2013.09.12
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです♪
前回、典型的なフレンチ・ブルドッグの難治性皮膚病の治療を治療前、治療後で紹介しました。
4年間治らなかった皮膚病がたった6週間で綺麗になりました。
ただ、当院に特殊な治療薬があるわけではありません。
大事なことは全体を診て、詳細を診て、「診極める」ことです。
その「全体を診る」中で重要なファクターが、「犬種」です。
前回紹介したフレンチ・ブルドッグも難治性になりやすいのですが、今回紹介するシーズーもはるか昔から難治性になりやすい代表的な犬種です。
たしかにシーズーは独特で、他の犬種にはない体質があり、治療は難しいです。
当院でも4年前までは随分と苦労しましたが、今は随分と早く治すことができるようになりました。
まずは症例を紹介します。
【症例】
10歳 去勢雄 シーズー
【過去の病歴】
〇5~6年前から皮膚が赤くなり、痒みを伴う
〇冬より夏が悪化しやすいが、基本的に1年通して痒みがある
〇この2年で全身のフケ・ベタつきがさらに悪化して、2件の動物病院を受診したが「脂漏性だから仕方がない」と言われている
〇治療はシャンプーをこまめにするように指示されているが、シャンプーしても2日経つと元に戻ってしまう
それでは初診時の状態を見てみましょう。
全体から。
続いて顔、フケが多いのが特徴の一つです。
同じく顔の拡大です。
被毛に付着した白いのがフケ、その奥に見える皮膚にも大量のフケが認められます。
続いて、シーズーでもっとも治りにくい部位の一つ、頚部の脂漏性皮膚炎。
同じく頚部の拡大です。
同じく頚部、角度を変えて右側面から。
同じく、頚部右側面からの拡大。
続いて、胸部~脇窩(わき)。
同じく脇の拡大。
続いて、右前肢の全体。
同じく右前肢、上腕(肘より上)の拡大。
最後に、指の間の脂漏です。
まさにシーズーの難治性皮膚炎の典型例です。
これに苦労しているのは獣医師の先生方は全国にたくさんいると思いますが、もっと苦労されているのはその飼主さまです。
これを治療してこその皮膚科診療、「アグレッシブに美しく」治していきます。
必要なことは?
もちろんメディカルスキンケア、院内で治療するのがベストです。
次回は病変部確認を兼ねて、全身のカットの状態をお見せします。
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