2019.11.22
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 8歳8ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇3歳から継続した痒みを伴う皮膚病(季節性はなく通年性)
〇全身脂っぽく、毛艶がなくフケが多い
〇毎週シャンプーしても改善されない
〇過去に4件の動物病院を受診したが、一度も改善したことがない
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔(右側)です。
左耳です。
右前肢です。
頚部です。
脇~胸です。
それでは、初診時から約4ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
院内での薬浴を数回行い、全身を覆っていたボロボロは綺麗に無くなりました。
痒みも落ち着き、毛も段々と揃い始めています。
今回の症例にいくつかポイントを列挙します。
ポイント①やはり治療はアポキルなのか?
今の痒み疾患の標準治療ともいえるアポキル(オクラシチニブ)ですが、今回の治療期間中には使用しませんでした。
もちろん使用する選択肢もあるのですが、「なくてもいい」というものでもあり、「むしろ〇〇〇の方がいい」という明確な理由があったので敢えて採用しませんでした。
もちろんアポキルメインで治療することが間違いというものではないです。
みなさんに知っていただきたいことは「常にアポキルがベストではない」ということ、アポキル以外の治療選択肢を知っていることこそが「アポキルを使いこなせる」だと思います。
ポイント②原因は食物アレルギーなのか?
今の皮膚科の問題点でもあるかと考えていますが、「治りにくい=アレルギー」という括りにされやすく、特に「食物アレルギー」の言葉は乱用されがちです。
食物アレルギーをある・ないの確定診断は難しいのですが、このタイプの皮膚病で「食物アレルギー」と診断することは当院ではほとんどありません。
「食物アレルギーはない」とまでは断定できませんが、「どこに食物アレルギーがあるのだろうか?」とは思います。
事実、当院受診までアミノ酸系または低アレルゲン系の食事療法をしていましたが、当院はアレルゲン制限をといた食事管理を推奨しています。
ポイント③では原因は何か?
原因を1つに絞ることそのものが治療の失敗を招きます。
やはり複合要因のため、複数の異常をできるだけ同時に治療する必要があります。
ただ本当の意味で同時治療は診療的に難しいこともありますので、優先順位の高い治療方針から先におこないます。
それが院内薬浴ですね。
院内薬浴と投薬治療、そして食事療法などの組み合わせが体質に合致すると今回のような劇的な改善が可能になります。
ではその次はなにか?
その次・・・、そう「世界初の治療」です。
当院では標準治療になりつつあるのですが、ある治療を併用します。
ここまでもかなり劇的な治療結果ですが、当院ではもう1つ上の治療成績を出すことが可能です。
またご報告します。
なお、今回紹介した症例に使用したスキンケアとサプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。
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