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閃きは確信へ

2014.11.27

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。

随分と久しぶりの間に冬の入り口まできましたね♪

いつもと違った冬を過ごそう!というテーマで日々を生きていますが、治療のアプローチも「いつもと違ったアプローチを!」と考えています。

以前の記事、5年ぶりの閃き?閃きの続き、の第3弾です。

うちの子を除いて最初にチャレンジした症例ですが、スタート時の皮膚から紹介しなおします。

※画像をクリックすると大きくすることができます。

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ここからちょうど1ヶ月後・・・・・・この再診の日が待ち遠しくて待ち遠しくて・・・こんなにドキドキしたのも久しぶりです。

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腹部のやや左内股を拡大してみます。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思わず感動しました♪

今まで抗生物質を服用すればきれいに改善することは何度もわかっていて、今回も抗生物質を使用するとかなり綺麗になることは想定範囲内でした。

しかし何度治してもしばらくすると再発するため、「なぜ再発するのか?」を延々と考えてきました。

「同じことを繰り返していてはいけない」と思い、今回は飼主さまに十分な説明をしてご理解していただいた上で「抗生物質を服用すれば改善できる湿疹を、まったく異なるアプローチで治す!」とチャレンジさせていただきました。

結果は大成功だと思います。

今まで治すことはできても、再発させない治療法がわからず、なぜ犬は細菌性湿疹(膿皮症)にかかりやすいのか?・・・・・特にフレンチブルドッグですが、「フレンチは皮膚病が多い」、「体質」、「こういうもの」ではない「どうしたら皮膚病になりにくくできるのか?」のストーリーを描けたような気がします。

参考までに今回のアプローチが皮膚病すべてに当てはまるわけではありません。

世の中に万能薬なんてありません。

治すだけではない、「皮膚病にさせないアプローチ」です。

スキンケアもそうでしたが、今までの獣医医療では非常に不足していた視点だと思います。

この冬のうちに磨き上げ、スキンケアとセットでみなさまの手に届けられるようにがんばります♪

追記

平成27年6月  約2年という時間をかけてご自宅でできるスキンケアとサプリメントの開発を行い、専門のショッピングサイトを開設しました。

東海(愛知・岐阜・三重)より遠方で通院が困難な犬の皮膚病にお困りの飼主様に新しい治療の選択肢として推奨しています。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

閃きの続き

2014.11.13

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。


寒くなりましたね~♪

冬が大好きな僕でが、今年は仕事でもプライベートでも今までと違った過ごし方を考えています。

今日のブログはそんな「いつもと違った・・・治療のアプローチ」です。



さて、少し前に「閃き」の話をしたのを覚えていますか?

5年ぶりの閃き?と書きましたが、本日は記念すべき「最初の症例に処方して、はじめての再診」でした。

効果がまったく得られていなければものすごく落ち込むのがわかっていたのですが、根拠のない自信によりものすごく期待している自分がいて、来院前からドキドキ・・・(笑)




どんな症例に使ったかというと、


※画像をクリックすると大きくすることができます。


※画像をクリックすると大きくすることができます。


フレンチブルドッグでよく診るタイプの湿疹です。

実はこのわんちゃん約1年前から継続的に治療しています。

この症例の特徴としては、

 〇湿疹は細菌性皮膚炎「膿皮症」である
 〇抗生物質を服用すると1ヶ月ほどできれいになる
 〇抗生物質を継続しても完全にゼロになるわけではなく、わずかに残る
 〇抗生物質をやめると1~1.5ヶ月で湿疹が多くなり、再度抗生物質を再開する

を繰り返す状態でした。

すなわち「湿疹を治療することはできる」・・・・が、「湿疹ができないようにする治療はできていない」ということなんですね。

この問題は非常に奥が深くて、僕自身何年もの間さまざまな症例で「なぜ皮膚で細菌感染がおきるのか?」と考えていました。

甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などのホルモン疾患、アトピーや食物アレルギー、シャンプー療法・・・・・・抑えるべきところは抑えても既存の診断名だけでは説明できないのがこの「なぜ皮膚で細菌感染がおきるのか?」です。




まだ答えはでていませんが、今回の「閃き」はこの問題点を解決するかも!?と考えています。


では、そのチャレンジを開始してから18日後、








いかがでしょうか?



正直なところ、実際の目でみるとまだまだ赤いですし、湿疹の数も多いため「改善してるといえるのか??」と思ったのは事実ですが、18日前の皮膚を頭の中で思い返して比較することはできないため、同じ条件(デジカメで撮影し、PCでみる)で見比べると随分と改善していると評価できそうです。




何をやったのか?

「抗生物質ではない飲み薬」を使っただけで、この飲み薬を始めること以外の変更はまったくありません。

「湿疹を治す治療」ではなく、「湿疹をつくらせない体質改善」というスタンスです。

純粋な効果判定が難しくなるためあえて抗生物質の併用は行っていません。

そのため実際の目で見る皮膚にまだまだ湿疹の数が多いのですが、それは直接細菌を攻撃する抗生物質に比べると今回のアプローチは体質改善がゆえに時間がかかるからではないか?と考えています。

まだ18日、判定にはもうしばらく時間が必要です。


















投稿者:四季の森どうぶつクリニック

初診時に描く道Ⅳ

2014.09.25

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。

ここ数回は専門用語が多く、なぜこの検査をするのか、この検査結果をどう評価するのか・・・一般の方にはわかりにくいお話となっていますが、診療で大事なところでもありますので、もうしばらくお付き合いください。


※長編ですので、初めての方は前回までの流れを順に見ていってください。


   初診時に描く道Ⅰ チャイクレの解説

   初診時に描く道Ⅱ コッカーの初診時

   初診時に描く道Ⅲ コッカーの治療後比較
 





それでは初診日翌日~7日後までに出揃った各種検査結果を紹介します。

顕微鏡検査でニキビダニ、疥癬は検出されず、各病変部からは細菌・マラセチアが多量に認められました。

血液検査で行った特異的IgE検査、環境アレルゲンに対するIgE上昇が認められました。

一般血液検査では、白血球の上昇(24700)とわずかな貧血(Hct35%)が認められました。

生化学検査ではALP、T-cholを含め異常値は認められませんでした。

甲状腺ホルモン濃度は「T4:1.2」、「FT4:0.9」、「TSH:0.16」と比較的下限の値がでましたが、甲状腺機能低下症を支持する所見はありませんでした。

尿コルチゾール/尿クレアチニン比は7.8と高値を示しました。

初診日に行った腹部超音波画像検査では、右の副腎が約8mmと基準値より大きくなっていました。

細菌培養・感受性試験では一部薬剤に耐性が認められました。


ACTH試験、およびLDDS検査はまだ行っていません。





現時点ででいてる検査結果は以上です。

参考までに赤文字は初診時に結果はでておらず、後日にでました。


まずはIgE検査について、環境アレルゲンに対するIgE上昇が認められたため、これは犬アトピー性皮膚炎の素因があるという評価でいいと思います。

では、犬アトピー性皮膚炎だけでこの皮膚病になってしまったのか??

初期の発症のタイミング(季節性)や、中高齢期に入ってからの悪化、そして病変を考えるとアトピーだけということはないと思います。

そこで疑うべきは内分泌疾患であり、一般的に有名なのが甲状腺機能低下症と副腎皮質機能亢進症です。

甲状腺機能低下症の診断は症状、血液検査、超音波画像診断の総合評価ですが、血液検査で可能性は低いと考えられました(可能性がゼロとまではいえません)。

それでは副腎皮質機能亢進症があるのか?

そこはまだ検査を行っていないのでわからないのですが、確定のために次に行うべきステップだと考えています。




しかしすでに比較写真でお示ししたように副腎皮質機能亢進症があってもなくても治療方針は立てれたわけで、実際にこの短期間でこれだけの治療結果もえることができました。

副腎皮質機能亢進症の治療をせずにここまで改善したので、結果論で「副腎皮質機能亢進症はない」とならないのか?といわれそうですが、そういうわけでもありません。

確定診断と治療方針がときにそこまで関係ないというのはこういうところでもあります。

ここは先生によって多少の好みもあるため差があるのですが、副腎皮質機能亢進症があってもなくても短期的な集中治療法はそこまで変わらないので、僕はあえてACTH刺激試験やLDDS試験といった検査を後にしています。

「この治療でよくなったら検査はいらないよ」・・・・・では決してありません。

それは「なぜこのような皮膚疾患になってしまったのか?」を考えることはとても重要なため、後日副腎皮質機能亢進症の有無を判定します。



ではこの症例がこの後のACTH試験なりLDDS試験で副腎皮質機能亢進症が確定すれば、そこが診断名としてのゴールとなるのか?

また、もしACTH試験とLDDS試験で副腎皮質機能亢進症を支持する所見がえられなければ診断名はどうなるのか?

実はどちらのパターンでも僕の頭の中ではほぼ整理がついています。

それは初診時を紹介した記事でもかいた「もう一つあるのですが、あえて伏せておきます」という部分です。

僕が初診時に頭の中で描いたストーリーでは絶対に最大の原因はそこ、と確信しています。

ただ、その診断名は絶対に検査で確定することはできません。

たとえ副腎皮質機能亢進症が存在しても、この3年間の皮膚病悪化に最も影響を与えたのはそこ、そして基礎疾患に副腎皮質機能亢進症が存在なくても原因はそこなんです。




副腎皮質機能亢進症の有無を確定させたのち、再度掲載しようと思います。




参考までにどの時点でこの記事でお話している「原因はそこ」という点に行き着いたかというと、診察室で皮膚を一通り(約1分くらい)診て、飼主さまから過去の経過を聞いているとき(約15分くらい?)です。

ヒントは、僕が副腎を評価するために預かって腹部の超音波を当てているときにチラッと見に来た麻衣子先生と交わした会話。

麻衣子先生 「・・・・・この子、〇〇は??」

僕 「3ヶ月前に×××で〇〇したってさ」

麻衣子先生 「原因そこじゃない?」

僕 「同じくそう思う」



あくまで初診時に描いたストーリーであって、今となっては確定はとれないのですけどね。

ですがこのあとはどんどん綺麗になるはずなので、状況証拠でまず間違いではないでしょう。

 四季の森どうぶつクリニック
獣医師  平川将人

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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