症例別

【チワワの皮膚科専門外来】脂漏性マラセチア性皮膚炎

2014.09.13

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック院長平川です。

今年の上半期は移転準備を理由に症例報告に手をつけていなかったのですが、最近気持ちを切り替えて取り組むようになり、少しばかり自分にスイッチが入ったような気がします。

何でも治せます!なんていえませんが、美しくアグレッシブに攻める診療をお魅せできればと思います。

今回もチワワですが、前回の症例報告でチワワにはいくつかパターンがあるというお話しをしました。

「脱毛」、「アレルギー」、そして「脂漏」です。

脂漏にも大きく2パターンあるのですが、そのうちの1つを紹介します。

【症例】

 チワワ  7歳  男の子

【経過】

 〇3年前から皮膚病、1年通して発症している。
 〇季節性があり夏が最も悪い
 〇過去に抗生物質、シャンプーを処方されたが改善なし

初診時の状態をみてみましょう。

まずは頚部から。

同じく頚部の拡大です。

続いて、頚部のやや下の全胸部~前肢です。

続いて右前腕とその拡大。

続いて、左前腕とその拡大です。

続いて、腹部。

続いて、右内股と膝部分の拡大です。

この初診時から6週間後の状態と比較しています(治療は5週間です)。

それぞれ画像をクリックすると拡大してみることができます。

まずは頚部と、その拡大です。

続いて、前胸部~前肢。

続いて、右前肢とその拡大。

続いて、左前肢。

初診時と角度が若干かわっていますが、内股です。

※後肢の拡大がありませんが、治療後の撮影を忘れてしまいました。しかし同様に改善しています。

スキンケアのため部分的に被毛をカットしているため短くなっていますが、皮膚のコンディションが正常に戻っているのがわかると思います。

このタイプは初診時に治療の方向性を明確にすることが可能であり、この最速の治療結果にはスキンケアが最も重要です。

四季の森どうぶつクリニック
獣医師 平川将人

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【名古屋・愛知の皮膚科専門外来】柴犬のスキンケア療法

2014.02.18

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。

柴犬の難治性皮膚疾患(当院受診前に治療歴があり改善しなかった症例)をまとめるために、さまざまなタイプの症例を紹介しています。

今回紹介する症例は今までの治療症例とは少し異質なものですが、「これだけ重症の皮膚病でも治る余地がある」と思っていただきたくて紹介します。

【症例】

 柴犬 7歳 女の子(避妊手術済)

【過去の病歴】

 〇4年前から通年性(1年中)の皮膚病
 〇現在が最も悪い状態
 〇最初の2年は近医(A動物病院)にてステロイドを使用しながら痒みを抑えていた
 〇2年前に漢方療法を行う皮膚科動物病院(B動物病院)へ転院し、抗生物質・甲状腺モルモン剤・漢方薬など2年間服用
 〇偽妊娠になりやすいことから、同じB動物病院で避妊手術(卵巣摘出)を受ける
 〇B動物病院で漢方成分の入ったシャンプー(商品名なし)を使用

それでは初診時の状態をみてみましょう。


※画像をクリックすると拡大できます。

まずは、顔の左側から。

同じく目の下、頬の拡大です。

同じく左側、口唇~頚部にかけての拡大です。

続いて、頚部左側です。

続いて、頚部~左前肢肩付近です。

続いて、頚部。

同じく頚部の拡大です。

続いて、頚部~前胸部です、

続いて、右前肢内側、拡大をあわせています。

続いて、身体右側、ワキ~胸部側面です。

続いて、腹側全体です。

同じく、腹側の胸部拡大です。

続いて、右後肢の足首~甲の拡大です。

最後に尾側、会陰部周囲です。

この初診時から2カ月半後の状態と比較してみましょう。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。


※画像をクリックすると拡大できます。

初診時は過去に例がないほど重度の皮膚の肥厚、脂漏が認められました。

そしていつも通り初診時に数パターンの診断・治療方針を想定しましたが、最優先で疑ったのは「アトピー+ホルモン異常」でした。

ただ、でてきた検査結果は「アトピーはない、甲状腺も異常なし、クッシングの可能性も低い」という想定と異なるもので若干違和感を感じましたが、スキンケア療法に非常にいい反応がありました。

通常柴犬の皮膚病に院内で行うスキンケアを行うことはありませんが、今回の症例は初診時に「原因のいかんに関わらずスキンケアを併用しなければ改善はないだろう。むしろ原因のいかんに関わらずスキンケアでかなり改善させることができる。」と判断したため、改善に関しては当然の結果だと考えています。

ただ想定と異なる検査結果に感じた違和感が本当なのかを確認するために、いくつか詳しい検査を追加で受けていただいた結果、確信に近い検査結果を得ることができました。

しかし今回当院が下した診断は本来起こるべきではないことを前提にした診断名であるため、当院での診断をより確実に確定するために大学病院を受診することになっています。

今回の症例は治療を行いながら複雑な心境でした。

考えられる原因が原因なだけに、なぜこの子がこんなつらい思いをしなければいけないのか、と診察のたびに胸が痛みました。

そして「獣医師として代わりに責任持って診断・治療する」と思いました。

もちろん当院を受診される全ての診察に全力を!という想いを込めていますが、この子のスキンケア時には全スタッフがいつも以上に想いをこめていたと思います。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の皮膚科専門外来】シーズーのマラセチア性皮膚炎

2014.01.19

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。

今日は、ここ最近の中でも最も「必ず美しく治す」と強く意識した症例の1例です。

【症例】

 シーズー 5歳10カ月 女の子

【病歴】
 〇~2歳までは皮膚病なし
 〇3年前から痒みを伴う皮膚病を発症し、年々悪化している
 〇2年前からは皮膚科のある動物病院で『漢方』を含めた4種類の内服を継続しているが、改善なし

それでは初診時の状態を見てみましょう。

まずは正面から。

続いて、右側面。


※画像をクリックすると大きくなります。

続いて、頚部とその拡大2枚です。

続いて、顔・頚部を右側面から見てみます。

続いて胸~前胸部、ワキです。

続いて、右胸側面です。

続いて、右前肢です。

この右前肢の被毛をカットして、皮膚の状態を詳しく見てみましょう。

続いて、腹部を診てみましょう。

続いて、右後肢を外側(3枚)、内側1枚)見てみましょう。

この右後肢の被毛をカットして皮膚の状態を詳しくみてみましょう。

それでは初診時から約7カ月後の状態を比較してみましょう。

まずは右側面全体から。


※クリックすると画像が大きくなります。

続いて、頚部とその拡大です。


※画像をクリックすると大きくできます。


※画像をクリックすると大きくなります。

続いて、右顔~頚部とその拡大です。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。

続いて、右胸側面の比較をみてみましょう。


※画像をクリックすると大きくなります。

続いて、胸部~前胸部、ワキの比較です。


※画像をクリックすると大きくなります。

続いて、右前腕の比較です。


※画像をクリックすると大きくなります。

皮膚が正常機能を取り戻した結果、非常に綺麗な被毛になっていることを証明するために、飼主さまの許可を得てカットさせていただけたので、あえてこの写真の状態からバリカンでカットした後の皮膚コンディションの比較もご覧ください。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。

続いて、腹部の比較です。

続いて、右後肢の比較をご覧ください。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。

この右後肢も飼主さまにご協力いただきバリカンで被毛をカットし、皮膚のコンディションの比較をみてみましょう。


※画像をクリックすると大きくなります。


※画像をクリックすると大きくなります。

非常に綺麗になりました。
被毛が再生した、というレベルではなく皮膚そのものが正常な機能を取り戻し、美しい被毛をつくりだしています。
飼主さまも「被毛が長くなるのが早くなった」といいますから、いかに過去の状態が異常だったのか、そして皮膚が正常に戻ろうとする力をうしなっていなかったかがわかると思います。
当院のスキンケアは本来備わっている「皮膚を正常に保とうとする力」で足りない部分をサポートしているだけです。

7カ月間、欠かすことなく週1回の院内薬浴(スキンケア)を受けていただきました。

色々な意味で大変だったと思うのですが、僕からも「徹底的に綺麗に治したいので、週1回を続けさせてください。」とお願いし、ここまで到達することができたと考えています。このレベルまで治療ができたのも飼主さまのご協力があってこそですので、本当に感謝の気持ちで一杯です。

シーズーは難治性の皮膚病になりやすいと言われており、この症例がまさに典型的な症状といえます。

 〇脂漏症
 〇アレルギー
 〇遺伝、体質
 〇マラセチア
 〇シーズーだから
 〇治らない
 〇シャンプーしかない

当院に来院される飼主さまの多くがこういった説明で諦めていた時期もあったと聞きます。
しかし、ここまで重症でも改善させる方法はあります。今のところ当院の薬浴(スキンケア)で継続治療して改善がなかったこのタイプのシーズーはいません。きっとこれからもこのタイプで改善できない症例はいないと思っています。
※シーズーの皮膚病がすべてこのタイプではありません。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の皮膚科専門外来】パグの慢性皮膚炎の治療

2014.01.17

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。

難治性の皮膚疾患に陥り易い代表犬種としてフレンチブルドッグ、柴犬、シーズーが挙げられますが、それ以外にも難治性になりやすい犬種がいます。
その一つがパグ、このパグという犬種も独特の体質をもっているため、犬種に合わせた視点をもたなければいい治療成績を引き出すことができません。

【症例】
     パグ 5歳 女の子 

【過去の病歴】

 〇10カ月前から皮膚病
 〇過去に3件の動物病院を受診し、改善なし
 〇ワキ、耳、お腹、顔、足先の痒み

それでは初診時の状態を見てみましょう。

まずは顔の左側、その拡大です。

続いて、顔の左側です。

続いて、左耳です。

続いて、両前肢です。

左右ともに同じ病変が認められるため、左前肢の上腕~ワキと、手首のあたりを拡大してみます。

ワキの部分を内側からみてみます。

続いて、腹部です。

10カ月改善が認められなかったこの初診時の状態から6週間後と比較してみましょう。

まずは顔から。

※画像をクリックすると拡大します。

※画像をクリックすると拡大します。


※画像をクリックすると拡大します。

続いて、左耳です。


※画像をクリックすると拡大します。

続いて、左前肢です。


※画像をクリックすると拡大します。


※画像をクリックすると拡大します。


※画像をクリックすると拡大します。

続いて、腹部です。

全身に脂漏を伴う慢性皮膚炎がありましたが、ほぼ綺麗に改善することができました。
パグの場合は遺伝的にこのような脂漏性皮膚炎が発症しやすい体質があると考えられるため再発がないとは言えませんが、完治に近い治療ができたと思います。

たった6週間という短い治療期間を可能にしたことも、初診時に改善までの道筋をほぼ正確に描くことができたからだと考えています。
治療しながら迷走してしまうと、数カ月単位の時間のロスが生まれてしまうこともあるため、初診時に病変をしっかりと診極めることが重要です。
また治療には院内のスキンケアを併用したことがもっとも効果的だったと思います。

四季の森どうぶつクリニック
平川将人

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の皮膚科専門外来】パグの慢性脂漏性皮膚炎②

2013.10.30

こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師の平川です。

前回のパグの慢性脂漏性皮膚炎の続きです。

初診時から3カ月後の状態と比較して見ていきましょう。

まずは頚部から。


※クリックすると拡大します。

重度の脂漏がなくなり、皮膚機能がほぼ正常にもどってきているのがわかると思います。

それに伴い被毛の再生も認められました。

続いて右前肢です。


※クリックすると拡大します。

この右前肢も重度の脂漏が認められ、硬い痂皮が大量に付着していましたが、サラサラの皮膚に改善しました。

この右前肢を拡大してみましょう。


※クリックすると拡大します。

硬くザラザラとした皮膚が柔らかくなっています。

続いて同様の状態だった左前肢です。


※クリックすると拡大します。

同じく拡大してみてみましょう。

拡大するのは左前腕の内側面です。皮脂が多く分泌され、慢性的な炎症により硬くなる部位でもあります。


※クリックすると拡大します。

右前肢と同様に皮膚のコンディションが改善し、サラサラになっています。

皮膚のコンディションがよくなると、被毛も見違えるように美しくなります。

続いて腹側全体をみてみましょう。


※クリックすると拡大します。

まだ被毛が完全に再生していない部位もありますが。皮膚はきれいになっています。

拡大してみてみましょう。

まずは胸部の拡大。


※クリックすると拡大します。

部分的に残っていますが、見違える皮膚機能再生が認められます。

続いて、後肢です。


※クリックすると拡大します。

この部位はほぼ綺麗に改善しました。

続いて、大腿部~会陰です。


※クリックすると拡大します。

この部位もまだ病変部が残っていますが、順調に改善しています。

続いて、尾の比較です。


※クリックすると拡大します。

ここは非常に綺麗に改善しました。

全体としては8~90%改善したというところです。

一部被毛の再生がない部位もありますが、これは極めて重度の炎症が慢性的に続いたため、被毛再生が起こらないほど不可逆的なダメージを受けたものだと思います。

軽症のうちにこの治療ができていれば、本来の状態に戻ったと思われます。

大事なことはこの治療後までのストーリーを、初診時に描くことです。

考えられる原因、必要な検査、必要な治療、どこまで改善できるか、を診極めることですね。

四季の森どうぶつクリニック  平川

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の皮膚科専門外来】パグの慢性脂漏性皮膚炎

2013.10.29

こんんちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師の平川です。

当院では難治性皮膚疾患として筆頭にあげられるフレンチ・ブルドッグ、柴、シーズーが多く来院していますが、パグも難治性になりやすい犬種の1つです。

前の3犬種との違いは飼育頭数の違いで、決して「パグの皮膚病はフレンチ・柴・シーズーよりも治しやすい」というものではありません。

では、今回の症例を紹介します。

【症例】

 5歳 パグ 女の子

【過去の病歴】

 〇4歳まで皮膚病なく、1年前から痒みを伴う皮膚病

 〇かかりつけで「アトピー?」と診断され、ステロイド含有スプレーなどで改善なし

それでは初診時の状態をみていきましょう。

それでは各病変を、まずは頚部から。

頚部の拡大です。

前胸部の拡大。

続いて、右前肢。

若干わかりにくいかと思いますので、角度を変えて拡大してみます。

まずは肘の内側から。

続いて、右前腕の外側から。

続いて、左前肢も同様の病変が認められます。

内側からみてみましょう。

続いて、腹側の全体をみてみましょう。

胸部を拡大してみます。

続いて、両後肢をみてみましょう。

続いて、後ろから大腿部~会陰を見てみましょう。

最後に尾をみてみましょう。

背中以外、ほぼ全身の皮膚病が認められました。

このように全身に重度の慢性皮膚疾患が認められる場合でも、初診時に「なぜこのような状態になってしまったのか?」「どのように治すのか」「治療後どこまで改善できるか」のストーリーを描くことが重要です。

検査も治療も「少しずつやっていきましょう」ではないと考えています。

まずはカルテをよくみて、

 「5歳の女の子のパグ」、「1年前まで皮膚病はなし」、「この1年で悪化・拡大」

とあります。

続いて皮膚病変をよく確認します。

 「頚部、腹側、四肢の脂漏が重度で、背側に病変は少ない」

カルテの情報と、パッとみた症例の皮膚病変だけでも十分すぎるほどストーリーを描くことができます。

続いて検査について考えていきますが、一般的な皮膚科領域での検査は

 一般皮膚検査:細菌、マラセチア、ダニなどを顕微鏡での病原体確認

 細菌培養検査

 内分泌ホルモン検査

 アレルギー検査

 超音波画像検査

が挙げられますが、この中で行うべき検査をピックアップします。

そしてでてくるであろう結果を予測して治療計画を立てます。

今回も予想範囲内(というよりも予測通り)の検査結果となり、治療も順調な改善を示しました。

次回この治療後の状態を紹介します。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の皮膚科専門外来】シーズーの脂漏性皮膚炎④ 

2013.09.30

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの獣医師平川です。

あの暑い夏はどこへ?というくらい涼しくなってきましたね。

アトピーや脂漏のわんちゃんにとっては少し過ごしやすい季節になりつつあるかと思います。

では、ここ数回紹介しているシーズーの脂漏性マラセチア性皮膚炎の第4回目です。

  シーズーの脂漏性皮膚炎① ~メディカルスキンケア~

  シーズーの脂漏性皮膚炎② ~メディカルスキンケア~

  シーズーの脂漏性皮膚炎③ ~メディカルスキンケア~

初回のスキンケアから3週間後(スキンケア3回実施)の状態を、初回との比較でみていきましょう。

部分的に被毛をバリカンでカットした部分もございます。

目的は被毛があることで皮膚のコンディションを正確に比較できないこともあるかと思い、飼主さまから了承を得たうえで

カットしてわかりやすいようにしてみました。

(※治療上は必ずしも必要としない状況で、カットの目的にご理解いただいた飼主さまに感謝します。)

まずは頚部から。


※クリックすると拡大できます。

同じく、頚部の拡大。


※クリックすると拡大できます。

続いて、右からみた状態です。


※クリックすると拡大できます。

同じく、右からの肩付近の拡大です。

続いて、仰向けの胸部です。


※クリックすると拡大できます。

同じく胸部の中心の拡大です。


※クリックすると拡大できます。

同じく、左脇です。


※クリックすると拡大できます。

続いて、右前肢です。


※クリックすると拡大できます。

同じく、右前肢の肘付近の拡大です。


※クリックすると拡大できます。

同じく、右前肢肘付近の側面からの拡大です。


※クリックすると拡大できます。

続いて、右後肢の内側からです。


※クリックすると拡大できます。

同じく右後肢の内側からの拡大です。


※クリックすると拡大できます。

同じく右後肢、仰向けからです。


※クリックすると拡大できます。

すべて、自宅シャンプー後から3~4日経過後の皮膚状態です。

院内でのシャンプーで皮脂や痂皮を除去したあとではありません。

この状態が継続して維持できるレベルまで改善しました。

このタイプのシーズーに認められる症状である「痒み」、「臭い」、「フケ」、「ベタつき」はほぼありません。

この後は綺麗に被毛が再生していくだけですので、一旦終了とし次回は別の症例報告を行いたいと思います。

四季の森どうぶつクリニック

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の皮膚科専門外来】シーズーの脂漏性皮膚炎③ 

2013.09.17

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

夏のうだるような暑さもなくなり、夜には虫の音も聞こえ、心地よい秋になりましたね。

どうしても梅雨~夏にかけて治療成績が落ちやすい皮膚疾患も、少しずつ落ち着いてくる季節になると思います。

さて、典型的なシーズーの難治性皮膚病である『脂漏性マラセチア性皮膚炎』として、初診時の状態全身カットの状態と紹介してきました。

当院に来院する前に受診した2件の動物病院では、「シーズーの脂漏症は治らない」ということで頻繁にシャンプーするようにと指示されていたようですが、もちろんこのタイプはシャンプーしても1~2日後にはベタつき、臭い、フケが戻ってきてしまいます。

また、痒みも非常に強く、飼主さまの中にはノイローゼになってしまう方もいらっしゃいます。

当院にはこういったシーズーの症例が非常に多いのですが、その理由は治療のコンセプトにあります。

従来の医療は皮膚表面を綺麗にするためにシャンプーを頻繁に行い、菌(細菌やマラセチア)を減らすために抗生物質や抗真菌剤を服用し、シャンプーにも抗菌剤を含有させたタイプを使用することが主流でした。

決して間違っている治療ではありませんが、何かが足りないのです。

それが皮膚機能改善のためのスキンケア、このタイプの皮膚病では皮膚機能そのものを改善しないことには根本的には改善しません。

逆にこの皮膚機能を改善させると、劇的に改善します。

今回はまだ治療中ですが、経過を紹介します。

忙しい診療中のことが多いので、各部位全ての撮影ができていないのですが、大事な部分をピックアップして比較して行きます。

まずは、最も治療が難しいと考えられている頚部の脂漏性皮膚炎から。

綺麗になっていますね!

同じく頚部の拡大。

黒の斑点をターゲットに拡大して撮影したのですが、綺麗になるとどの黒い斑点だったかわからなくなってしまったので、黒の斑点の周辺を含めて掲載しました。

画像の中心点は異なるのですが、綺麗になっているのがわかると思います。

続いて、頚部の側面です。

参考までにこの部位の拡大は、

この状態が全体的に広がっていたことを考えると、非常に綺麗になっていますね。

続いて、右前肢。この部位も非常に痒みが強く、治りにくいです。

同じく、拡大してみてみましょう。

同じく、右前肢の側面から。

非常に綺麗になっています。

参考情報ですが、この比較写真は初回のスキンケアから1週間後です。

病院でのスキンケアから3日後に一度自宅でシャンプーしていただき、この写真は7日目のシャンプー前の状態です。

若干フケがあるのて、シャンプー前であることがわかった方もいらっしゃるかもしれませんが、シャンプーして4日も経過したにも関わらず、ベタつきがほとんど認められません。

もちろん臭い、痒みも激減しています。

この治療を1カ月も続けると「今までのは何だったのか?」と思うほどの皮膚機能の改善が認められると思います。

たった1回のスキンケア、たった1週間での改善を考えると、「皮膚が正常に戻ろうとする機能が残っていた」とも考えられますね。

メディカルスキンケアは、この「正常な皮膚機能を回復するためのケア」でもあります。

「シーズーだから・・・」に間違いはありませんが、諦める必要はないと思います。

近いうちに「ほぼ完治」レベルまで到達すると思いますので、他の部位を含めて綺麗になったところをお見せできると思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

シーズーの脂漏性皮膚炎② ~メディカルスキンケア~

2013.09.13

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

 

前回の記事で難治性皮膚疾患として非常に有名なシーズーの脂漏性皮膚炎の初診時の状態を紹介しました。

そしてこのような症例で最も重要で、治療の上で必須なのがスキンケアであるところまでお話しました。

そこで当院ではメディカルスキンケアとして、自宅ではなしえないクオリティのスキンケアを行っています。

このスキンケアを効率よく行うために、そして病変を詳細に把握するために一度全身カット行います。

これは初回のメディカルスキンケア時に行った全身カット後の病変部です。

まずは全体。

続いて、頚部の全体像。

同じく、頚部の拡大。

続いて、右前肢の全体と、前腕~肘の拡大。

同じく、右前肢の外側面の拡大。

続いて、右側面全体。

同じく右側面の拡大(肩付近)。

同じく、右側面拡大(腹側部)。

続いて、腹側胸部。

同じく、腹側胸部の拡大。

続いて、右後肢の内側から。

同じく右後肢膝付近の拡大。

同じく右後肢踵~甲の部分の拡大。

全身のカットを行うと非常にわかりやすく見ることができます。

次回、まだ治療途中ですがメディカルスキンケアの効果をお示しします。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

シーズーの脂漏性皮膚炎① ~メディカルスキンケア~ 

2013.09.12

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです♪

前回、典型的なフレンチ・ブルドッグの難治性皮膚病の治療を治療前治療後で紹介しました。

4年間治らなかった皮膚病がたった6週間で綺麗になりました。

ただ、当院に特殊な治療薬があるわけではありません。

大事なことは全体を診て、詳細を診て、「診極める」ことです。

その「全体を診る」中で重要なファクターが、「犬種」です。

前回紹介したフレンチ・ブルドッグも難治性になりやすいのですが、今回紹介するシーズーもはるか昔から難治性になりやすい代表的な犬種です。

たしかにシーズーは独特で、他の犬種にはない体質があり、治療は難しいです。

当院でも4年前までは随分と苦労しましたが、今は随分と早く治すことができるようになりました。

まずは症例を紹介します。

【症例】

 10歳 去勢雄 シーズー

【過去の病歴】

 〇5~6年前から皮膚が赤くなり、痒みを伴う

 〇冬より夏が悪化しやすいが、基本的に1年通して痒みがある

 〇この2年で全身のフケ・ベタつきがさらに悪化して、2件の動物病院を受診したが「脂漏性だから仕方がない」と言われている

 〇治療はシャンプーをこまめにするように指示されているが、シャンプーしても2日経つと元に戻ってしまう

それでは初診時の状態を見てみましょう。

全体から。

続いて顔、フケが多いのが特徴の一つです。

同じく顔の拡大です。

被毛に付着した白いのがフケ、その奥に見える皮膚にも大量のフケが認められます。

続いて、シーズーでもっとも治りにくい部位の一つ、頚部の脂漏性皮膚炎。

同じく頚部の拡大です。

同じく頚部、角度を変えて右側面から。

同じく、頚部右側面からの拡大。

続いて、胸部~脇窩(わき)。

同じく脇の拡大。

続いて、右前肢の全体。

同じく右前肢、上腕(肘より上)の拡大。

最後に、指の間の脂漏です。

まさにシーズーの難治性皮膚炎の典型例です。

これに苦労しているのは獣医師の先生方は全国にたくさんいると思いますが、もっと苦労されているのはその飼主さまです。

これを治療してこその皮膚科診療、「アグレッシブに美しく」治していきます。

必要なことは?

もちろんメディカルスキンケア、院内で治療するのがベストです。

次回は病変部確認を兼ねて、全身のカットの状態をお見せします。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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