2023.07.28
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はオンライン診療症例の紹介です。
『オンライン診療で本当に治るのか?』
「ずっと通院しても治らない子が、
本当にオンラインで治るの?」
初めは半信半疑の飼主様も多いのですが、
治療が進むにつれて
だんだん様子が変わってきます。
「まるで魔法みたいに痒みがなくなった」
「毎日ご機嫌で過ごしてくれて嬉しい!」
「もっと早く診てもらえばよかった」
実は、皮膚病のほとんどは
見た目と症状から診断が可能で、
検査で異常が出ることは少ないです。
だから「写真診断」と「問診」ができれば
オンラインでも高精度な診断が可能であり、
治療成績には差がないと考えています。
実は実際に診るまでもなく、そして検査するまでもなく、メールで写真を送ってもらった時点で診断と治療方針と三ヶ月後までの劇的改善のイメージはできます。
【症例】
ワイヤーフォックステリア 6歳10ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】※問診メールに対して、メールで回答いただいた症状を紹介します。
「保健所から引き取ったときから手足を舐める癖があり、かかりつけの獣医さんや皮膚の専門家の方などに診てもらっていましたが、あまりよくなったことはありませんでした。
半年くらい前から劇的に悪化して何をしても効かないので、本当に可哀想で、どうか助けてください。」
「去年の12月末くらいから痒みがひどくなり、床に顔を擦り付けたり、手足を噛んだり、血が出るまで掻いたりしてしまい、常に僕か同居人が見ていないとダメな状況です。エリザベスカラーもずっとしています。顔は、目の周り、鼻の周りの毛がなくなっています。床に擦り付けていたりするからです。この力がとても強くて、相当力を入れなければ止められないレベルです。
手足は毛がほとんどなく、黒くなってしまっています。特に足は、皮膚が硬くなってしまっています。お腹は比較的大丈夫ですが、優しく指の腹で掻く、というか撫でてあげると、足をバタバタさせて気持ちよさそうにするので、痒かったんだろうなと思います。脇や股関節も黒くなっています。陰部に関してもかなり痒そうにしていて、散歩から帰ってきて(散歩中はエリザベスカラーを外してます)すぐに陰部を気にして舐めてしまいます。 」
それでは治療前の状態をご覧ください。
※写真は申込時と初診時のものを使用しています。
まずは首です。
毛が密集しているはずが地肌が見えてしまっています。
次に胸~腹部です。
こちらはほとんど毛が生えてなく、一部湿疹も見られます。
次は身体の横から見た写真です。
少し毛が脂っぽいですね。
最後はお尻と後肢です。
中心に沿って脱毛と皮膚の炎症が見られます。
北海道にお住まいのため、「出張診療」「屋外」で初診を実施し、2回目以降の診察はすべてオンライン診療で治療した症例です。
【初診時の診極め】
ポイント①毛並み異常
・全体的に毛が『薄い』『細い』
・地肌が見える
・柔らかいアンダーコートがない
これらが当てはまる症例は、被毛形成異常を疑います。
この異常に適切な『診断』と『治療』が行われないと改善できません。
ポイント②脂漏症
・湿疹がある(皮膚が弱い)
・シャンプーしてもすぐにベタつく
・頻繁に外耳炎を起こす
この症例のように、テリア系は脂漏症が多いです。
アポキルやスキンケアでは改善が不十分なことが多く、「シャンプーから数日経つと、またベタつく」という症状をよく聞きます。
ポイント③心因性
・散歩中に途中で立ち止まり動かなくなる
・ドッグランで上手に遊べない
・掃除機が苦手で逃げ回る
・自転車を追いかける
・風車など回っているものを眺めることが好き
・食糞をする
・飼主が帰宅すると興奮して噛む
これらの行動パターンを示す症例は、
純粋な痒みではなく、心因性の掻痒行動(特定の場所を異常舐める・噛む・搔く)が強く出る傾向があります。
テリア系はアポキル・サイトポイントが効かない痒み疾患が多いのが特徴です。
単純なアトピーであればアポキルで十分コントロールできますが、コントロールできない場合は脂漏症・被毛形成異常・心因性といった基礎疾患が疑われます。
症状の分類としては、
・純粋な痒み
・痒みからくるイライラ
・痒みを悪化させる脂漏症
・脂漏症を起こす遺伝的要因
が挙げられます。
どの症状がどの程度あるのかを評価できることが重要です。
そしてそれぞれに対して同時に治療していくことが治療の成功のポイントです。
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【当院の治療プラン】
①アトピー
・投薬治療
②腸活(免疫異常の改善)
・食事療法
・スキンケアECプラス
③被毛形成異常&脂漏症
・投薬治療
④心因性
・投薬治療
・パーソナルケアPⅡ+
⑤週1~2回のスキンケア
・Medicareオイル
・Medicareシャンプー
※今回はお持ちの薬用シャンプー
それでは治療から3カ月後と比べてみましょう。
この子の場合、治療開始から2カ月後には痒みはほぼなくなり、毛量も増えました。
皮脂が減ったことでベタついていた体はサラサラに。
飼主様からは、毛がフサフサに!色も濃くなりこんな姿初めて見た!
と喜んでいただけました。
同じような症状の子やその他皮膚疾患でお困りの方はぜひ当院までご相談ください。
今回の症例がそうですが、当院のオンライン診療の精度は非常に高く、初診でほぼ診断&治療方針決定が可能です。
また改善までの時間も非常に短くほとんど症例が3~4か月で劇的な改善が認められます。
受診が難しくホームケアでアプローチする場合は、
・適切な食事
※プロフィールのリンクツリー「治療を成功に導く食事療法」から資料請求できます
・サプリ
スキンケアECプラス(腸活)
パーソナルケアpⅡ+(心因性)
アロペシアGR+(被毛形成異常)
・スキンケア
Medicareシリーズ
当院オンラインショップの「痒みケアスターターセット」をお勧めします。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
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