症例別

【トイプードルの皮膚病】舐め癖(心因性)とアトピーの混合型

2018.12.15

トイプードルのアトピー・アレルギーなど手舐め・足舐めなど痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

今回はトイプードルの症例です。

 

【症例】

トイプードル 5歳5ヶ月 女の子(避妊手術済)

 

【経過】

〇1年半ほど前から突然痒がるようになった

〇季節性は無く、年中痒い

〇四肢端と足裏を舐める

〇口周りを掻く

 

それでは初診時の状態です。

まずは体の正面です。

 

左前肢の足裏とその拡大です。


 

 

それでは、初診時から約2週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

 

足裏の赤く荒れていた部分に綺麗に毛が生え、赤みも引きました。

このような症例にはアポキルと心因性のアプローチを同時に行うことが重要です。

アポキルを使いつつ、当院が開発したサプリメント「ヒーリングケアLFプラス」を使うことでアポキルを徐々に減らすことができます。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【マルチーズの皮膚病】アポキルと併用すべき心因性治療

2018.11.29

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回はマルチーズの症例です。

 

【症例】

マルチーズ 7歳 男の子(去勢手術済)

 

【経過】

〇手足を舐める、爪をかじるのがひどい

〇季節性は無く1年中続く

〇2~3ヶ月前から口唇を痒がる

 

 

それでは、初診時の状態です。

まずは、体の正面です。

 

 

左側の口唇周りとその拡大です。

 

 

 

右側の口唇周りとその拡大です。

 

 

手舐めがひどいのですが、爪を執拗にかじっているため、写真でわかるほどの皮膚炎はありません。

 

 

それでは、初診時から約8週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。





 

口唇の赤みや腫れも引き、痒がることも少なくなったそうです。

数年つづいた手舐めも「たま~に舐める程度」となり、爪をかじるのは一切なくなりました。

このような症例には当院が開発したサプリメントが非常に有効です。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。


【症例報告制作者】 看護士 長尾

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【獣医師の解説】

数年単位で続く手舐め・足舐め・爪かじりと、ここ最近の口唇の痒みです。

口唇と四肢端の痒みであればアトピー・アレルギー関連を疑うのもありですが、今回は発症のタイミングにかなりズレがあります。

確かに口唇が極端に赤く腫れてはいますが、口唇の痒みは7歳手前からの発症のため、典型的なアトピーではないかと思います。

この発症のタイミングが違う点からも、手先の痒みと口唇の痒みのアプローチをまったく同じにしてはいけないことがわかります。

今回は、口唇には赤く腫れていることに対する積極的な痒み治療をメインとし、手先は心因性アプローチをメインとしています。

この症例ではアポキルがある程度効きますが、アポキルが最優先というわけではないため、最初だけしっかり使ってどんどん減らしていくことが可能というタイプです。

実際1日1回から始め、すでに3日に1回という頻度まで減っています。

初診時にアポキルがどの部位にどの程度効くのか、アポキル以外に必要な心因性治療がどのレベルで必要なのかを判定することが重要です。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症

2018.11.29

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回はトイプードルの症例です。

 

【症例】

トイプードル 6歳3ヶ月 男の子(去勢手術済)

 

【経過】

○2歳頃から痒み、年々悪化

○季節性はほぼ無し

○エリザベスカラー着用(外すと掻く、噛む)

○食事療法を行ったが改善しなかった

○ステロイド、アポキルを数年飲み続けているが改善しなかった

 

それでは、初診時の状態です。

まずは、体の正面です。

 

頚部です。

 

前胸部です。

 

腹部~内股です。

 

右前肢の付け根です。

 

胴体です。

 

左側面です。

 

左大腿部です。

 

それでは、初診時から約3週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

     

 

全体的に毛が濃くなり、フケは無くなりました。

痒みも減り、掻くことも無くなったので、このままエリザベスカラーが外せるよう

頑張っていきたいと思います。

【症例報告制作者】 看護士 長尾

  症例のその後 2018年12月15日 アポキルが効かない脂漏症②

  ※エリザベスカラーを完全に外すことができ、脂漏・痒みを完全に抑えることができました。

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【獣医師の解説】

このタイプも「アポキルが効かない」の典型症例の1つで、トイプードルではよく診ます。

今の皮膚科の問題点がつまったような症例で、「アポキルが効きにくい」「食事療法が間違っている」「心因性が見落とされている」「スキンケアが不十分」というのが初診時にわかるタイプです。

4点すべてが「検査ではわからない(答えがみつけられない)」という抽象的なポイントなのが難治性になる理由ですね。

ただ当院では初診時からこのタイプに即効性のある治療プランを提供できるため、短時間で改善させることができます。

次回、カラーを外して問題ない状態を紹介できると思います。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の皮膚病】痒み止めが効かないアレルギー風皮膚病

2018.11.29

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回は柴の症例です。

 

【症例】

柴 5歳3ヶ月 女の子(避妊手術未)

 

【経過】

〇1歳から口唇の痒み

〇今年の春から全体的に痒みがひどくなった

〇前肢の肉球をしつように舐める

〇陰部から内股にかけて舐める

〇腕・膝を噛む

〇抗ヒスタミン剤+ステロイドで痒みが抑えられず、現在エリザベスカラー着用

 

それでは、初診時の状態です。

まずは、体の正面です。

 

顔の右側です。

 

足裏とその拡大です。

 

 

それでは、初診時から約4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

 

 

足裏を舐めなくなったので赤みが引いているのがわかります。

エリザベスカラーも外すことができました。

【症例報告制作者】 看護士 長尾

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【獣医師の解説】

顔の痒み、四肢をしつようになめる、腕・膝を噛む・・・柴犬の典型です。

この典型タイプは一般的に「柴犬だからアレルギー」、「顔と四肢端はアレルギーがでやすい」という先入観からアレルギー治療がメインになりがちですが、アレルギーという視点でアプローチすると治療失敗の原因になりやすいと考えています。

ではどうですればいいか?

それは心因性です。

心因性に対するアプローチをすると、エリザベスカラーが必要だった痒みもおさまってきます。

アポキルも2日に1回という控え目な量でも、痒みを抑えるには十分というレベルです。

 

当院ではどういった症例に心因性アプローチをするのか、どのお薬をどの程度つかうのか、何を併用するのか?・・・など、獣医師向けの心因性皮膚病セミナーを開催しています。

ご興味のある方は診療提携希望として当院までお問い合わせください。

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際

2018.11.23

柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病の中でも難治性で、アポキル・ステロイドが効果を示さないタイプの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

柴犬の痒い皮膚病に対してアポキルを使って改善しないとき・・・次の手がないのが今の皮膚科の問題点です。

こういったときには食事療法・・・?

個人的にではありますが、食事療法単独で改善する柴犬には出会った記憶がなく、おやつの制限もほぼ行いません。

では、最近流行りのスキンケア・・・?

スキンケアなくして改善はありませんが、スキンケアで改善する柴犬を診た記憶もありません。

 

柴犬には柴犬の遺伝的特性を十分に把握しなければ難しいことがあります。

今日はそんな「柴犬の特性を知っていればわかりやすく」「柴犬の特性を知らなければまったくわからない」という典型的な皮膚病のわんちゃんを紹介します。

 

【症例】

 柴犬 推定10歳越え 避妊雌

【経過】

 〇約5歳からの皮膚病

 〇通年性

 〇抗生物質長期間併用

 〇アポキル1日2回のあと1日1回を1カ月継続するも効果がなく、ステロイドへ切り替え

 〇低分子化したたんぱく質による食事療法

 〇心因性を疑ってサプリ&内服するも効果なし

 〇傷防止のために洋服を常に着ている

それでは初診時の状態を紹介します。

まずは全体から。

 

続いて頚部とその拡大です。


 

 

続いて前胸部と、右前腕の拡大です。

 

 

 

続いて、右側面と湿疹の拡大です。

 

 

 

続いて、胸部~腹部です。

 

 

教科書的な分類であれば、

①膿皮症 ⇒ 抗生物質

②食物アレルギー ⇒ 低アレルギー食事療法

③アトピー ⇒ アポキルなどの抗アレルギー系投薬

④こまめなシャンプー

になると思います。

もちろん「糸状菌」「寄生虫疾患」「甲状腺機能低下症」といった基本的なところの除外は大事です。

また皮膚の腫瘍、自己免疫性疾患などの特殊で稀な皮膚病は、ないとはいえないものの見た目&経過で除きます。

仮にもしこの①~④であれば・・・おそらく過去の治療で改善したはずです。

 

当院では各種検査を行い、検査結果もまちますが、治療方針は初診時の診た瞬間にほぼ決定します。

①に対しては「使わなくてもいいかも」

②については「悪化の要因になっているため即変更」

③については「多少の痒み緩和が期待できるので併用」

④については「重要だが、足りないことがあるので追加」

そしてなにより①~④にはないものを2つ足すことが重要です。

大事なことは「足りない2つを気づくこと」と「検査結果を待たずに初診時の一瞬で気づけること」と思います。

このタイプは「検査して原因がわかるものではない」です。

 

先日初診に来院されたばかりなので、またどこかで経過をお伝えします。

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2018.12.23  アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際②

2019.3.1  アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際③

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの皮膚病】痒み=アポキルではない治療方針

2018.11.16

こんにちは。四季の森どうぶつクリニックです。

今回はシーズーの症例報告です。

 

【症例】

シーズー 8歳4か月 男の子(去勢手術済)

 

【経過】

○5歳頃から痒みや赤みが出始め、この1~2年で悪化

○季節性はなく、冬も症状がある

○過去に抗生剤を使用したが、あまり効果が感じられなかった

○痒み止めも効果がなかった

○手先や内股をよく舐める

○エリザベスカラーをつけている

 

それでは初診の状態です。

まずは顔の正面です。



 

頚部です。

 

両脇です。

 

左脇です。

 

腹部です。

 

左後肢です。

 

それでは、初診時とその約8週間後の状態を比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

実は初診時から4週間でほぼ綺麗になったのですが、撮影を忘れており比較写真が8週間になっています。

肝心の皮膚の状態は著しい改善をみとめ、エリザベスカラーも外すことができました。

このような症例には積極的な投薬治療がこれだけ早い治療結果を出すポイントになりますが、当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に重要です。


当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

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【獣医師の解説】

アトピー・痒み疾患に対する新薬アポキルの登場により、今の「痒みを伴う皮膚病」にはアポキル一辺倒になりつつあります。

しかし「痒い=アポキルが効く」ではなく、むしろアポキル以外の方が治療成績が高いこともあります。

そのため、これからの皮膚科で重要なことは、

 ①その症例にアポキルがどこまで効くのか?

 ②アポキル以外に効く治療法があるのか?

 ③アポキルが効かない痒みがないか?

だと思っています。

今回の症例はそこの3つのことが重要になっていることを証明するような症例で、

 ①アポキルでは不十分

 ②アポキルよりも効く治療薬がある

 ③アポキルが効かない痒みがあるため

と判断し、あえてアポキルを使わず治療しています。

ただアポキルがまったく効かないわけではないため、今後はアポキルに切り替える余地はあると思います。

たらればの話になりますが、もし最初からアポキル単独であれば・・・これだけ早い治療結果はでなかったと思います。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【シーズーの皮膚病】アポキルが効かない手舐め・足舐め

2018.11.16

こんにちは。四季の森どうぶつクリニックです。

今日はシーズーの症例報告です。

 

【症例】

シーズー 12歳3か月 女の子(避妊手術済)

 

【経過】

○生後1~2歳頃から痒み

○7歳頃~手足をよく舐めるようになり、血マメ(はじけて出血)になるようになった

○アポキル、抗生物質、ステロイドを使用したが、効果が出なかった

 

 

それでは初診の状態です。

まずは体の正面です。

 

左前肢です。

 

腹部です。

 

右後肢です。

 

左後肢の内側です。

 

それでは、初診時とその約8週間の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると拡大することができます。


体の赤みが減り、毛も生えかなり良くなりました。

 

このタイプの症例には治療薬が不可欠ですが、当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に重要になってきます。
当院で開発したスキンケア商品は以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

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【獣医師の解説】

シーズーによくあるタイプで、おそらく既存の治療で最も治りにくいタイプの1つかと思います。

特徴は、

①シーズー

②アポキル・ステロイドが効かない

③病院専用療法食

④手先・足先・内股を舐める

⑤手先・足先(指間)に血マメができて、はじける

です。

この特徴があるときは、3つのポイントを同時に抑える必要があります。

3つのポイントは初診時に判定できますが、検査では検出することができないため、主訴・問診・見た目で判断する力が必要です。

今回の症例は、当院受診以降一度も血マメができなくなり、アポキル・ステロイドで改善がなかった四肢の皮膚炎もほとんど消失しています。

「痒み・舐める・皮膚炎」がイコール「アポキルが効く」ではないため、なぜ腫れているのか?なぜ舐めるのか?なぜ炎症がおきるのか・・・を追求する視点が重要です。

 

 

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【フレンチブルドッグの皮膚病】膿皮症が治らない

2018.11.16

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回はフレンチブルドッグの症例です。

 

【症例】

フレンチブルドッグ 9歳3ヶ月 男の子(去勢手術未)

 

【経過】

〇生後3か月頃からアレルギー

〇季節性あり、春と秋がひどい

〇体中に円形脱毛がある

〇食事療法・抗生物質の投与を行ったが改善しなかった

〇大腿部、指間を舐める

〇顔をこする、耳を掻く

〇専門病院での治療歴あり

 

それでは、初診時の状態です。

まずは、体の正面です。

 

左耳の後ろ側です。

 

首~前胸部です。

 

前肢の指間です。

 

右後肢です。

 

左大腿部です。

 

それでは、初診時から約8週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

重度&慢性であったため、毛が再生しない部位もありますが、体中にあった湿疹はほぼ消失しました。

前胸部や指間の赤みも引き、エリザベスカラーを外すことができました。

 

このような症例には投薬治療が必須ですが、治療成績の向上や再発予防には当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に有効です。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

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【獣医師の解説】

すでに専門医の継続治療を受けており、膿皮症の診断と「抗生物質+アポキル」という処方が変更になることはありません。

問題は、

①よくある膿皮症とどう違うのか?

②膿皮症になる理由がどこにあるのか?

③「抗生物質+アポキル」以外に必要な治療はなにか?

だと思います。

そのため治療の最大のポイントは、初診時にこの3点に対する回答(治療方針)をイメージできるか?です。

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【ウェスティの皮膚病】アポキルで改善しない重度の脂漏症

2018.11.09

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回は痒みが続くウェスティの症例です。

 

【症例】

ウェスティ 11歳6ヶ月 男の子(去勢手術済)

 

【経過】

〇アポキルを1年以上毎日服用したが治らない

〇食事療法を行ったが改善しなかった

〇昨年春から徐々に悪化、初診時(2018年8月)が一番悪い状態

 

それでは、初診時の状態です。

まずは体の正面です。

 

前胸部です。

 

前肢の足先です。

 

脇全体と、右脇の拡大です。

 

内股です。

 

それでは、初診時から約8週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

 

 

 

 

 

ボロボロとした部分が取れ、皮膚の黒ずみもだいぶ綺麗になっています。

痒みもだいぶ引いたそうです。

 

このような症例には当院が開発したスキンケアとサプリメントが非常に有効です。

当院で開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求め頂けます。

【症例報告作成者】 看護士 長尾

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【獣医師の解説】

アポキルを1日1回1年継続しての現状のため、相当な難治性に入ります。

ウェスティの脂漏症はアポキルがでる以前から治療が難しく、当院でも苦戦してきた過去がありますが最近はアプローチ方法を変えることで随分改善できるようになっています。

こういった症例の治療を成功させるポイントの1つは、「痒みを抑えるために痒み止め内服を使う」という認識をやめることかと思います。

仮に「痒みを抑える」という視点でアプローチすると、古くからあるのは「ステロイド」であり、今はアポキルという副作用が非常に少ない選択肢があります。

ステロイドが長期使用で副作用がでやすいことを考えると、今の皮膚科がアポキル一辺倒になるのはやむを得ないのかなと思います。

そしてこのステロイドやアポキル以外で痒みを抑えるとしたら同じく古くからある「抗ヒスタミン剤」や「免疫抑制剤」があります。

しかし抗ヒスタミン剤による痒みの軽減効果はかなり限定的で、実際このウェスティの症例も「アポキル+抗ヒスタミン剤」だったので重症例で明らかな改善は期待できません。

免疫抑制剤についてはアポキル登場以前はよくつかわれていたようですが、飲みにくさや痒みを直接的に止める作用が弱い&効果がでるまで時間がかかるなどの理由もあり、アポキルの登場により敬遠されがちで、当院に転院されるわんちゃんで免疫抑制剤を使っている症例はほとんど見かけなくなりました。

今回の症例は最も使えるアポキルで改善しないというのがスタートラインとなっています。

ではどうすればいいのか?

ここで「痒みを止める内服薬」という視点をメインにしないようにします。

次に目を向けるのは「重度の脂漏」です。

なぜこんなにひどい脂漏が起きているのか?、脂漏をどう抑えるか?を考えます。

原因が2つあるのですが、この原因は初診時にわかります。

抑える方法はアポキルではなく、別の方法を2つ使います。

そう、今回はステロイドもアポキルも使わず治療プランを組み立てています。

※厳密には初診時に胃腸炎+発熱があり新しい治療プランのスタートは2週目からとなりました。

それでもたった2ヵ月でここまで改善できるので、痒み治療はアポキルだけではなく、症例に合わせたアプローチが必要ということです。

以下まとめ。

今回の症例の大きなポイントの1つは、内服治療にアポキルもステロイドも使わずここまで改善する治療プランが存在することです。

2つめのポイントは、初診時に脂漏症の原因が2つわかり、それに対して治療プランを組み立てることができることですね。

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【ボストンテリアの皮膚病】副腎皮質機能亢進症

2018.11.05

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

今回は急に脱毛したボストンテリアの症例です。

 

【症例】

ボストンテリア 13歳 女の子(避妊手術済)

 

【経過】

〇今年の4月から毛が薄くなってきた

 

それでは、初診時の状態です。

まずは体の正面です。


 

続いて、頚部です。

 

 

続いて、胸部です。

 

続いて、腹部から内股です。

 

 

続いて、右後肢の拡大です。

 

続いて、右側面の全体です。

 

続いて、背中とその拡大です。

 

 

それでは、それでは、初診時から約4ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

一目で分かるくらい、体全体の毛量がぐんと増えました。

特に、ツルツルだった内股はフサフサになりました。

見違えるほど綺麗になり、飼主様にも喜んで頂けて良かったです。

【症例報告制作者】 看護士 長尾

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【獣医師の解説】

一目でわかる「典型的なクッシング(副腎皮質機能亢進症)」です。

多飲多尿:水をよくのむ、オシッコが多くなる

薄毛:背中、腹部、大腿部など胴体を中心に毛が薄くなります。局所の脱毛が起きる場合もあります。

検査所見:ALP高値、超音波検査での副腎腫大など

非常に興味深かったのは、飼主さまから「病気になる前より毛が生えた!」と言われたことです。

この半年くらい「もしかしたら〇〇〇なんじゃないか?」とずっと考えていたことが目の前で確認することができました。

かなり大きな発見なので、今後の治療に生かせると思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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