ってあるんです。
もちろん「間違った食事療法」もあります。
「やってみないとわからない」ではなく「今日から辞めた方がいい」「今日から変えたらよくなる」という正解に近づく食事療法があります。
実は、先日のブログでも紹介した「獣医師向けの講演会」でもこのことを少し取り上げてお話させていただいたんですね。
具体的には、
・食事療法といっても色々あり、標準治療(今の皮膚科の基本)では「やってみないとわからない」となっているが実はそうではない
・食事療法で、「こうやったら今より上手くいく」「これはやめた方がいい」という正解、不正解がある
・実際に、問診時に「食べている食事を当てる」こともできる・・・滅多にやりませんが。
・診極めができれば膿皮症を抗生物質を使わずに、スキンケア&サプリメントで治す&再発させないことも可能
というお話をしました。
そして、講演から3日後・・・
ある先生と食事する機会があったのですが、そのとき
「皮膚触るだけで食べてるものがわかるってホント?うさん臭くない?」
っていわれました・・・(^^;
いや、だれもそんなこと言ってないのに・・・伝聞って怖いなって思いました。
が、今日はそんな胡散臭さを吹き飛ばす症例報告です。
繰り返す膿皮症を、「抗生物質を使わず、正解の食事療法&スキンケア&サプリメントだけで治す」を再び証明しますね。
【症例】
グレートピレニーズ
【経過】
〇1年前から膿皮症が治らない
それでは初診時の状態です。
正真正銘の膿皮症ですね。
この初診時に、
・今の食事療法は間違ってます
・正しい食事療法を今日から始めましょう
・抗生物質は出しません
・処方するのはサプリメント(スキンケアECプラス1日2包)と、スキンケア商品だけ
というアプローチを行いました。
初診時からわずか1週間後の状態をみてみましょう。
湿疹はゼロになりました。
※写真の撮影方向が異なりすいません。
標準医療では「正しい食事療法」は存在しないことになっていますが、本当は存在します。
そしてスキンケア&サプリメントでの体質改善も十分可能です。
もう1度シンプルにお伝えします。
・よかれと思って選んだ食事療法が間違っていることがある
・間違った食事療法も存在するし、より正解の食事療法が分かることもある
・膿皮症を抗生物質を使わずにスキンケア&サプリメントだけで再発させないことも可能
・その症例を初診時に診極めることもできる
です。
先日初診で来院したわんちゃんでも同じことをやってみました。
・診断は「膿皮症」である
・抗生物質で完全に消失する
・抗生物質を辞めたら1週間もたたずにぶり返した
この症例に、「せっかくだから抗生物質使わずに、食事療法&スキンケア&サプリメントだけでやってみましょうか」と提案してやってみることになりました。
10中8,9上手くいくので大丈夫でしょう。
またこの8月にUPしますね。
もちろんスキンケア&サプリメントは当院のMedicareシリーズとスキンケアECプラスです。
以下のオンラインショップからお求めいただけます。
投稿者:
2019.05.23
犬の湿疹・膿皮症治療や再発予防に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
暑くなってきたため、これからの季節は湿疹・膿皮症が悪化しやすい季節ですね。
湿疹・膿皮症の治療と言えば「抗生物質」ですが、いくつか問題があります。
1つは「再発」、2つは「効果がでない」という問題です。
再発については「抗生物質を服用すると治るが、服用を止めると再発する」ということです。
効果がでないについては、内分泌疾患の見落し・食事が合わないなどの問題もありますが、耐性菌(抗生物質に抵抗力をもつ菌)によるものもが大きな原因です。
ではこういった問題に当院ではどのようにアプローチしているのか、ご紹介します。
【症例】
トイプードル
【経過】
〇背中の湿疹が治らない
〇消えては新しいのができるの繰り返し
それでは初診時の状態です。
湿疹が多いのは背中です。
それでは治療から3か月後の状態です。
抗生物質を使っていないにも関わらず、ずっと再発をゼロにしています。
この治療後の再発をゼロにする方法の1つのアプローチが「スキンケアECプラス」です。
サプリメントですが、膿皮症の改善に非常に相性がいいです。
内分泌疾患の見落しや、食事が体質に合っていないという2点をしっかり除外できていれば、かなりの効果が期待できます。
当院の「治療成績に差がでるサプリメント」ですが、当院オンラインショップからご購入できます。
Medicareシリーズのスキンケア商品(オイル・シャンプー・ローション・ジェル)とともにご使用ください。
手先・足先・顔などのアトピー・痒みがなく、湿疹タイプであれば「膿皮症ケアセット」がお勧めです。
投稿者:
2019.04.25
アポキル・ステロイドといった痒み止めのお薬が効かない舐める・掻くといった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
トイプードルはアトピー、脂漏症、ホルモン異常の他にも心因性の皮膚トラブルが多いなど、かなり難治性になる場合があります。
今回は一見重度ではないのですが、特徴的な皮膚病で同じような症状のわんちゃんの飼主さまには知ってほしいことなので紹介します。
【症例】
トイプードル 4歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇生後4歳(約半年前)にブリーダーから譲渡
〇引き取ってこの半年ずっと皮膚トラブルがある
〇痒みは「前胸を舐める」「陰部を舐める」「背中を真っ赤になるまで掻く」「顔をこする」「前肢端を舐める」
それでは初診時の状態を紹介します。
続いて、頚部~前胸部です。
続いて、左前腕の屈曲部位です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、この胸の部位の毛をカットした後の状態です。
続いて、背中と皮膚炎の局所拡大です。
背中全体をみると一見なにもないようにみえますが、たった1か所だけ非常に炎症の強い部位があります。
この半年間、背中ではこの1か所だけをずっと掻いているそうです。
背中の他の部位にこの赤み、ないし痒みがでたことはないそうです。
初診時から2週間後の状態です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
舐め癖がつよく、真っ赤&脱毛していた部位ですが、舐めるのがとまったため、赤みもなくなり発毛しています。
左前腕の内側(屈曲部)ですが、同じく舐め動作がなくなったので皮膚炎が消失しました。
この部位には部分的に「感染」があり、心因性である舐め癖と感染の炎症の2種類が混在しています。
舐める・掻くといった症状はほぼゼロになりました。
写真は掲載していませんが、背中の皮膚炎&痒みもゼロになりました。
今回の症例のポイントです。
①舐め癖が強い
四肢端を舐める症状もですが、前胸部をずっなめるという行動は非常にめずらしく、一般的な痒み行動ではありません。
②同じ部位を掻き続ける
背中ですが、広い範囲でみると一見皮膚病変はありませんが、1か所だけ掻き壊して真っ赤になっています。
このように「ピンポイント」で皮膚炎が起きつづけているのも心因性の特徴の1つです。
③痒み以外にも特徴的な行動が多い
これは診察室での表情や動き(行動)をよく観察すればかなりの確率で診断できます。
また日常の行動について飼主さまからお話をきくことで、同じく推測できます。
皮膚病治療だからといって、皮膚の診た目と検査で診断治療するのではなく、そのわんちゃんの「行動」をよく観察することが重要です。
こういった症例には感染症の除外のために積極的なスキンケアと、心因性へのアプローチが必要です。
もちろん当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に有効です。
適切な診断&治療とともに【医療にプラスのケア】痒みケアスターターセットをご使用いただければ非常に効果的です。
このタイプはスキンケア単独では絶対によくならないため、スキンケアECプラスとパーソナルケアPⅡ+が非常にお勧めです。
投稿者:
2019.03.01
柴犬のアトピー・アレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の症例は非常に多いですね。
キーワードは「柴犬」「痒い」「掻く」「舐める」「アポキルが効かない(ステロイドが効かない)」です。
今回の症例も「3年間綺麗になったことがない」「アポキル1日2回服用しても効果がない」「ステロイドも効果なし」という症例です。
以前にも紹介していますので、以前の記事も参考にしてください。
2019.11.23 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際
2019.12.23 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際②
【症例】
柴犬 約10歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇~5、6歳までは異常なし
〇3年前から続く皮膚病
〇アポキル(1日2回)効果なし、ステロイド効果なし
〇食事療法効果なし
〇掻き壊し防止のために洋服を着せている
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前胸部~上腕と上腕の拡大です。
続いて、右側面とその拡大です。
続いて、胸部です。
続いて腹部です。
それでは初診時からちょうど3か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
アポキルは一時的に併用しましたが、治療2ヵ月の時点で週1回以下までへり、3か月後の時点では「ずっとアポキルを服用していないけど、痒みはない」というレベルまで改善しました。
皮膚炎・フケ・脂漏・円形脱毛はすべて改善しました。
治療方針は初診時に決定してから軽度な変更すらなく、順調そのものでした。
わずかな予測違いとあげるとすれば膿皮症の治療経過です。
抗生物質を使わずとも自然のよくなるかと期待して「あえて抗生物質なし」で治療していましたが、最後の最後に内股のだけに湿疹が残ったためやむを得ず使いました。
それ以外は特に問題なしですね。
このタイプの皮膚病治療には投薬治療が必須です。
もちろん投薬治療だけでうまくいくわけではなく、脂漏症には当院が開発したスキンケア(オイル&シャンプー&保湿ジェル)が非常に相性がいいと思います。
またアトピー&脂漏症と膿皮症の体質改善のためにスキンケアECプラスが必須で、アポキルをここまで減らすことができたのは投薬治療以外にも免疫の改善(スキンケアECプラス)がとても役に立ったと思います。
このタイプの遺伝的体質の評価は確定できるため、当院の治療方針に沿っていれば2度と悪い状態に戻ることはありません。
膿皮症や脂漏症の改善に必要なスキンケア・サプリメントは当院のオンラインショップでお求めいただけます。
投稿者:
2019.02.06
犬の皮膚病でも最も多い細菌性皮膚炎「膿皮症」の根本的な治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
よく「膿皮症の原因って何ですか?」と聞かれますが、そのときはこう答えています。
「人の風邪のようなもので、生物学的な免疫の弱点からくる病気です」
人で最も多い病気とえ言えば「風邪」だと思うのですが、風邪は治しても「2度とならない」ということはない病気ですよね。
逆に犬で風邪があるか?というと、個人的な意見としては「犬に風邪はない」と考えています。
では人は風邪をひくのに、犬に風邪がない理由は・・・?
それは免疫だと思っています。
人は呼吸器の免疫が弱く、犬は呼吸器の免疫が強いというだけです。
でも代わりに犬は皮膚免疫が弱いのでしょうね。
人の「風邪」と同じように絶対に根絶されることのない病気が「犬の膿皮症」と思っています。
そのため体質によっては治しても治しても再発するのだと思います。
今回はそんな「繰り返す(治らない)膿皮症の根本的な治療に成功した症例」です。
【症例】
ミニチュアシュナウザー 女の子
【経過】
〇内股の湿疹が治らず繰り返される
それでは初診時の状態です。
それでは治療後の状態と比較してみましょう。
綺麗に改善しました。
今回の症例では初診時に7日間の抗生物質を処方しましたが、初診時に行った細菌培養感受性検査(どの抗生物質が効くか調べる検査)で耐性菌という結果がでて、処方した抗生物質が無効であったことがわかりました。
こういった場合は再診時(2回目診察日)に感受性(効果)のある抗生物質に変更して処方しなおすプランが定法ですが、あえて抗生物質を使わない方法へと切り替え「スキンケア&サプリメント」だけで治療することにしました。
もちろんスキンケア&サプリメントはもちろん当院のMedicareシリーズとスキンケアECプラスです。
こういったタイプにはスキンケアECプラスが非常に効果的です。
以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.02.05
フレンチブルドッグに多いアトピー・アレルギー・膿皮症・手舐めなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は難治性になりやすいですね。
当院でも受診数の上位犬種に入ってきますので、体質として「現代の皮膚科医療アプローチ」と「フレンチの遺伝的体質」に大きなギャップがあると考えています。
参考までに「ギャップがある」というのはどういうことかというと、「今どきの医療ではフレンチを治せない」という意味です。
逆に「ギャップがない」というのは「検査したら答えが分かる」という意味です。
すわなち
「フレンチの皮膚病の治療法は検査ではわからない」
ということです。
今日紹介する症例はそんな「異常値が一切でないザ・体質からくる典型的な皮膚病をたくさん抱えたフレンチブルドッグ」です。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳 男の子
【経過】
〇2歳のときから皮膚炎、背中の湿疹・外耳炎・手舐め&足舐め
〇過去の治療はアポキル、抗生物質、ステロイド、外用薬
〇背中をカットしたら生えてこなくなった
それでは初診時の状態です。
続いて、背中とその拡大です。
続いて、側面とその拡大です。
続いて、左耳です。
続いて、足裏です。
それでは治療後とひかくしてみましょう。
非常に綺麗になりましたね。
今回の皮膚治療は合計2年超に及びました。
純粋に2年かけてよくなったというわけではありません。
折角なので順番に解説していきます。
①毛が生えない
シンプルに「ステロイドの副作用」です。
外用薬や内服薬によっておきたものなので、ステロイドを使わないことで改善が期待できます。
ただ考えなければいけないことがあります。
「(以前の病院で)なぜステロイドが処方され続けていたのか?」
ここからは推測ですが、ステロイドを使うからには「炎症」があったのだと思います。
このわんちゃんでどんな炎症があったのか?
背中にはブツブツ(フケ&脱毛)タイプの湿疹(おそらく膿皮症)があったのだと思います。
手先・足先にはアトピー&心因性の皮膚炎がずっとあったのだと思われます。
これらの皮膚炎のコントロールのためにステロイドを使ったと推測されますので、ある程度改善したあとに起こりえることを想定しなければいけません。
②背中の湿疹
それは「背中の膿皮症の再発」と「手先・足先の皮膚炎の再発」です。
もちろん初診時に想定できますので、「毛が再生してきたら背中に膿皮症がでやすくなるかと思います。そのときには新しいアプローチが必要です
と伝えておきました。
※初診時に背中の膿皮症がなかったのは、幸か不幸かステロイドの副作用により毛がなく蒸れにくくシャンプーもしやすく細菌が増えにくい状態だったのが膿皮症をでにくくさせていたと思われます。
実際、治療から4~6カ月で背中の毛並みが再生してきたのですが、やはり湿疹(膿皮症)がでるようになってきました。
飼主さまも「この湿疹が昔からずっとあったもの」とおっしゃっていました。
もちろんこの膿皮症がでることも想定の範囲内なので、準備していたアプローチを併用します。
もちろん当院が開発したサプリメント、「スキンケアECプラス」です。
基礎疾患がない、食事の選択に間違いがなく、スキンケアも適切であれば、かなりの割合で改善が見込めるサプリメントです。
もう2年継続していただいていますが、膿皮症のトラブルはかなり少なくなりました。
③耳の脱毛
これも多いトラブルですが、耳介辺縁の脱毛です。
正常であればしっかりと密な毛が生えているのがフレンチブルドッグですが、皮膚トラブルが多いと耳の毛が抜け落ちやすくなります。
これにも原因と対策があるので、体質に合う治療法を取れば写真のようにきれいな毛並みに戻ります。
問題は検査で原因がわかるわけではないので、「体質に合った」という答えが導き出しにくいことでしょうか。
これはステロイドをやめても、膿皮症を治療しても治りませんので、特別なアプローチが非常に有効です。
④手舐め・足舐め
これもフレンチに非常に多いですね。
痒みを抑えるアトピー治療薬「アポキル」で改善すればいいのですが、この症例ではほぼ効果なしでした。
もちろん想定外ではないので、心因性のアプローチにシフトしていきます。
心因性のアプローチといってもどの成分を、どの程度服用させれば改善するか調整が難しいため、改善を導き出すために相当な変更を繰り返しました。
「正解」にたどり着くまでは改善が認められないため、飼主さまには治療方針への理解と協力が不可欠です。
結果がでるまで長くお付き合いしていだき本当に感謝です。
症状に対するアプローチを紹介しましたが、検査結果はどうだったか?というと特筆すべき異常値は何も認められませんでした。
検査でわかるものはほぼなし、ということです。
フレンチブルドッグの皮膚病治療が難しいのはこういった、「検査で答え(治療・薬)が分からない」ということだと思います。
今回紹介したスキンケアECプラスは、以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な診断、適切な投薬治療、適切な食事療法、適切なスキンケアがあれば非常にお勧めできるサプリメントです。
投稿者:
2018.11.29
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの症例です。
【症例】
トイプードル 6歳3ヶ月 男の子(去勢手術済)
【経過】
○2歳頃から痒み、年々悪化
○季節性はほぼ無し
○エリザベスカラー着用(外すと掻く、噛む)
○食事療法を行ったが改善しなかった
○ステロイド、アポキルを数年飲み続けているが改善しなかった
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
頚部です。
前胸部です。
腹部~内股です。
右前肢の付け根です。
胴体です。
左側面です。
左大腿部です。
それでは、初診時から約3週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
全体的に毛が濃くなり、フケは無くなりました。
痒みも減り、掻くことも無くなったので、このままエリザベスカラーが外せるよう
頑張っていきたいと思います。
【症例報告制作者】 看護士 長尾
症例のその後 2018年12月15日 アポキルが効かない脂漏症②
※エリザベスカラーを完全に外すことができ、脂漏・痒みを完全に抑えることができました。
・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
このタイプも「アポキルが効かない」の典型症例の1つで、トイプードルではよく診ます。
今の皮膚科の問題点がつまったような症例で、「アポキルが効きにくい」「食事療法が間違っている」「心因性が見落とされている」「スキンケアが不十分」というのが初診時にわかるタイプです。
4点すべてが「検査ではわからない(答えがみつけられない)」という抽象的なポイントなのが難治性になる理由ですね。
ただ当院では初診時からこのタイプに即効性のある治療プランを提供できるため、短時間で改善させることができます。
次回、カラーを外して問題ない状態を紹介できると思います。
投稿者:
2018.11.16
こんにちは。四季の森どうぶつクリニックです。
今回はシーズーの症例報告です。
【症例】
シーズー 8歳4か月 男の子(去勢手術済)
【経過】
○5歳頃から痒みや赤みが出始め、この1~2年で悪化
○季節性はなく、冬も症状がある
○過去に抗生剤を使用したが、あまり効果が感じられなかった
○痒み止めも効果がなかった
○手先や内股をよく舐める
○エリザベスカラーをつけている
それでは初診の状態です。
まずは顔の正面です。
頚部です。
両脇です。
左脇です。
腹部です。
左後肢です。
それでは、初診時とその約8週間後の状態を比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
実は初診時から4週間でほぼ綺麗になったのですが、撮影を忘れており比較写真が8週間になっています。
肝心の皮膚の状態は著しい改善をみとめ、エリザベスカラーも外すことができました。
このような症例には積極的な投薬治療がこれだけ早い治療結果を出すポイントになりますが、当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に重要です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
アトピー・痒み疾患に対する新薬アポキルの登場により、今の「痒みを伴う皮膚病」にはアポキル一辺倒になりつつあります。
しかし「痒い=アポキルが効く」ではなく、むしろアポキル以外の方が治療成績が高いこともあります。
そのため、これからの皮膚科で重要なことは、
①その症例にアポキルがどこまで効くのか?
②アポキル以外に効く治療法があるのか?
③アポキルが効かない痒みがないか?
だと思っています。
今回の症例はそこの3つのことが重要になっていることを証明するような症例で、
①アポキルでは不十分
②アポキルよりも効く治療薬がある
③アポキルが効かない痒みがあるため
と判断し、あえてアポキルを使わず治療しています。
ただアポキルがまったく効かないわけではないため、今後はアポキルに切り替える余地はあると思います。
たらればの話になりますが、もし最初からアポキル単独であれば・・・これだけ早い治療結果はでなかったと思います。
投稿者:
2018.11.16
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 9歳3ヶ月 男の子(去勢手術未)
【経過】
〇生後3か月頃からアレルギー
〇季節性あり、春と秋がひどい
〇体中に円形脱毛がある
〇食事療法・抗生物質の投与を行ったが改善しなかった
〇大腿部、指間を舐める
〇顔をこする、耳を掻く
〇専門病院での治療歴あり
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
左耳の後ろ側です。
首~前胸部です。
前肢の指間です。
右後肢です。
左大腿部です。
それでは、初診時から約8週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
重度&慢性であったため、毛が再生しない部位もありますが、体中にあった湿疹はほぼ消失しました。
前胸部や指間の赤みも引き、エリザベスカラーを外すことができました。
このような症例には投薬治療が必須ですが、治療成績の向上や再発予防には当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
すでに専門医の継続治療を受けており、膿皮症の診断と「抗生物質+アポキル」という処方が変更になることはありません。
問題は、
①よくある膿皮症とどう違うのか?
②膿皮症になる理由がどこにあるのか?
③「抗生物質+アポキル」以外に必要な治療はなにか?
だと思います。
そのため治療の最大のポイントは、初診時にこの3点に対する回答(治療方針)をイメージできるか?です。
投稿者:
2018.10.26
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、バーニーズ・マウンテン・ドッグの症例です。
【症例】
バーニーズマウンテンドッグ 9歳9ヶ月 男の子(去勢手術済)
【経過】
〇眼、耳、口唇、四肢端の痒み
〇2年前からアポキル毎日服用しているかが、痒みが改善しない
〇季節性無し、年中悪い
〇エリザベスカラー使用
〇カラーが無いと出血するほど掻く
〇食事療法を行ったが改善しなかった
それでは、初診時の状態です。
まずは体の正面です。
右耳です。
右目です。
口唇(左側)とその拡大です。
足裏です。
それでは、初診時から約7週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
眼の周囲の赤みは無くなり、口唇と足裏もほぼ改善しました。
特に顎下は毛が生えてきたのが分かります。
掻き壊したり、手をなめすぎることもなくなったのでエリザベスカラーも外すことができました。
このような症例には当院が開発したスキンケア&サプリメントを併用すると治療成績が向上できます。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
【症例報告制作者】 看護士 長尾
・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
アポキルを毎日服用しているにも関わらず痒みが強く、エリザベスカラーを外すことができないという状態はかなり重症度が高く、今の皮膚科の治療限界ラインとも言えます。
今回の症例にはアポキル1日1回を継続処方とし、その他の治療を見直しました。
・心因性治療
・スキンケアECプラス
・食事療法
・外用療法(スキンケア含む)
すべて効果があったと思うのですが、4つそろうことに意味があり、一つなければこれだけの治療成績は達成できなかったと思います。
そのためポイントは「アポキルが効かないわけではない。アポキル以外の必要な治療をすべて、かつ同時に揃えることができればアポキルは効く」ですね。
投稿者: