2021.08.18
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、チワワの皮膚病の症例です。
【症例】
チワワ 1歳 男の子
【経過】
〇耳の後ろ・顎・足先などの脱毛
〇痒みがあり、頭・顎を掻き、足先・腕・腰を舐めたり噛んだりする
では、初診時の状態を見ていきましょう。
はじめに、正面です。
続いて、身体の側面です。
身体側面の右側の拡大です。
身体側面の左側の拡大です。
続いて、腕の拡大です。
続いて、頚部です。
頸部の拡大です。
続いて、胸部・腹部です。
胸部の拡大です。
腹部の拡大です。
全体的に毛が薄く、背中や頭が部分的にはげてしまっています。
では、初診時から約3ヶ月後の状態を見てみましょう。
わずか3カ月でここまで毛並みが良くなりました。
治療前は、足先などを濡れるほど舐めていたのが治療後はほぼ無くなっています。足先の脱毛・赤みもなく、綺麗な毛が生えそろっています。
そして飼主様曰く、だんだんと治っていくにつれ、性格が変わってきたそうです。飼い主様の近くに自ら来るようになり、人懐っこい性格になっていきました。
皮膚病による脱毛・痒み・痛みは、外面的な問題以外にも内面的な問題もおこり、飼主様に懐きづらくなったり、怒りっぽくなってしまったり、鬱っぽくなってしまいます。
反対に、適切な治療をしていけば今回の症例の子のように人懐っこく、明るく犬らしい性格になっていくかもしれません。
【症例報告制作者】看護師 山崎
投稿者:
2021.07.23
心因性の噛み癖などの治療にも力を入れている皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はチワワの症例です。
【症例】
チワワ 11歳9ヶ月 男の子(去勢済み)
【経過】
〇元々皮膚トラブルはなかった
〇2年前から急に左手を舐める&噛む、身体に湿疹
〇ステロイドなどを服用したが改善しない
〇エリザベスカラーをつけている
それでは初診時の写真をご覧下さい。
まずは全体の姿です。
胸から股まで毛が薄いのが分かります。
こちらは首の写真です。
そして、胸とお腹の部分です。
薄毛と、赤み、所々に湿疹があります。
次は腕です。
こちらも毛が薄い状態です。
特に左には舐め壊し、噛み壊した様な跡もあります。
こちらは側面の写真です。
それでは治療後の状態と比較してみましょう。
並べてみると、全体的に毛量が増えたのがお分かり頂けると思います。
こちらは側面の毛をめっくったところです。
アンダーコートが再生しています。
治療後の写真は4ヶ月後のものです。
今回は腸内免疫の改善と、投薬治療を行いました。
ホルモン異常へのアプローチに加え、心因性へのアプローチも行いました。手を舐め壊したり、噛み壊したりするのは心因性が原因の場合があります。
目を離す時にはつけていましたが、2ヶ月後にはエリザベスカラーが外せるようになりました。4ヶ月後には完全に外せています。
毛はアンダーコートも再生してボリュームが出て、毛の質も柔らかくなったように見えます。
今回、腸内環境を整える為と(スキンケアECプラス)、心因性へのアプローチに(パーソナルケアPⅡプラス)サプリメントも使っています。
このように中々治らない、原因が分からない、など、わんちゃんの皮膚の事でお悩みの方はぜひ当院までご相談下さい。
尚、関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診させて頂き、再診をオンライン診療で行う継続治療を受けることもできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧ください。
【症例報告制作者】 看護師 森
投稿者:
2018.12.17
チワワのアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
チワワも痒みトラブルが多い犬種ですね。
問題はアポキルで痒みのコントロールが難しい症例がいることです。
【症例】
〇1歳のときから痒み
〇腕をなめる&かじる
〇頚部を頻繁にかく、暇になると背中を真っ赤になるまで掻く、
〇左膝の上の毛をむしる
〇とくにかく全身痒く、留守にすると血まみれになるまで掻くため、エリザベスカラーをしている
〇アポキルでも改善しない
それでは初診時の状態です。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、右前腕です。
続いて、左のわきです。
つづいて、左後肢の膝上です。
それでは初診時から2か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常にきれいになりました。
痒みも緩和され、エリザベスカラーもつけていません。
身体が真っ赤になることも、傷だらけになることもありません。
アポキルも2日に1回でコントロール良好です。
今回の症例ではアポキルが効かなかったということですが、初診時に「アポキルが効かない理由」がわかります。
このアポキルが効かない理由にアプローチするとここまで改善することができます。
「痒い」という行動に対してどうアプローチするのか、痒みのメカニズムを考えてアポキル以外のアプローチを併用することが重要です。
投稿者:
2017.11.09
チワワのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回紹介する症例は、以前にも治療経過を紹介したことがあるチワワちゃんです。
振り返ればもう3年も前で、もちろんアポキルがないときの治療結果です。
ここから欠かすことなく継続治療をし、非常によい状態を長く維持していたのですが、今年の春くらいから悪化するようになりました。
そのときの様子から紹介しましょう。
左足だけの写真です。
3年前の治療開始した頃の投薬量よりも随分と減量していたため、まずは初期の投薬量に戻してみましたが、3年前のような改善はありませんでした。
そこで過去の治療内容は一端保留にし、今まで行ってこなかった新しい治療方針を加えてみました。
新しい投薬治療から2ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
随分とよくなりましたね!
この投薬治療には内服の処方と、当院のヒーリングケアLFプラスを処方しました。
新しい投薬内容と、このヒーリングケアLFプラスの相乗効果で、元々継続していた内服はさらなる減量に成功しています。
季節により投薬量の調整があるかもしれませんが、随分と再発し難い体質になっていると思います。
当院のサプリメントは適切な診断と、投薬治療を併用することで、徐々にお薬をへらすことに成功しやすいと考えています。
当院で処方しているサプリメントやスキンケア商品は以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な診断と、適切な投薬治療と併用することでよりより治療結果をえることができます。
当院ではメールと写真で継続する遠隔診療にも力をいれているため、ご希望の方は当院HPの遠隔診療ページのお申し込み欄からお問い合わせください。
また、当院では今年から個人開業に動物病院に向けて、皮膚科での診療提携を行っています。
ご興味のある方はお問い合わせください。
投稿者:
2014.09.12
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。
陽のあたる日中はまだ暑さを感じるものの、夜は冷えるようになってきましたね。
さて、今日はチワワの症例報告です。
難治性皮膚疾患になりやすい犬種といえば・・・柴犬、フレンチ、シーズー・・・と、実はチワワが上位に入るわけではありませんが、その圧倒的な飼育頭数から難治性で来院するチワワも稀ではありません。
そしてチワワであればいくつかパターンがあり、大きく「脱毛症」、「アレルギー」、「脂漏症」の3つに分かれる傾向にあります。
病気が1つとは限らず複数もつこともあり、それがまた診断と治療を難しくさせる要因なのかもしれませんが、初診時にその病態を適切に判断することが最も重要です。
【症例】
チワワ 2歳10ヶ月 男の子(去勢済み)
【経過】
☆1才から痒みを伴う皮膚病
☆冬に悪化しやすい?再発を繰り替えす
それでは初診時の状態です。
病変は顔、耳、四肢端です。
まずは顔を左右でみてみましょう。
続いて、下顎です。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、前肢端です。
同じく前肢、右前肢の拡大です。
最後に後肢です。
よくあるチワワの典型皮膚疾患ではありませんが、診ただけでもチワワらしい体質が予測できます。
この初診時から1ヶ月半後と比較していきましょう。
わずか1ヶ月半で完治?と見間違うほどの改善です。
重要なのは初診時にどう病態を判断するか、お医者様の「みたて(見立て)」と一緒です。
たとえ初診時に血液検査結果が出揃っていなくても、2ヵ月後にどこまでよくなっているか・・・いくつかパターンをあげつつも予測できるか?が重要です。
今回に限らず毎回ですが、各種検査結果が出揃って改めて考え直すことはほとんどなく、検査結果でパターンの整理をするだけで何か特別な病気の可能性や治療パターンを用意することはありません。
そのためほぼ初回の「みたて」通りにアプローチします。
今回の症例に関して、たしかに診た目は重度ですが、たった1つの特徴的な病変が顕著にでているだけだったため、僕が頭で描いたゴールへの道筋は1つです。
逆に頭で描いたたった1つの治療パターンで改善がなければ・・・????
なくはないのですが、今回は「これで改善しないはずがない」という判断ができるほど自信をもってスタートをきることができた症例です。
現在初診から半年経過しましたが、現在でも比較的いい状態を維持できています。
もし何も治療を加えなければ徐々に悪化してしまう可能性がある疾患のため、現在でも治療継続中ですが現在では1ヶ月に1回の診察でコントロールできています。
「初診からの集中治療期間1ヵ月半」、「その後の来院頻度月1回」という内容はかなり軽い症例の方で、全体の中では非常に少ないパターンです。
すべての症例で可能なわけではありません。
投稿者: