2019.05.23
犬の湿疹・膿皮症治療や再発予防に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
暑くなってきたため、これからの季節は湿疹・膿皮症が悪化しやすい季節ですね。
湿疹・膿皮症の治療と言えば「抗生物質」ですが、いくつか問題があります。
1つは「再発」、2つは「効果がでない」という問題です。
再発については「抗生物質を服用すると治るが、服用を止めると再発する」ということです。
効果がでないについては、内分泌疾患の見落し・食事が合わないなどの問題もありますが、耐性菌(抗生物質に抵抗力をもつ菌)によるものもが大きな原因です。
ではこういった問題に当院ではどのようにアプローチしているのか、ご紹介します。
【症例】
トイプードル
【経過】
〇背中の湿疹が治らない
〇消えては新しいのができるの繰り返し
それでは初診時の状態です。
湿疹が多いのは背中です。
それでは治療から3か月後の状態です。
抗生物質を使っていないにも関わらず、ずっと再発をゼロにしています。
この治療後の再発をゼロにする方法の1つのアプローチが「スキンケアECプラス」です。
サプリメントですが、膿皮症の改善に非常に相性がいいです。
内分泌疾患の見落しや、食事が体質に合っていないという2点をしっかり除外できていれば、かなりの効果が期待できます。
当院の「治療成績に差がでるサプリメント」ですが、当院オンラインショップからご購入できます。
Medicareシリーズのスキンケア商品(オイル・シャンプー・ローション・ジェル)とともにご使用ください。
手先・足先・顔などのアトピー・痒みがなく、湿疹タイプであれば「膿皮症ケアセット」がお勧めです。
投稿者:
2019.04.25
アポキル・ステロイドといった痒み止めのお薬が効かない舐める・掻くといった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
トイプードルはアトピー、脂漏症、ホルモン異常の他にも心因性の皮膚トラブルが多いなど、かなり難治性になる場合があります。
今回は一見重度ではないのですが、特徴的な皮膚病で同じような症状のわんちゃんの飼主さまには知ってほしいことなので紹介します。
【症例】
トイプードル 4歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇生後4歳(約半年前)にブリーダーから譲渡
〇引き取ってこの半年ずっと皮膚トラブルがある
〇痒みは「前胸を舐める」「陰部を舐める」「背中を真っ赤になるまで掻く」「顔をこする」「前肢端を舐める」
それでは初診時の状態を紹介します。
続いて、頚部~前胸部です。
続いて、左前腕の屈曲部位です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、この胸の部位の毛をカットした後の状態です。
続いて、背中と皮膚炎の局所拡大です。
背中全体をみると一見なにもないようにみえますが、たった1か所だけ非常に炎症の強い部位があります。
この半年間、背中ではこの1か所だけをずっと掻いているそうです。
背中の他の部位にこの赤み、ないし痒みがでたことはないそうです。
初診時から2週間後の状態です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
舐め癖がつよく、真っ赤&脱毛していた部位ですが、舐めるのがとまったため、赤みもなくなり発毛しています。
左前腕の内側(屈曲部)ですが、同じく舐め動作がなくなったので皮膚炎が消失しました。
この部位には部分的に「感染」があり、心因性である舐め癖と感染の炎症の2種類が混在しています。
舐める・掻くといった症状はほぼゼロになりました。
写真は掲載していませんが、背中の皮膚炎&痒みもゼロになりました。
今回の症例のポイントです。
①舐め癖が強い
四肢端を舐める症状もですが、前胸部をずっなめるという行動は非常にめずらしく、一般的な痒み行動ではありません。
②同じ部位を掻き続ける
背中ですが、広い範囲でみると一見皮膚病変はありませんが、1か所だけ掻き壊して真っ赤になっています。
このように「ピンポイント」で皮膚炎が起きつづけているのも心因性の特徴の1つです。
③痒み以外にも特徴的な行動が多い
これは診察室での表情や動き(行動)をよく観察すればかなりの確率で診断できます。
また日常の行動について飼主さまからお話をきくことで、同じく推測できます。
皮膚病治療だからといって、皮膚の診た目と検査で診断治療するのではなく、そのわんちゃんの「行動」をよく観察することが重要です。
こういった症例には感染症の除外のために積極的なスキンケアと、心因性へのアプローチが必要です。
もちろん当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に有効です。
適切な診断&治療とともに【医療にプラスのケア】痒みケアスターターセットをご使用いただければ非常に効果的です。
このタイプはスキンケア単独では絶対によくならないため、スキンケアECプラスとパーソナルケアPⅡ+が非常にお勧めです。
投稿者:
2018.06.05
トイプードルに多くみられるアロペシアX(毛周期停止)、アトピー・アレルギー、癖やストレスなど精神的な要因を含ん心因性の痒い皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
トイプードルは皮膚病が多いわけではないと思うのですが、トイプードルがゆえの遺伝的体質から難治性の皮膚病になってしまうことがあります。
「難治性」と一言にいっても色々とあるのですが、本当の意味で治りが悪いことはほとんどありません。
多くは典型的な体質のため、1つずつ的確なアプローチをしていくと非常に綺麗に改善します。
「よくならない」ということで当院を受診する飼主さまから過去の治療歴を伺うと、このアプローチで躓く「陥りやすいポイント」が見えてきます。
〇アポキル
アポキルを使って痒みが止まらないと次の選択肢がない
〇抗生物質
抗生物質で改善が認められないときに「ずっと同じものを服用し続ける」「効かないため抗生物質を処方しない」「抗生物質を変更しつづける」
〇食事療法
食物アレルギーを疑い魚、ポテト、動物性蛋白なし、アミノ酸系・・・・色々試す
こういった点は陥りがちなポイントで、迷走する原因になります。
アポキルが効かないときはアポキルが効く痒みとは異なる痒み原因へのアプローチを考えるとうまくいきます。
抗生物質が効かないときは「抗生物質が効く病変なのか再検討」「抗生物質が効くのか検査」「そもそも菌が増える理由はどこにあるのか?」を考えていくとうまくいきます。
食事療法は「そもそも食物アレルギーなのか?」から考えていく必要があります。
要するに皮膚病が治らない原因は1つではなく複数、同時にすべてへのアプローチがそろわないと改善しないこともあります。
今回紹介する症例は、そんなわずかなズレの積み重ねでよって難治性になっていた症例です。
【症例】
トイプードル 4歳半 男の子
【経過】
〇4ヶ月前から皮膚トラブル(痒み&脱毛)
〇手舐め、足舐め、口唇をかく、繰り返す背中の湿疹
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔の正面。
続いて、口唇(左)です。
続いて、右側。
続いて、頚部です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部です。
続いて、背中とその拡大です。
続いて、側面とその拡大です。
初診時から約3ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗に改善しました。
改善点①毛並み
全体的に薄毛でしたが、フワフワの状態にもどっています。
トイプードルの薄毛ではアロペシアX(毛周期停止)か、その他のホルモン異常かいくつかありますので各種検査が必要です。
時に難しい判断になる検査結果となり悩むことはありますが、それなりのアプローチ方法がありますので改善の余地は高いと考えています。
改善点②湿疹
特に薄毛の部分(胴体)に全体的に認められた湿疹(膿皮症)ですが、抗生物質をやめてもほぼコントロールできています。
※現在初診から半年以上経過しましたが、湿疹の再発はほぼなし
改善点③脂漏
口唇、四肢を中心に「かひ」を認めましたが、綺麗な状態を保っています。
改善点④手舐め・足舐め・痒み
基本はアトピーでいいのですが、アトピー単独であれば過去のシクロスポリンやステロイドで十分に緩和できていたはずです。
改善できなかった理由は心因性なのですが、心因性だけで痒かったわけではないため、アトピー対策と心因性対策の両方を行えばバランスが取れます。
しつこい手舐め・足舐めは心因性へのアプローチにより改善しました。
トイプードルは他の犬種に比較して薬の反応が非常にいいタイプの子が多いので、アプローチ方法さえ間違わなければかなりの確率で治療成績がよくなります。
トイプードルの皮膚病治療でお困りの方は当院を受診してみてください。
なお今回のトイプードルのアトピー、脂漏、心因性、湿疹には当院が開発したスキンケア&サプリメントは非常に効果的です。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
脱毛はスキンケア&サプリメントでは改善せず、アトピー・脂漏・湿疹の治療成績にも関わりますので、必ず適切な投薬治療を併用しましょう。
投稿者:
2017.03.24
トイプードルの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨・・・・・・・昨年同様に雨の降らない梅雨ですね。
ただ気温があがってきて、湿疹の出やすい季節になっています。
さて、今日はそんな梅雨~夏に多くなる湿疹タイプの皮膚病、『膿皮症』の症例報告です。
【症例】
トイ・プードル 7歳6ヵ月 男の子(去勢済)
【症歴】
〇1年前から発症
〇過去2件の動物病院で膿皮症と診断されるも改善されず
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部です。
同じく頚部の湿疹の拡大です。
続いて、胸~腹部です。
同じく胸の湿疹の拡大です。
続いて、背中です。
同じく、背中の湿疹の拡大です。
同じく背中の湿疹の拡大です。
ほぼ全身に無数の湿疹がありました。
それでは8週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
湿疹はなくなり、非常に綺麗になりました。
当院での診断ですが、過去の2件の動物病院の診断と同じく「膿皮症」という診断です。
このタイプの場合は大きく分けて2つのことを考えます。
「できた湿疹を治す」ための治療法と、「できないようにする」ための治療です。
というのも、できた湿疹を治すための治療である抗生物質は、「湿疹ができる原因は治さない」からです。
簡単にいうと、「抗生物質を止めると再発する」です。
当院では治療と、再発予防の両方にアプローチできるようにしています。
投稿者:
2017.02.08
トイプードルのアトピー・アレルギー膿皮症・脂漏症・マラセチア性皮膚炎・脱毛症などの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日紹介するのは三重県の随分遠い南の方から受診されたトイプードルのわんちゃんです。
当院を受診するキッカケが印象的で・・・
来院された飼主さまは、この子が子犬のころからずっと同じ先生に診てもらっていたのですが、
その先生が動物病院を退職されるということで、最後に当院受診をお勧めされたそうです。
【症例】
トイ・プードル 5歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇3年前から1度も改善するのことのない皮膚病
〇アミノ酸系療法食による食事療法を継続中
〇かかりつけ動物病院の先生からの紹介で当院受診
〇過去に抗生物質を3種類変更しながら服用するも改善しない
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは全体から。
続いて、左目。
続いて、口唇(左)。
続いて、右前腕(肘の屈曲部)。
続いて、腹部。
続いて、前肢の指の間。
続いて、左後肢先端。
わかりやすい写真ではなかたので掲載しませんでしたが、背中全体にも湿疹が認められました。
この初診時から3ヶ月少し、治療後の状態との比較をみてみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
痒み、湿疹ともにほぼ消失しています。
もちろんこの3年間でベスト!と喜んでいただき、「もっと早くここに来ればよかった」とおっしゃっていただけました。
今回の皮膚病治療のポイントですが、全体を1つの皮膚病として捉えないことです。
「皮膚が弱い」という意味では一つですが、治療の上では大きくわけて2つあります。
そのため何か1つの特効薬、魔法のようなお薬で全身改善させることができるわけではありません。
パーツの組み合わせのように、同時に複数のパーツをピタッと合わせることでここまで改善することができます。
そして大事なことを追加しておきます。
当院が非常に重要視している食事療法ですが、このわんちゃんが継続していたアミノ酸系療法食は・・・・・
理由を丁寧に説明した上で変更していただくことにしました。
もちろん今食べているドッグフードは、普通にペットショップで販売されている一般食です。
そしておやつなどの食事制限はなく、何を食べてもかまいません(笑)
大事な大事な食事療法、本当の食事療法が飼主さまには伝わっていると思います。
投薬治療も重要ですが、治療と再発予防に必要なのがスキンケアとサプリメントです。
今回のわんちゃんにも処方して継続してもらっています。
また当院ではこのようなタイプのわんちゃんに遠隔診療に対応しています。
他の症例に比べてコントロールは非常に難しいタイプですが、遠方にお住まいの方でお困りの方はご相談ください。
今回は獣医師の先生から紹介されたということで、とてもプレッシャーのかかる診察でした。
もう退職されたということでご連絡はとれないのですが、ご期待に応えることができてよかったです。
ご紹介ありがとうございました。
投稿者: