2023.06.10
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はウエルシュテリアの子の症例です。
【症例】
ウエルシュテリア 6歳3ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】
〇2~3歳頃から痒みがあり、だんだん悪化している
〇抗ヒスタミン剤やアポキルを1年以上ほとんど毎日服用するも改善せず
〇噛む、舐める行動が始まると止まらなくなってしまう
〇1年以上エリザベスカラーを外せていない
それでは初診時の様子をご覧下さい。
まずは右腕の写真です。
全体的に毛が薄く、地肌が見えてしまっています。
こちらは胸の写真です。
胸もほとんど毛がない状態です。
次は股、後足のお写真です。
こちらもほとんど毛がありません。
こちらは身体側面の写真です。
最後に身体側面を拡大した写真です。
皮膚がガサガサし、硬く、黒くなっています。
【初診時の課題ポイント】
テリア系の皮膚病は難治性になりやすいです。
よくアトピーと言われやすく、アポキルが処方されることが多いのですが、アポキルが効きにくいテリアは少なくありません。
なぜテリア系の痒みにアポキルが効かないのか?
以下の項目に当てはまるタイプはアポキルが効きにくい傾向が強くなります。
・毛が薄い
・脂っぽい
・臭いがでやすい
・繊細、神経質
特に脂漏症になっているテリアではアポキルで痒みをコントロールするのはかなり無理があります。
そこで注目されるのが、「スキンケア」です。
が!
スキンケアで脂漏症が改善するには限界があります。
軽度であればスキンケアである程度まで緩和も期待できますし、絶対に実施すべき大事なアプローチになるのですが、実は根本的なアプローチにはなりません。
脂漏症に対してはスキンケアよりもっと大事なことがあります。
脂漏症を引き起こす基礎疾患への投薬治療です。
積極的な投薬治療によって、脂漏症はかなり改善が期待できます。
適切かつ積極的な投薬治療によって、スキンケアの効果もさらに上がります。
それでは、初診時から約11か月後の様子をご覧下さい。
【当院の治療プラン】
①アトピー
・投薬治療
②腸活(免疫異常の改善)
・食事療法
・スキンケアECプラス
③被毛形成異常&脂漏症
・投薬治療
④心因性
・投薬治療
・パーソナルケアp II+
⑤週1~2回のスキンケア
・Medicareクレンジングオイル
・Medicareシャンプー
・モイストクレンジングオイルジェル
当院への受診が難しくホームケアのみでアプローチする場合は、
・食事療法
・スキンケア
・免疫異常:スキンケアECプラス
・毛並み異常:アロペシアGR+
・心因性:パーソナルケアPⅡ+
がお勧めです。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
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ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 佐野
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