2017.08.08
アトピーや脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門病院、四季の森どうぶつクリニックです。
6月に北海道まで往診に行ったその後についてです。
そのときの記事 【名古屋→北海道】片道1000kmの往診
北海道の飼主さまのご自宅のお風呂場で一緒に薬浴・スキンケア指導を行い、2週間後に飼主さまにお写真を送っていただきました。
今回は初診時と、2週間後の比較をお伝えします。
※初診の記事もご覧の上お読みいただければ幸いです。
まずは右腕から。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
続いて、左腕。
続いて、右後肢の足首付近(スネ~甲にかけて)です。
最後は、背中の拡大です。
初診6月14日から5日後には、
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先生のおっしゃったとおり、その日の夜には痒みもおさまりぐっすり眠れるようになりました。
いままでの治療がいったい何だったのかと思うくらいです。
痒みや、薬のせいでだるそうで元気のなかった〇〇〇(名前)が、
以前のように元気いっぱいわがままいっぱいに戻った姿を
夫とニコニコしながら眺めています。
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とメールをいただくことができ、1週間後には痒みはなくなっていたようです。
今回ご紹介させていただいたパグちゃんには脂漏性皮膚炎と背中の膿皮症の2つがありました。
どちらもよく診る典型的なタイプであったので、治療はとてもシンプルです。
当院の治療方針で継続していけば、もう2度と元に戻ることはないと思います。
今回は飼主さまに北海道という遠方まで往診に呼んでいただくという診察の機会をいただくことができ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
1件1件が常に大切な診療であることには変わらないのですが、病気を治すことが仕事の獣医師として思い出にも残る診療をさせていただきました。
ありがとうございました。
今後もしっかり対応させていただきます。
メールと写真で継続治療を行う遠隔診療については、HPに詳細を記載していますので、ご参考にしてください。
また、今回のパグちゃんの治療の一つで行った薬浴・スキンケア・サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
なお、みなさまにお伝えしたいことは、「当院はモノを販売するクリニックではなく、医療を提供するためのクリニック」ということです。
あくまで医療にこだわって取り組んでいますので、適切な皮膚科医療とともにご利用ください。
投稿者:
2017.07.26
シーズーのアトピー、アレルギーが原因となっている脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院「四季の森どうぶつクリニック」です。
7月に入り、ギアが1つあがった様な来院件数でブログ&症例報告が進みませんでした・・・すいません。
北海道まで往診にいったパグのわんちゃんの経過も抜群にいいので、お写真を掲載したいところですが、もうしばらくお待ちください
・・・治療に手間取っているわけではありません(^^;
まずは久しぶの「まさにシーズーの典型例!」という症例のわんちゃんの治療報告です。
【症例】
シーズー
【経過】
手元にカルテがなく、自宅でやっているので、また次回埋めますね(^^;
まずは初診時の状態です。
続いて頚部、
続いて、右上腕です。
同じく右上腕の毛をかきわけた拡大像です。
続いて、右前腕です。
同じく右前腕の毛をかきわけた状態です。
続いて、胸部です。
続いて、わきの拡大です。
最後に内股~後肢です。
ベタベタ、ゴワゴワ、大量の黄色いフケ、皮脂で臭いもかなり強くなっています。
このタイプであれば、初診時に毛をツルツルの状態までカットして、少し生えたころにはよくなります。
手元にカルテがないのでわかりませんが、被毛の長さから予測するに約3週間後くらいでしょうか?
初診時と約3週間後の比較をみてみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まずは頚部。
続いて、右上腕です。
続いて、右前腕です。
続いて、胸部です
上の胸部写真と同じ角度から、脇の拡大です。
続いて、内股~後肢です。
病変・痒みともに皆無に近いところまで到達したと思います。
ここまで到達すれば、当院の治療方針さえ継続していれば、元に戻ることはないでしょう。
院内薬浴とお薬処方の両方を行いましたが、もしスキンケアやサプリメントがなければいかに飲み薬が同じものでもうまくいかないでしょう。
スキンケアとサプリメント、そして医療としての投薬治療の内容がすべてそろえばこれだけ早く改善します。
また、このタイプであれば継続治療をメールと写真で継続する遠隔診療でも十分に改善がきたいできると考えています。
関東圏からは東京、神奈川、千葉、埼玉からも受診があり、関西圏からも大阪、京都、兵庫から来院があります。
投稿者:
2017.06.14
こんにちは、メールと写真で継続治療を行う遠隔診療にも対応している皮膚病専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院ではオフィシャルHPに掲載しているように、ご自宅までの往診にも対応しています。
※写真で改善の見込みあり、と判断できる場合に限ります。
過去にも関西・関東での往診を何度か行ってきましたが、今日は名古屋から飛行機に乗り、北海道まで往診に行きました。
1件の診察+ご自宅薬浴で総14時間コースです。
「北海道でリフレッシュ?」と言われそうですが、明日から通常診療なので、観光・グルメなしで、離陸時刻23分前に空港駅につくという「路線検索」でも出てこないウルトラ乗り継ぎプランをつくり、空港を全力ダッシュして帰ってきました(笑)
こういったご自宅往診では1日1件しか診ることはできませんが、「呼んでいただけたら行きます」という気持ちで受けています。
今日は10歳のパグちゃんでした。
1歳のころから背中にフケ、5歳のころから頚部・四肢にフケがでるようになったということです。
最近は夜も痒くて寝れない、オシッコ中も痒くて途中でオシッコをやめてしまう・・・というかなり強い痒みを感じているようです。
まずは全体像。
続いて右前腕の内側。
同じく右前腕の正面から。
続いて、左前腕のやや外側から。
続いて、左後肢のカカト~甲の部分です。
最後に背中のフケです。
今日ご自宅でスキンケア治療の指導を兼ねて薬浴して、投薬開始です。
今戻ってきたばかりで、明日顕微鏡検査・血液検査を行う予定のため、「何1つ検査をしていない」という状態です。
おそらく今晩から眠れると思います。
そして1週間後にはフケも臭いも随分とすっきりしていると考えています。
検査結果から診断名をつけることと、治療方針をたてることは別、これも「診極め」です。
またご報告します。
投稿者:
2017.05.22
こんにちは、フレンチブルドッグの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院四季の森どうぶつクリニックです。
暑い日が続いており、わんちゃんの皮膚トラブルも増えてきました。
今からケアを欠かさずつづけることで、いいシーズンにすることができますので、がんばっていきましょう。
それでは今日の症例です。
【症例】
10歳 フレンチブルドッグ
【病歴】
〇3年異常前から手先~腕を舐める皮膚病
〇その他、お腹の皮膚炎、頚部~胸の皮膚炎
〇過去の治療歴はステロイドの内服と外用薬
※ステロイド内服、1年365日のうち100日以上服用、3年以上継続
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、頚部~前胸部。
同じく前胸部の拡大、黄色の皮脂がびっしりと付着しているのがわかるでしょうか?
続いて、胸部、円形脱毛があり、湿疹があることがわります。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
同じ部位の拡大をみてみましょう。
同じく左前肢の指先です。
それでは治療後と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
今回の治療にはアポキルを併用しましたが、腕を舐める症状と足先を舐める症状は改善しませんでした。
そのためアポキルに当院のサプリメントを併用したところ、写真のように非常にきれいな改善を認めました。
確かにアポキルは安全性も高く、非常に強力な痒みを抑える作用がありますが、すべての痒みを押さえるわけではありません。
当院のサプリメント、ヒーリングケアLFプラスはこういったアポキルが聞きにくい、特に四肢端や腕を舐めるわんちゃんの体質ケアに非常にお勧めです。
いくつかの商品がありますが、フレンチブルドッグのわんちゃんであれば、掻く・舐めるといった痒み治療のために開発されたスターターセットをお勧めします。
今回のわんちゃんでも、脂漏にはスキンケア、湿疹にはスキンケアECプラス、四肢端の舐める痒みにはヒーリングケアLFプラスと症状に適したケアを行って治療を成功に導くことができました。
投稿者:
2017.05.21
トイプードルの脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
春のピークも過ぎ去り、通常モードになってきましたので、症例報告を再開していきます。
それでは今日はトイプードルの典型的な皮膚病の一つ、脂漏症の症例報告です。
【症例】
トイプードル 9歳2ヵ月 女の子(避妊済)
【症歴】
〇1歳から発症
〇過去の治療はステロイド、クロルヘキシジンシャンプー、ケトコナゾールなど
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、身体を右側面からみてみましょう。
続いて、頚部です。
同じく頚部をやや右側からみてみましょう。
続いて、左の耳です。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢です。
続いて、身体の左側面、腹部~大腿部にかけてです。
同じく太もも外側の拡大です。
続いて、右後肢の内側です。
同じく、右後肢の膝~スネにかけての写真です。
同じく右後肢の甲~足首の部分です。
かなり重度の脂漏性皮膚炎ですが、トイプードルでよくある典型的な状態でもあります。
病気としては特別なものではなく、治療は非常にシンプルです。
それでは治療後との比較をみていみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
まずは頚部です。
毛がのびていて、皮膚がみえにくいため、まだ被毛が伸びきっていない状態の比較もだしてみます。
続いて、左耳です。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢です。
続いて、身体の右側面です。
続いて、右後肢の内側です。
同じく右後肢の膝~スネの部位です。
このスネの部分ですが、被毛が長くなって、皮膚コンディションが見えにくいため、治療途中をお見せします。
かなり綺麗になっているのが伝わると思います。
続いて、右後肢の足首~甲にかけての部位です。
同じく治療途中の状態をみてみましょう。
かなり皮膚コンディションが改善しているのがわかると思います。
トイプードルの痒み・皮膚トラブルにはさまざまな要因があり、どこに力をいれて治療すべきかは症例によって異なります。
投薬メインの場合もありますし、スキンケアメイン、サプリメントが重要なこともあります。
当院ではありとあらゆる角度からのアプローチで高い治療成績をだしています。
差のつく治療成績のポイントがスキンケアとサプリメントです。
遠方の飼主さまでもご利用いただけるようにオンラインショップでも取り寄せることができますので、お困りの方は一度ご検討ください。
さまざまな商品がありますが、トイプードルであればヒーリングケアLFプラスが含まれた「掻く・舐めるといった痒み治療のために開発されたスターターセット」が最も適していると思います。
投薬治療と併用することで、今まで以上に高い治療成績をだすことが可能です。
投稿者:
2017.03.10
犬の皮膚病の中でも比較的難治性になりやすい脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
マラセチアと脂漏を伴う皮膚炎といえばシーズーが最も有名で、人気犬種の中ではトイプードル・チワワなどでもよく来院があります。
もちろん独特の体質としてコッカーやウェスティなどでもありますし、柴犬でもめずらしくありません。
そして今回紹介するのはミニチュアダックスフンドですが、ダックスでも珍しくはありません。
【症例】
ミニチュアダックスフンド 7歳 男の子(去勢済み)
【病歴】
〇1才のころからフケ・乾燥、痒みを伴う皮膚トラブル(軽度)
〇昨年の夏から悪化
初診時の状態を紹介します。
顔の側面、左からです。
頭部の拡大です。
続いて、顔の右側から。
続いて、頚部です。
同じく頚部の拡大です。
続いて、腹部全体像。
続いて、前胸部~わきにかけて。
続いて、右前腕です。
同じく、右前腕の拡大です。
同じく、右前肢端の拡大です。
続いて、後肢です。
続いて、右側面。
続いて、右後肢の側面です。
それでは、約1ヶ月後の状態との比較です。
※画像をクリックすると大きく見ることができます。
]
まだ1ヶ月という非常に短期間ですが、見違えるほど綺麗に改善しています。
飼主さまも「夜にぐっすり眠れるようになった」と喜んでいただけました。
ただ、治療はまだ前半であり、本当の治療はここから新しくはじめます。
どういうことかというと、ここまで前半の治療は「重度の皮膚炎、脂漏を抑える」という治療でしたが、これからは「皮膚コンディションを改善させる」という、より根本的なところへアプローチします。
「???」と思われるかもしれませんが、ここが「木をみて森をみず」にならない一つ上の医療を目指すポイントです。
脂漏性マラセチア性皮膚炎という診断名に間違いはありませんが、大事なのは「なぜなるのか?」「なぜこれほど悪化するのか?」を考えていくことが医療だと思います。
「診断名が原因をあらわしているとは限らない」、「症状の改善方法と、根本的な治療が同じとは限らない」とは今までの症例報告で伝えてきたとおりであり、今回のミニチュアダックスフンドの脂漏性マラセチア性皮膚炎でも「ある疾患」が隠れています。
今回の症例もこの「ある疾患」に気づかなければ、比較写真の「随分よくなりましたね~」の途中で終わってしまいます。
症状の改善がみとめられたら、治療も次のステップへ移ります。
半年後くらいが楽しみです。
また、今回の治療症例には院内薬浴を行いました。
スキンケアだけで改善するほど甘くありませんが、「スキンケアなくして改善なし」があてはまる症例でもあります。
非常に多くの方にご利用いただいていますが、必ず適切な医療(診断&治療)とともに併用してほしいと思います。
遠方にお住まいで当院に継続的な通院ができない場合でも、メールと写真で継続治療が可能な場合もありますので、一度ご相談ください。
投稿者:
2017.03.07
脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
最も有名なのはシーズーなのですが、その他の犬種でも起こりえます。
犬種によって若干質感がことなりますが、トイプードル、チワワ、マルチーズなど小型犬で多く認められます。
今日はマルチーズの症例で、治療直後だけでなく約1年経った今でも長期管理ができているわんちゃんを紹介します。
【症例】
マルチーズ 3歳 女の子(避妊手術済)
※来院時の年齢
【経過】
〇1歳の頃に発症し、その後改善なく今日まで通年性の発症
それでは初診時の状態、治療後(約1~2ヵ月後)、1年経過した現在の3つのタイミングでの比較でみてみましょう。
まず痒みの強かった口唇部分、初診時・拡大・治療後との比較・現在の順番で掲載します。
上の写真では口唇の状態がわからないので、毛をかきわけてみます。
毛をカットしたものではなく、かいて擦り切れている状態です。「
治療によりしっかりと毛が伸びるようになりました。
※脱毛疾患ではないため、痒みが取れると毛がのびてきます。
そして1年後の現在。
※最後の写真が1年経過している現在です。
非常にいい状態がキープできています。
続いて、右前腕(手首と肘の中間)です。
初診時、初診時の毛カット後、治療後との比較、現在の順番で掲載しています。
以下の写真が今の状態です。
続いて、右前肢端(甲の部分)です。
初診時、初診時の毛カット後、治療後との比較、現在の順番で掲載しています。
※比較写真は、初診時の毛をカットした状態と、治療直後の状態を比較したものです。
以下の写真が、初診時から約1年経過した今の状態です。
続いて、右後肢です。
初診時、初診時の毛カット後、治療後との比較、現在の順番で掲載しています。
以下の写真が初診時から1年経過した写真です。
※初診時の毛カット前が皮膚病にみえないのはカメラ性能と光の影響、そして毛が被っているためです。
遺伝的な素因があるため、完治するタイプではないのですが、継続治療をつづけることで徐々にぶり返しにくくすることはできると考えています。
現在は月1回の薬浴、投薬治療の併用で一定の維持管理ができています。
こういった脂漏性疾患ではスキンケア、アトピー管理には免疫調整のためのサプリメントが長期管理に重要になっています。
また、遠方にお住まいの方には遠隔診療を提供しています。
このタイプであれば遠隔診療でも十分に対応できると考えています。
投稿者:
2017.02.06
フレンチブルドッグの湿疹・膿皮症・アトピーなどの皮膚病治療に力をいれている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
診療でよく実感することですが、「医療に魔法はない」です。
もちろん劇的な改善で、「うちの子に何をやったんですか!?」と喜んでいただくことは少なくないのですが、それでも医療に魔法はないのです。
大事なことの一つはピンポイントの診断・治療、そしてそれらを適切に生み合わせることです。
【症例】
フレンチ・ブルドッグ 11歳3ヶ月 女の子(避妊済み)
【症歴】
〇3ヶ月前から皮膚病
〇かかりつけ動物病院で治療するも改善なし
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔から。
続いて、頚部。
つづいて、前胸部。
続いて、左前肢(肩付近~前腕にかけて正面から撮影)。
続いて、右前肢の外側面。
続いて、左前肢先端です。
続いて、右側面の胸部付近。
続いて、右側面腹部~大腿部。
それでは初診時から9週間後の状態と比較してみてみましょう。
※写真をクリックすると大きくみることができます。
まだ治療途中ですが、出血・傷はもちろん、湿疹もほとんど消失しました。
ここまで到達すればもう安心です。
あとは「もっとよくなる」、そして「再発させない」が重要です。
もう一度フワフワ&サラサラの被毛に回復させ、お薬がなくても再発もない状態へ導きます。
今回の症例をスキンケアとサプリメントのみで改善させるのはさすがに無理なのですが、治療と「再発防止」として重要なのがスキンケアとサプリメントです。
投稿者:
2017.01.15
シーズーの脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
過去数年にわたってシーズーの治療症例を報告していますが、必ず重要といっているのがスキンケアですよね。
だた・・・皮膚病の治療にスキンケアと書くと響きはいいのですが、皮膚病の基本がスキンケアにあるとは思っていません。
大事なんですが、「大事なものは一つではない。」ですのでスキンケアという言葉にあまりこだわっていては本当の意味のいい治療はできないとすら思っています。
ただ、それでもスキンケアがかなり重要になっている皮膚病があります。
それがシーズーに非常に多く認められ、典型的な難治性皮膚炎になるこの脂漏性マラセチア性皮膚炎です。
【症例】
シーズー 3歳1ヵ月 男の子(未去勢)
【症歴】
〇2才のころから発症して、1年間改善なし
〇かかりつけ動物病院で改善なく、当院を受診
それでは初診時の状態です。
まずは顔正面から。
続いて、下顎~頚部。
続いて、わき~肘の内側です。
続いて、腹部全体。
続いて、右後ろ足のスネ~カカト~甲の部分です。
続いて、左後肢の膝の内側です。
初診時から約半年後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
※脱毛疾患ではないので極端な変化ではにようにみえるかもしれませんが、脂漏がなくなっているため、被毛がサラサラになっているところをみてください。
痒み、臭い、フケ、べたつき、すべてでほぼ綺麗に改善しました。
今回のような脂漏性のわんちゃんでは被毛が長くなると悪化しやすいのですが、治療後ではこれだけ長い被毛の状態でも皮膚コンディションがいい状態でキープできていることがポイントです。
また、シャンプーして数日後にはフケと臭いが・・・というのがよくある状況ですが、シャンプーして1~2週間経過してもフケ・臭いなどもほぼありません。
ここで最初にお話したスキンケアについて再度お話しようと思います。
これだけの皮膚病をスキンケアだけで臨むのはかなり無理があります。
個人的には「スキンケアだけでやってみましょう」なんて言った事もありませんし、思ったことすらありません。
適切な医療を併用してこそのスキンケアであり、スキンケアがあってこその投薬治療の効果がでてきます。
要するに「相乗効果があってこその治療成績」です。
今回の症例では「あまりお薬に頼らないようにしましょう」とかではなく、そこそこの投薬治療をしていますが、「お薬は使いこなしてこそ」と考えています。
もちろんスキンケアとサプリメントは基本中の基本です。
投稿者:
2017.01.14
フレンチブルドッグに多いアレルギー・アトピー性皮膚炎、膿皮症、脂漏症などの皮膚病治療に力をいれている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
名古屋も雪で真っ白!寒いですね♪
明日のスキー場は深いパウダースノーで楽しそうです(笑)
それでは、今日はフレンチブルドッグの典型的な皮膚病の1つ、アトピー性・脂漏性皮膚炎の治療症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 7歳 女の子(未避妊)
【症歴】
〇生後6ヶ月からの発症
〇季節性があり、夏に最も悪化する
それでは初診時の状態です。
まずは顔正面。
続いて、頚部。
続いて、右前腕です。
同じく右前肢端です。
同じく右前肢端の内側(親指周囲)です。
続いて、左前腕です。
続いて、胸部です。
続いて、仰向けの胸~腹部です。
続いて、左後肢の甲~足首あたりです。
フレンチブルドッグの皮膚病の中でもかなりの重度で、慢性化している状態です。
治療2~3ヶ月で劇的に改善し、今でも月1回継続治療をつづけられています。
もう2年以上経過しているのですが、2年継続して治療をつづけるとどこまでよくなるか?
初診時と継続治療した約2年後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になっています。
治療のスタートラインが非常に重度かつ慢性だったため、部分的に被毛の再生が不十分ですが、かなりの改善といえるでしょう。
症状の改善に2年かかったわけではなく、痒みや赤み、べたつきなどの症状は2~3ヶ月で随分とよくなっていました。
大事なことは、主な症状が改善した後も欠かさすことなく治療し続けたことで、皮膚コンディション・毛並みがここまで改善したということです。
主な症状である痒み・べたつきなどの症状が改善した治療2~3ヶ月で治療をやめていたら、すぐに最初の状態まで再発していたでしょう。
こういった皮膚疾患には投薬治療も重要ですが、スキンケアやサプリメントも非常に重要になっています。
投稿者: