2021.05.20
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギー・脂漏症などの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先日、獣医師同士の「今後のオンライン診療について」という会議(もちろんオンライン会議)があったのですが、「本当に1回の直接診療で皮膚病治療ができるのか?」とご質問がありました。
「医療に絶対はない」が口癖ということもあって「絶対ではない」「一部例外はいる」と前置きしつつも、「10中8,9以上の症例で十分な治療成績がでる」とお答えしました。
というよりは、「1回も診なくても写真だけで十分」というのがより的確な表現かもしれません。
ということで、東京サテライトの症例報告です。
東京サテライトの診療は1回目は直接対面での診療となりますが、2回目以降はオンライン診療へ移行します。
実際に目で確認できるのは初回の1回なのですが、事前にメール&写真で評価してから診る流れを取っており、本当は「実際に診る初回の1回の前のメールの時点で治療法は確定」しています。
この「事前の評価」がぶれたことはまだ1例もいません。
「診てから考える」ではなく、「決まってから診て、確認する」です。
今回もそんな「メール&写真で決めた通りの診療」で改善した症例報告です。
【症例】
フレンチブルドッグ
beforeは看護師がいないため、飼主様保定ということもありわかりやすいポジションで撮影できていません。
afterは飼主さまご自宅での撮影のためいつものようなきれいな比較画像ではありませんが、ご了承ください。
お腹のフォーカスが少し甘いので、この写真の1カ月前の写真で脂漏&毛並みの改善をお伝えします。
著しい改善が認められました。
診断と治療法の決定は写真だけで、当日は確認と説明です。
検査もしますが、基本的には「除外」のためであって、検査で病名と治療法がわかるとは捉えていません。
関東にお住いの方で、痒みを伴う皮膚炎の治療でお困りの方は問合せフォームよりお申込み&ご相談ください。
診療に関する詳細は、東京サテライトをご確認ください。
最近はインスタも更新していますので、ぜひフォローしてください♪
投稿者:
2020.11.18
フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日はフレンチブルドッグの症例を紹介します。
【 症例 】
フレンチブルドッグ 7歳 男の子
【 経過 】
〇3年前に保護時点から続く皮膚病
〇3年間アポキルを毎日服用しても改善しない
〇ステロイドを併用しても一時的な緩和しか得られない
〇1年通して症状があるが、梅雨に特に悪化する
〇手を舐める、舐めだすと止まらない
〇顔や脇を掻く、掻きだすと止まらない
それでは初診時の状態です。
続いて、3カ月弱の治療後との比較です。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
とてもきれいになっていますね。
かゆみや手舐めもかなり落ち着きました。
当院では、投薬・サプリメント・食事療法・スキンケア療法などによる根本的な皮膚コンディションの改善に力を入れています。
お悩みの方はぜひご相談ください。
報告作成者:看護師 鮫島
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ 【解説】 ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
獣医師の平川です。
今回は初診時の「こんにちは」のあとに続く一言目に、とても印象に残ることを聞かれました。
飼主さま 「先生、これ治るかな?」
今まで色々治療を続けてきて、何年も皮膚のことに悩まれていたことが凝縮しているような一言ですよね。
もちろんまだ検査どころか問診もしていませんが、飼主さまはどうしても聞きたかったのだと思います。
その心は、
「先生、治せる自信ありますか?」
だと思います。
まだわんちゃんを一目しか見ていなかったのですが、間髪いれずにこうお答えしました。
僕 「余裕です」
治療結果は何一つでていないのですが、「来てよかった~!」と喜んでいたのが印象に残っています。
このタイプですが、検査どころか問診すらしていなくても劇的に改善することだけは容易に想像できるタイプです。
治療結果は劇的で、
・痒くない
・脂っぽくない&におわない
・毛が抜けない
・全身フワフワ&モコモコ
アポキルに至っては元々毎日服用していてもよくならなかったにも関わらず、現在は2日に1回でも症状がでないレベルまで改善しています。
アポキル減らすことができる治療法を持っていれば、より根本的なアプローチが可能です。
さらに性質・気質的なところからきている「舐め癖」に対するアプローチとして、性格・気質を変えるような治療を併用したのですが、ずいぶんと変化が認められ、
・元気になった
・散歩が嫌いだったのに、散歩好きになった
・意欲的に行動するようになった
ととても喜んでもらえました。
こういうときに聞く言葉があるので、今回も聞いてみました。
僕 「犬らしくなりました?」
飼主さま 「ホント!その通り!」
参考までに多くの飼主さまがこのタイプで「アレルギー」を疑っているのですが、このタイプでアレルギーの可能性はかなり低いです。
むしろ「アレルギー」を疑って検査したり、治療方針を立てると負のスパイラルに入り、改善の可能性はますます低くなります。
キーワードは「免疫」「毛並み」「心因性」の3つです。
この3つの診断&治療が適切であれば、劇的によくなります。
勘違いしてはいけないのですが、免疫をアレルギーと置き換えてしまうと治るものも治りません。
免疫異常であってアレルギーではないのがポイントです。
そして毛並み、痒く&脂漏だから毛並みが悪いのではありません。
毛並みが悪い原因が見落とされているから痒くて、脂漏が悪化するのです。
そして心因性、「ストレス」と言い換えて環境や接し方を変えても何もかわりません。
外部のストレスではなく、生まれ持った性格・気質によるものなので、脳の思考回路から変える視点が必要です。
フレブルは遺伝的に「夢中になる」「ムキになる」という行動パターンを示しやすく、この性格・気質が皮膚病のときに難治性の原因になっています。
この脳の思考を確認する問診と、脳の思考の癖を変える治療プランを持っていれば舐め癖すら緩和できます。
当院ではこういった難治性に対する皮膚科の勉強会を開催しています。
勉強会への参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2019.12.09
犬の膿皮症(湿疹)、脂漏症、アトピーなど痒みを伴う皮膚病に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
以前にも紹介した「新しい治療法」についての続きです。
前回のブログで「衝撃的」と書いた症例を紹介します。
【症例】
フレンチブルドッグ 女の子 避妊手術済
【経過】
〇今まで何件も動物病院を受診したが、よくなったことがない
それでは症例を紹介します。
比較写真は、写真をクリックすることで大きくすることができます。
今までもかなり重度な皮膚炎の治療前・後の比較を掲載してきたので、特別感はないかもしれませんが、細かいところでその内容が違います。
今回は重度の脂漏症のため週2回を目安とした「頻繁なシャンプー」が推奨されるタイプですが、著しい改善で「2週間シャンプーしていないのに脂っぽくない&痒くない」というレベルまで改善しました。
個人的にはこのレベルは去年までの治療では到達できなかったので、今後の脂漏症治療の基本になる1例になったと考えています。
逆にいうと、今まで診てきた中にもこの病態(治療内容)が当てはまる症例は数多くいたので、今となっては十分ではなかったと反省というか悔しいというか、複雑な想いもあります。
ここ数年「どこかに突破口があるはず」と探してきた課題に答えが見つかったようなのでとてもうれしいです。
参考までにアポキルですが、初期治療としては処方しませんでした。
アポキルを使う選択肢もなきしもあらずですが、「アポキルがベターではない」「アポキルがなくても改善は可能」「むしろアポキル以外の方がいいこともある」ということを把握して症例を診る目が非常に大事かと思っています。
投稿者:
2019.11.22
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 8歳8ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇3歳から継続した痒みを伴う皮膚病(季節性はなく通年性)
〇全身脂っぽく、毛艶がなくフケが多い
〇毎週シャンプーしても改善されない
〇過去に4件の動物病院を受診したが、一度も改善したことがない
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔(右側)です。
左耳です。
右前肢です。
頚部です。
脇~胸です。
それでは、初診時から約4ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
院内での薬浴を数回行い、全身を覆っていたボロボロは綺麗に無くなりました。
痒みも落ち着き、毛も段々と揃い始めています。
今回の症例にいくつかポイントを列挙します。
ポイント①やはり治療はアポキルなのか?
今の痒み疾患の標準治療ともいえるアポキル(オクラシチニブ)ですが、今回の治療期間中には使用しませんでした。
もちろん使用する選択肢もあるのですが、「なくてもいい」というものでもあり、「むしろ〇〇〇の方がいい」という明確な理由があったので敢えて採用しませんでした。
もちろんアポキルメインで治療することが間違いというものではないです。
みなさんに知っていただきたいことは「常にアポキルがベストではない」ということ、アポキル以外の治療選択肢を知っていることこそが「アポキルを使いこなせる」だと思います。
ポイント②原因は食物アレルギーなのか?
今の皮膚科の問題点でもあるかと考えていますが、「治りにくい=アレルギー」という括りにされやすく、特に「食物アレルギー」の言葉は乱用されがちです。
食物アレルギーをある・ないの確定診断は難しいのですが、このタイプの皮膚病で「食物アレルギー」と診断することは当院ではほとんどありません。
「食物アレルギーはない」とまでは断定できませんが、「どこに食物アレルギーがあるのだろうか?」とは思います。
事実、当院受診までアミノ酸系または低アレルゲン系の食事療法をしていましたが、当院はアレルゲン制限をといた食事管理を推奨しています。
ポイント③では原因は何か?
原因を1つに絞ることそのものが治療の失敗を招きます。
やはり複合要因のため、複数の異常をできるだけ同時に治療する必要があります。
ただ本当の意味で同時治療は診療的に難しいこともありますので、優先順位の高い治療方針から先におこないます。
それが院内薬浴ですね。
院内薬浴と投薬治療、そして食事療法などの組み合わせが体質に合致すると今回のような劇的な改善が可能になります。
ではその次はなにか?
その次・・・、そう「世界初の治療」です。
当院では標準治療になりつつあるのですが、ある治療を併用します。
ここまでもかなり劇的な治療結果ですが、当院ではもう1つ上の治療成績を出すことが可能です。
またご報告します。
なお、今回紹介した症例に使用したスキンケアとサプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
投稿者:
2018.10.20
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は繰り返す湿疹に悩むフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 10歳 男の子(去勢手術未)
【経過】
○2~3歳頃から湿疹、円形脱毛
○5歳から胴体全体に悪化し、2ヵ月前から腕・足にも急激に悪化
○1年中痒いが、梅雨~夏にかけて悪くなる
○頭、耳を掻く
○手を舐める
○食事療法を行ったが改善しなかった
それでは、初診時の状態です。
まずは体の正面です。
顔の正面、右側、左側です。
続いて、右耳の正面です。
続いて、後頭部です。
続いて、頚部と前胸部です。
続いて、右前肢の足先です。
続いて内股です。
続いて、右後肢とその拡大です。
右側面と後ろから見た様子です。
それでは、初診時から約4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みも減り、身体を掻くことも無くなりました。
頚部と前胸部の被毛も綺麗に生えてきているのが分かります。
また、全身にあった湿疹もほぼ綺麗になりました。
飼主様からも、「本当に綺麗になった!」と嬉しいお言葉を頂きました。
※2018.11月追記
抗生物質と院内薬浴を終了し1カ月以上経過しても、1つも膿皮症の再発が認めらていません。
このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメント(特にECプラス)が非常に有効です。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
【症例報告制作者】 看護師 長尾
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以下、獣医師によるコメントです。
フレンチブルドッグの膿皮症は多いのですが、今回の症例は特別です。
理由は重度であるという簡単な表現ではなく、数と分布の問題です。
かなり密度の濃い膿皮症(かさぶた)があること、四肢にもでていることはイレギュラーな証拠です。
また耳のダメージも特徴ですね。
これらを加味すると、イレギュラーなりの原因が推測でき、初診時に原因を特定することにつながりました。
そのためたった4週間という短期間での治療が可能になったという側面もあります。
やはり診た瞬間にどれだけ原因と対策をイメージできるかが治療のポイントになります。
今回の症例は当院と診療提携している動物病院に解説メールをお送りします。
獣医師 平川
投稿者:
2018.06.07
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギー、脂漏、舐め癖(手舐め・足舐め)など痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
医療は奥が深いです。
日々疑問が湧き出ますし、新しい発見があります。
今回の新しい発見はある改善症例から得られた発見なのですが、「もしこれが効くなら、これから他のわんちゃんの治療がもっと大変になるかも」という治療内容で、また悩みと苦労が増えた気がしています。
【症例】
フレンチブルドッグ 約4歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇発症は1歳から
〇お腹&背中に赤い湿疹
〇顔、四肢端、耳の痒み(季節性ない)
初診は1年以上前だったのですが、このときは抗生物質とアポキルですぐによくなりました。
それから約9ヵ月後、再発?で来院されましたので、この再発?時点を基準に紹介します。
まずは全体から。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前胸部とその拡大です。
続いて、右前腕とその部分的な拡大です。
続いて、左前肢とその部分的な拡大です。
続いて、腹部とその拡大です。
]
この初診時から約6ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
頚部の皮膚炎、腕の皮膚炎、四肢端の痒み、お腹の湿疹・・・フレンチブルドッグのこのタイプの皮膚病は非常に多いです。
見た目の第一印象では典型的なタイプの1つにみえたので、いつものアプローチで2~3ヶ月で十分綺麗になると判断していました。
が、結果的には6ヶ月もかかってしまいました。
当院で6ヶ月というのは異例な長さで、正直にいうと苦戦しました。
ただ、診断と治療方針は初診時から一切変更せず、改善が十分でない途中の診察でも「(初診時の)診断は撤回しない」と何度もアピールしてました(笑)
撤回しない診断はというと、「心因性掻痒症」です。
もちろん心因性だけでこの全身の皮膚病の説明はできないため、心因性の解説の前に心因性以外の診断名を列挙しておきます。
診断①アトピー性皮膚炎
診断②膿皮症
診断③食物有害反応
診断④脂漏性皮膚炎
そして、最後の診断⑤が「心因性掻痒症」です。
この心因性、当院ではかなりの症例数と治療実績数があるため、自信をもってアプローチしたのですが、治療の序盤の結果はかんばしくありませんでした。
6ヵ月かけて徐々によくなったというのではなく、月1回の再診のたびに投薬治療内容を見直しつづけ、ようやく明らかに改善したのは最後の1ヶ月でした。
※もちろんアポキルは最初から1日1回でスタートしていますが、この腕~手先、足先の皮膚炎はアポキルでまったく改善しませんでした。
その微調整とは「投薬量の変更」なのですが、なんと最初に処方したときの3.5倍量です。
たしかに最初の投薬量はかなり少なめで、一般的な教科書に掲載されている量の最下限よりわずかに下回る量でした。
ただ、その最下限以下で処方したにも理由があり、その量で効果を示す症例も稀ではないくらい普通にいるのです。
体質によって薬の合う合わないということがあるのと、多い量より少なく効くにこしたことはないので、少なめから処方したのですが、初回の投薬内容ではまったく改善が認められませんでした。
そこで増量、薬の種類変更・・・と序所に変化を加えてみたのですが、どれもスッキリせず平行線。
最終的には3.5倍量まで増やしたときに、急によくなりました。
3.5倍量で劇的に改善するのではれば、2.5倍量でもそれなりに・・・せめて半分くらい効いてくれてもよさそうなのですが、2.5倍量ではまったく改善しませんでした。
飼主さまには「スイマセン・・・適量にたどりつくまで随分時間がかかってしまいました。よくここまで信じて通院してくださってありがとうございます。」とお伝えいたしました。
結果的には心因性の診断はあっていましたし、治療結果もよかったのですが、今後の悩みも増えます。
教科書に掲載されている推奨量は1~2の範囲であり、今回のような3以上の投薬量というのは一般的な投薬範囲を超えています。
ただ今回の結果から心因性の治療に必要な投薬量は1~3.5まで範囲があるかもしれない、ともいえます。
効果のある投薬量はわんちゃん次第で、2でまったく効かなくて3以上に増やせば効く症例がいるということであれば、少なめからの投薬治療であれば効果が出るのに相当なステップを踏まなければいけません。
高用量からの処方は副作用の観点から避けねばいけませんし、かといって低用量で処方して改善がなければ「効かない薬」や「心因性が原因ではない」という烙印を押されかねないため心因性のアプローチはますます難しくなります。
ここをどう解決するか、アプローチ開始時点で丁寧なインフォームドをして、こまめに再診を設定して増量していくことくらいでしょうか。
当院のように遠方からの来院が多い場合はまた悩みが増えてしまいました(涙)
参考までに今回のわんちゃんの心因性は腕~肢端のみで、その他の部位は心因性との関係はありません。
現に心因性のお薬を増量していく5ヶ月までに湿疹は完全に消失して再発すらなくなっていましたし、頚部~胸部の皮膚炎と脂漏症は90%改善していました。
心因性の治療だけでこの全身の皮膚炎が改善するわけではないので、総合的なアプローチが重要です。
また、こういった膿皮症、アトピー、脂漏、心因性があるわんちゃんにはスキンケア&サプリメントも非常に重要なアプローチになります。
当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただめます。
今回の症例でもそうですが、投薬治療があってこそのスキンケア&サプリメントです。
将来的な体質ケア、お薬の減量、再発防止のためのアプローチになりますので、適切な皮膚科医療とともにご利用ください。
