2024.02.21
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はポメラニアンの子の症例です。
【症例】
犬種 5歳 3ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇1才6ヶ月から全身のベタつき
〇フケやニオイがある
〇強い痒みから、出血するまで掻く
〇皮膚の色素沈着
〇エリザベスカラーが外せない
〇ステロイドや痒み止めの効果なし
〇痒みが強く活動性の低下あり
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずはお首です。
こちらの写真はご予約の時点でご提供いただいたお写真です。
特に首の部分の被毛は無く、地肌が見えています。
次に胸~お腹の写真です。
こちらも被毛が無く地肌が見えています。
地肌は色素沈着を起こしています。
次に両前肢のお写真です。
被毛がベタついているのが分かります。
そしてこちらは両後肢のお写真です。
次に右体側です。
アンダーコートが無い為、ポメラニアンらしいふわふわとした印象とはかけ離れています。
そして最後に被毛をかき分けている写真です。
やはりアンダーコートがないため、地肌が見えてしまいフケも確認できます。
【初診時の診極め】
ポイント「脂漏症」
脂漏症はどちらかというと「続発性」で、何か別の基礎疾患がコントロールできずに起きてくることが多いです。
特にアトピーがコントロールできていない、内分泌疾患を見落としている、などです。
ただ今回は遺伝的な脂漏症の割合が高く、純粋な脂漏症に近い珍しいタイプです。
大事なのは「隠れた基礎疾患を探して上手にコントロールすれば自ずと脂漏症も改善する」のか、
「脂漏症に直接アプローチする」のかの加減を初診時にわかるかどうかで、今回は後者です。
アポキル・食事療法・スキンケアなどが悪いわけではありませんが、そのアプローチでここまでの改善はほぼ不可能といって過言ではありません。
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【当院の治療プラン】
①脂漏症
・積極的な投薬治療
・アロペシアGR+
②腸活(免疫異常の改善)
・食事療法
・スキンケアECプラス
③週2回のスキンケア
・Medicareオイル
・Medicareシャンプー
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それでは治療後の様子と比べてみましょう。
<治療開始から1ヶ月後>
・活動性の増加(よく遊ぶように)
・痒みが少し減る
・フケが3割まで軽減
・臭いはかなり減った
<治療から3ヶ月弱>
・痒みほぼなし
・エリザベスカラーを外せた
・皮膚のベタつきが無くなりシャンプーの頻度が減る
・抜け毛が無くなる
・毛量が増える
・皮膚の色素沈着が減る
・フケが出なくなる
初診時を除いた3回のオンライン診療で、
After写真の状態にまで改善することができました!
同じような症状の子やその他皮膚疾患でお困りの方はぜひ当院までご相談ください。
今回の症例は積極的な投薬治療が絶対に必要と伝えたいのですが、それでも受診が難しくホームケアでアプローチしたいという場合は、
・適切な食事
※プロフィールのリンクツリー「治療を成功に導く食事療法」から資料請求できます。
・サプリメント
スキンケアECプラス(腸活)
アロペシアGR+(被毛形成異常・毛周期停止)
・スキンケア
Medicareシリーズ
当院オンラインショップの「痒みケアスターターセット」をお勧めします。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
投稿者:
2023.12.19
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は遠方にお住いのため、初診時は愛知県で直接診療をし、2回目以降の診察はオンライン診療で治療したポメラニアン
の子の症例を紹介します。
【症例】
ポメラニアン 5歳11ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】
〇2歳8ヶ月から脱毛が進行
〇初診時が過去一番に毛が薄い状態
〇色素沈着を起こしている
〇サプリメントや炭酸風呂を試したが、改善せず
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは胸、お腹のお写真です。
ほとんど毛が無い状態です。
こちらは上から見た身体のお写真です。
背骨の部分には毛が生えていますが、身体側面は毛が薄く地肌が見えています。
最後に右身体側面のお写真です。
こちらも毛が薄く、地肌のピンクが見えてしまっています。
【初診時の診極め】
ポイント 〈アロペシアX〉
ポメラニアンやトイプードルに多く認められる毛周期停止による脱毛症です。短期間で改善する特効薬がないため難治性脱毛症の筆頭として知られています。痛み・体調不良を伴わない疾患なのですが、皮膚トラブルの原因になることもあります。
治療にはだいたい1年くらいかかるわんちゃんが多いですが、問題なのは1年治療したら絶対生えるのか?といえば違いますし、2年治療して生えるわんちゃんもいて、治療に正解がないことが難しいポイントです。
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【当院の治療プラン】
①脱毛
・投薬治療
・アロペシアGR+
②腸活(免疫異常の改善)
・食事療法
それでは治療から約7カ月後の状態と比べてみましょう。
この子の場合、治療開始から約3ヶ月半後に毛質が柔らかくなり、5ヶ月半後から毛の量が徐々に増えてきました。
同じような症状の子やその他皮膚疾患でお困りの方はぜひ当院までご相談ください。
受診が難しくホームケアでアプローチする場合は、
・適切な食事
・サプリ
スキンケアECプラス(腸活)
アロペシアGR+(被毛形成異常・毛周期停止)
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 佐野
投稿者:
2023.12.07
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はポメラニアンの子の症例です。
【症例】
ポメラニアン 2歳11ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇2歳6ヶ月から脱毛が進行している
〇メラトニンを8ヶ月間服用しても改善せず
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは身体側面の写真です。
毛が薄く地肌が見えてしまっています。
次は身体側面の拡大写真です。
最後にお尻の写真です。
こちらも毛が薄く、毛質もゴワゴワしているのが分かります。
【初診時の診極め】
ポイント:アロペシアX
ポメラニアンやトイプードルに多く認められる毛周期停止による脱毛症です。短期間で改善する特効薬がないため難治性脱毛症の筆頭として知られています。痛み・体調不良を伴わない疾患なのですが、皮膚トラブルの原因になることもあります。
治療にはだいたい1年くらいかかるわんちゃんが多いですが、問題なのは1年治療したら絶対生えるのか?といえば違いますし、2年治療して生えるわんちゃんもいて、治療に正解がないことが難しいポイントです。
当院では基本的にはホルモン治療など積極的な治療法でスタートすることが多いのですが、今回はホルモン剤などのお薬はなしでアプローチしました。
投薬治療があった方が治療効果高いと考えていますが、サプリだけでも改善が期待できることもあります。
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【当院の治療プラン】
①脱毛
今回は飼主様のご希望で積極的な治療をせず、サプリメントを中心に治療を進めました。
アロペシアXの治療には、いつ毛が再生するのか予測不能であったり、換毛期でまたぶり返してしまうなど不安なことがたくさんあると思います。
そのため、わんちゃんはもちろん、飼主様にも負担が少なく、治療を進めていけるようにと考えております。
それでは治療から約4カ月後の様子をご覧ください。
この子の場合、初診時から約4ヶ月で毛が薄く地肌が見えてしまっていた身体の側面などの毛が生え、皮膚のベタつきもなくなりました。
同じような症状の子やその他皮膚疾患でお困りの方はぜひ当院までご相談ください。
受診が難しくホームケアでアプローチする場合は、
・適切な食事
・サプリ
スキンケアECプラス(腸活)
アロペシアGR+(被毛形成異常・毛周期停止)
この2つのサプリメントの組み合わせで長く(最短6ヶ月以上)続けることをお勧めします。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 佐野
投稿者:
2022.12.01
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はポメラニアンの子の症例です。
【症例】
ポメラニアン 6歳11ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】
〇1歳から痒み、4歳頃から脱毛が始まる
〇ステロイド、アポキル併用するも改善しない
〇1年中痒がり、皮膚は元々ベタベタタイプ
それでは初診時の様子をごらんください。
まずは首です。
次に胸部。
そして腹部です。
続いては体側(右側)です。
先程の首元を拡大した写真です。
こちらは腰あたりの拡大写真です。
次に右前足の側面です。
こちらは後ろ足の側面です。
最後に背中とその拡大写真です。
皮膚は赤く、部分的にただれている所があります。
毛もパサパサとしており、すぐ絡まり毛束上になっています。
毛は、全体的に薄く胸腹部は全く生えていません。
当院受診前の治療は、抗生物質・ステロイド・サイトポイント・アポキル・抗ヒスタミン剤・セラミドなどの使用でした。
当院での治療は投薬治療とサプリメントがメインですが、ステロイドは使用せず、
免疫異常、毛並み異常、心因性に対しアプローチを開始し現在もコントロールできています。
それでは初診から4カ月後の姿をご覧ください。
密度のある毛が生えていますね!
治療から1ケ月後には痒みが7割まで減り、べたつきも減ったとの事。
そこから約1カ月後には毛が増えてきたと感じ始め、再診のたびに毛量が増えたと感じられています。
そして治療から4カ月後にはモコモコふわふわになりました。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
【今回使用したサプリメント】
・スキンケアECプラス
・パーソナルケアPⅡ+
投薬治療なしにホームケアでアプローチする場合は、
・食事療法
・免疫:スキンケアECプラス
・毛並み異常:アロペシアGR+
・舐め癖:パーソナルケアpⅡ+
がお勧めてす。
Medicareシリーズとサプリは当院オンラインショップからご購入いただけます。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
投稿者:
2022.09.22
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は脱毛症のポメラニアンの子の症例です。
【症例】
ポメラニアン 6歳 女の子(避妊済)
【経過】
〇昨年10月から毛がごわごわし、徐々に首とお腹の毛量が減っていると感じた
〇かかりつけでアロペシアXと診断が下り、特に治療はしていない
〇同じ時期に膿皮症も患い抗生剤を内服している
それでは、初診時の様子をご覧下さい。
こちらは胸のお腹の部分です。
毛量は一見あるように見えますが、毛束状になりゴワゴワしたさわり心地です。
先程の拡大写真です。毛束感やゴワゴワしている感じが写真から伝わります。
こちらはお腹の部分の拡大写真です。
次は身体側面のお写真です。
このお写真は首辺りを映しています。
この部分だけ顕著に脱毛が見られました。
初診では食事療法を開始し、約2週間後から投薬治療とスキンケアを開始しました。
初診から3ヶ月後、血液検査も挟みながら適宜状態をみながら投薬を調整し、首辺りの毛が生え始め、全体的にゴワゴワしていた毛がやわらく感じられるように。
さらに2ヶ月後には毛量が増えボリュームが出始めました。
元の状態まで改善されたため治療終了となりました。
それでは、フワフワに戻った姿をご覧ください。
正面の写真からでも毛がフワフワしているのが分かります。
全体的に毛量が増え毛束感も無くなりました。
拡大写真です。
お腹の部分の拡大です。皮膚が見えていた部分が毛で覆われています。
身体側面です。フワフワモコモコですね。
脱毛が顕著にみられた首の部分も綺麗に生えそろっています。
全体的に毛が増えただけでなく、密になりポメラニアンらしい姿に戻れました。
アロペシアXは治療の正解がないため、効果が出るまで時間を要したり、全ての子がこの子のような結果となるわけではありません。
ですが、もし積極的な治療に興味があり試してみたいという方がいらっしゃいましたら是非当院にご相談ください。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
投稿者:
2019.12.20
こんにちは、ポメラニアンの脱毛症(アロペシアX、毛周期停止)の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はポメラニアンの症例です。
【症例】
ポメラニアン 6歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇急に毛量が減り、頚部、体の側面、臀部がスカスカに
〇腹部~内股に湿疹あり
〇痒がっている
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
頚部です。
脇~胸です。
腹部~内股です。
体の側面(右側)とその拡大です。
臀部です。
それでは、治療後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
スカスカだった部分に毛が生え、毛量が増えました。
腹部の湿疹があった所も綺麗になっています。
アロペシアX、毛周期停止といった脱毛系の治療は非常にデリケートです。
何がデリケートかというと、
①診断
血液検査での確定診断は不可能
②治療
専用の治療薬はなく、報告がある治療薬の取り扱いが繊細
③結果
一般的には治療結果がでるのに最短でも6カ月、平均1年越え・・・と時期だけでなく結果がでるかどうか不確定要素が強い
治療方針は色々とありますので、色々と組み合わせを変えながらご提案をしていきます。
毛並みの再生をお約束できるものではありませんが、お悩みの方はご相談ください。
投稿者:
2018.09.03
ポメラニアンの脱毛・脂漏などの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ポメラニアンの脱毛というと毛周期停止(アロペシアX)が有名で、当院を受診されるポメラニアンも脱毛症(毛周期停止・アロペシアX)が多いのですが、その他の皮膚病もないわけではありません。
【症例】
ポメラニアン 1歳8カ月 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後4か月のころから身体・四肢を掻く&噛むといった痒み症状を呈する
〇平成29年6月から当院受診5月までアポキル(オクラシチニブ)を毎日服用するも十分な改善はない
〇アポキルを1日2回服用を3カ月続けたが、1日1回と比較して痒みの軽減はない(今は1日1回)
〇過去の服用は、抗生物質として「メトロニダゾール・アモキシシリン・ドキシサイクリン・オフロキサシン・ホスホマイシン・エンロフロキサシン」、ステロイド、抗ヒスタミン剤
〇食事療法はアミノ酸系など2種類(おやつはなし)
〇外用ステロイドでの改善なし
〇季節性はなし
〇傷だらけになってしまうため、エリザベスカラーを常に装着している
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、右前腕と手先です。
続いて、左前腕とその拡大です。
続いて、胸部・腹部の順番です。
続いて、側面とその拡大です。
続いて、左後肢の側面(膝~カカト)です。
最後に、後ろからです。
それでは初診時から3カ月半の状態と比較してみましょう。
改善点を列挙していきます。
①エリザベスカラーを完全に外すことができました(初診時から2カ月半の時点)
②毛並みがよくなりました
③フケ・皮脂が劇的に減少しました
痒みがないというわけではありません。
かじったりもありますが、何よりエリザベスカラーがないという生活を取り戻すことができたのは大きなことだと思います。
今回のポメラニアンの症例はややイレギュラーな皮膚病で、途中治療初期には嘔吐・下痢・低血糖・高CRP値の問題点もでたりもしましたが、初診時から治療方針の変更はなく、順調に改善したと判断しています。
参考までに今回の3カ月半にアポキル(オクラシチニブ)は1度も使っていません。
使ってはいけないという意味ではなく、アポキルで改善は難しいと判断しています。
今の皮膚科では「掻く」「舐める」「噛む・かじる」といった痒み症状にアポキルという流れが定着しつつあり、いいこともあればそうでないこともあるように思います。
アポキルが効く皮膚病と、効きにくい皮膚病を診極めて処方することができればもっと皮膚病の治療成績は高くなると考えています。
今回の症例で改めて考えたことですが、
①エリザベスカラーを使うメリットはほぼない
やむを得ず装着する場合は、「あとで外せる」と判断できる場合に限り一時的につけてもいいと思っています。
②アポキルは魔法のような万能薬ではない
アポキルが抑えられる痒み症状は全体の一部です。
「痒い=アポキル」ではないので、アポキルを処方するときは「アポキルが効くのか効かないのか」の判断と「もしアポキルが効かなかったら」のプランニングをして処方する必要があると思います。
③病気の原因は1つではない
アトピー、膿皮症、食物アレルギー・・・・など有名な病気はさまざまありますが、病気が複数まざっていることも多いので、治療が1つにならないように組み合わせてアプローチする必要があります。
パズルのピースのように、1枚でも足りない・ズレあると完成しないので、「枠のないパズル」という感覚があってもいいと思います。
うまくいかないときは「足りない」か「ズレがある」です。
参考までに今回の症例でも院内薬浴(スキンケア)とヒーリングケアLFプラスを使っています。
ただ、今回の症例を検査なく、投薬治療もなく改善させるのは99%不可能だと思います。
的確な投薬治療をしながらスキンケア&サプリメントを併用するのが大事です。
一応当院で使っているスキンケア商品・サプリメントの紹介をしますが、適切な医療提供がなければ難しいことも多々あることをご理解ください。
投稿者:
2018.04.21
ポメラニアンやトイプードルに多い毛周期停止(アロペシアX)の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ポメラニアンの脱毛症「アロペシアX(毛周期停止)」で治療に困っている方は多いと思います。
今日の症例はそんなポメラニアンの典型的な脱毛症の治療成績です。
【症例】
ポメラニアン 5才 去勢オス
【経過】
〇2~3年前からアロペシアXの診断済み
それでは約1年ちょっと前の初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部。
続いて、胸部(腹側)です。
続いて、腹部です。
続いて、側面とその拡大(胸側・腹側)です。
続いて、背中です。
腰背部はほぼ脱毛しており、毛がほとんどありません(黒いのは色素沈着です)。
ポメラニアンに多いアロペシアX(毛周期停止)の典型的な脱毛所見ですね。
ここから治療開始したのですが、実は治療から約半年は「脱毛の進行」が認められました。
初診時に残っていた毛の大半が抜け落ちてしまい、「治療しているにも関わらず脱毛が進行している」という状況でした。
しかし飼主さまは治療に常に前向きに臨んでいただき、治療から約1年後からようやく発毛が認められました。
それでは治療から約1年後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
※この上の写真の「背中」ですが、皮膚の色素が黒くなっているため腰の辺りは「ツルツルに近い脱毛」でした。
結果的に初診時は「脱毛進行途中」であったため、その初診時との比較は少しわかりにくかったかもしれませんが、脱毛が進行しきったピークからは劇的な改善です。
今いいながれでどんどん発毛しているため、かなりフワフワになると思います。
四季の森どうぶつクリニックでのアロペシアX(毛周期停止)の発毛の治療結果はかなり高い確率だと思うのですが、問題は結果がでるのに必要な期間が読めないことです。
最低でも半年、長ければ1年以上必要です。
過去には約3年かけて発毛したわんちゃんもいます。
数多くみてきて思うことは、「脱毛期間が長いわんちゃん、当院受診までが長いわんちゃんほど発毛までに時間がかかる」と思っています。
今回のポメラニアンのわんちゃんも、当院受診間でに約3年要しているため、もし脱毛初期に当院受診をされていればもう少し早い改善があったと思います。
ポメラニアンのアロペシアX(毛周期停止)の治療に関しては飼主さまとの相談で勧めていくのですが、当院では飼主さまの「なんとかしたい」のために積極的な治療を行っています。
長期間かかる傾向はありますが、高い確率で発毛しているためお悩みの方は当院へご相談ください。
東京・千葉・神奈川・埼玉といった関東圏だけでなく、大阪・神戸・京都といった関西圏からのアロペシア治療も非常に多く、遠方の方でも継続治療ができるプランもあります。
投稿者:
2018.03.09
ポメラニアンやトイプードルに多く発症する脱毛疾患「毛周期停止(アロペシアX)」の発毛治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日の症例報告は「痒みのない脱毛疾患」の典型症例、ポメラニアンの毛周期停止(アロぺシアX)です。
【症例】
ポメラニアン 初診時2歳3カ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1年前から脱毛があり、この1年で徐々に進行している
〇他院にてアロペシアXを疑われ、メラトニンとサプリメントを服用している
それでは初診時の状態をみてみましょう。
初診時から8か月後の状態との比較です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まずは左側面。
同じく左側面、胸部の拡大です。
続いて、左側面腹部~大腿部の拡大です。
続いて、右側面です。
同じく右側面、胸部の拡大です。
同じく右側面、頚部の拡大です。
続いて、背中です。
続いて、後ろから、
まだ不十分ですが、再生が認められています。
この比較写真を作成した後に治療10カ月後の写真を送っていただいて、8か月の時点より徐々に増えているのが確認できています。
写真を送ってもらっているというのは、今回の症例も前回同様に遠隔診療で治療継続しています。
8か月で生え始めて10カ月でもまだ不十分なのですが、アロペシアXの治療成績の中では十分早くから改善が認められた方に入ると思います。
やはり若く、経過が短いというのが治療結果がでやすいポイントだったかと思っています。
アロペシアXの治療でお悩みの方は一度ご相談ください。
投稿者:
2018.03.04
ポメラニアンやトイプードルに多く「アロペシアX」「毛周期停止」と呼ばれる脱毛症の発毛治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アロペシアX(毛周期停止)に関しては色々な意見もあるのは十分承知していますが、当院では常に「治療しないプラン」と「積極的に治療するプラン」を提示するニュートラルなポジションでいます。
ただ、「なんとかしたい」という飼主様の想いに応えるのも一つの役割と思って、かなり積極的に治療を行うようにしています。
それでは今日はそんなポメラニアンの脱毛症「アロペシアX」の症例報告です。
まずは初診時から。
続いて、頚部です。
続いて、身体側面(左側)です。
同じく胸部~腹部の側面の開く第です。
続いて、身体の側面(右)と、その胸の拡大です。
続いて、ばんざいしたときの胸~お腹とその悪代です。
続いて、背中の尾っぽとその拡大です。
それでは初診時から約7~8ヵ月後のころだったかと思います。
全身ほぼフワフワのモコモコに再生しました。
今回はは治療後の写真が「自宅」になっているように、初診時を当院で診察して、継続診療を遠隔で行いました。
7~8ヶ月で再生したというのは比較的早いほうで、まだ軽度で若い状態だったからだとは思います。
最近はだいたい生えるのですが、1年くらいかかるわんちゃんが多いです。
問題なのは1年治療したら絶対はえるのか?といえば違いますし、2年治療してはえるわんちゃんもいて、治療に正解がないことでしょうか。
とりあえず当院は治療を諦めることはせず、基本としては「飼主さまが諦めるまで諦めません」です。
投稿者: