2017.02.05
ダックスフンドのアトピー・アレルギー性皮膚炎、湿疹や脱毛疾患の治療に力を入れている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日は、以前紹介したことのあるミニチュア・ダックスフンドの慢性皮膚疾患のその後の経過を紹介します。
以前の記事 ⇒ 【ダックスの皮膚病治療】治療の差は?隠された問題は?
上記の記事では、初診時からわずか2週間で皮膚炎・痒みといった問題点が改善されたところまで紹介しました。
ただ同時に「隠された問題点」があり、別次元でもっとよくなることをお伝えしました。
初診時から2週間で実施しなかったアプローチを3週目から行い、予測どおりの改善を導き出すことができましたので、改めて紹介します。
新しいアプローチから約2ヵ月半後、初診時から3ヵ月後の状態をみてみましょう。
左側にある比較写真は初診時ではなく、初診時からよくなった2週間後の状態との比較です。
※1枚だけ初診時との比較になっています。
※画像をクリックすると大きくみることができます。
まずは頚部から。
つづいて、胸部です。
続いて、腹部。
続いて、右前腕、そして左前腕です。
続いて、後肢です。
※この後肢のみ、初診時との比較です。
続いて、左耳、そして右耳です。
非常に毛並みが綺麗になりましたね!
それでは振り返って、「初診時に何を診極める必要があったのか?」・・・
1つ目は、何より重症なのは主症状でもある「痒み」の改善、すなわち表面上の皮膚炎のコントロールです。
フケ・皮脂、湿疹、炎症、皮膚の肥厚などの改善が急務です。
これらの症状を最短で改善するには何を行えばいいのか?、検査結果のいかんにかかわらず初診時に把握しておかなければいけません。
2つ目は「皮膚炎以外に何が隠れているのか?」です。
ただ、この「皮膚炎以外の隠された疾患」ですが、この疾患への治療なく2週間の治療結果はでたのですから、結果としても「基礎疾患へのアプローチはなくとも改善は可能」ということになります。
それでもこの基礎疾患があったがためにここまで重症化したのも事実のため、初期の治療で症状が緩和でき次第、次の治療にシフトしていくのがベストでしょう。
初診時にこの隠された疾患を診極めつつ、あとから追加しても十分に改善するという診通しをたてておくのも重要なポイントだったと思います。
今回の症例でも初診時、再診時に院内で薬浴を行いました。
スキンケア、体質管理のサプリメントも重要なケアと考えています。
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2017.01.28
フレンチブルドッグの皮膚病の中でも特に多い膿皮症の治療に力をいれている皮膚科専門動物病院の四季の森どうぶつクリニックです。
難治性皮膚病になりやすい犬種の代表でもあるフレンチブルドッグ、その中でも圧倒的に多い膿皮症、治らないことで困っている人もいれば、再発で困っている人もいるかと思います。
当院ではフレンチブルドッグの膿皮症に対して、まさに当院だけといえるオンリーワンのアプローチをして高い治療成績をだしています。
今回はそれを証明する治療症例報告でもあります。
【症例】
フレンチ・ブルドッグ 3歳9ヵ月 女の子(避妊済み)
【症歴】
〇1年半前に保護したが、そのときにはすでに皮膚病を患っていた
〇食事療法のために完全手作り食
〇過去の投薬治療はアポキル、抗生物質2種類、ビタミン剤、ステロイド、減感作療法(6回)など
〇皮膚組織検査では「アレルギー性皮膚炎」
〇過去に2件の動物病院(うち1件は兵庫県まで通院)
〇過去の1年半の治療のなかで、湿疹が消えたことは1度もない
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは全体から。
続いて、顔の正面。
続いて、下顎~頚部。
続いて、頚部の拡大。
続いて、腹部とその拡大。
続いて前肢端。
続いて、右側面全体。
同じく左側面の頚部~肩の拡大。
続いて、背中全体。
続いて、左耳。
初診時から4週間後の状態を比較して見ましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
過去1年半消えなかった湿疹ですが、95%以上綺麗に消失しています。
※見た目でもパッと見はわからず、探してかぞえられるレベルです。
では肝心の診断名と治療法を紹介します。
診断名は見た目の通り、「膿皮症」で、細菌感染が原因です。
膿皮症の一般的な治療法は抗生物質で、ここは僕個人としてもまったく異論はないのですが、今回はさまざまな事情を考慮して・・・
「抗生物質を使わずに治療する」としました。
膿皮症とは関係ない疾患に抗生物質ではない内服を処方していますが、それは膿皮症のためではありません。
では膿皮症がなぜこれほどきれいに改善したのか?
それは、当院オリジナルで開発したスキンケアとサプリメントです。
まずは初診時に薬浴を行いましたが、なにせ湿疹が驚くほど多かったので・・・
2人スタートからはじまり、途中から3人、さらに追加して合計4人がかりで行いました。
オイルクレンジングが非常に重要なのですが、オイルクレンジングに1時間かかりました・・・
薬浴はこの初診時と2週間後の2回行いました。
もちろんスキンケアも重要なのですが、もっと重要なのはサプリメントです。
フレンチブルドッグの膿皮症のために開発したといっても過言ではない当院のサプリメントです。
抗生物質を使いたいところでもありましたが、使いづらい状況を加味しつつ、「スキンケアとサプリメントでもいけるはず」とも思ったのであえて攻めてみましたが、非常にいい結果がでて本当によかったです。
改めて当院オリジナルのスキンケアとサプリメントを紹介させていただきます。
すべての皮膚疾患がスキンケアとサプリメントで改善するほど甘くありませんが、当院の高い治療成績にはなくてはならないものです。
これをなくして皮膚科診療は成り立たない、そんなクオリティにしあげています。
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2017.01.27
フレンチブルドッグの皮膚病治療に力をいれて、関東(東京・千葉・埼玉・神奈川)で遠隔診療を行っている四季の森どうぶつクリニックです。
当院ではメールと写真で継続治療を行う遠隔診療を行っています。
遠隔診療のポイントは、
①直接診るのは1回だけ(初診)
②継続治療はメールと写真のみ
この2点です。
そう、治療方針は1回診ただけですべてを把握しなければいけません。
治療の反応も想定外があってはいけないのです。
ただでさえ治りにくいのに、そんなことが可能なのか?
ということで、昨年の治療成績を紹介します。
今日紹介するわんちゃんは、茨城県にお住まいで、なんと愛知県から茨城県のご自宅まで往診に伺った治療症例です。
まずは飼主さまからいただたメールで送っていただいた写真から紹介します。
続いて、頭の上の湿疹です。
続いて、右わき~肘~腕の内側の湿疹です。
続いて、内股~陰部周囲の湿疹。
そして治療後、飼主さまからいただいたお写真を紹介します。
治療に要した期間は2ヶ月です。
まずは顔のシワの状態です。
続いて、頭の上の湿疹があった部位の治療後です。
続いて、ワキ~肘にかけてです。
続いて、内股の状態です。
最後に指の間の皮膚炎です。
随分ときれいに改善したといえます。
1回の診療で立てた治療方針ですが、ほぼ想定通りに目標ラインまで導くことができたと思います。
診療で最も大事にしている一つ「診極め」ですね。
当院では東京・神奈川・埼玉・千葉といった関東からの受診や、大阪・京都・兵庫からの来院も多く、こういった遠隔診療で高い治療成績をだしています。
すべての症例が適応になるわけでもないのですが、かなり高い確率で改善を導くことができますので、皮膚病に悩まれている方は一度ご相談ください。
もちろん、今回の症例でもスキンケアとサプリメントは重要なポイントになっています。
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2017.01.21
ミニチュアダックスのアトピー・アレルギー・膿皮症の治療に力を入れて、体質に合わせた治療を行う皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院を受診されるわんちゃんのほとんどが「痒み」を主訴に来院されます。
もちろん治療の評価ポイントは「痒みが改善されたか?」が最重要ポイントになってくるのですが、当院の皮膚科診療はそれだけでは終わりません。
問題は「なぜ難治性皮膚病になるのか?」「なぜ皮膚が弱いのか?」ですので、もっと先まで踏み込む必要があります。
今回紹介する難治性皮膚病のミニチュアダックスは、そんな「なぜ治りにくかったのか?」まで踏み込んで劇的に改善した治療症例です。
【症例】
M・ダックス 11歳10ヶ月 女の子(避妊済み)
【症歴】
〇5年前から痒みを伴う皮膚病発症
〇過去に3件の動物病院を受診するも改善なし
それでは初診時の状態です。
まずは全体像から。
続いて、頚部です。
続いて、身体側面です。
同じく側面の拡大です。
続いて、背中全体です。
続いて、腹部全体です。
続いて、左前肢端です。
同じく左前肢端の指の間です。
続いて、尾とその拡大です。
続いて、大腿部尾側からです。
ミニチュアダックスフンドの皮膚病では典型的なタイプ・・・にみえますので、一見珍しくはみえませんが、ここまで重症化するダックスは多くはありません。
初診時の写真として、身体全体を紹介しましたが、痒み・皮膚炎が認められるのは一部で四肢端・下腹部・太ももくらいでした。
上にはその他の部位として、頚部、背中、側面も詳しく掲載しましたが、特別な痒みは認められませんでしたし、飼主さまから特別気になる症状はない部位でした。。
しかし初診時にこうして写真を残しているには理由があり、初診時に「ここが大事!」と認識して記録に残しています。
今回は第一段階としてまず痒みの改善を導き、第二段階として「皮膚をよくする」という2段階で治療を行いました。
治療後の比較です。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
頚部
側面。
側面の拡大。
腹部。
続いて、左前肢端。
同じく左前肢の指間。
続いて、尾とその拡大。
続いて、大腿部尾側。
四肢端の痒み・皮膚炎・フケの改善はもちろん、全身の毛並みが非常によくなりましたね。
スムースダックスがロングヘアダックスになったような劇的な改善といえます。
今回の表面上の診断名は「犬アトピー性皮膚炎」と「膿皮症」です。
そのための初期の治療はこの2疾患に対する投薬治療がメインです。
ですが、同時に「なぜここまで犬アトピー性皮膚炎が治り難く、重度になっていたのか?」の原因も考えなければいけませんし、そのヒントは身体全体に現れています。
飼主さまの主訴にある痒みだけではない、隠された病気こそが重症化の要因になっていますので、その部分にアプローチすることで、アトピーの治療成績もよくなりますし、膿皮症の再発もへります。
実際にこの症例では膿皮症の再発が劇的に減っています。
このまま継続治療をしていればもう初診時のような悪化になることはないでしょう。
治療は症状を改善するだけなく、なぜこうなったのか?再発させないためには?と考えてこそだと思います。
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2017.01.15
シーズーの脂漏性マラセチア性皮膚炎の治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
過去数年にわたってシーズーの治療症例を報告していますが、必ず重要といっているのがスキンケアですよね。
だた・・・皮膚病の治療にスキンケアと書くと響きはいいのですが、皮膚病の基本がスキンケアにあるとは思っていません。
大事なんですが、「大事なものは一つではない。」ですのでスキンケアという言葉にあまりこだわっていては本当の意味のいい治療はできないとすら思っています。
ただ、それでもスキンケアがかなり重要になっている皮膚病があります。
それがシーズーに非常に多く認められ、典型的な難治性皮膚炎になるこの脂漏性マラセチア性皮膚炎です。
【症例】
シーズー 3歳1ヵ月 男の子(未去勢)
【症歴】
〇2才のころから発症して、1年間改善なし
〇かかりつけ動物病院で改善なく、当院を受診
それでは初診時の状態です。
まずは顔正面から。
続いて、下顎~頚部。
続いて、わき~肘の内側です。
続いて、腹部全体。
続いて、右後ろ足のスネ~カカト~甲の部分です。
続いて、左後肢の膝の内側です。
初診時から約半年後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
※脱毛疾患ではないので極端な変化ではにようにみえるかもしれませんが、脂漏がなくなっているため、被毛がサラサラになっているところをみてください。
痒み、臭い、フケ、べたつき、すべてでほぼ綺麗に改善しました。
今回のような脂漏性のわんちゃんでは被毛が長くなると悪化しやすいのですが、治療後ではこれだけ長い被毛の状態でも皮膚コンディションがいい状態でキープできていることがポイントです。
また、シャンプーして数日後にはフケと臭いが・・・というのがよくある状況ですが、シャンプーして1~2週間経過してもフケ・臭いなどもほぼありません。
ここで最初にお話したスキンケアについて再度お話しようと思います。
これだけの皮膚病をスキンケアだけで臨むのはかなり無理があります。
個人的には「スキンケアだけでやってみましょう」なんて言った事もありませんし、思ったことすらありません。
適切な医療を併用してこそのスキンケアであり、スキンケアがあってこその投薬治療の効果がでてきます。
要するに「相乗効果があってこその治療成績」です。
今回の症例では「あまりお薬に頼らないようにしましょう」とかではなく、そこそこの投薬治療をしていますが、「お薬は使いこなしてこそ」と考えています。
もちろんスキンケアとサプリメントは基本中の基本です。
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2017.01.14
フレンチブルドッグに多いアレルギー・アトピー性皮膚炎、膿皮症、脂漏症などの皮膚病治療に力をいれている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
名古屋も雪で真っ白!寒いですね♪
明日のスキー場は深いパウダースノーで楽しそうです(笑)
それでは、今日はフレンチブルドッグの典型的な皮膚病の1つ、アトピー性・脂漏性皮膚炎の治療症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 7歳 女の子(未避妊)
【症歴】
〇生後6ヶ月からの発症
〇季節性があり、夏に最も悪化する
それでは初診時の状態です。
まずは顔正面。
続いて、頚部。
続いて、右前腕です。
同じく右前肢端です。
同じく右前肢端の内側(親指周囲)です。
続いて、左前腕です。
続いて、胸部です。
続いて、仰向けの胸~腹部です。
続いて、左後肢の甲~足首あたりです。
フレンチブルドッグの皮膚病の中でもかなりの重度で、慢性化している状態です。
治療2~3ヶ月で劇的に改善し、今でも月1回継続治療をつづけられています。
もう2年以上経過しているのですが、2年継続して治療をつづけるとどこまでよくなるか?
初診時と継続治療した約2年後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になっています。
治療のスタートラインが非常に重度かつ慢性だったため、部分的に被毛の再生が不十分ですが、かなりの改善といえるでしょう。
症状の改善に2年かかったわけではなく、痒みや赤み、べたつきなどの症状は2~3ヶ月で随分とよくなっていました。
大事なことは、主な症状が改善した後も欠かさすことなく治療し続けたことで、皮膚コンディション・毛並みがここまで改善したということです。
主な症状である痒み・べたつきなどの症状が改善した治療2~3ヶ月で治療をやめていたら、すぐに最初の状態まで再発していたでしょう。
こういった皮膚疾患には投薬治療も重要ですが、スキンケアやサプリメントも非常に重要になっています。
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2017.01.13
犬の皮膚病治療を専門に行う動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は柴犬の痒みを伴う皮膚病の症例報告ですが、典型的ではなく少し変化のあるタイプの難治性皮膚炎の治療症例です。
【症例】
柴犬 3歳 男の子(去勢済み)
【症歴】
〇かかりつけ動物病院で、抗生物質・抗ヒスタミン剤・ステロイドを併用するも改善なく当院受診
それでは初診時の状態です。
続いて、右前腕です。
続いて、左前腕です。
同じく左前腕の外側です。
写真を撮影するのを忘れていたため、10ヵ月後とやや比較時間があいていますが、治療後の状態と比較してみましょう。
※クリックすると写真を大きくすることができます。
柴犬の典型的な皮膚病に見えなくもないのですが、少しだけ違うタイプです。
柴犬ならこう!というアプローチもあるのですが、今回のような少し異なるタイプのわんちゃんにはその子に合わせた治療プランが必要です。
今回の柴犬には、他の柴犬では通常行わないあることを併用しています。
飼主さまにもその効果を実感していただいているので、2年近く経過した今でもこの「他の柴犬ではほとんどやらない治療」を継続しています。
こういったわずかな体質の差は検査や数値ではあらわせないため、わんちゃんの体質に合った治療方針を組み合わせるにはいかに皮膚を正確に把握できるか、だと思います。
投稿者:
2016.12.16
獣医師が最も難治性とする犬種の1つである「フレンチブルドッグ」の皮膚病治療に力をいれている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は随分になるのですが、関西(兵庫)から受診されたフレンチブルドッグの皮膚病のわんちゃんです。
【症例】
フレンチ・ブルドッグ 8歳 女の子(避妊手術済み)
【症歴】
〇3年前から痒みを伴う皮膚病の発症
〇年々悪化、今年さらに悪化
初診時の状態です。
いつも意識するのは「最速の治療」です。
初診時にさまざまな検査を行いますが、治療方針は診た瞬間に決まります。
「検査結果が出るころには改善」は十分に可能です。
それでは約2週間後の状態と比較してみましょう。
※クリックすると画像を大きくすることができます。
飼主さまからは
「感動しました」
「すごくびっくりした!」
「すごく元気になりました」
と、とても喜んでいただけました。
肝心な、痒み・赤み・フケ・臭いというとこでは劇的な改善が認められ、短期間ではあるものの毛並みもある程度の改善が認められましたが、
もっと綺麗になる余地が残っています。
今回それでも2週間という短期間での紹介になったのは飼主さまが海外へ行かれるという事情があったため、「短期間で目処をつける」という目標もありました。
余裕をもってクリアできて本当によかったと思います。
投稿者:
2016.12.16
犬の皮膚病治療を専門に行う動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ここ最近は犬の膿皮症の症例報告を連続して掲載しています。
この膿皮症、よく診る皮膚トラブルで、一見治療もシンプルな病気なのですが、原因が多岐にわたるため、時に治りにくいことがあるのです。
診断名もただしく、基礎疾患の評価も十分、各種検査もして治療方針をくみたてている・・・・・・・けれど治らない、そんなことが「よく」起こります。
今回紹介する症例も過去の治療に「何がおかしいのか?」と思うほどなのですが、実は誰も知らないわずかなズレが原因で治っていなかったわんちゃんです。
【症例】
ヨークシャテリア 推定9~10歳 男の子(未去勢)
【症歴】
〇皮膚病は1年以上前から、飼主さまが代わっていからこの1年ずっと他病院で治療を継続している
〇過去1年、この湿疹が消えたことが1度もない
〇診断名は「膿皮症」
〇培養感受性試験から効果のある抗生物質の選択
〇血液検査による甲状腺機能低下症の診断&投薬治療
〇食事療法(アミノ酸療法食)
まずは初診時の状態です。
以前の動物病院では
・細菌培養感受性試験による抗生物質の選択
・ステロイドは併用せず
・甲状腺検査により甲状腺機能低下症の診断を下し、甲状腺ホルモン剤の投与
・アレルゲンにならないアミノ酸系療法食のみでの食事管理を指示
となっていました。
教科書的にはまったく問題ありません。
ここから当院の治療方針に従い、初診時から4週間後と比較してみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
湿疹は1つも残らず綺麗になりました。
痒みの症状も完全に消失しました。
当院での診断および検査についてですが、
・膿皮症の診断名は同じ
・感受性試験の結果も一緒
・甲状腺機能の再検査も一緒
・その他特筆すべき基礎疾患なし(ニキビダニ、クッシングなど)
でした。
「ではなぜ今まで1年治らなかったものが治ったのか?」
当院を受診されている飼主さまは知っています。
教科書に書かれていない驚きの「なぜ膿皮症になるのか?」です。
よくブログで教科書で治るなら誰も苦労しないと書きますが、これが典型例ですね。
今回の症例も今まで書いてきたことと同じことですが、「膿皮症が起きる原因を追究しないと、治療法があってても次から次に新しい湿疹はできる」なんですね。
投稿者:
2016.12.15
フレンチ・ブルドッグの皮膚病治療に力を入れて取り組んでいる動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
随分と寒くなり、皮膚が弱いわんちゃんにとってもすごしやすい季節になったのではないでしょうか。
当院でも10月をピークにようやく落ち着いてきました。
このあと3ヶ月は平和な季節で、ちょっと肩の力が抜けています。
今日は当院の受診のなかでも最も多い「フレンチ・ブルドッグの典型的な皮膚病、膿皮症」の症例報告です。
【症例】
フレンチ・ブルドック 4歳 女の子(未避妊)
【症歴】
〇今年の8月から湿疹がでてきた
〇抗生物質を服用するも新しい湿疹が繰り返しできる
初診時の状態です。
それでは1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
何が違うか、「できてしまった湿疹を綺麗に治す」だけでなく「新しい湿疹をつくらせない」です。
この2点、似ているようでまったく異なります。
この違いを理解してアプローチしなければ膿皮症のコントロールとはいえません。
このわんちゃんも、過去の治療内容が悪かったわけではありません。
過去の治療歴も「培養・感受性検査」、「抗生物質を服用」、「シャンプー」と、教科書に書かれている抑えるべき点を抑えていました。
確かに湿疹は治っていくのですが、新しい湿疹が次から次にできるんですね。
以前のブログでも書いたことがありますが、抗生物質は湿疹を治すことはできても、「湿疹ができる理由を治すことはできない」なんですね。
そもそも「なぜ皮膚の表面で、正常な常在菌が膿皮症を起こすのか」を考えて、そこにアプローチできなければ繰り返すことを防ぐことはできません。
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