2020.11.18
フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日はフレンチブルドッグの症例を紹介します。
【 症例 】
フレンチブルドッグ 7歳 男の子
【 経過 】
〇3年前に保護時点から続く皮膚病
〇3年間アポキルを毎日服用しても改善しない
〇ステロイドを併用しても一時的な緩和しか得られない
〇1年通して症状があるが、梅雨に特に悪化する
〇手を舐める、舐めだすと止まらない
〇顔や脇を掻く、掻きだすと止まらない
それでは初診時の状態です。
続いて、3カ月弱の治療後との比較です。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
とてもきれいになっていますね。
かゆみや手舐めもかなり落ち着きました。
当院では、投薬・サプリメント・食事療法・スキンケア療法などによる根本的な皮膚コンディションの改善に力を入れています。
お悩みの方はぜひご相談ください。
報告作成者:看護師 鮫島
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ 【解説】 ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
獣医師の平川です。
今回は初診時の「こんにちは」のあとに続く一言目に、とても印象に残ることを聞かれました。
飼主さま 「先生、これ治るかな?」
今まで色々治療を続けてきて、何年も皮膚のことに悩まれていたことが凝縮しているような一言ですよね。
もちろんまだ検査どころか問診もしていませんが、飼主さまはどうしても聞きたかったのだと思います。
その心は、
「先生、治せる自信ありますか?」
だと思います。
まだわんちゃんを一目しか見ていなかったのですが、間髪いれずにこうお答えしました。
僕 「余裕です」
治療結果は何一つでていないのですが、「来てよかった~!」と喜んでいたのが印象に残っています。
このタイプですが、検査どころか問診すらしていなくても劇的に改善することだけは容易に想像できるタイプです。
治療結果は劇的で、
・痒くない
・脂っぽくない&におわない
・毛が抜けない
・全身フワフワ&モコモコ
アポキルに至っては元々毎日服用していてもよくならなかったにも関わらず、現在は2日に1回でも症状がでないレベルまで改善しています。
アポキル減らすことができる治療法を持っていれば、より根本的なアプローチが可能です。
さらに性質・気質的なところからきている「舐め癖」に対するアプローチとして、性格・気質を変えるような治療を併用したのですが、ずいぶんと変化が認められ、
・元気になった
・散歩が嫌いだったのに、散歩好きになった
・意欲的に行動するようになった
ととても喜んでもらえました。
こういうときに聞く言葉があるので、今回も聞いてみました。
僕 「犬らしくなりました?」
飼主さま 「ホント!その通り!」
参考までに多くの飼主さまがこのタイプで「アレルギー」を疑っているのですが、このタイプでアレルギーの可能性はかなり低いです。
むしろ「アレルギー」を疑って検査したり、治療方針を立てると負のスパイラルに入り、改善の可能性はますます低くなります。
キーワードは「免疫」「毛並み」「心因性」の3つです。
この3つの診断&治療が適切であれば、劇的によくなります。
勘違いしてはいけないのですが、免疫をアレルギーと置き換えてしまうと治るものも治りません。
免疫異常であってアレルギーではないのがポイントです。
そして毛並み、痒く&脂漏だから毛並みが悪いのではありません。
毛並みが悪い原因が見落とされているから痒くて、脂漏が悪化するのです。
そして心因性、「ストレス」と言い換えて環境や接し方を変えても何もかわりません。
外部のストレスではなく、生まれ持った性格・気質によるものなので、脳の思考回路から変える視点が必要です。
フレブルは遺伝的に「夢中になる」「ムキになる」という行動パターンを示しやすく、この性格・気質が皮膚病のときに難治性の原因になっています。
この脳の思考を確認する問診と、脳の思考の癖を変える治療プランを持っていれば舐め癖すら緩和できます。
当院ではこういった難治性に対する皮膚科の勉強会を開催しています。
勉強会への参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2019.11.22
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 8歳8ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇3歳から継続した痒みを伴う皮膚病(季節性はなく通年性)
〇全身脂っぽく、毛艶がなくフケが多い
〇毎週シャンプーしても改善されない
〇過去に4件の動物病院を受診したが、一度も改善したことがない
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔(右側)です。
左耳です。
右前肢です。
頚部です。
脇~胸です。
それでは、初診時から約4ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
院内での薬浴を数回行い、全身を覆っていたボロボロは綺麗に無くなりました。
痒みも落ち着き、毛も段々と揃い始めています。
今回の症例にいくつかポイントを列挙します。
ポイント①やはり治療はアポキルなのか?
今の痒み疾患の標準治療ともいえるアポキル(オクラシチニブ)ですが、今回の治療期間中には使用しませんでした。
もちろん使用する選択肢もあるのですが、「なくてもいい」というものでもあり、「むしろ〇〇〇の方がいい」という明確な理由があったので敢えて採用しませんでした。
もちろんアポキルメインで治療することが間違いというものではないです。
みなさんに知っていただきたいことは「常にアポキルがベストではない」ということ、アポキル以外の治療選択肢を知っていることこそが「アポキルを使いこなせる」だと思います。
ポイント②原因は食物アレルギーなのか?
今の皮膚科の問題点でもあるかと考えていますが、「治りにくい=アレルギー」という括りにされやすく、特に「食物アレルギー」の言葉は乱用されがちです。
食物アレルギーをある・ないの確定診断は難しいのですが、このタイプの皮膚病で「食物アレルギー」と診断することは当院ではほとんどありません。
「食物アレルギーはない」とまでは断定できませんが、「どこに食物アレルギーがあるのだろうか?」とは思います。
事実、当院受診までアミノ酸系または低アレルゲン系の食事療法をしていましたが、当院はアレルゲン制限をといた食事管理を推奨しています。
ポイント③では原因は何か?
原因を1つに絞ることそのものが治療の失敗を招きます。
やはり複合要因のため、複数の異常をできるだけ同時に治療する必要があります。
ただ本当の意味で同時治療は診療的に難しいこともありますので、優先順位の高い治療方針から先におこないます。
それが院内薬浴ですね。
院内薬浴と投薬治療、そして食事療法などの組み合わせが体質に合致すると今回のような劇的な改善が可能になります。
ではその次はなにか?
その次・・・、そう「世界初の治療」です。
当院では標準治療になりつつあるのですが、ある治療を併用します。
ここまでもかなり劇的な治療結果ですが、当院ではもう1つ上の治療成績を出すことが可能です。
またご報告します。
なお、今回紹介した症例に使用したスキンケアとサプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2019.11.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの症例です。
【症例】
トイプードル 5歳 男の子(去勢手術未)
【経過】
〇3年前から季節性のない皮膚炎
〇体全体に脱毛、痒みあり
〇手足をよく舐めている
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔の左側です。
脇~前胸です。
体の右側面と拡大です。
右後肢の大腿部です。
それでは、初診時から約2ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
今回の症例ですが、トイプードルの治りにくい皮膚病として非常に多いタイプです。
治療で重要なキーワードは「脂漏症」と「免疫」です。
アトピーという枠組みも間違いではないのですが、アトピーを中心に置くと治療がうまくいきません。
もし仮にアトピーとして考えると、治療は「アポキル」になるのですが、アポキルではこのタイプはかなり苦戦します。
もちろんアポキルを間違いというものではなく、ある程度改善も認められると思うのですが、「アポキルだけでは治らない」という意味でアトピーを治療の中心に置くのはよくないということです。
脂漏症に対してはもちろんスキンケアが必要不可欠です。
また免疫にはスキンケアECプラスが非常におすすめですが、今回の症例は少しだけ手先の舐め癖があったのでヒーリングケアLFプラスを採用しました。
このタイプにはスキンケア&サプリメントだけでは改善しないので投薬治療は必須です。
積極的な投薬治療を併用することでかなり短期間で改善し、サプリメントの体質改善によって必要な投薬量も現在は初期の半分量で維持できています。
適切な診断と投薬治療があれば当院のスキンケア&サプリメントが非常に役立つ典型的な症例だったと思います。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2019.04.22
シーズーの手舐め・足舐め・内股舐めなど痒みを伴う皮膚炎治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
手をしつこく舐める、足を舐めだしたら止まらない、暇があると内股を舐める・・・など「舐める」という症状が強くでる皮膚病があります。
アポキルやステロイド、食事療法、アレルギー治療などでの改善が難しく、今の皮膚科では難治性として扱われています。
特にシーズーに多く診らえる傾向があります。
今日はそんな症例です。
【症例】
キャバリア×マルチーズMIX 4歳 男の子(去勢済み)
※シーズーではないのですが、遺伝的体質がほぼシーズーに近いためこのカテゴリに分類しています。
【経過】
〇1年前から手を舐める&噛む、毛をひっぱる
〇2ヵ月前からは後足や内股までなめるようになった
〇季節性はない
〇アポキルを1日2回服用しても効果がない
〇食事療法併用しているが、改善しない
それでは初診時の状態です。
続いて、口唇(右側)です。
続いて、前肢端です。
続いて、前腕です。
※皮膚炎があるのは腕の曲がる部位(屈曲部)です。
その拡大です。
続いて、内股~後肢です。
それでは初診時から5週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
口唇、腕、四肢端、内股の痒みはほぼゼロに近いです。
当院でもアポキルを併用しましたが、1日2回ではなく1日1回と少ない量で使っています。
ポイントを列挙します。
①アポキルは効くのか?効かないのか?
②よく見るアトピーや脂漏性マラセチア性皮膚炎と何が違うのか?
③食事療法は適切か?
④アポキル以外に必要な投薬治療は何か?
これらを初診時に同時に判定することが5週間で改善させるポイントです。
投薬治療があることが最も確実な治療プランですが、治療内容にスキンケア&サプリメントは非常に重要になっています。
当院が開発したスキンケア商品のMedicareシリーズと、サプリメントPlusシリーズが非常に相性があうと思います。
特にクレンジングオイル&シャンプー、スキンケアECプラス&パーソナルケアPⅡ+がお勧めです。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
当院では獣医師向けにプライベートセミナーを開催しています。
今回の症例のようなアポキルが効かない舐め癖に対する診断・治療法についての詳細な解説を行います。
ご興味のある方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2019.03.01
柴犬のアトピー・アレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の症例は非常に多いですね。
キーワードは「柴犬」「痒い」「掻く」「舐める」「アポキルが効かない(ステロイドが効かない)」です。
今回の症例も「3年間綺麗になったことがない」「アポキル1日2回服用しても効果がない」「ステロイドも効果なし」という症例です。
以前にも紹介していますので、以前の記事も参考にしてください。
2019.11.23 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際
2019.12.23 アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際②
【症例】
柴犬 約10歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇~5、6歳までは異常なし
〇3年前から続く皮膚病
〇アポキル(1日2回)効果なし、ステロイド効果なし
〇食事療法効果なし
〇掻き壊し防止のために洋服を着せている
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前胸部~上腕と上腕の拡大です。
続いて、右側面とその拡大です。
続いて、胸部です。
続いて腹部です。
それでは初診時からちょうど3か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
アポキルは一時的に併用しましたが、治療2ヵ月の時点で週1回以下までへり、3か月後の時点では「ずっとアポキルを服用していないけど、痒みはない」というレベルまで改善しました。
皮膚炎・フケ・脂漏・円形脱毛はすべて改善しました。
治療方針は初診時に決定してから軽度な変更すらなく、順調そのものでした。
わずかな予測違いとあげるとすれば膿皮症の治療経過です。
抗生物質を使わずとも自然のよくなるかと期待して「あえて抗生物質なし」で治療していましたが、最後の最後に内股のだけに湿疹が残ったためやむを得ず使いました。
それ以外は特に問題なしですね。
このタイプの皮膚病治療には投薬治療が必須です。
もちろん投薬治療だけでうまくいくわけではなく、脂漏症には当院が開発したスキンケア(オイル&シャンプー&保湿ジェル)が非常に相性がいいと思います。
またアトピー&脂漏症と膿皮症の体質改善のためにスキンケアECプラスが必須で、アポキルをここまで減らすことができたのは投薬治療以外にも免疫の改善(スキンケアECプラス)がとても役に立ったと思います。
このタイプの遺伝的体質の評価は確定できるため、当院の治療方針に沿っていれば2度と悪い状態に戻ることはありません。
膿皮症や脂漏症の改善に必要なスキンケア・サプリメントは当院のオンラインショップでお求めいただけます。
投稿者:
2018.12.15
トイプードルのアトピー・アレルギーなど脂漏を伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回の症例は以前紹介したトイプードルの脂漏症のその後です。
前回記事 ⇒ 【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症
初診時の詳しい状態は前回記事をご覧ください。
改めてよくなった部位の比較を行います。
初診時の状態から。
まずは右前腕。
それでは初診時からわずか6週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
変化としては、
・痒み:ほぼなし
・脂漏:ほぼなし
・毛の再生
・エリザベスカラーを完全に外すことに成功
です。
・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
今回の症例のポイントは
①脂漏をどうコントロールするか?
②痒みをどうコントロールするか?
③エリザベスカラーを外せるか?
です。
①に関しては投薬とスキンケアが非常に重要ですが、アポキルでは抗脂漏が難しいためその他のプランが推奨されます。
②痒みは2種類の痒みがあるため、アプローチ方法を2~3つ用意して臨まなければいけません。
それこそアポキルで痒みをコントロールできない典型症例なのですが、その理由は最後の腰背部~臀部の病変ですね。
前腕の痒みも心因性が一部含まれていますが、腰背部~臀部の痒みはほぼ心因性といっても過言ではないです。
この心因性のアプローチがなければ③エリザベスカラーを外すは難しいでしょう。
投稿者:
2018.11.16
こんにちは。四季の森どうぶつクリニックです。
今回はシーズーの症例報告です。
【症例】
シーズー 8歳4か月 男の子(去勢手術済)
【経過】
○5歳頃から痒みや赤みが出始め、この1~2年で悪化
○季節性はなく、冬も症状がある
○過去に抗生剤を使用したが、あまり効果が感じられなかった
○痒み止めも効果がなかった
○手先や内股をよく舐める
○エリザベスカラーをつけている
それでは初診の状態です。
まずは顔の正面です。
頚部です。
両脇です。
左脇です。
腹部です。
左後肢です。
それでは、初診時とその約8週間後の状態を比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
実は初診時から4週間でほぼ綺麗になったのですが、撮影を忘れており比較写真が8週間になっています。
肝心の皮膚の状態は著しい改善をみとめ、エリザベスカラーも外すことができました。
このような症例には積極的な投薬治療がこれだけ早い治療結果を出すポイントになりますが、当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に重要です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
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【獣医師の解説】
アトピー・痒み疾患に対する新薬アポキルの登場により、今の「痒みを伴う皮膚病」にはアポキル一辺倒になりつつあります。
しかし「痒い=アポキルが効く」ではなく、むしろアポキル以外の方が治療成績が高いこともあります。
そのため、これからの皮膚科で重要なことは、
①その症例にアポキルがどこまで効くのか?
②アポキル以外に効く治療法があるのか?
③アポキルが効かない痒みがないか?
だと思っています。
今回の症例はそこの3つのことが重要になっていることを証明するような症例で、
①アポキルでは不十分
②アポキルよりも効く治療薬がある
③アポキルが効かない痒みがあるため
と判断し、あえてアポキルを使わず治療しています。
ただアポキルがまったく効かないわけではないため、今後はアポキルに切り替える余地はあると思います。
たらればの話になりますが、もし最初からアポキル単独であれば・・・これだけ早い治療結果はでなかったと思います。
投稿者:
2018.11.16
こんにちは。四季の森どうぶつクリニックです。
今日はシーズーの症例報告です。
【症例】
シーズー 12歳3か月 女の子(避妊手術済)
【経過】
○生後1~2歳頃から痒み
○7歳頃~手足をよく舐めるようになり、血マメ(はじけて出血)になるようになった
○アポキル、抗生物質、ステロイドを使用したが、効果が出なかった
それでは初診の状態です。
まずは体の正面です。
左前肢です。
腹部です。
右後肢です。
左後肢の内側です。
それでは、初診時とその約8週間の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると拡大することができます。
体の赤みが減り、毛も生えかなり良くなりました。
このタイプの症例には治療薬が不可欠ですが、当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に重要になってきます。
当院で開発したスキンケア商品は以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
シーズーによくあるタイプで、おそらく既存の治療で最も治りにくいタイプの1つかと思います。
特徴は、
①シーズー
②アポキル・ステロイドが効かない
③病院専用療法食
④手先・足先・内股を舐める
⑤手先・足先(指間)に血マメができて、はじける
です。
この特徴があるときは、3つのポイントを同時に抑える必要があります。
3つのポイントは初診時に判定できますが、検査では検出することができないため、主訴・問診・見た目で判断する力が必要です。
今回の症例は、当院受診以降一度も血マメができなくなり、アポキル・ステロイドで改善がなかった四肢の皮膚炎もほとんど消失しています。
「痒み・舐める・皮膚炎」がイコール「アポキルが効く」ではないため、なぜ腫れているのか?なぜ舐めるのか?なぜ炎症がおきるのか・・・を追求する視点が重要です。
投稿者:
2018.10.20
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は繰り返す湿疹に悩むフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 10歳 男の子(去勢手術未)
【経過】
○2~3歳頃から湿疹、円形脱毛
○5歳から胴体全体に悪化し、2ヵ月前から腕・足にも急激に悪化
○1年中痒いが、梅雨~夏にかけて悪くなる
○頭、耳を掻く
○手を舐める
○食事療法を行ったが改善しなかった
それでは、初診時の状態です。
まずは体の正面です。
顔の正面、右側、左側です。
続いて、右耳の正面です。
続いて、後頭部です。
続いて、頚部と前胸部です。
続いて、右前肢の足先です。
続いて内股です。
続いて、右後肢とその拡大です。
右側面と後ろから見た様子です。
それでは、初診時から約4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みも減り、身体を掻くことも無くなりました。
頚部と前胸部の被毛も綺麗に生えてきているのが分かります。
また、全身にあった湿疹もほぼ綺麗になりました。
飼主様からも、「本当に綺麗になった!」と嬉しいお言葉を頂きました。
※2018.11月追記
抗生物質と院内薬浴を終了し1カ月以上経過しても、1つも膿皮症の再発が認めらていません。
このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメント(特にECプラス)が非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
【症例報告制作者】 看護師 長尾
・・・・・・・・・・・・・・
以下、獣医師によるコメントです。
フレンチブルドッグの膿皮症は多いのですが、今回の症例は特別です。
理由は重度であるという簡単な表現ではなく、数と分布の問題です。
かなり密度の濃い膿皮症(かさぶた)があること、四肢にもでていることはイレギュラーな証拠です。
また耳のダメージも特徴ですね。
これらを加味すると、イレギュラーなりの原因が推測でき、初診時に原因を特定することにつながりました。
そのためたった4週間という短期間での治療が可能になったという側面もあります。
やはり診た瞬間にどれだけ原因と対策をイメージできるかが治療のポイントになります。
今回の症例は当院と診療提携している動物病院に解説メールをお送りします。
獣医師 平川
投稿者:
2018.09.30
当院を受診できない遠方にお住いの方にメールと写真で継続する遠隔診療を提供している皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
以前にも報告した通り、今年の夏は「山口県」と「北海道」に往診に行きました。
原則として「直接診るのは1回だけ」という背水の陣で臨みますので、往診に行くからには改善の確信を持って伺っています。
もちろん今回の2件とも「いける」という確信をもって伺いました。
そしてその2件のその後ですが、まだ治療中とはいえ十分な改善が認められたようです。
1件は心因性の掻き壊し・舐め壊しのチワワちゃんで、掻き壊しを防ぐために誰かが家にいなければならず、1人では買い物にも行けないというものでした。
もちろん治療の目標は掻き壊しをなくすのは当然で、「わんちゃんが留守番して買い物ができるように」ということも目標にいれました。
まだ治療して1カ月ですが、十分に改善が認められたようで、①一番の問題だった口唇の痒みはほとんどなくなり、②短時間でも留守番ができるようになったということでした。
2件目のわんちゃんは写真を見るのがいいと思いますので、紹介させていただきます。
【症例】
柴犬
【経過】
〇アポキルを1日1回をずっと継続しているにも関わらずよくならない
〇過去には心因性の治療として抗不安薬の投与もしたことがある
〇甲状腺ホルモン剤も服用中
最初に相談メールをいただいたときのお写真がこちら。
柴犬のよくあるタイプの1つです。
もちろんこの時点で「今まで治らなかった理由」と「どうやったら治るのか」はわかるのですが、追加でいただいた昔の写真をみて確信を得ることができました。
これは「アポキルでよくならない決定的証拠写真」です。
実際に往診に伺うときには治療方針は決まっていたので、お薬をもって出発です。
そこから約1か月後。
痒みも随分と落ち着き、毛も再生してきました。
また心因性の痒みもあるため、心因性の投薬治療を追加したのですが、「改善あり」という判定でした。
今回の症例にはいくつか評価ポイントがあります。
1つは、「なぜアポキルが効かないのか?」ですね。
2つは、「なぜ心因性の治療に効果がでたのか?」です。
2つ目の理由は非常にシンプルで、「その他の治療方針がパーフェクトだから」です。
心因性の治療はその他の治療方針にわずかでもズレがあると、まったく改善しなくなることがあるため、心因性以外の皮膚トラブルの診断・治療が上手くいっているときに実施しなければ評価が難しいです。
あとは順調に回復するのを待つだけです。
年末にはフワフワ&サラサラを期待しています♪
1つめの「アポキルが効かない理由」は当院で実施している個別セミナーで紹介しています。
診療提携をご希望される動物病院はお問い合わせください。
投稿者: