キャバリア

【キャバリアの皮膚科治療】アポキルが効かない痒み

2023.02.11

こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

今回はキャバリアの子の症例です。

 

【症例】

キャバリア  7歳10ヶ月  女の子(避妊済)

 

【経過】

〇1歳頃から、皮膚トラブルがあった

〇1年前から悪化し、痒み、湿疹、皮膚が脂っぽくなってきた

〇お洋服やエリザベスカラーを付けていないと掻き壊してしまう

〇アポキルやステロイドを試したが、改善しなかった

 

それでは初診時の様子をご覧ください。

まずは正面の写真です。

こちらは首の写真です。

こちらは前肢、脇の写真です。

次は胸の写真です。

こちらは体の右側面の写真です。

最後に皮膚の拡大の写真です。

 

それでは、初診時から約3カ月後の写真と比べてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

痒みが出る理由には被毛形成異常があるためです。
本来の痒み以上に掻き「すぎて」しまう理由としては心因性掻痒症が疑われ、このような子は日常の行動パターンに診断ポイントが隠されています。

この子の場合は、

・他の犬が来ると無視して、固まってしまう
・ドッグランに行くと犬同士の中に入れない
・コンクリート、ソファーを舐める
・枯葉を追いかける
・大きい音(雷、雨、サイレン、工場)や車のワイパーが怖くて隠れてしまう
・特定のぬいぐるみでしか遊ばない
・食糞
・部屋の中で飼い主さんの行くところ行くところへ追いかける

上記のような症状が見られました。
このような行動パターンがあると、「舐め癖」や「掻き癖」といった心因性が起きやすくなります。

 

治療後には皮膚病そのものが劇的に改善したのはもちろんですが日常の行動にもかなり大きな変化が認められました。

・おもちゃで一人遊びができるようになった
・食糞をしなくなった
・興奮癖が治った

心因性の治療では、このように日常の行動にも大きな改善が期待できます。

 

肝心の皮膚コンディションですが、投薬治療から約1ヶ月でエリザベスカラーも外せるようになりました。
約3ヶ月後のafterのお写真を撮った時には、痒みもほとんど無くなり、毛が薄く地肌が見えてしまっていたところもしっかり生えました。

 

【当院での治療】
①被毛形成異常
・投薬治療 ※教科書に掲載されていない治療方法の為、他院での治療は難しくなります。
・当院お勧めフード
・サプリメント (スキンケアECプラス)

②脂漏症、アトピー
・投薬治療 
・スキンケア メディケアクレンジングオイル
       モイストクレンジングオイルジェル

③心因性搔痒症
・投薬治療

 

当院への受診が難しくホームケアのみでアプローチする場合は、
・食事療法
・スキンケア
・免疫異常:スキンケアECプラス
・毛並み異常:アロペシアGR+
・心因性:パーソナルケアPⅡ+
がお勧めです。

当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。

 

この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。

尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。

※症状によってはできないこともございます。

詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。

 

インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。

 

 

【症例報告制作者】看護師 佐野

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【キャバリアの皮膚科治療】アポキルを毎日飲んでも痒い

2022.09.04

こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

今回はキャバリアの子の症例です。

 

【症例】キャバリア 2歳 男の子(去勢済)

 

【経過】

〇1歳からしつこい痒み

〇1日1回で管理できていた痒みが、ここ1年コントロールできず

〇掻く・噛む・舐めるを繰り返し、シャンプーしてもすぐべたつく

 

それでは初診時の様子をご覧下さい。

 

まずは、首の写真です。

 

次に前足の内側です。1枚目が右側、2枚目は左側です。

こちらは胸からお腹にかけての写真です。

それぞれ拡大した写真です。1枚目は胸、2枚目はお腹です。

続いて後足の内側です。1枚目は左の内側、2枚目は右の内側です。

こちらの写真は後足の膝辺りの外側です。1枚目は右側、2枚目は左側です。

こちらは、身体側面の写真です。

そして、毛をかき分けた写真です。

この子は特に両腕のあたりや、ひざ下の脱毛が激しく、被毛もコンディションが悪い状況です。

食事療法と投薬療法、そして当院のサプリメント『スキンケアECプラス』『パーソナルケアPⅡ+』を使用し治療を開始しました。

治療開始から1か月後には皮膚のベタつきやニオイが改善され、皮膚を掻くことが無くなったと変化が現れたので、

アポキルの投薬を 1日1回 → 2日に1回 へ変更しました。

さらに1ヶ月後には毛も増え始め、ベタベタからフワフワに変わり、皮膚を噛むことも無くなりました。

では初診時と治療開始から3ヶ月後の写真を比べてみましょう。

 

 

毛量が増えフワフワになっているのが写真からわかると思います。

この子はアトピーの範疇に入りますが、アトピーがコントロールできなくなる要因として、
「毛並みの異常」「腸内免疫の異常」「心因性」があると判断しました。

治療方針は積極的な投薬治療、腸内環境改善のために、「オススメのドッグフードへの切り替え」「スキンケアECプラス」
心因性に対して、投薬治療と「パーソナルケアpⅡ+」を開始しました。

アポキルに関しては当院でも1日1回で継続服用としましたが、
1ヶ月後には2日に1回まで減らしても痒みがコントロールできている状態まで改善させることができました!

アポキルを減らせない、アポキルが効かないときの要因は1つではありません。複数の要因に対して同時に適切なアプローチができると、初めて劇的に改善が認められます。

シャンプー変えたらよくなるかな?、食事変えたらよくなるかな?ではない「すべてに適切なアプローチを」が大事です。

皮膚病でお困りの方は是非当院にご相談ください。

今回使用したサポリメントとその他の当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。

 

この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。

尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。

※症状によってはできないこともございます。

詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。

 

インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。

 

 

【症例報告制作者】看護師 上林

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【キャバリアの毛並み治療】アポキルもサイトポイントも効かない

2022.07.12

こんにちは。キャバリアの皮膚病にも力を入れている四季の森どうぶつクリニックです。

 

今回は、色々な薬を続けても改善しなかったキャバリアの症例をご紹介します。

 

 

【症例】

キャバリア  6歳7ヶ月  女の子(避妊済)

 

【経過】

〇1歳前から6年以上続く痒み

〇アポキル、サイトポイント(注射)、インタードッグ(注射)、アレルギー療法食(アミノ酸まで分解)を続けたが改善しない

〇舐めだしたら止まらない、傷になるまで掻く

 

 

それでは初診時の様子をご覧ください。

 

 

 

まずは顎から首の写真です。

皮膚の赤みと脱毛が見られます。

 

こちらは胸から下の写真と前肢の写真になります。

脇や手を舐めることもあり、こちらも赤みや脱毛が見られます。

 

 

 

 

続いてお腹全体の写真と、腹部のアップの写真です。

全体的に薄毛でお腹にはほとんど毛がありません。

 

 

最後に後肢の写真です。

こちらも地肌が見えるほど毛が薄くなっています。

 

 

 

それでは約3ヶ月後の写真を比較してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしょうか

 

まず、毛量が格段に増えています。写真では分かりづらいかもしれませんが毛並みも良くなりました。舐めたり掻くことが減ってきたこともあり、赤みも落ち着いています。

今回はアポキルやサイトポイントが効かない理由、アレルギー療法食を辞めた方がいい理由を説明し、「見落とされている遺伝的要素」に対しての積極的な治療を行いました。

当院でもアポキルは処方していますが、現在は「3日に1回の服用」と非常に少ない投薬量でコントロールできるようになりました。

アポキルもサイトポイントも痒みに対しては非常に高い効果を示すため、効かない場合は「基礎疾患の診落とし」「食事療法の間違い」を疑う必要があります。

今回はポイントをまとめましたので参考にしてみてください。

 

 

【今回の症例の考えるべきポイント】

 

ポイント① アポキルが効かない理由

→隠れている体質異常を診落としている。

具体的には「毛並み異常」で、治療後は毛並みが抜群によくなっている。

 

ポイント② サイトポイントが効かない理由

→上記①と同じく、アポキルが効かないときは基本的にサイトポイントも効きません。

 

ポイント③ 痒みだけではないこと

→「後肢で掻く」「舐める&噛む」が必ずしも痒みから起きているわけではありません。

また痒み相応の掻く・舐める・噛むではなく、痒み以上に過剰な掻痒行動がでてしまう子もいます。 

こういった「癖・行動」に着目したアプローチが不足すると、難治性になってしまいます。

 

ポイント④ 食事療法の間違い

→「よかれ」と思って選んだアレルギー療法食が体質に合っておらず、悪化要因になっていることが多いです。

特にアレルギー対応をうたった「加水分解」「アミノ酸」「グレインフリー」「グルテンフリー」といった食事は悪化要因になる事が多いため、当院では推奨していません。

 

ポイント⑤ 選択するお薬の間違い

→アポキルを使うことが間違いということではなく、アポキルが効かない隠れた要因に対して治療することが重要になります。そうすることで少ないアポキルで痒みをコントロールすることができるようになります。

 

ポイント⑥ 毛並みの異常に気付くこと

→治療後の毛並みと比較しなければ難しいかもしれませんが、初診時「毛並みが悪い」と気付くことができなければ治療はうまくいきません。皮膚病があるから毛並みが悪いわけではなく、「毛並みが悪いから皮膚が悪い」という逆の視点が必要です。これに気付けなければずっと治らないでしょう。

 

 

この疾患は当院でしか診断・治療ができないため、「うちの子の毛並みは悪いかも」と感じた方は、是非当院までご相談ください。きっと劇的によくなります。

 

尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。

※症状によってはできないこともございます。

詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。

 

 

インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。

 

 

 

【症例報告制作者】  看護師 森

 

 

 

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【キャバリアの皮膚科診療】報告のその後、さらに改善

2018.01.19

犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

皮膚病になりやすい犬種、治りにくい犬種の筆頭として柴犬・シーズー・フレンチブルドッグがあげられますが、キャバリアも皮膚病になりやすく&治りにくい犬種の一つです。

今回は以前紹介したキャバリアの皮膚病症例が、その後さらに改善している様子を紹介したいと思います。

前回紹介したときのブログは、【キャバリアの皮膚科診療】アポキルが効かない です。

まずは前回紹介したときの「治療前→治療後」の写真を紹介します。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

このときからさらに約2か月経過したときの皮膚コンディションを紹介します。

ふわふわ、もこもこ、さらさらです。

トラブルがゼロではないのですが、見違えるようによくなったと思います。

ここ最近ではアポキルを服用することはほとんどなく、間近の診察では処方していません。

アポキルは非常にいいお薬ですが、どんな皮膚病の痒みにも効くわけではありません。

「なぜ皮膚病になっているのか?」を判断することがとても重要です。

今回の症例では投薬治療がかなり有効でしたが、疾患としてはスキンケアも必ず併用しなければいけない皮膚病です。

当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。

すべての皮膚病がスキンケア&サプリメントで改善することはないのですが、お薬を服用することだけで治るわけではないので非常に重要なポイントだと思います。

スターターセットをご購入の方には無料相談に対応しています。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【キャバリアの皮膚科専門診療】アポキルが効かない

2017.10.22

痒みを伴う皮膚病治療に力をいれ、キャバリアの皮膚病の来院も非常に多い皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

ここ最近は心因性や脱毛症など、かなり難易度が高い症例報告をしてきましたが、難治性なのは心因性や脱毛症だけではありません。

今回は基本的な治療であるはずなのに、非常に難しいタイプの症例報告です。

【症例】

 キャバリア 女の子(避妊済) 7歳11か月

【経過】

 〇初発はH28年、年末頃から

 〇足裏(右後肢)の痒みからはじまり、四肢全体へ広がる

 〇顔・頚部・脇・お腹と背中以外の全体へ拡大

 〇過去にアポキル・抗生物質・アレルギー療法食を併用するも改善せず

それでは初診時の状態をみてみましょう。

まずは正面から。

続いて、頚部。

同じく頚部の拡大。

続いて、右耳の外側。

同じく右耳の外側の拡大。

同じく右耳の外側の拡大。

続いて、右前肢。

同じく右前肢の内側。

同じく右前肢の手首・甲。

同じく右前肢の外側。

続いて、胸部(腹側)。

同じく胸部の拡大。

続いて、腹部。

同じく腹部の拡大。

続いて、身体右側面。

同じく右側面の前腕。

続いて、右後肢の側面。

約3ヵ月後の状態を比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

著しい改善が認められました。

部分的に毛が薄いところもありますが、徐々に再生してきています。

今回の症例は簡単なようで難しいです。

理由は3つあります。

1つは、「なぜ7歳になってから急に皮膚病になったのか?」です。

2つめは、「なぜ抗生物質、アポキル、食事療法をしながら改善しなかったのか?」です。

最初の課題はこの2つ、初診時なり治療初期にこの課題に詰める必要があります。

最後の3つめは、「再発しないためにはどうすればいいか?」です。

これからの課題はこの3つめです。

今までも「病気の原因と、治療法は違うこともある」といってきたのはここです。

今回の症例は投薬治療があってこその治療成績ですが、治療のためにスキンケアは必須といえます。

また再発予防の一つにはサプリメントも有効と考えています。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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