2019.04.25
アポキル・ステロイドといった痒み止めのお薬が効かない舐める・掻くといった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
トイプードルはアトピー、脂漏症、ホルモン異常の他にも心因性の皮膚トラブルが多いなど、かなり難治性になる場合があります。
今回は一見重度ではないのですが、特徴的な皮膚病で同じような症状のわんちゃんの飼主さまには知ってほしいことなので紹介します。
【症例】
トイプードル 4歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇生後4歳(約半年前)にブリーダーから譲渡
〇引き取ってこの半年ずっと皮膚トラブルがある
〇痒みは「前胸を舐める」「陰部を舐める」「背中を真っ赤になるまで掻く」「顔をこする」「前肢端を舐める」
それでは初診時の状態を紹介します。
続いて、頚部~前胸部です。
続いて、左前腕の屈曲部位です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、この胸の部位の毛をカットした後の状態です。
続いて、背中と皮膚炎の局所拡大です。
背中全体をみると一見なにもないようにみえますが、たった1か所だけ非常に炎症の強い部位があります。
この半年間、背中ではこの1か所だけをずっと掻いているそうです。
背中の他の部位にこの赤み、ないし痒みがでたことはないそうです。
初診時から2週間後の状態です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
舐め癖がつよく、真っ赤&脱毛していた部位ですが、舐めるのがとまったため、赤みもなくなり発毛しています。
左前腕の内側(屈曲部)ですが、同じく舐め動作がなくなったので皮膚炎が消失しました。
この部位には部分的に「感染」があり、心因性である舐め癖と感染の炎症の2種類が混在しています。
舐める・掻くといった症状はほぼゼロになりました。
写真は掲載していませんが、背中の皮膚炎&痒みもゼロになりました。
今回の症例のポイントです。
①舐め癖が強い
四肢端を舐める症状もですが、前胸部をずっなめるという行動は非常にめずらしく、一般的な痒み行動ではありません。
②同じ部位を掻き続ける
背中ですが、広い範囲でみると一見皮膚病変はありませんが、1か所だけ掻き壊して真っ赤になっています。
このように「ピンポイント」で皮膚炎が起きつづけているのも心因性の特徴の1つです。
③痒み以外にも特徴的な行動が多い
これは診察室での表情や動き(行動)をよく観察すればかなりの確率で診断できます。
また日常の行動について飼主さまからお話をきくことで、同じく推測できます。
皮膚病治療だからといって、皮膚の診た目と検査で診断治療するのではなく、そのわんちゃんの「行動」をよく観察することが重要です。
こういった症例には感染症の除外のために積極的なスキンケアと、心因性へのアプローチが必要です。
もちろん当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に有効です。
適切な診断&治療とともに【医療にプラスのケア】痒みケアスターターセットをご使用いただければ非常に効果的です。
このタイプはスキンケア単独では絶対によくならないため、スキンケアECプラスとパーソナルケアPⅡ+が非常にお勧めです。
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