症例別

【シーズーの重度の脂漏症】5件目の動物病院

2018.02.11

シーズーのアトピー・アレルギーによって難治性になりやすい脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーの脂漏症は原因・体質・程度がわんちゃんによって随分と異なるので、どの原因にどのくらい力をいれてアプローチするか?がとても重要です。

今はアポキルがあるため「とりあえずアポキル」というプランで改善があるわんちゃんはそれでいいのですが、アポキル単独で改善がない場合、次の手を複数もっていなければお手上げになり詰んでしまいます。

今回はそんな「アポキル単独ではきびしい」という典型的なシーズーの脂漏症です。

【症例】

 シーズー 5歳 男の子(去勢済)

【経過】

 〇2年半前から皮膚病

 〇1年通して改善なく、梅雨が最も悪化する

 〇過去にかかりつけ動物病院以外に皮膚病のために3件の動物病院を受診し、漢方治療、ホルモン治療、食事療法などを行うも改善なし

 〇今回5件目の動物病院として当院受診

それでは初診の状態です。

まずは頚部とその拡大。

続いて、右前腕です。

続いて、胸部とその拡大です。

続いて、左の脇の拡大です。

続いて、腹部の臍周囲の拡大です。

続いて、腹部~内股です。

毛をカットしてみました。

まずは頚部です。

続いて、臍周囲の拡大です。

治療から3か月後の状態と比較してみましょう。

90%の部位で皮膚がかたい、フケがでる、べたつくといった脂漏症の症状をおさえることができました。

部分的にのこっているとこもありますが、かなりの改善と判断できます。

ただ、今回の症例ではこの「脂漏」の体質がかなり強く、通常の治療では抑えきれませんでした。

・アポキル
・院内薬浴(2週間に1回)

がメインではあるのですが、この2点ではむずかしかったため、さらに4つの治療を併用しようやくここまで改善しています。

現在は3週間に1回になりましたので、今後は4週に1回まで間隔をあけることが目標です。

その状態で今年の梅雨~夏を乗り切るのが次のの目標となるでしょう。

今回の症例では投薬治療が絶対的に必要な状態でしたが、もちろんスキンケア&サプリメントもかなり重要なポイントになっています。

遠方にお住いの方でも遠隔診療が適応になる病気でもありますので、お困りの方は一度受診をご検討ください。

今回のわんちゃんのような体質に向いているスキンケアとサプリメントは下記のオンラインショップでお買い求めいただけます。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキル&シャンプーで改善しないシーズーの皮膚病

2018.02.03

シーズーのアトピー・アレルギー・脂漏・マラセチアといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーの皮膚病治療で重要な要素の1つはスキンケアであり、当院では昔からシーズーのスキンケアに力を入れていますが、スキンケアで何でも治ると思っているわけではありません。

また最近ではアポキルという非常にいいお薬がでて治療成績を向上させていますが、アポキルがどんな痒みも抑えることができるわけではありません。

今回紹介するのはそんな「スキンケアやアポキルでも抑えきれない痒み」についての症例報告です。

【症例】

 シーズー 2歳9カ月 男の子(去勢済)

【経過】

 〇1歳になる前からの痒みを伴う皮膚病

 〇9カ月前からアポキルを服用継続しているが、明らかな改善が認められない

 〇食事療法として複数試しているがよくならない

 〇当院で3件目の動物病院

それでは初診時の状態です。

まずは正面から。

続いて、右耳。

続いて、左耳と拡大。

続いて、頚部とその拡大。

続いて、右前腕と脇部分の拡大。

続いて、左腕とその拡大。

続いて、胸部と左右の脇の拡大です。

続いて、腹部とその拡大です。

同じく右内股、膝のやや上あたりの拡大です。

続いて、左膝の拡大です。

続いて、右膝~右すねの拡大です。

最後に四肢端として、右前肢の指の間と足裏をみてみましょう。

こういった症例の場合、院内薬浴が非常に奏功するためカットさせていただきました。

以上が初診時の状態の紹介です。

それでは初診時の薬浴の次の診察(わずか12日後)の状態をみてみましょう。

皮膚の発赤がほぼ消失、もちろん痒み・臭い・フケ・べたつきもほとんどありません。

アポキルを服用する、抗真菌剤を服用する、こまめにシャンプーする、食事療法をする・・・・どれも間違っていませんし、特に問題となる治療プランではありません。

ここで重要なのは「パズルのピース」です。

もう一つピースを足せばうまくいくのです。

そのピースの不足に気づくことが重要ですね。

参考までにこまめにシャンプーすることが悪いわけではないのですが、上記の12日間は一度もシャンプーしていません。

そして治療後の改善写真も「薬浴前」の状態ですので、こまめにシャンプーしなくてもここまで改善します。

よくシーズーの脂漏・マラセチアでは「こまめにシャンプー」と言われていますが、シャンプーで治る皮膚病と治らない皮膚病があり、今回の症例では「シャンプーの回数が問題ではない」ということです。

スキンケアに力を入れてこだわりにこだわった自分が言うのもおかしな話ですが、個人的には「シーズーの脂漏・マラセチアにスキンケアは必須だけれども、シャンプーでは治らない」が行き着いた答えです。

シーズーの皮膚病でお困りの方は当院の治療&薬浴をぜひ受けてみてください。

典型的であればあるほど劇的に改善が見込めます。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

シーズーの脂漏・マラセチア・アトピーそして「心因性」皮膚病治療

2018.01.24

シーズーの痒みを伴うアトピー・アレルギー・脂漏症・マラセチアによる皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーの皮膚病はシンプルなようで非常に奥が深いです。

キーワードとして、「アレルギー」「アトピー」「マラセチア性皮膚炎」「脂漏症」「シャンプー」「スキンケア」「アポキル」「ステロイド」・・・色々とありますが、意外と知られていない原因があります。

「心因性掻痒症」

知られていないというより、「触れられていない」という方が正しいかもしれませんね。

顕微鏡でもみえない、血液検査でもみえない、画像診断でもみえない、飼主さまからの主訴にもない、証拠もない・・・これほど「無視」されている病気もめずらしいです。

今日はそんなシーズーの典型の1つ、脂漏とマラセチアと心因性の組み合わせのわんちゃんの症例報告です。

【症例】

 シーズー

【経過】

 〇

すでに当院の治療を受けて半年以上経過するのである程度改善している状況です。

どうしても「腕」と「わき」と「内股」の赤み・皮膚炎、脂漏、舐める(痒み)がのこるため心因性を疑いました。

心因性に対するアプローチを行う前の皮膚の状態を紹介します。

まず右腕。

その拡大。

続いて、左腕。

同じくその拡大。

同じく左腕の脇に近い肘内側の拡大。

続いて、腹部。

腹部の臍部分の拡大。

毛をカットした内股の拡大。

心因性のアプローチを行った4週間後の写真と比較してみましょう。

※部分的に2週間後の写真を使っています。

痒みゼロとまではいきませんが、劇的に改善しました。

皮膚炎もほぼなくなり、強い脂漏もほとんどなくなりました。

もちろん舐めるのも劇的に少なくなっています。

皮膚病の原因が常に1つということはあまりありません。

基本は複数の原因が複雑に関係して難治性になっています。

その中で心因性というのは最後の最後に残るものかな?と思っています。

心因性以外の診断・治療が適切に行われている状況で、心因性による痒みだけを残した状況で適切なアプローチをすると劇的に改善する可能性が高いです。

投薬治療も併用しましたが、当院のヒーリングケアLFプラスも併用しています。

このわんちゃんではアトピー対策としてアポキルとスキンケアECプラスが、心因性には抗不安薬とLFプラスの相性が非常にいいですね。

このヒーリングケアLFプラスもまもなく新しい商品に切り替わります。

当院のスキンケア&サプリメントはオンラインショップでお買い求めいただけます。

適切な診断・治療のもとご利用いただければきっとお役に立てると思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

膿皮症の根本的治療法~スキンケアECプラスの実力~

2018.01.13

犬の細菌性皮膚炎、「膿皮症」の根本的な治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

犬の膿皮症、シンプルなようで非常に難しい病気です。

治療という意味では「抗生物質を服用する」が最優先治療であり、治療効果も高いので一般的には治りやすい病気ではあるのですが、「抗生物質を服用しているときだけ改善し、やめると再発する」という症例が少なくありません。

別の角度から考えると、再発する膿皮症の場合の膿皮症の原因は他にあるという意味で、「抗生物質は細菌を抑えて膿皮症を治すが、膿皮症になる原因は治していない」ということでもあります。

このことは以前からずっとお話していることで、投薬治療で治せることはあたりまえで、皮膚科診療で必要なことは「なぜ膿皮症になるのか?」「膿皮症にならないためにはどうすればいいのか?」まで考えなければいけないと思っています。

今日紹介する症例はまさにそんな「なぜ膿皮症になるのか?」「膿皮症にならないためにはどうすればいいのか?」の答えとなる内容となっています。

【症例】

 フレンチブルドッグ 4歳 女の子(避妊手術済み)

【経過】

 実は以前に治療実績として紹介しています。

 2017年10月23日 【フレンチブルドッグの皮膚科診療】アポキルが効かない

全身の湿疹(膿皮症)に対して抗生物質を処方して治しましたが、抗生物質をやめて1ヶ月前後で再発してしまいました。

その再発時の写真を紹介します。

初診時にもあった腹部の湿疹「膿皮症」のぶり返しです。

治療のことだけを考えると、つい先日まで行っていた初期治療(抗生物質の服用)で改善するはずです。

ただ「抗生物質を再度処方して湿疹が治ったとしても、やめればまた再発する可能性が高い」と判断できる状況でしたので、新しいプランを提案してみました。

それが当院の「スキンケアECプラス」です。

1回1包、1日2回服用するように指示をだしました。

スキンケアECプラスだけを追加処方して1ヵ月後、比較写真をみてみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

湿疹はゼロ、この1ヶ月間で新しい湿疹は1つもできなかったそうです。

ここで詳しい治療内容を少し紹介します。

以前紹介した時点までの初期治療では、膿皮症に対して抗生物質&スキンケア、痒みに対してアポキル&LFプラス&心因性治療薬のアプローチを行いました。

「治す」という意味ではこの治療内容で十分です。

ただ、1つ問題があり、「抗生物質をやめると再発するのではないか?」という疑問もありました。

ただ、再発を恐れて抗生物質を長期間服用することがベターというわけではないので、「再発したら次はスキンケアECプラス」と考えて抗生物質を一旦終了としました。

そして再発は予測どおり、痒みではなく「湿疹」という形であわられました。

この再発に対して再び抗生物質を処方する選択肢を悪いとは思いませんが、あえて「スキンケアECプラスだけで治せる」と判断できたので、抗生物質による治療を強くおすすめせず、サプリメントのみの追加処方としました。

結果は上記の写真の通りで、「スキンケアECプラスによる膿皮症の治療効果」といえる結果だと思います。

なお当院受診前から服用していたにも関わらず痒みの改善がなかったアポキルは1日1回服用から徐々に減らして、現在は週3日服用で維持コントロールができています。

これは心因性へのアプローチであるヒーリングケアLFプラスの効果もあると思います。

今回の症例は非常に色々興味深いことが多く含まれている治療実績です。

まず1つに「アポキルを服用しているにも関わらず痒みが改善しない」という主訴であったことです。

2つ目は「抗生物質を服用することで改善した膿皮症が、休薬とともにぶり返したが、サプリメントだけで治療・再発予防が可能だった」ということです。

もちろんこの「アポキルが効かない原因」と、「再発したらスキンケアECプラスで治療・再発予防が可能だろう」の2点とも初診時に把握することができましたので、診察でもスムーズにシフトすることができました。

今の皮膚科医療に足りないアプローチの1つは「なぜ病気になるのか」というところだと思います。

当院はもちろん治すことも当然ですが、それだけでなく「根本的にどうするべきか?」を含めて医療を提供しています。

それがスキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラスです。

この2つがあってこその当院の治療実績、再発防止です。

当院のオリジナル商品は以下のオンラインショップからご利用いただけます。

また、当院ではスキンケア商品、サプリメント商品を共同で治療に使う提携病院を募集しています。

ご興味のある先生は一度お問い合わせください。

※皮膚科のない個人動物病院に限ります。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【皮膚科専門診療】アポキルを減らしたい

2018.01.04

アトピー・アレルギー疾患などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

昨年の症例報告のほとんどが「アポキルが効かない」でしたが、それはしばらくずっと続くと思います。

アポキルそのものは非常にいいお薬で、当院でもよく処方するのですが、効かない?と感じる場合は2つの原因を考えるようにしています。

1つは「そもそもアポキルが効かない別の疾患」という場合です。

特に感染症ではアポキルはほとんど効かないと考えています。

2つ目は「アポキルが効く痒み以外の痒みが残っている」です。

要するに「痒み」と一言にいっても、原因はさまざまあり、アポキルがどんな痒みにも効くかというとそうではありません。

アポキルにも抑えやすい痒みと、抑えにくい痒みがあるため、そこを診極めなければ難しくなる症例もいます。

アポキルが効く痒み以外の痒みが残っているわんちゃんには、その原因に合わせた追加治療が必要になります。

今回はそんなアポキルが効くかゆみ以外の痒みに追加治療を行ってアポキルを減らすことができた症例報告です。

【症例】

 フレンチブルドッグ  女の子(避妊済)  2歳9ヵ月

【経過】

 〇アポキル1日1回投与により随分と改善した状態が続いていたが、手足の先を舐めることがだけが続いていた

 〇アポキルの服用が1日1回のまま約1年となり、減らすと症状が悪化するため減量が中々できなかった

この時点で初診時よりはるかに改善したいたが、今後のさらなる治療成績のため、新しい追加治療を提案しました。

今回は治療前の写真がみつからなかったため、治療後の写真のみ掲載します。

症状は手足の先(指の間と足裏)を舐めることでしたが、随分と改善しました。

最初1日1回をずっと継続していたアポキルですが、新しい治療を組み込んだことで徐々に減らすことができ、現在は週2~3回投与でコントロールができています。

追加治療の1つは当院のヒーリングケアLFプラス、

このサプリメントを併用しています。

もちろん投薬治療の追加も行ったため、純粋にサプリメントだけでアポキルが減ったわけではないのですが、大事なことは複数併用することで1つのお薬に頼らなくてもよくなり、治療成績が向上するということです。

当院のスキンケア商品・サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。

適切な医療の元、ご使用ください。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の痒い皮膚病】アポキルが効かない!?どうする?

2017.12.18

柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

クリスマスまで1週間を切り、クリスマスが終わればもう今年もカウントダウンで新年ですね。

クリスマスの飾りつけをしながらお正月の飾り付けも選び、クリスマスプレゼントを準備しながら年賀状を書くというイベント大好き日本人の性を実感する毎日です(笑)

今日の症例報告は先日の柴犬の記事で伝えておいたわんちゃんです。

  12月16日に初診で来院されたわんちゃんをその日のうちに紹介しています。

【症例】

 柴犬 1歳 男の子

【経過】

 〇生後7ヶ月に痒み発症

 〇徐々に拡大して悪化

 〇地元動物病院にて「アトピー?アレルギー?」

 〇抗生物質と消炎剤の内服で改善なし

 〇11ヶ月からさらに悪化し、拡大

 〇四肢の痒み、顔(目・口・頬)の痒み、目の脱毛など

それでは初診時の状態です。

続いて、顔正面の拡大。

続いて、顔の左側。

同じく顔の左側。

続いて、身体側面の右側から。

続いて、右前肢の内側、とその拡大。

同じく右前肢の外側と、その拡大。

続いて、左側面。

腹部の左側とその拡大。

左後肢の側面。

同じく左後肢のかかと付近を外側から。

同じく左後肢の甲、外側から。

背中以外傷だらけで来院されました。

噛みすぎて毛もありません。

それでは10週後の状態と比較してみましょう。

※画像をクリックすると大きくみることができます。

まずは顔の正面、右、左の順番です。

続いて、左側面。

続いて、右前腕。

続いて、右後肢。

続いて、左側面。

続いて、左前肢。

続いて、左腹部とその拡大。

続いて、左後肢の側面。

非常に綺麗に改善しました。

傷ひとつなく、毛並みは100%回復です。

症状も改善し、10週間後の状態ではほぼ痒みなしです。

念のためアポキルを渡しておきましたが、治療9~10週目の2週間で服用したのは2~3回のみ、それでも痒くないという回復ぶりです。

もちろんステロイドの1度も処方していません。

今回の症例の特徴の一つは、「アポキルが効かないタイプの痒みである」ということです。

まったく効かない、絶対にきかない・・・というほどではないので、併用するのはありなのですが、「アポキルで抑えきれない」とわかった上で処方しなければ後が困ります。

再診時に「痒みがあまり改善していない」という状態を予測して、再診時に次の治療に踏み込める準備を初診時にしておく必要があります。

今回の症例でも初診時に「とりあえずアポキル」という処方をしましたが、予測どおりあまり改善なし・・・という結果でした。

想定どおりですので、再診時から初診時の時点ですでにお伝えしていた治療第2弾を併用して、最終的にはアポキルがなくてもかかない、という状況に改善したという流れです。

ブログにしてしまうと治療は一瞬にみえるかもしれませんが、柴犬の皮膚病治療は難しいと思います。

アポキル単独でかなり痒みを抑えられる症例もいるのですが、そうでない症例もそこそこいます。

そしてアポキルで痒みを抑えきれないときに次の手が中々ない、というのが今の皮膚科の現状です。

当院ではアポキルが効かないという診療が大半を占めるので、それ以外の手をいくつか持って診療に臨んでいます。

ただ、打つ手が正しくてもそのタイミングが悪ければ十分な評価ができなかったりしますし、いいタイミングで手を打っても「それがいつ効くのか?効いているのか?」を判断できないといけません。

こういった「アポキルが効かない痒み」について、個別でセミナーを開催していますので、診療提携をご希望の方はご連絡ください。

参考までに前回初診時のみを紹介した柴犬のわんちゃんと原因は一緒です。

前回紹介した柴犬のわんちゃんもアポキルを1日2回服用して改善しない皮膚病です。

3ヵ月後までには綺麗になるでしょう。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【遠隔診療】1回の診察で皮膚病が治るのか?

2017.12.16

シーズーのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

当院には愛知県だけでなく、隣の三重県・岐阜県・静岡県からも来院があります。

もちろん隣の県にとどまらず、関西・関東圏からの受診も珍しくありません。

特に東京・神奈川・千葉・埼玉からの受診は非常に多いため、継続がしやすいようにメールと写真で継続する遠隔診療を提供しています。

 四季の森どうぶつクリニックの遠隔診療

遠隔診療というのは初診を実際に診て、2回目からの再診をメールと写真で代用し、お薬を発送する方法ですが、簡単にいうと実際に目でみるのは1回だけです。

1回診ただけで改善までもっていくだけの治療方針を立てなければいけません。

過去にさまざまな治療を行ってきて改善しない難治性皮膚病を1回の診察でどのように改善できるのか?というのは大きなポイントのため、先日このブログで遠隔診療でのフレンチブルドッグの治療成績を紹介しました。

今日は続きで、シーズーのわんちゃんでの治療成績を報告します。

【症例】

 シーズー 約10歳 女の子(避妊手術済)

【経過】

 〇5年前から1年を通した慢性的な皮膚病

 〇梅雨~夏が最も悪くなる

 〇アポキルを使い始めた最初の2週間は効果があったが、それ以降は効果を実感できなかった

 〇インターフェロン注射でも改善なし

 〇ステロイドを2日に1回で多少の改善あり

今回の初診は、静岡県静岡市のあん動物病院(大石先生)で行いました。

 初診の後に紹介したブログ記事

あらためて初診時の状態、そいて毛をカットしたあとの状態をみてみましょう。

まずは顔の正面から。

続いて、顔の左側(頬)の拡大です。

続いて、口唇~下顎(やや左側)を下から見た状態です。

続いて、左の頬の拡大です。

続いて、左の口唇~下顎の拡大です。

続いて、頚部とその拡大です。

毛が多いためわかりにくいのですが、全身を紹介したあと毛をカットするとわかりやすくなります。

続いて、右前肢とその拡大。

続いて、左前肢とその拡大です。

今後の治療成績をあげるため、薬浴を実施するために毛をカットしました。

毛をカットすることでかなり炎症が重度におきていたことがわかると思います。

それではこの初診から1か月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくみることができます。

被毛の再生があるのですが、皮膚炎・腫れ・フケにおいて著しい改善が認められています。

もちろん肝心の「痒み」も10分の1まで改善しています。

常になめたり噛んだりして、パンパンに腫れていた前肢はまったくなめなくなったということでした。

今回の診療ではいくつかキーポイントがあります。

①アポキルが効かないタイプの皮膚炎か?

アポキルが効かないわけではないのですが、過去の治療結果が示したようにアポキルだけでよくなる皮膚病ではないと判断しています。

もちろん当院からはアポキルを処方しています。

②過去にアポキルで改善がなかった理由は?

診断名として足りないものが1つ、治療方針として足りないものが2つあったため。

③何が足りなかったのか?

1つは初回に実施した薬浴で、実は薬浴直後から劇的に改善していることからも足りない治療のピースの1つは薬浴だったと思います。

④「薬浴+アポキル」で改善するか?

薬浴の効果は一過性であり、ずっと長期間継続するようなことはないため、1回の薬浴でここまでよくするのは難しかったと考えています。

薬浴により皮膚コンディションを一気に改善させ、もう1つの大事な治療でケアしていくというイメージの方が適切です

もう一つの治療については、初診当日あん動物病院の大石先生に「なぜそう思うのか?」「皮膚のどこの部位をどう評価するのか?」についてお伝えしました。

もちろんシーズーの典型的な皮膚病ですので、当院のスキンケア&サプリメントが治療のサポートにかなり役立っています。

投薬治療があってこその治療成績ですが、体質にはかなりフィットしたアプローチになっています。

当院の診断&治療があればかなりの精度で治療結果がでることが期待できるため、遠方にお住いの方も遠隔診療をご検討ください。

なお、今回の初診のシーズーちゃんの治療方針ですが、初診前に送っていただいたメールと写真で想定した通りで、診察時の修正はありませんでした。

もちろん遠隔診療時の変更もありません。

今後はアポキルを減らしていくのですが、以前のような皮膚炎のぶり返しはおきないと考えています。

次回のブログは本日12月16日に初診として来院された柴犬の皮膚病の初診時状態を紹介します。

アポキル0.45㎎/kg1日2回でも痒みの改善がまったくないという主訴で来院しています。

もちろん診断は一瞬、診察台に乗る前に「なぜアポキルが効かないのか?」がわかる皮膚病です。

アポキルが便利すぎて「痒み=アポキル」となりがちな皮膚科診療ですが、当院では「アポキルが効かない痒みの治療」と「アポキルを減らすための治療」の両方に力を入れています。

◆◆◆ご案内◆◆◆

1月8日、10日に京都市の動物病院 「よこた動物診療室」で皮膚科診療のサポートを行います。
8日はすでに定員に達しましたが、10日はまだ受付可能です。
継続治療はよこた動物診療室での通院治療が基本ですが、京都への通院も困難な遠方の方には遠隔診療でサポートします。
京都市内にお住いの方で、皮膚炎治療にお困りの方は当院HPの遠隔診療の都市部開催お問い合わせフォームからご連絡ください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【皮膚科専門外来】痒い=アポキル治療ではない

2017.12.09

シーズーの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

「次回は来年ですね」とお話することも多くなり、1年の終わりを実感する毎日です。

年末年始をカイカイで過ごすことにならないよう、わんちゃんと飼主さまの両方が穏やかにすごせるよう全力で取り組む毎日です。

それでは今日の症例報告です。

非常に遠いところから来院されているわんちゃんです。

【症例】

 シーズー 7歳 女の子(避妊済)

【経過】

 〇1歳から発症し、1年を通じた皮膚トラブル

 〇季節性があり、梅雨~夏が最も悪い

 〇痒みは手足をなめる&かむ、頚部~下顎をかく、お腹を床にこする・・・

 〇アトピカ服用で効果なし、インターフェロン注射でも改善なし

 〇コルタバンスでも改善なし

 〇ステロイド服用でやや改善

 〇アポキル効果なし

 〇抗生物質(アポキルと併用)効果なし 

それでは初診時の状態を紹介します。

まずは頸部から。

続いて、下顎。

続いて、右前肢3枚(腕2枚、手先1枚)。

続いて、胸~腹部とその拡大。

続いて、内股~後肢。

続いて、左膝の内側。

続いて、右膝~すねの内側。

続いて、背中とその拡大。

初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

痒み症状がゼロではないのですが、皮膚炎レベルとしてはかなり改善しました。

治療の余地はまだ大きく残っており、今後も1つか2つ上のレベルまでいけると考えています。

「アトピカ(シクロスポリン・免疫抑制剤)」、「インターフェロン注射」、「アポキル」で改善がないという皮膚病でしたが、なぜ今までよくならなかったか?

ここで大事なのは「パズル」の考え方です。

パズルは完成にはピースが不可欠で、ピースが異っても、ピースが足りなくても完成しません。

実は皮膚病の治療も同じくで、1つでも異なるピースを使えばいまくいきませんし、足りなければまったく改善しないこともあります。

今回のわんちゃんに関しても、アトピカが効かない皮膚病だったのではありません。

同じくアポキルが効かない皮膚病だったわけでもありません。

そして抗生物質が不要だった皮膚病でもありません。

アポキルを使って治すプランもつくれますし、アトピカを使って治すプランもつくれます。

選択したピースと、使う順番、数(種類)を間違えなければ改善可能な皮膚病です。

皮膚病がパズルより難しいのは、箱の中に必要なピースが入っていないこと、そして何より「枠」がないため、「ピースが足りないことに気づけない」というのはあります。

今回は選択したピースの間違いと、足りないピースに気づくことが治療のポイントだったかなと思います。

今回の治療症例ではスキンケア、ECプラス、LFプラスを使って治療しています。

すべての症例がスキンケア&サプリメントで改善するわけではないのですが、適切な診断・治療で併用するとこれほど便利なものはありません。

オンラインショップでお買い求めいただけます。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの脂漏性皮膚炎】アポキル+アトピカ併用で治らない

2017.12.07

シーズーのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏症を伴うマラセチア性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

シーズーの皮膚病治療、特にシャンプー療法(スキンケア)に力をいれている当院ですが、スキンケアだけで皮膚病がなんでもよくなると思っているわけではありません。

サプリメントもしかり、当院ではスキンケア&サプリメントを推奨していますが、このスキンケア&サプリメントで皮膚病が治ると思っていたら病院を閉めています。

今でもクリニックとして皮膚科治療を行っているのには理由があります。

今日はそんな医療(治療)がなければ改善しない、というシーズーの症例報告です。

【症例】

 8歳 シーズー 避妊雌

【経過】

 〇約5年前から慢性的な皮膚病

 〇1年前までステロイドを1日1回投与(約3年間継続投与)

 〇9か月前からアポキルを1日2回投与開始

 〇1か月前からアポキル1日2回に加えて、シクロスポリン1日1回投与併用開始

それでは初診時の状態を紹介します。

今回は来院時の状態のまま、毛をカットする前のコンディションを紹介します。

まずは正面から。

続いて、頚部とその拡大。

続いて、胸部~腹部とその拡大。

身体全体の右側面。

続いて、身体全体の左側面。

続いて、右後肢。

続いて、左後肢の膝~脛の付近。

同じく左後肢の側面拡大。

初診時から約5か月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックするとおおきくすることができます。

5か月というのは当院の中でもやや長めですが、見違えるような劇的な改善です。

今回も「スキンケアとサプリメントが重要で・・・」と言いたいところですが、このレベルの皮膚疾患をスキンケア&サプリメントだけ改善するのは正直かなり困難です。

今回の症例では投薬治療を含めて、全総力をあげての治療となりました。

院内薬浴も初期は週1回、その後も2~3週間に1回、投薬治療も同様です。

確かにスキンケア&サプリメントも非常に重要ですが、初期治療にはお薬の力がかかせません。

なにせ1年間アポキルを1日2回も服用して、さらにシクロスポリンを併用して改善しなかった症例ですので、相当な体質なのはご理解いただけるかと思います。

参考までに当院でこういった脂漏症のシーズーちゃんに推奨しているスキンケアとサプリメントは以下のオンラインショップでお求めいただけます。

あくまで適切な診断・治療の上でご利用ください。

では何が足りなかったのか?

当院ではどのような投薬内容を行ったのか?

1年間1日2回投与したアポキルをどう考えるべきか・・・?

ステロイドの副作用と考えらえる脱毛はなぜ投薬中止後1年たっても改善しなかったのか?

当院ではこういった難治性皮膚病の症例をどうみていくのか、定期的に勉強会を開催したり獣医師向けの診療レポートを作成しています。

今回の症例でも診療レポートを作成して配信する予定です。

スキンケアとサプリメントを含めて提携をご希望の方はお問い合わせください。

※皮膚科のない動物病院に限ります。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

トイプードルの手足を舐める皮膚病治療について

2017.11.27

トイプードルのアトピー・アレルギーなど、手舐め・足舐めの治療で高い治療成績を残している四季の森どうぶつクリニックです。

先日は脂漏性マラセチア性皮膚炎のトイプードルを紹介しましたが、今日は異なるタイプの症例報告です。

トイプードルはシーズーやフレンチブルドッグよりも多彩な表現形をもった遺伝的素因をもっていますので、「トイプードルのどのタイプか?」を診極めなければいけません。

今日紹介するタイプもかなり非常に多く、世間では難治性皮膚炎であてはまる症例です。

【症例】

 6歳 トイプードル 女の子(避妊手術済み)

【経過】

 〇1年前からつづくかゆみ・赤み・脱毛

 〇足先の痒み、口唇の痒み

 〇手作り食事療法で改善しない

 〇皮膚科を受診するも「特に問題ない」で治療プランは提案されず

それでは初診時の状態です。

まずは口唇です。

続いて前肢端。

この初診時から7週間後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

赤み・フケもなくなり、毛並みもよくなりました。

肝心の痒みもほぼなし、手をなめなくなったということです。

症状の改善に7週間かかったわけではなく、症状は治療8日後の2回目の診察時にはほぼ消失していました。

現在は痒み止めのアポキルを半分に減らしても全くぶりかえすことがなく、頓服服用という治療レベルに到達しました。

今回の症例の治療で非常に有効だったのが当院のサプリメント「ヒーリングケアLFプラス」です。

トイプードルやシーズー、チワワ、ポメラニアン、ヨーキー、ダックスフンドなどの犬種と特に相性がいいです。

このヒーリングケアLFプラスは当院オンラインショップでお買い求めいただけます。

また提携している以下の動物病院でも診察の上、処方を受けることが可能です。

 京都市 よこた動物診療室

 静岡市 あん動物病院

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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