2023.06.02
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの子の症例です。
【症例】
トイプードル 6歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳から痒みが続いており、今年は悪化傾向にある
〇血が滲んでしまうほど、搔く、噛むため洋服着て生活している
〇ステロイドやサイトポイントを使用しても改善せず
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは、正面のお写真です。
こちらは頚部のお写真です。
次は前足のお写真です。
こちらは側面から見た前足の写真です。
次は側面から見た後足の写真です。
次は胸のお写真です。
最後にお腹、スネのお写真です。
【初診時の診極め】
皮膚の状態から、もともとアトピーや脂漏症で痒くなりやすい体質ということはわかりましたが、それだけではありません。
●毛並みが良くない
全体的にスカスカの印象で生え方も弱々しい
典型的なトイプードルの毛並み異常がある
●心因性の診断
・マンホールや水たまりをよける
・ファスナーを噛む
・葉っぱを拾い食いする
これらの行動パターンを示す症例は、純粋な痒みというよりも、心因性の掻痒行動(舐める・噛む、搔く)が強く出る傾向があります。
それでは治療から約2ヶ月後の様子と比べてみましょう。
【当院の治療プラン】
①アトピー
・投薬治療
②腸活(免疫異常の改善)
・食事療法
・スキンケアECプラス
③被毛形成異常
・投薬治療
④心因性
・投薬治療
・パーソナルケアp II+
⑤脂漏症
・院内薬浴
初診時に院内で薬浴を行い、
その後痒みが3割まで減りました。
治療から約2ヶ月後には痒み、フケ、臭いも無くなり、
「1歳以来初めて良くなった」
「魔法にかかったみたい!」と
非常に喜んでいただけて、私たちまで嬉しくなりました
また行動にも変化が見られ、自分から遊んだり活発に動くようになったそうです。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 佐野
投稿者:
2023.05.02
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの子の症例です。
【症例】
トイプードル 5歳6ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇舐め始めると止まらなくなってしまう
〇アポキルやステロイドなどのお薬を服用するも改善せず
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは正面の写真です。
次に脇とその拡大写真です。
脇を搔いてしまい、赤みがあります。
次に腕とその拡大写真です。
腕も赤みがあり、拡大写真を見ていただくとただれているのが分かります。
最後に足先の写真です。
手先を舐めてしまい、毛の色が変色しています。
それでは、治療から約4カ月後の写真と比べてみましょう。
この症例で大事なことは診た第一印象だけで、「本当は痒くないのではないか?」ということです。
診察室での挙動、病変部の部位、飼い主さまがお話される内容から「痒みだけではない行動の問題」が隠れていることがわかります。
心因性の診断として、以下の行動パターンを問診で確認しました。
・わんちゃんが苦手で見かけると吠える
・苦手な事に対して我慢ができない
・かなり頑固でお散歩などで行きたくない方には絶対に行かない
・嫌なことをすると噛む
・人の手を舐めるのが好き
これらの行動パターンを示す症例は、純粋な痒みではなく、心因性の掻痒行動(舐める・噛む、搔く)が強く出ることがあります。
【当院での治療】
①アトピー
・投薬治療
②腸活(免疫異常の改善)
・食事療法
③心因性
・投薬治療
・パーソナルケアPⅡ+
④週1回のホームスキンケア
・Medicareオイル
・Medicareシャンプー
治療の4カ月後にはAfter写真の状態まで改善し、前までは四六時中舐めたり、噛んだりしていたのも4割ほどに減りました。
Beforeのお写真では、手先の毛の色が変色していますが、手舐めが減り、After写真では変色していた部分が薄くなりました。
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重症度が高いためここまでの改善には投薬治療が必須だと考えてますが、当院以外ではこの治療プランを受けることは難しいため当院への来院がベストかと思います。
当院への受診が難しい場合は、アポキルなどの対症療法を併用しながらホームケアを追加するのがオススメです。
アプローチする場合は、
・食事療法
・スキンケア
・免疫異常:スキンケアECプラス
・心因性:パーソナルケアpⅡ+
・毛並み異常:アロペシアGR+
がお勧めです。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 佐野
投稿者:
2022.12.14
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの子の症例です。
【症例】
トイプードル 5歳9ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】
〇2歳半から3年間ずっと1年中痒みが続いている
〇抗ヒスタミン薬・コルタバンスの使用と月1回のサイトポイントによる治療を行うも改善しない
〇ビショビショになるほどの手舐め行動がある
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは首の拡大写真です。皮膚が硬くただれています。
こちらは胸の写真です。毛束状になり皮膚の色は黒くなっている場所もみられます。
次は胸とお腹です。
胸の拡大写真です。こちらも毛束状になっているのが目立ち、下の皮膚が見えています。
そしてお腹の拡大写真です。胸に比べ皮膚の色や状態が悪いです。
さらに下にいき、後ろ脚。膝辺りは毛を噛んでしまい脱毛しています。
こちらも皮膚の色が悪いのが確認できます。
次に横から見た写真です。
こちらは先ほどの写真の腰の拡大写真です。
こちらも先程と同じく噛んで毛が短くなっています。
最後に背中の写真です。
目の周り・口周り、前足・後ろ脚が部分的に皮膚がベタベタしており、背中はフケが確認できました。
当院での診断は3つ、「免疫の異常」「毛並みの異常」「心因性の異常」です。
治療は、
①食事療法とサプリメント
加工品は避け、腸管の免疫改善の為に当院でオススメしているフードとサプリメント(スキンケアECプラス)の開始
②投薬治療
毛並み改善やもともとの性格や気質(心因性)、そして痒みに対し適切なお薬の処方
③スキンケア
Medicareオイル
Medicareシャンプー
Medicareジェル
を使用しての定期的な体の外からケア
治療から約2ヶ月で皮膚の状態も良くなり毛も生え始めました。
写真で見比べてみましょう。
毛は脂っぽさがなくなり、サラサラに。そしてカールと艶が復活しています!
脂漏症により皮膚が固いフケで覆われていましたが、投薬治療によりやわからな皮膚に戻りました。
特にトイプードルは毛質がとても大事で、皮膚が良くなる条件に「毛の密度が高い」「毛の色が濃い」「毛に艶とカールがある」ことが挙げられます。
逆に毛の密度が低い、毛の色も薄い、毛に艶とカールがないと皮膚病が治らない条件が残っていることになります。
ここには投稿治療とアロペシアGR+がお勧めです。
また心因性に対する治療により日常生活にも変化が現れ、外出時などでケージに入れる15分以上不安で鳴いていた子が、今では飼い主さまのお出かけに気付くと自らケージに入るようになったそうです。
このお出かけ前のケージに入る行動は今まで一度もあったことがないようで、飼い主さまは非常に驚かれていました。
これは心因性に対する適切なアプローチのおかげでもあります。
受診が難しく、ホームケアでアプローチする場合は…
・食事療法
・スキンケア
・免疫:スキンケアECプラス
・心因性:パーソナルケアpⅡ+
・毛並み異常:アロペシアGR+
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
投稿者:
2022.11.23
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はスタンダードプードルの子の症例です。
【症例】
スタンダードプードル 6歳4ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】
〇3年以上前から湿疹が繰り返している
〇抗生物質や外用薬を使用するも改善せず
それでは初診時の様子をご覧ください。
お腹の写真です。
初診時から3週間後の写真と比べて見ましょう。
初診時は湿疹、赤みがありますが、すごくきれいになりました。
膿皮症の標準医療としては抗生物質を使用するところですが、再発しやすいタイプの症例に対しては根本的なアプローチが不足していると考える必要があります。
理由は、抗生物質は細菌を抑えることができても細菌が増える原因を改善できないためです。
抗生物質を服用中はたしかに湿疹(膿皮症)はよくなりますが、抗生物質の服用をやめると再発するタイプが当てはまります。
抗生物質が膿皮症の原因を治しているわけではないため再発を繰り返してしまいます。
再発を繰り返す場合の大事な視点はできてしまった膿皮症を治すことではなく、「膿皮症ができる要因を改善すること」です。
膿皮症の原因は色々ありますが、腸内環境の異常と毛並みの異常の2つが関わっていることが多く、みなさまに知っておいてほしいのは原因がどちらか1つだけのケースはほとんどないということです。
今回の症例では珍しく毛並みの異常がほとんど認められなかったため、腸内環境の異常による膿皮症の可能性が高いと判断し、食事療法とサプリメント(スキンケアECサプリメント)でアプローチし、予測通り最短の3週間で改善しました。
「スキンケアで膿皮症は治りますか?」とよくご質問をいただきますが、多くの場合腸内環境の異常と毛並みの異常との組み合わせで膿皮症を繰り返すため、ホームケアでアプローチする場合には、当院のオンラインショップでご購入いただける膿皮症ケアセットがオススメです。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 佐野
投稿者:
2022.05.24
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は高齢になってから発症した脂漏症と、昔からあった舐め癖のトイプードルの治療症例です。
【症例】
トイプードル 13歳 男の子
【経過】
〇アポキルを服用しても改善されなかった
〇10年前から手足をずっと舐めていた
〇13歳になってから他院から皮膚病と診断された
それでは初診の様子をご覧下さい。
まずは首の写真です。脂漏症の症状がお分かり頂けると思います。脱毛もしています。
次は胸の写真です。赤みもあり、正常に毛が生えていません。
そして、前足と後足(内側)の写真です。
舐め癖、噛み癖があり痛々しい状態です。正常な毛はありません。
最後に全体の写真です。
特に舐める手足は毛がほとんどありません。
それでは初診時から約5ヶ月後の写真を比較してみましょう。
いかがでしょうか
治療開始から約1ヶ月過ぎる頃にはフケやガサガサ感が減り始め、痒みや舐め癖も減ってきました。
皮膚のコンディションが改善されることで、正常な発毛にも繋がります。
今回は、高齢になってから発症した脂漏症でもきちんと治療できれば改善される症例です。
隠されたいくつかの基礎疾患と、心因性の治療を同時に行うことが重要です。
そしてもう一つ、外部からのアプローチとして当院での薬浴や、適切なスキンケアの指導を行い飼い主様自身でのスキンケアも行って頂きました。
今回の治療にアポキルは使用していません。
内部からの治療と、外部からのアプローチを同時にすることで改善に繋がります。
このように、噛み癖や、アポキルが効かないなど、わんちゃんの皮膚病の事でお困りの事がありましたら、是非当院にご相談下さい。
また、関東にお住まいの方、関東の方が近い方は、東京サテライトで当院の獣医師が初診をさせて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うことも可能です。
※疾患によっては適応できないこともありますので、ご了承下さい。
詳しくはこちらのホームページでご覧いただけます。⇒東京サテライト
今回使用したスキンケアは当院ホームページでご覧頂けます。⇒スキンケア&サプリメント製品
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】 看護師 森
投稿者:
2021.11.23
トイプードルの皮膚科治療にも力を入れている、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、トイプードルの症例をご紹介します。
【症例】
トイプードル 14歳1ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇アポキル、ステロイドを服用していたが効果なし
〇サイトポイントも効果がなかった
〇出血するほど噛む
では、初診時の様子です。
まずはお顔(横向き)の写真です。
目の周り、口の周りの脱毛が激しく、肌もごわごわとしています。
次に足の写真です。
噛んだり、舐めたりする事が辞められず、赤み、腫れ、脱毛、出血、傷跡があります。とても痛々しい状況です。
それでは4ヶ月後の写真をご覧下さい。
手足を異常な程舐めたり噛んだりし、飼主様が声をかけても辞めず、更に酷いと悲鳴をあげながら出血するまで噛むほどでした。
他にもクッションやバスタオルなども噛み、怒りっぽくなったそうです。
5年間このような状態が続き、アポキルやステロイドの服用、サイトポイントの注射をしても効果が出なかったのです。
今回、当院では心因性に対する必要な投薬治療を行い、同時に腸内環境を整え(スキンケアECプラス)、投薬とは別にサプリメントでも心因性にアプローチをしました(パーソナルケアpⅡ+)。
3ヶ月後には舐める回数が大幅に減り、毛の量も増え、明らかな元気が出てきました。心因性の原因を抱える子たちは、改善により性格にも変化が見られる事が多いのです。
この子の場合は投薬治療が必要な例です。必要な投薬は大切な治療です。
この様にただ痒くて掻くのではなく、心因性からくる痒みの衝動を上手くコントロールすることが大切です。
皮膚病には色々な原因があります。
噛み癖や、アポキルが効かないなど、わんちゃんの皮膚病の事でお困りの事がありましたら、是非当院にご相談下さい。
今回の治療でも使用した当院オリジナルのサプリメント、スキンケアECプラス(腸内環境を整えます)、パーソナルケアpⅡ+(心因性のアプローチに服用しました)、は当院のホームページでご覧頂けます。⇒サプリメント&スキンケア製品
尚、関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診させて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うこともできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
詳しくはこちらからご覧頂けます。⇒東京サテライト
【症例報告作成者】 看護師 森
投稿者:
2021.09.23
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、トイプードルの症例です。
【症例】
トイプードル 3歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇1歳半頃から脱毛
〇痒みがある目や口を掻いたり、こすったりする
〇手先をよく舐める
では初診時の様子を見ていきましょう。
まず右側面の写真です。
右耳の写真です。
左耳の写真です。
お腹側の写真です。
胸部拡大です。
腹部拡大です。
それでは、3ヶ月後の治療後の写真を見ていきましょう。
初診から2週間後には、痒みがほぼ無くなりました。
毛が薄くなっていた耳や胸なども毛が徐々に生え、皮膚の赤みもなくなりました。
フローリングやソファ、人の手を舐めてしまうこともありましたが、だんだん無くなっていきました。
今回は心因性に対する投薬治療や腸内環境をよくするサプリメント(スキンケアECプラス)と性格や気質に対するサプリメント(パーソナルケアpⅡ+)とご自宅でのスキンケアも行いました。サプリメントやスキンケア用品はオンラインショップでもご購入いただけます。
わんちゃんの皮膚病の事でお困りのことがありましたら、是非当院へご相談ください。
関東圏にお住まいの方には、継続治療をオンライインで行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧ください。
【症例報告制作者】 看護師 佐野
投稿者:
2021.02.17
こんにちは。アトピー治療に力を入れている四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの症例を紹介します。
【症例】
トイプードル
【経過】
痒み(掻く、噛む)
梅雨頃から夏に悪くなるが、症状は一年通してある
それでは初診時の状態です。
それではここからは治療後との比較です。
※写真をクリックすると大きくすることができます
かなり改善していますね。
痒みも落ち着き、掻いたり噛んだりすることもかなり減りました。
また、毛量も増え、毛質もかなり良くなりました。
投薬治療に加え自宅でのスキンケアなども行い、ここまで改善することができました。
当院ではアトピー性皮膚炎以外にも、様々な皮膚病に力を入れて治療を行っています。
皮膚病のことでお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。
投稿者:
2019.11.23
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は治療依頼が非常に多いトイプードルの脱毛症「アロペシアX」、別名「毛周期停止」の治療症例です。
【症例】
トイプードル 7歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇元々薄毛ぎみだった
〇約1年前に頚部が脱毛、そこから広がっていった
〇エリザベスカラーを着用している
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
右耳です。
頚部です。
脇~腹部です。
内股です。
体の右側面と頚部の拡大です。
それでは、初診時から約8ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
トイプードルの毛並み異常は非常に多く、難治性皮膚病の原因になっています。
難しい理由は、
①評価ができない
毛並みは数値ができないため、毛並みが悪いという状態をしっかり評価できていないケースが多く認められます。
顕著に脱毛していればまだ「脱毛」とわかるのでいいのですが、なんとなく悪いだけであれば気づかれにくく放置されてしまうこともあります。
そういった症例で湿疹やアトピーが混在していると、毛並み異常の病気が隠されてしまい「アトピーだから」「皮膚病だから」で済まされてしまうこともよく起きています。
何事もそうですが、「正常を知る」というのがとても重要で、正常を知っていることで「おかしい(異常)」を的確に評価することができます。。
②診断が難しい
診療の基本は証拠(わかりやすいのは数値化)を得て診断名(病気の枠組み)をつけることなのですが、脱毛・毛並み異常の原因が必ずしも数値化できる病気ばかりではありませんし、既存の診断名の中に綺麗に収まる病気ばかりではありません。
数値化で診断しやすい疾患(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)もあるのですが、そうではないものを把握しておく必要があります。
もちろん診断がない毛並み異常に対しても治療プランをもっているとより医療の質は高くなります。
③治療が難しい
よくある病気に当てはまらないと治療プランを立てることがむずかしくなります。
というのも診断名があり特定の治療法がある疾患であれば悩むことはないのですが、原因が特定されておらず漠然とした疾患で、治療法にもさまざまな選択肢があると「よりベターは選択は?」となるため、高度な判断力が必要となります。
④トイプードルならではも難しさ
トイプードルの脱毛症は他の犬種とことなる特徴があるため、その特徴を知っていないと意外なところで躓きます。
トイプードルの脱毛症、特にこのアロペシアX(毛周期停止)はこういった条件がそろっているため、治療は難しくなっています。
今回はその中でかなりいい治療結果が出た方だと思います。
本当に難しいのはこの治療結果がでるのかでないのか、事前に予測するのが非常に難しいところですね。
投稿者:
2019.11.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの症例です。
【症例】
トイプードル 5歳 男の子(去勢手術未)
【経過】
〇3年前から季節性のない皮膚炎
〇体全体に脱毛、痒みあり
〇手足をよく舐めている
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔の左側です。
脇~前胸です。
体の右側面と拡大です。
右後肢の大腿部です。
それでは、初診時から約2ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
今回の症例ですが、トイプードルの治りにくい皮膚病として非常に多いタイプです。
治療で重要なキーワードは「脂漏症」と「免疫」です。
アトピーという枠組みも間違いではないのですが、アトピーを中心に置くと治療がうまくいきません。
もし仮にアトピーとして考えると、治療は「アポキル」になるのですが、アポキルではこのタイプはかなり苦戦します。
もちろんアポキルを間違いというものではなく、ある程度改善も認められると思うのですが、「アポキルだけでは治らない」という意味でアトピーを治療の中心に置くのはよくないということです。
脂漏症に対してはもちろんスキンケアが必要不可欠です。
また免疫にはスキンケアECプラスが非常におすすめですが、今回の症例は少しだけ手先の舐め癖があったのでヒーリングケアLFプラスを採用しました。
このタイプにはスキンケア&サプリメントだけでは改善しないので投薬治療は必須です。
積極的な投薬治療を併用することでかなり短期間で改善し、サプリメントの体質改善によって必要な投薬量も現在は初期の半分量で維持できています。
適切な診断と投薬治療があれば当院のスキンケア&サプリメントが非常に役立つ典型的な症例だったと思います。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者: