2017.10.07
チワワのアトピーや脂漏症の皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門病院、四季の森どうぶつクリニックです。
チワワに起きやすい皮膚病といえば、アトピー、脂漏性皮膚炎、心因性皮膚病などがありますが、もう一つ大事な皮膚疾患があります。
それが脱毛症、珍しい皮膚病ではなく、かなりの症例数がいます。
当初は症状がなく生後数ヶ月から徐々に薄くなるため、飼主さま自身も異常に気づかないことが多く、相当数が見過ごされているのが現状です。
今日紹介するのは先日のチワワの脱毛症に続き、同じ脱毛症のわんちゃんです。
【症例】
チワワ 2歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇仔犬購入時から眉間に小さい円形脱毛があった。その円形脱毛が拡大していき初診時の状態に至る。
〇額は一部被毛再生のあるところもある。
〇耳介がガサガサしていて脱毛がみられる。
〇痒みはない。
〇過去の投薬歴:初診時の2ヵ月前から内服(カビのお薬)をスタートしている。
まずは全体からみていきましょう。
続いて、顔の右側。
続いて、右耳の耳介。
続いて、左耳の耳介。
続いて、後頭部。
続いて、頚部。
続いて、胸部。
それでは、この初診時から3ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると拡大してみることができます。
頭部はまったく問題ないレベルまで改善しました。
頚部も初診時では地肌がみえるじょうたいでしたが、かなりフサフサの状態になってきました。
胸部はわかりにくいかもしれませんが、ほとんど無かった部位にも毛の再生がみとめられました。
写真にはありませんが、尾も太くなった(毛がふえた)ということです。
今回は頭部の脱毛症と、頚部・胸の脱毛症の原因がことなります。
また耳も少しだけ病態が異なります。
治療という側面ではある程度かぶるのですが、それぞれ「なぜ脱毛しているのか?」を把握していなければ綺麗な治療はできません。
初診時にゴールまでの軌跡を描いて治療プランを立てる必要があります。
今回の症例でも初診時に各部位での脱毛の原因を示し、予測どおりの治療結果をだすことができました。
四季の森どうぶつクリニック
平川
投稿者:
2017.10.06
チワワの痒み・脱毛疾患の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院は主に「痒みを伴う」で皮膚病をみていますが、皮膚つながりで「脱毛」に関する疾患にもよく遭遇します。
今回紹介する症例は、「痒みを伴わない脱毛疾患」として来院されています。
【症例】
チワワ 1歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇生後半年くらいから眉間に脱毛がみられた。
〇ここ2~3か月耳介の裏三分の一エリアが脱毛。
〇被毛が全体的に薄くなった。
〇フケの量が増加。
それでは、全体からみていきましょう。
続いて、左耳。
続いて、頸部。
続いて、体の右側。
それでは、初診時から3ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると拡大してみることができます。
かなり綺麗に再生しました。
飼主さまにも「フワフワ&フサフサ」とよろこんでいただけました。
この手のタイプも典型的な所見がならんでいるため、診断は一瞬です。
いくつの検査をして絞り込みますが、初診時にほぼ確定しています。
チワワの薄毛、脱毛、皮膚病でお困りの方は当院までご相談ください。
投稿者:
2016.10.02
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
看護師の協力を得れるようになってから症例報告が随分と楽になっています♪
今回は今まで掲載しなかったような症例も紹介しようと思います。
症例はチワワちゃん、耳の脱毛です。
元々通院されていたわんちゃんなので、初診ではありませんが「トラブルに気づいた最初の診察のとき」を紹介します。
特徴は耳の脱毛、特に辺縁でフケを伴って束になって抜け落ちます。
めずらしい皮膚病ではなく、結構よくあります。
診たことない先生はいないと思います。
進行すると激しい症状がでることもあるのですが、多くのわんちゃんで無症状ですし、「これが原因!」と特定することも困難なため、個人的には「攻め込みにくい皮膚病の一つ」でした・・・(苦笑)
長年しっくりくる「上手な治し方」を掴みきれていなかったのですが、最近は発症の原因を推測できるようになったり、治療成績も随分と高くなりなんとなく掴めた気がしています。
では、治療後と比較してみましょう。
おおよそ2~3ヶ月で改善が認められます。
最近治療したわんちゃんはみな予測どおりに改善したので、知り合いの先生にもコツを伝えてみました。
投稿者:
2016.08.29
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
夜は随分と涼しくなりましたね♪
先日のブログで「チワワの皮膚病治療の進め方(初診時)」を掲載しました。
本日はその続きです。
改めて全体像を紹介します。
治療は2つに分かれます。
まず1つめは「痒みのコントロール」です。
9日後の状態と比較しましょう。
最もひどかった首の傷をみていただきたいと思います。
治療前の痒みレベルを10として、9日後は「4」まで改善しました。
傷も消失しました。
しかしまだ全体的に皮膚・毛並みで正常になったという感じはありませんね(まだ9日ですから)。
もう一押し、痒みの治療に集中していきます。
その後次の治療ステップに入ります。
そこから2~3ヶ月できっと変わると予測しています。
投稿者:
2016.08.21
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
お盆休みも終わり、夏も終盤ですがまだまだ暑い時期が続いていますね。
今日は昨日初診で来院されたチワワの皮膚病を紹介します。
【症例】
チワワ 約3歳 女の子(未避妊)
【病歴】
〇2年前の保護引取り時から継続する慢性皮膚病
〇通年性の痒み
〇ステロイドで痒みの改善があるが、服用をやめると痒みがぶり返す
初診時の状態です。
慢性的な痒みを伴う皮膚病で、フケ・皮脂が多く、独特の臭いもあるため、パッと見た目で「チワワの慢性皮膚炎のよくあるパターン」に見えます。
きっとその判定で間違いないと思うのですが、このわんちゃんには「チワワによくある皮膚炎」意外にもう一つ隠れた基礎疾患があると予測しています。
アトピー、アレルギー系の治療やスキンケアだけでは改善しない基礎疾患です。
初診時の診極めで重要なのはそこまで想定してこの後の治療方針を立てることだと思います。
まずは1ヶ月で痒みの改善を、そしてそのあと3ヶ月で毛並みの改善を目指します。
投稿者:
2014.09.13
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。
今年の上半期は移転準備を理由に症例報告に手をつけていなかったのですが、最近気持ちを切り替えて取り組むようになり、少しばかり自分にスイッチが入ったような気がします。
何でも治せます!なんていえませんが、美しくアグレッシブに攻める診療をお魅せできればと思います。
今回もチワワですが、前回の症例報告でチワワにはいくつかパターンがあるというお話しをしました。
「脱毛」、「アレルギー」、そして「脂漏」です。
脂漏にも大きく2パターンあるのですが、そのうちの1つを紹介します。
【症例】
チワワ 7歳 男の子
【経過】
〇3年前から皮膚病、1年通して発症している。
〇季節性があり夏が最も悪い
〇過去に抗生物質、シャンプーを処方されたが改善なし
初診時の状態をみてみましょう。
まずは頚部から。
同じく頚部の拡大です。
続いて、頚部のやや下の全胸部~前肢です。
続いて右前腕とその拡大。
続いて、左前腕とその拡大です。
続いて、腹部。
続いて、右内股と膝部分の拡大です。
この初診時から6週間後の状態と比較しています(治療は5週間です)。
それぞれ画像をクリックすると拡大してみることができます。
まずは頚部と、その拡大です。
続いて、前胸部~前肢。
続いて、右前肢とその拡大。
続いて、左前肢。
初診時と角度が若干かわっていますが、内股です。
※後肢の拡大がありませんが、治療後の撮影を忘れてしまいました。しかし同様に改善しています。
スキンケアのため部分的に被毛をカットしているため短くなっていますが、皮膚のコンディションが正常に戻っているのがわかると思います。
このタイプは初診時に治療の方向性を明確にすることが可能であり、この最速の治療結果にはスキンケアが最も重要です。
投稿者:
2014.09.06
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。
先日「秋になりました♪」と書いたばかりですが、また夏に戻ってしまったような暑さです。
そして相変わらず急な雨・・・日本は亜熱帯になってしまったのでしょうか。
さて、久しぶりに症例報告です。
今回は少ないようで、意外と皮膚疾患の多いチワワの症例です。
【症例】
チワワ 1歳6ヶ月 男の子(去勢済み)
【経過】
☆飼い始めた当初から全体的に被毛が少なかった
☆成犬になっても増えず、徐々に少なくこの1ヶ月で首の地肌が見えるまで脱毛が進んだ
それでは初診時の状態です。
一見普通のチワワちゃんで、皮膚病にみえないようにも感じますが、
まずは頚部をみてみましょう。
つづいて、同じ頚部の毛が薄い部位の拡大です。
続いて、胸部(あおむけ)です。
同じチワワちゃんを飼っている方でないとわかりにくいかもしれませんね。
それでは治療後の比較です。
このように比較するとよくわかると思います。
普段「痒みを伴う皮膚疾患」を中心に症例報告しておりますが、「痒みを伴わない脱毛症」を診ていないわけではありません。
ただ当院の症例報告に脱毛症の治療成績の掲載が少ないことには理由がございまして、
①痒みを伴わない脱毛症は診断名をつけることが難しい
②現在の医療ではまだまだ治療が追いついていないところもある
ということで、積極的に掲載しないようにしています。
ただ、今回はお電話いただいた時点で「〇〇〇〇脱毛かな?」と予測でき、診断名も当初の予測どおりしっかりつけることができ、なにより治療結果が想定通りだったため掲載しました。
ですが痒みを伴わない脱毛症は非常に奥が深く、まだまだ医療が追いついていない影響もあり、診断がついたからといって高い確率で改善するわけではありません。
ポメラニアンの「アロペシアX」という脱毛症を含め、特に若齢で発症する脱毛は難しい場合がありますね。
次はプードルの脱毛症の症例報告を予定しています。
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