ミニチュアピンシャー

【ミニピンの皮膚科専門外来】初診時の診極め(14日後の改善)

2018.02.16

ミニチュアピンシャーのアトピー・アレルギー性皮膚炎などの痒みを伴う難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

先週2月8日にブログで紹介した「初診で受診したばかりのミニチュアピンシャーの症例」の2回目の診察が本日ありました。

 2月8日更新  【ミニピンの皮膚科専門外来】初診時の3つの診極め

【症例】

 ミニチュアピンシャー 3歳 男の子(去勢済み)

【経過】

 〇1才から続く皮膚病

 〇今までの治療で十分に改善したことはない

 〇季節性はなく、1年通した皮膚病

 〇目、頚部、わき、足裏、耳の痒み

初診から14日後の状態です。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

元々の痒みを10として、3まで改善したそうです。

見た目の皮膚状態も随分と綺麗になりました。

初診時に行った血液検査は予測どおりの検査結果でした。

本日2回目の再診では初診時の検査をみて行う予定にしていた検査を実施しました。

結果がすべて出揃うのは今から約2週間後だと思います。

ということは????

「検査結果が出揃わなくても改善方法を決定させることは可能」

ということです。

もちろんさまざまな検査しないとわからないことも多々ありますが、検査結果をみなくても(=診断名をくだせなくても)「改善させる方法」は誤差レベルの修正範囲内で決定することができるのです。

ただ、痒みの改善ができたとして皮膚科診療がそれで終わりかといえば異なります。

「なぜ皮膚病になるのか?」「なぜ皮膚病が治りにくいのか?」

というレベルで診断(原因追求)&治療をするのも仕事の一つです。

今回とても改善したようにみえるかもしれませんが、この症例はこの先まだまだよくなります。

3~6ヶ月と、やや時間がかかるかもしれませんが、また機会があれば紹介する予定です。

もちろん今回の診断も診た一瞬で、悩む要素はありませんでした。

ミニチュアピンシャーの遺伝的体質をよく把握し、ミニチュアピンシャーの正常を十分に熟知しておけば検査の前に一寸の狂いなく診断することが可能です。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【ミニピンの皮膚科専門外来】初診時の3つの診極め

2018.02.08

ミニチュアピンシャーのアトピー・アレルギー・膿皮症治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

前回に引き続いて、ミニチュアピンシャーの皮膚病治療の実際をご紹介します。

前回でもお話したように、ミニチュアピンシャーの皮膚病はかなり典型的な形を示します。

要するに、「ミニチュアピンシャーの皮膚病ってこんな感じだよね」というものです。

主に2パターンあるのですが、1つは膿皮症で複数の円形(虫食い)脱毛タイプ、もう一つは目・口・四肢端の痒みで「アトピー?アレルギー?」という雰囲気のタイプです。

ただこの2つの診断しかないわけではない、今日はそんな症例報告です。

【症例】

  ミニチュアピンシャー 去勢雄 3歳

【経過】

 〇1歳の頃から季節関係なく痒み

 〇以前は背中に脱毛、湿疹があったが今はない

 〇今は頚部、目、四肢端、わきが痒い

 〇お腹は問題ない

それでは初診時の状態です。

続いて、頚部とその拡大です。

続いて右腕~先端です。

続いて、左腕~先端です。

続いて、わきと胸部、その拡大です。

続いて、腹部~内股です。

※今回は1週間ほどまえに初診を迎えたわんちゃんですので、治療後の写真はまだありません。

さて、この初診の状態をどう評価するのか?が最大のポイントです。

考えるべきことは3つあります。

1つは、「アトピー疑い」で皮膚炎・痒みに対する直接的な投薬治療が必要です。

おそらくアポキルが効くかゆみ部分があるため、ファーストチョイスはアポキルでいいと思います。

問題はアポキルだけでこの痒みを抑えられるのか?というところですね。

やってみないとわからないところもありますが、おそらくアポキル単独では痒みのコントロールはできないと思われます。

そこで2つめ、さらに必要なのが「心因性」に対する治療です。

初診時の時点で「心因性を強く疑う」という所見が認められます。

そして3つめ、これはミニピンをよくみている人でなければ気づかないところです。

飼主さまの主訴にはありませんでしたが、僕の質問ではその点に気づいているようでした。

やはり病気を知る前にミニピンの正常をいかに目にやきつけておくか、それが皮膚病の診断に非常に重要だと思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【皮膚科専門外来】ミニピンの湿疹・フケ・毛並みの異常

2017.02.26

湿疹や脱毛だけでなく、フケ・毛並みといった些細な皮膚トラブルの治療にも力をいれている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

今日はミニチュア・ピンシャーを紹介します。

動物病院を受診するミニチュア・ピンシャーの皮膚トラブルといえば、「痒みを伴うアトピー性皮膚炎」が最も多いかと思います。

しかしミニチュア・ピンシャーにはもう一つ特徴的な皮膚トラブルを抱えています。

しかしこの皮膚トラブルが適正に診断されていることは極めて稀です。

当院も5年前まではまったくアプローチできていませんでした。

しかし今は違います。

初診時、診た瞬間に判断できるようになりました。

今日はそんな症例です。

【症例】

トイマンチェスターテリア    4歳2ヶ月  女の子(避妊済み)

【症歴】

 〇2年前からフケが多い

 〇同じくして虫食いのような小さな脱毛が繰り返しおきる

それでは初診時の状態をみてみましょう。

続いて、頚部です。

続いて、身体側面。

胸部側面のフケの状態です。

続いて、胸部です。

続いて、腰~大腿部の右側面です。

続いて、腰背部のフケの状態です。

同じく腰背の拡大です。
※ピントが若干ずれています。

ミニチュアピンシャーでは非常に多いタイプの皮膚コンディションですね。

見た目の重症度でいうとかなり軽いため、ミニチュアピンシャーを飼育されていない方であれば「乾燥肌?」程度にしかみえないかもしれませんが、立派な皮膚トラブルです。

動物病院の獣医師からみると、「ミニチュアピンシャーではよく診る」というタイプかと思います。

それでは8週間後の状態を比較してみましょう。

※頚部、変化が乏しいようにみえるかもしれませんが、被毛が随分と増えています。

※黄色の点線のエリアで被毛が増えています。

※一過性の下痢があった直後のためやせているのですが、治療上のものではありません。

治療の改善としてみるべきものは、

・フケがなくなった

・虫食い脱毛・湿疹がなくなった

・毛並みがよくなり、被毛が増えた

・タン(顔の柄)が綺麗にでるようになった

です。

表面上の診断名は「膿皮症」なのですが、問題は「なぜ膿皮症になるのか?なぜ繰り返し起きているのか?」ですね。

膿皮症を治すために抗生物質を使うことは間違いではありませんが、抗生物質では「膿皮症になる原因」を治療することはできません。

「抗生物質を服用するとよくなるが、やめると再発する」が起きてしまいます。

またこのタイプのフケを「乾燥肌、ミニチュアピンシャーに多い体質」と片付けてはいけません。

スキンケアとサプリメントだけで治るタイプではありませんが、スキンケアは非常に重要だと思います。

またこのタイプは初診時での診極めが可能なタイプの一つですので、メールと写真で継続治療を遠隔診療でも十分に対応が可能だと思います。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の皮膚科専門外来】ミニチュアピンシャーの皮膚病 

2014.01.25

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。

今日はミニチュアピンシャーの皮膚病治療について紹介します。
ミニチュアピンシャーの飼育頭数はそう多い方ではありませんが、やはり皮膚病の発症が多い犬種の1つだと思います。
そしてピンシャー系が持つ独特の遺伝体質の影響か、比較的同じような病態・症状を示す症例が多い傾向にあります。

【症例】

 ミニチュアピンシャー 約9歳 女の子

【病歴】
 〇生後2歳の頃から痒みを伴う皮膚病
 〇口唇、目、鼻、四肢端・・・
 〇皮膚科の動物病院で漢方療法を1年間継続したが、下痢・血便がひどく、皮膚は改善なく「オーナーとの関係による精神的なもの」などと診断
 〇現在は漢方とは別の病院にて免疫抑制剤による治療

それでは初診時の状態を見てみましょう。

まずは顔からです。

続いて、前胸部~胸部です。

続いて、四肢端です。

四肢端ですが、全肢に同様の病変部があるため右前肢のみを掲載しています。

続いて、腹部~大腿部です。

初診時から2ヶ月半後です。


※画像をクリックすると拡大します。


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※画像がクリックすると拡大します。

続いて、前胸部です。


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続いて、右前肢です。


※画像をクリックすると拡大します。


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※画像をクリックすると拡大します。

最後に腹部~大腿部です。


※画像をクリックすると拡大します。

非常に綺麗になっていますね。

痒みが常にゼロというわけではありませんが、気にならないレベルまで落ち着いている状態です。

以前の病院で痒みが「オーナーとの関係による精神的なもの」と診断されたことについて、確かに精神的な要因が痒みにつながることもありますが、今回の症例について個人的な意見としては「精神的な要因は関係なし」と考えています。またこういった症例の場合はステロイドを積極的に使用していく方がコントロールしやすいことが多いので、飼主さまにその理由を十分に説明した上で使うことがいいと考えています。

現在初診時から1年以上経過しましたが、今でもほぼ綺麗な状態を維持できています。またステロイドによる皮膚への副作用、ホルモンや肝臓に対する副作用は認められていません。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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