2019.12.09
犬の膿皮症(湿疹)、脂漏症、アトピーなど痒みを伴う皮膚病に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
以前にも紹介した「新しい治療法」についての続きです。
前回のブログで「衝撃的」と書いた症例を紹介します。
【症例】
フレンチブルドッグ 女の子 避妊手術済
【経過】
〇今まで何件も動物病院を受診したが、よくなったことがない
それでは症例を紹介します。
比較写真は、写真をクリックすることで大きくすることができます。
今までもかなり重度な皮膚炎の治療前・後の比較を掲載してきたので、特別感はないかもしれませんが、細かいところでその内容が違います。
今回は重度の脂漏症のため週2回を目安とした「頻繁なシャンプー」が推奨されるタイプですが、著しい改善で「2週間シャンプーしていないのに脂っぽくない&痒くない」というレベルまで改善しました。
個人的にはこのレベルは去年までの治療では到達できなかったので、今後の脂漏症治療の基本になる1例になったと考えています。
逆にいうと、今まで診てきた中にもこの病態(治療内容)が当てはまる症例は数多くいたので、今となっては十分ではなかったと反省というか悔しいというか、複雑な想いもあります。
ここ数年「どこかに突破口があるはず」と探してきた課題に答えが見つかったようなのでとてもうれしいです。
参考までにアポキルですが、初期治療としては処方しませんでした。
アポキルを使う選択肢もなきしもあらずですが、「アポキルがベターではない」「アポキルがなくても改善は可能」「むしろアポキル以外の方がいいこともある」ということを把握して症例を診る目が非常に大事かと思っています。
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