当院では皮膚科のない動物病院開業の獣医師向けに、今回紹介したような複雑な病態を示す難治性皮膚疾患の的確なアプローチの仕方について、実際の症例を交えたプライベートセミナーを行っています。
皮膚科診療について詳しくお知りになりたい方は問い合わフォームからご連絡ください。
投稿者:
2018.05.14
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギーなど脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は扱いにくく、こじれやすいです。
昨日は東京・品川の遠隔診療で5頭のわんちゃんを診ましたが、そのうち2頭がフレンチブルドッグでした。
たしかに難しい体質だと思いますが、うまくいかない理由は案外基本にあり、今の皮膚科医療のスタンダードである「アレルギー」と「痒み止め」に縛られてしまっていることだと思いました。
「フレンチブルドッグの皮膚病はアレルギーではない」「皮膚に痒みの異常があるわけではない」という目線でアプローチしなければうまくいかないと思います。
今日は以前にも2回紹介したわんちゃんの経過報告です。
1回目は、
3月23日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療 (初診)
2回目は、
3月30日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療② (2回目再診時)
今日紹介するのは初診から約6週間後のつい先日の症例報告です。
まずは1回目、2回目と順番医お読みください。
それでは初診時から6週間後との比較をご覧ください。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
顔のシワの皮膚炎がまだ十分とはいえませんが、全体的には劇的な改善ができたいと思います。
この方向性でいけばもう2度と元の状態にもどることはないでしょう。
このタイプの症例には院内薬浴を実施して、サプリメント2種類を併用しています。
当院の薬浴で使用しているスキンケアと、サプリメントは以下のオンラインショップからご購入できます。
適切な診断・治療とともにご使用ください。
投稿者:
2018.03.30
痒い皮膚病の典型皮膚病であるアトピー・アレルギーや脂漏性皮膚炎など、フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先日紹介した記事の続きです。
過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎 3月22日初診の紹介記事
このわんちゃんの2回目の診察が3月30日(今日)でしたので、早速経過を紹介します。
まだ途中経過ですので、部分的なハイライトのみの紹介です。
全体をご覧になりたい方は、3月22日のブログ記事をご覧ください。
それでは初診時のハイライトを紹介します。
まずは顔の左側。
続いて、右前腕の肘の内側あたりの拡大です。
続いて、右前肢の第1指~第2指の拡大です。
続いて、胸部とその拡大です。
それではこの初診から8日後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まだまだではありますが、たった8日にしては「劇的な改善」という評価ができると思います。
ここから悪くなることはまずありません。
参考までに初診時に行った検査の1つに「甲状腺ホルモン濃度測定」があります。
T4濃度は0.8と基準値よりも低めでしたが、甲状腺機能低下症と診断するには不十分として甲状腺ホルモン製剤の処方は行わないことにしました。
1ヵ月後くらいにもう一度測定し、そのときに再度評価する予定です。
例え甲状腺機能低下症があって、投薬が必要である状態だとしても、今の治療で一定のレベルまでは改善できると考えていますので、一生涯の治療が必要な診断には確信をもって望みたいと考えています。
2回目の診察から、ECプラスとLFプラスを併用することにしました。
食事療法とともに、腸管免疫の改善をめざします。
※投薬治療は必須です。
今回の症例には毎回院内薬浴を行っていますが、脂漏性皮膚炎のシャンプー・スキンケア療法には当院のクレンジングオイルが非常に有効です。
スキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラス、スキンケア商品ともにオンラインショップでお買い求めいただけますので、ぜひご利用ください。
投稿者:
2018.03.22
アトピーやアレルギーなど難治性皮膚病の筆頭にあがるフレンチブルドッグの治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、愛知県四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病の基本は「体質を診極める」です。
例えみためが違えど、遺伝的な背景はほぼ似ており、必要な治療アプローチの根本的な考え方に差はありません。
見た目の違いは「表現系の違い」と認識しており、特別な理由はないと思っています。
いくつかの治療パターンの中から、どこの部位にどの治療をすればいいのか、そして治療の力を入れ具合の優先順位をつけることができれば大半の皮膚病は改善に向かいます。
今日紹介する症例は、先日の3月22日に当院をはじめて受信されたわんちゃんです。
まだ1回しか診察していないため、まだ治療後の写真は1枚もありません。
【症例】
フレンチブルドッグ 2歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳のときにはじめて皮膚病(背中の複数できる円形脱毛)
〇胸~お腹~内股・・・と拡大し、皮膚はゴワゴワになる
〇アポキルを毎日服用するも改善は初期の一過性で、ここ数か月は悪くなっている
〇約6か月前からアミノ酸系のアレルギー対応療法食を継続中
それでは初診時の状態です。
まずはお顔、さまざまな角度からみてみましょう。
続いて、頚部です。
今回のわんちゃんでは頚部のダメージはかなり小さいですね。
続いて、右前腕とその拡大です。
続いて、左前腕とその拡大です。
続いて、胸部~腹部です。
続いて、内股~後肢です。
かなり重度ですが、治療方針は一瞬で決まります。
そう、最優先なのは薬浴ですね。
投薬治療が欠かせない症例ですが、薬浴して帰ることで初期の治療成績がかなり高く、そして早期に劇的な改善が認められると思います。
ただ薬浴そのものでは「皮膚病の原因」には対処できていないため、根本的にはことなるアプローチをしなければいけません。
その根本的なアプローチというのは、スキンケアECプラスであり、ヒーリングケアLFプラスであり、食事療法だと思います。
今回は薬浴実施と食事療法の処方とし、次回改善していることを確認してスキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラスを処方する予定です。
特に今回の症例は「初診日から食事変更で、新しい食事療法開始」としたのですが、これは非常に重要なポイントです。
当院に受診していた当日まで食べていた療法食はアミノ酸系アレルギー対応療法食でした。
アミノ酸系療法食を食べていればよくなるというのはないので、即刻中止です。
参考までに当院の薬浴で使用しているスキンケア商品、このタイプのわんちゃんの体質ケアに必要なスキンケアECプラスとヒーリングケアLFプラスは以下のオンラインショップからお買い求めいただめます。
追記)3月30日
初診から8日後の3月30日に2回目に来院されたときの状態を紹介しています。
投稿者:
2017.10.31
フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
日中は陽の暖かさを感じ、夜はひんやりと・・・随分と秋が深まってきましたね。
先日は東京であん動物病院の大石先生と皮膚科診療を開催しました。
11月7日(火)は静岡市のあん動物病院で診療サポートを行います。
静岡市近隣で通院できる方はあん動物病院の大石先生までご相談ください。
今日紹介する症例は、フレンチブルドッグの皮膚病重症例の気になるその後についてです。
以前にも紹介したことがあり、そのときのブログが平成29年2月6日です。
治療9週の時点で随分と改善したので、途中経過として掲載しました。
そしてブログの最後はこう締め括りました。
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あとは「もっとよくなる」、そして「再発させない」が重要です。
もう一度フワフワ&サラサラの被毛に回復させ、お薬がなくても再発もない状態へ導きます。
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さて、初診の状態からみてみましょう。
まずは顔、エリザベスカラーを装着しています。
つづいて、頚部。
続いて、頚部左側~左の腕にかけて。
続いて、左前肢。
同じく左前肢の先端です。
続いて、右前肢。
続いて、胸部。
続いて、腹部。
続いて、身体左側です。
同じく左側、前肢。
同じく左側から、後肢。
この初診から約1年後の現在です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
「もっとよくする」、「再発させない」とは書くのは簡単ですが、相当苦労しました。
現在は抗生物質も服用することなくいい状態を維持できるようになってきました。
もちろん絶対抗生物質をつかうことはない、とまではいきませんが、かなりキープできる体質になってきています。
もちろん再発させないためには当院のスキンケアECプラスが必須です。
これがなければ湿疹再発、抗生物質継続は否めないでしょう。
専用のオンラインショップでお求めいただけます。
もちろんスキンケアとサプリメントだけで治るわけではないです。
正しい診断、適切な投薬治療があってこそです。
ただ、投薬治療だけではここまでの体質改善は不可能だったでしょう。
投稿者: