皮膚科ブログ

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【チワワの皮膚病治療】アポキルが効かない

2018.12.17

チワワのアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

チワワも痒みトラブルが多い犬種ですね。

問題はアポキルで痒みのコントロールが難しい症例がいることです。

 

【症例】

〇1歳のときから痒み

〇腕をなめる&かじる

〇頚部を頻繁にかく、暇になると背中を真っ赤になるまで掻く、

〇左膝の上の毛をむしる

とくにかく全身痒く、留守にすると血まみれになるまで掻くため、エリザベスカラーをしている

〇アポキルでも改善しない

それでは初診時の状態です。


    

続いて、頚部とその拡大です。

 


 

続いて、右前腕です。

 

続いて、左のわきです。

 

つづいて、左後肢の膝上です。


 

それでは初診時から2か月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。


 

 

 


 

 

 


非常にきれいになりました。

痒みも緩和され、エリザベスカラーもつけていません。

身体が真っ赤になることも、傷だらけになることもありません。

アポキルも2日に1回でコントロール良好です。

 

今回の症例ではアポキルが効かなかったということですが、初診時に「アポキルが効かない理由」がわかります。

このアポキルが効かない理由にアプローチするとここまで改善することができます。

「痒い」という行動に対してどうアプローチするのか、痒みのメカニズムを考えてアポキル以外のアプローチを併用することが重要です。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症

2018.11.29

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回はトイプードルの症例です。

 

【症例】

トイプードル 6歳3ヶ月 男の子(去勢手術済)

 

【経過】

○2歳頃から痒み、年々悪化

○季節性はほぼ無し

○エリザベスカラー着用(外すと掻く、噛む)

○食事療法を行ったが改善しなかった

○ステロイド、アポキルを数年飲み続けているが改善しなかった

 

それでは、初診時の状態です。

まずは、体の正面です。

 

頚部です。

 

前胸部です。

 

腹部~内股です。

 

右前肢の付け根です。

 

胴体です。

 

左側面です。

 

左大腿部です。

 

それでは、初診時から約3週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

     

 

全体的に毛が濃くなり、フケは無くなりました。

痒みも減り、掻くことも無くなったので、このままエリザベスカラーが外せるよう

頑張っていきたいと思います。

【症例報告制作者】 看護士 長尾

  症例のその後 2018年12月15日 アポキルが効かない脂漏症②

  ※エリザベスカラーを完全に外すことができ、脂漏・痒みを完全に抑えることができました。

・・・・・・・・・・

【獣医師の解説】

このタイプも「アポキルが効かない」の典型症例の1つで、トイプードルではよく診ます。

今の皮膚科の問題点がつまったような症例で、「アポキルが効きにくい」「食事療法が間違っている」「心因性が見落とされている」「スキンケアが不十分」というのが初診時にわかるタイプです。

4点すべてが「検査ではわからない(答えがみつけられない)」という抽象的なポイントなのが難治性になる理由ですね。

ただ当院では初診時からこのタイプに即効性のある治療プランを提供できるため、短時間で改善させることができます。

次回、カラーを外して問題ない状態を紹介できると思います。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際

2018.11.23

柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病の中でも難治性で、アポキル・ステロイドが効果を示さないタイプの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

柴犬の痒い皮膚病に対してアポキルを使って改善しないとき・・・次の手がないのが今の皮膚科の問題点です。

こういったときには食事療法・・・?

個人的にではありますが、食事療法単独で改善する柴犬には出会った記憶がなく、おやつの制限もほぼ行いません。

では、最近流行りのスキンケア・・・?

スキンケアなくして改善はありませんが、スキンケアで改善する柴犬を診た記憶もありません。

 

柴犬には柴犬の遺伝的特性を十分に把握しなければ難しいことがあります。

今日はそんな「柴犬の特性を知っていればわかりやすく」「柴犬の特性を知らなければまったくわからない」という典型的な皮膚病のわんちゃんを紹介します。

 

【症例】

 柴犬 推定10歳越え 避妊雌

【経過】

 〇約5歳からの皮膚病

 〇通年性

 〇抗生物質長期間併用

 〇アポキル1日2回のあと1日1回を1カ月継続するも効果がなく、ステロイドへ切り替え

 〇低分子化したたんぱく質による食事療法

 〇心因性を疑ってサプリ&内服するも効果なし

 〇傷防止のために洋服を常に着ている

それでは初診時の状態を紹介します。

まずは全体から。

 

続いて頚部とその拡大です。


 

 

続いて前胸部と、右前腕の拡大です。

 

 

 

続いて、右側面と湿疹の拡大です。

 

 

 

続いて、胸部~腹部です。

 

 

教科書的な分類であれば、

①膿皮症 ⇒ 抗生物質

②食物アレルギー ⇒ 低アレルギー食事療法

③アトピー ⇒ アポキルなどの抗アレルギー系投薬

④こまめなシャンプー

になると思います。

もちろん「糸状菌」「寄生虫疾患」「甲状腺機能低下症」といった基本的なところの除外は大事です。

また皮膚の腫瘍、自己免疫性疾患などの特殊で稀な皮膚病は、ないとはいえないものの見た目&経過で除きます。

仮にもしこの①~④であれば・・・おそらく過去の治療で改善したはずです。

 

当院では各種検査を行い、検査結果もまちますが、治療方針は初診時の診た瞬間にほぼ決定します。

①に対しては「使わなくてもいいかも」

②については「悪化の要因になっているため即変更」

③については「多少の痒み緩和が期待できるので併用」

④については「重要だが、足りないことがあるので追加」

そしてなにより①~④にはないものを2つ足すことが重要です。

大事なことは「足りない2つを気づくこと」と「検査結果を待たずに初診時の一瞬で気づけること」と思います。

このタイプは「検査して原因がわかるものではない」です。

 

先日初診に来院されたばかりなので、またどこかで経過をお伝えします。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【ウェスティの皮膚病】アポキルで改善しない重度の脂漏症

2018.11.09

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回は痒みが続くウェスティの症例です。

 

【症例】

ウェスティ 11歳6ヶ月 男の子(去勢手術済)

 

【経過】

〇アポキルを1年以上毎日服用したが治らない

〇食事療法を行ったが改善しなかった

〇昨年春から徐々に悪化、初診時(2018年8月)が一番悪い状態

 

それでは、初診時の状態です。

まずは体の正面です。

 

前胸部です。

 

前肢の足先です。

 

脇全体と、右脇の拡大です。

 

内股です。

 

それでは、初診時から約8週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

 

 

 

 

 

ボロボロとした部分が取れ、皮膚の黒ずみもだいぶ綺麗になっています。

痒みもだいぶ引いたそうです。

 

このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に有効です。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

【症例報告作成者】 看護士 長尾

・・・・・・・・・・

【獣医師の解説】

アポキルを1日1回1年継続しての現状のため、相当な難治性に入ります。

ウェスティの脂漏症はアポキルがでる以前から治療が難しく、当院でも苦戦してきた過去がありますが最近はアプローチ方法を変えることで随分改善できるようになっています。

こういった症例の治療を成功させるポイントの1つは、「痒みを抑えるために痒み止め内服を使う」という認識をやめることかと思います。

仮に「痒みを抑える」という視点でアプローチすると、古くからあるのは「ステロイド」であり、今はアポキルという副作用が非常に少ない選択肢があります。

ステロイドが長期使用で副作用がでやすいことを考えると、今の皮膚科がアポキル一辺倒になるのはやむを得ないのかなと思います。

そしてこのステロイドやアポキル以外で痒みを抑えるとしたら同じく古くからある「抗ヒスタミン剤」や「免疫抑制剤」があります。

しかし抗ヒスタミン剤による痒みの軽減効果はかなり限定的で、実際このウェスティの症例も「アポキル+抗ヒスタミン剤」だったので重症例で明らかな改善は期待できません。

免疫抑制剤についてはアポキル登場以前はよくつかわれていたようですが、飲みにくさや痒みを直接的に止める作用が弱い&効果がでるまで時間がかかるなどの理由もあり、アポキルの登場により敬遠されがちで、当院に転院されるわんちゃんで免疫抑制剤を使っている症例はほとんど見かけなくなりました。

今回の症例は最も使えるアポキルで改善しないというのがスタートラインとなっています。

ではどうすればいいのか?

ここで「痒みを止める内服薬」という視点をメインにしないようにします。

次に目を向けるのは「重度の脂漏」です。

なぜこんなにひどい脂漏が起きているのか?、脂漏をどう抑えるか?を考えます。

原因が2つあるのですが、この原因は初診時にわかります。

抑える方法はアポキルではなく、別の方法を2つ使います。

そう、今回はステロイドもアポキルも使わず治療プランを組み立てています。

※厳密には初診時に胃腸炎+発熱があり新しい治療プランのスタートは2週目からとなりました。

それでもたった2ヵ月でここまで改善できるので、痒み治療はアポキルだけではなく、症例に合わせたアプローチが必要ということです。

以下まとめ。

今回の症例の大きなポイントの1つは、内服治療にアポキルもステロイドも使わずここまで改善する治療プランが存在することです。

2つめのポイントは、初診時に脂漏症の原因が2つわかり、それに対して治療プランを組み立てることができることですね。

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

遠隔診療のその後

2018.09.30

当院を受診できない遠方にお住いの方にメールと写真で継続する遠隔診療を提供している皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

以前にも報告した通り、今年の夏は「山口県」と「北海道」に往診に行きました。

原則として「直接診るのは1回だけ」という背水の陣で臨みますので、往診に行くからには改善の確信を持って伺っています。

もちろん今回の2件とも「いける」という確信をもって伺いました。

そしてその2件のその後ですが、まだ治療中とはいえ十分な改善が認められたようです。

1件は心因性の掻き壊し・舐め壊しのチワワちゃんで、掻き壊しを防ぐために誰かが家にいなければならず、1人では買い物にも行けないというものでした。

もちろん治療の目標は掻き壊しをなくすのは当然で、「わんちゃんが留守番して買い物ができるように」ということも目標にいれました。

まだ治療して1カ月ですが、十分に改善が認められたようで、①一番の問題だった口唇の痒みはほとんどなくなり、②短時間でも留守番ができるようになったということでした。

 

2件目のわんちゃんは写真を見るのがいいと思いますので、紹介させていただきます。

【症例】

 柴犬

【経過】

 〇アポキルを1日1回をずっと継続しているにも関わらずよくならない

 〇過去には心因性の治療として抗不安薬の投与もしたことがある

 〇甲状腺ホルモン剤も服用中

 

最初に相談メールをいただいたときのお写真がこちら。

柴犬のよくあるタイプの1つです。

もちろんこの時点で「今まで治らなかった理由」と「どうやったら治るのか」はわかるのですが、追加でいただいた昔の写真をみて確信を得ることができました。

これは「アポキルでよくならない決定的証拠写真」です。

実際に往診に伺うときには治療方針は決まっていたので、お薬をもって出発です。

そこから約1か月後。

 

痒みも随分と落ち着き、毛も再生してきました。

また心因性の痒みもあるため、心因性の投薬治療を追加したのですが、「改善あり」という判定でした。

今回の症例にはいくつか評価ポイントがあります。

1つは、「なぜアポキルが効かないのか?」ですね。

2つは、「なぜ心因性の治療に効果がでたのか?」です。

2つ目の理由は非常にシンプルで、「その他の治療方針がパーフェクトだから」です。

心因性の治療はその他の治療方針にわずかでもズレがあると、まったく改善しなくなることがあるため、心因性以外の皮膚トラブルの診断・治療が上手くいっているときに実施しなければ評価が難しいです。

 

あとは順調に回復するのを待つだけです。

年末にはフワフワ&サラサラを期待しています♪

 

1つめの「アポキルが効かない理由」は当院で実施している個別セミナーで紹介しています。

診療提携をご希望される動物病院はお問い合わせください。

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルを減らすための根本的治療法

2018.09.22

アトピー・アレルギーなどアポキルが効果を示す痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

痒みに対する画期的な新薬アポキル(オクラシチニブ)が発売されて3年目、当院ではアポキルが効く症例に「どうしたらアポキルを減らせるか」という治療を積極的に行っています。

 

今回紹介する症例は「アポキルが非常によく効く症例が、アポキルを使わなくてもよくなった」という非常に面白い症例です。

 

【症例】

 

プロットハウンド

 

【経過】

過去に1度紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 2018年3月16日 アポキル&アミノ酸系食事療法で改善しない①

 2018年5月21日 アポキル&アミノ酸系食事療法で改善しない②

 

まず初期治療で改善したあと、継続治療で来院された今年7月の状態を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基本治療は初診時から変わらず、ポキル1日1回服用を含めた継続治療をしていましたが、夏に入ってやや痒みが増えたということでした。

初診時のような皮膚の悪化はないのですが、当初の想定よりフケが残るなど皮膚コンディションに違和感があったので、ある治療を併用することを提案してみました。

「ある治療」を併用して6週間後の状態と比較してみましょう。

※Beforeは初診時ではなく、ある治療を加える直前(当院継続治療中)の状態です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見違えるような改善です。

どのくらい改善したかというと、「アポキルを飲んでないのに痒くない」というレベルです。

過去の経過と基礎疾患のことを考えると「今後もアポキルはゼロで」となるわけではないのですが、今後はアポキルの服用量は半分(2日に1回)以下になると思います。

 

今回のポイントは「アポキルが効く=アポキル継続」ではないことです。

アポキルの効果が部分的(限定的)なときはもちろん、例えアポキルが効いていても、より根本的な治療法が残っている(見落としている)可能性もあるということです。

 

参考までにこの症例の初診時にこの追加治療のプランを提案していたか?というと、「今後の追加治療の選択肢として〇〇〇の治療がある」しっかりと伝えていました。

 

最初からすべて併用するという治療プランもいいのですが、どの治療がどれだけ効果を示すのか、という点ではアプローチのタイミングを分けるのは飼主さまにとってもメリットのあることだと思います。

 

決して「アポキルが不要になる治療薬」ではなく、すべての症例に同様に効くわけではないのですが、適応になる症例を診極めることができれば、皮膚病の根本的治療の1つになりうる治療法だと考えています。

 

アポキルの効果が不十分であったり、アポキルを減らすための治療に悩んでいる方はぜひ当院を受診してください。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルよりも効果のある治療薬の選択

2018.09.11

アポキルが適応となるアトピーや脂漏症・マラセチア性皮膚炎など痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。


日本でアポキルが発売されて3年目の夏ですね。

飲みやすく、即効性があり、長期的な副作用が非常に少ないということで「痒い皮膚病=アポキル」という方程式が成り立つようになりました。

当院でも「まず無難にアポキル」の選択肢はありだと思っています。

しかし今までのブログで何度も書いてきたように、「どんな痒い皮膚病にもアポキルが効くわけではない」というのはあるため、アポキルは選択肢の一つにしかすぎません。

今日紹介するのは長期間アポキルを服用していたが、別のお薬に変更することによって改善した症例の紹介です。


【症例】

 ペキニーズ 7歳 女の子(不妊手術済)

【経過】

 〇発症は通年性だが、梅雨~夏の季節性の悪化も認める

 〇全身がべったり、臭いが強い

 〇舐める・掻くといった痒み症状


それでは初診時ではなく、当院で1年半治療している状態を紹介します。

治療内容は1カ月に1回の院内薬浴と、アポキル1日1回投与を基本としています。

続いて、お腹とその拡大です。

同じくお腹の陰部周囲の拡大です。

続いて、右後ろ足の膝周囲の拡大と、やや内股の写真です。

続いて、右後足の足首付近です。

 

この時点まで1年半、内服治療はアポキルでしたがこの時点からアポキル1日1回を中止し、別の投薬治療に変更しました。

それ以外の食事療法、院内薬浴などの条件は一切かえていません。

投薬治療のみを変更して6か月後の状態と比較してみます。

皮膚コンディションの改善が明らかに認められました。

赤み・色素沈着ともに大きな改善が認められます。

また脂漏・臭いについてもかなり改善があり、飼主さまからも「明らかに臭いがへった」と評価していただけました。

さらに投薬治療を切り替えた半年前がちょうど2月の真冬で、6か月後の比較後の写真が8月の最も悪くなる季節であることを考えるとかなりの改善と評価できます。


今回のポイントですが、「痒い皮膚病=アポキル」ではないことを改めて実感することができました。

思い返せばこの症例が初診で来院したときがアポキルの発売時期で、初診から3週目からアポキルを使い始めました。

そのときはほぼすべての皮膚疾患をアポキルがカバーできると思っており、この症例でも同様に効果的だろうと判断していました。

しかしアポキルが発売されて2年を越えて今思うことは、「アポキルは脂漏症には部分的な効果しか示さない」です。

アポキルによって痒み症状は緩和できるとは思いますが、脂漏症にはもっと効果的なお薬があります。

それでもアポキルでもいいのですが、治療の選択肢として把握しておくことは重要だと思います。

今回の治療内容の変更については提携病院にメールで配信予定です。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルとシャンプーで治らないタイプの皮膚病

2018.09.06

シーズーのアトピー・マラセチア性皮膚炎・脂漏症など、痒い皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。


シーズーの皮膚病は本当に治しにくい場合があります。

あのアポキルでしっかりコントロールできる症例もいますが、そうでない症例も相当数いるかと思います。

今日はそんな「アポキルでは抑えきれないだろう」というシーズーの皮膚病症例です。

【症例】

 シーズー 8歳

【経過】

 〇3年前から皮膚トラブルで、通年性(季節による改善はほぼなし)

 〇外用ステロイドスプレーによる改善なし

 〇痒み(四肢なめる・内股舐める)がひどいため、常時エリザベスカラーを装着している

 
それでは初診時の状態、まずは正面から。

続いて、胸部~わき。

同じく左わきの拡大。

続いて、内股です。

病変部の確認と、治療成績向上を兼ねて毛をカットしました。

続いて、右わき(毛カット後)です。

続いて、内股です。

毛をカットしたあと、そのまま院内薬浴を実施しましたので、その実施直後の状態を紹介します。

まずは胸部。

続いて、左前腕です。

同じく左前腕の内側です。

同じく左前腕の外側です。

続いて、内股です。

続いて、右後足の膝~スネあたりの写真です。

今回はここまでです。

とういうのも、つい昨日来院されたため、2回目の診察はまだ先です。

このタイプ、一見シーズーの典型症例にみえるかもしれませんが、ちょっとイレギュラーです。

そのためシンプルななアポキル&シャンプーでは抑えきれないものがあります。

初診時にどの部位を、どう評価するのか?

そしてどの治療方針を選ぶのか?

この一番大事なポイントは提携動物病院にメールでお知らせします。

この症例は初診時の「診た目」に特徴があるので、「アポキル&シャンプーではない」理由がわかるタイプです。

提携をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【アポキルが効かない皮膚病治療】エリザベスカラーを外す

2018.09.03

ポメラニアンの脱毛・脂漏などの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。


ポメラニアンの脱毛というと毛周期停止(アロペシアX)が有名で、当院を受診されるポメラニアンも脱毛症(毛周期停止・アロペシアX)が多いのですが、その他の皮膚病もないわけではありません。

【症例】

 ポメラニアン 1歳8カ月 女の子(不妊手術済)

【経過】

 〇生後4か月のころから身体・四肢を掻く&噛むといった痒み症状を呈する

 〇平成29年6月から当院受診5月までアポキル(オクラシチニブ)を毎日服用するも十分な改善はない

 〇アポキルを1日2回服用を3カ月続けたが、1日1回と比較して痒みの軽減はない(今は1日1回)

 〇過去の服用は、抗生物質として「メトロニダゾール・アモキシシリン・ドキシサイクリン・オフロキサシン・ホスホマイシン・エンロフロキサシン」、ステロイド、抗ヒスタミン剤

 〇食事療法はアミノ酸系など2種類(おやつはなし)

 〇外用ステロイドでの改善なし

 〇季節性はなし

 〇傷だらけになってしまうため、エリザベスカラーを常に装着している

それでは初診時の状態です。

まずは正面から。

続いて、右前腕と手先です。

続いて、左前腕とその拡大です。

続いて、胸部・腹部の順番です。

続いて、側面とその拡大です。

続いて、左後肢の側面(膝~カカト)です。

最後に、後ろからです。

それでは初診時から3カ月半の状態と比較してみましょう。

改善点を列挙していきます。

 ①エリザベスカラーを完全に外すことができました(初診時から2カ月半の時点)

 ②毛並みがよくなりました

 ③フケ・皮脂が劇的に減少しました

痒みがないというわけではありません。

かじったりもありますが、何よりエリザベスカラーがないという生活を取り戻すことができたのは大きなことだと思います。

今回のポメラニアンの症例はややイレギュラーな皮膚病で、途中治療初期には嘔吐・下痢・低血糖・高CRP値の問題点もでたりもしましたが、初診時から治療方針の変更はなく、順調に改善したと判断しています。

参考までに今回の3カ月半にアポキル(オクラシチニブ)は1度も使っていません。

使ってはいけないという意味ではなく、アポキルで改善は難しいと判断しています。

今の皮膚科では「掻く」「舐める」「噛む・かじる」といった痒み症状にアポキルという流れが定着しつつあり、いいこともあればそうでないこともあるように思います。

アポキルが効く皮膚病と、効きにくい皮膚病を診極めて処方することができればもっと皮膚病の治療成績は高くなると考えています。

今回の症例で改めて考えたことですが、

①エリザベスカラーを使うメリットはほぼない

やむを得ず装着する場合は、「あとで外せる」と判断できる場合に限り一時的につけてもいいと思っています。

②アポキルは魔法のような万能薬ではない

アポキルが抑えられる痒み症状は全体の一部です。

「痒い=アポキル」ではないので、アポキルを処方するときは「アポキルが効くのか効かないのか」の判断と「もしアポキルが効かなかったら」のプランニングをして処方する必要があると思います。

③病気の原因は1つではない

アトピー、膿皮症、食物アレルギー・・・・など有名な病気はさまざまありますが、病気が複数まざっていることも多いので、治療が1つにならないように組み合わせてアプローチする必要があります。

パズルのピースのように、1枚でも足りない・ズレあると完成しないので、「枠のないパズル」という感覚があってもいいと思います。

うまくいかないときは「足りない」か「ズレがある」です。


参考までに今回の症例でも院内薬浴(スキンケア)とヒーリングケアLFプラスを使っています。

ただ、今回の症例を検査なく、投薬治療もなく改善させるのは99%不可能だと思います。

的確な投薬治療をしながらスキンケア&サプリメントを併用するのが大事です。

一応当院で使っているスキンケア商品・サプリメントの紹介をしますが、適切な医療提供がなければ難しいことも多々あることをご理解ください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルが効かないチワワの痒い皮膚病

2018.07.30

チワワの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。


当院では「初診時の診極め」として診た瞬間の判断を最優先に治療しています。

基本的には初診時の想定範囲内で治療結果がでるのですが、まれに後から方向性の変更や追加をしなければいけない時もあります。

今回は当院では非常にめずらしいのですが、治療の途中で「初診時に組み立てた治療方針に1つ加える必要があった症例」です。


【症例】

 チワワ 1歳10カ月(初診時) 女の子(不妊手術済)

【経過】

 〇生後半年くらいからフケをみとめ、近医にて脂漏症と言われる
 
 〇1カ月前から痒み(&傷)にて他院にて治療開始

 〇傷防止のためエリザベスカラーが外せていない

 〇痒みは「喉」を1日中かく

 〇耳の外の毛がベタベタ

 〇身体のフケ

初診時の状態からみてみましょう。

声を出して掻く&傷だらけになるという理由でエリザベスカラーをつけています。

続いて耳(右耳を後方から)です。

 

 

続いいて頚部、軽度にみえて強い痒みで傷になりやすい部位です。

 

続いて、胸です。

 

それでは初診時から約10か月後の状態と比較してみましょう。

 

 

「劇的」という比較ではないのですが、痒みの緩和ができ、エリザベスカラーを外すこともできるようになっています。

掻くことは掻くのですが、以前は掻き壊して傷になっていたレベルが緩和でき、今はもう傷になるような痒みはありません。

今回は初診時に「心因性」と判断してアポキル&心因性のダブル治療で臨んだのですが、前半で3カ月で明確な改善が認めらませんでした。


初診時から3カ月の時点である病変を目にすることができたので、治療方針を1つ加えることにしました。

この1つ加えた治療から徐々に改善しています。


3カ月目にみつけた病変はかすかなもので、初診時での判定は正直難しいものでしたが、それでも初診時に想定内にすることが難しいというわけではなかったため今後の反省材料にしたいと思います。

わかりやすい「心因性」というものだけに目を奪われて、全体を診ることに注意不足があったかもしれません。


今回の症例の簡単な解説です。

参考までに今回の症例でも初診時からアポキルを使用しましたが、アポキルによる痒みの改善は非常に乏しいものでした。

もちろん心因性という診断をしたためアポキルが効かないのはある程度想定範囲内でした。

ただ心因性のアプローチに反応がなかったのは初診時の想定外でしたので、今回の症例のポイントは「アポキルも効かない、心因性治療にも反応がない」という3カ月の時点でどう対応するかだっただと思います。

ここでのプランニングは大きく分けて2つです。

①心因性ではないのかもしれない

②心因性以外に何かかくれているかもしれない

僕の判断は②です。

心因性と「もう1つ」が見過ごされていたがゆえに心因性の治療結果がでなかっただけです。

今回の症例では心因性に加えて途中に気づいた追加疾患の計2点の治療を加えることで改善ができたいう症例です。


今回は非常に難しい症例で、個人的にも非常にいい経験になりました。

長くかかりましたが、当初の目標を達成することができて本当によかったです。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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