2013.10.30
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師の平川です。
前回のパグの慢性脂漏性皮膚炎の続きです。
初診時から3カ月後の状態と比較して見ていきましょう。
まずは頚部から。
重度の脂漏がなくなり、皮膚機能がほぼ正常にもどってきているのがわかると思います。
それに伴い被毛の再生も認められました。
続いて右前肢です。
この右前肢も重度の脂漏が認められ、硬い痂皮が大量に付着していましたが、サラサラの皮膚に改善しました。
この右前肢を拡大してみましょう。
硬くザラザラとした皮膚が柔らかくなっています。
続いて同様の状態だった左前肢です。
同じく拡大してみてみましょう。
拡大するのは左前腕の内側面です。皮脂が多く分泌され、慢性的な炎症により硬くなる部位でもあります。
右前肢と同様に皮膚のコンディションが改善し、サラサラになっています。
皮膚のコンディションがよくなると、被毛も見違えるように美しくなります。
続いて腹側全体をみてみましょう。
まだ被毛が完全に再生していない部位もありますが。皮膚はきれいになっています。
拡大してみてみましょう。
まずは胸部の拡大。
部分的に残っていますが、見違える皮膚機能再生が認められます。
続いて、後肢です。
この部位はほぼ綺麗に改善しました。
続いて、大腿部~会陰です。
この部位もまだ病変部が残っていますが、順調に改善しています。
続いて、尾の比較です。
ここは非常に綺麗に改善しました。
全体としては8~90%改善したというところです。
一部被毛の再生がない部位もありますが、これは極めて重度の炎症が慢性的に続いたため、被毛再生が起こらないほど不可逆的なダメージを受けたものだと思います。
軽症のうちにこの治療ができていれば、本来の状態に戻ったと思われます。
大事なことはこの治療後までのストーリーを、初診時に描くことです。
考えられる原因、必要な検査、必要な治療、どこまで改善できるか、を診極めることですね。
四季の森どうぶつクリニック 平川
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