2018.03.22
アトピーやアレルギーなど難治性皮膚病の筆頭にあがるフレンチブルドッグの治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、愛知県四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病の基本は「体質を診極める」です。
例えみためが違えど、遺伝的な背景はほぼ似ており、必要な治療アプローチの根本的な考え方に差はありません。
見た目の違いは「表現系の違い」と認識しており、特別な理由はないと思っています。
いくつかの治療パターンの中から、どこの部位にどの治療をすればいいのか、そして治療の力を入れ具合の優先順位をつけることができれば大半の皮膚病は改善に向かいます。
今日紹介する症例は、先日の3月22日に当院をはじめて受信されたわんちゃんです。
まだ1回しか診察していないため、まだ治療後の写真は1枚もありません。
【症例】
フレンチブルドッグ 2歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳のときにはじめて皮膚病(背中の複数できる円形脱毛)
〇胸~お腹~内股・・・と拡大し、皮膚はゴワゴワになる
〇アポキルを毎日服用するも改善は初期の一過性で、ここ数か月は悪くなっている
〇約6か月前からアミノ酸系のアレルギー対応療法食を継続中
それでは初診時の状態です。
まずはお顔、さまざまな角度からみてみましょう。
続いて、頚部です。
今回のわんちゃんでは頚部のダメージはかなり小さいですね。
続いて、右前腕とその拡大です。
続いて、左前腕とその拡大です。
続いて、胸部~腹部です。
続いて、内股~後肢です。
かなり重度ですが、治療方針は一瞬で決まります。
そう、最優先なのは薬浴ですね。
投薬治療が欠かせない症例ですが、薬浴して帰ることで初期の治療成績がかなり高く、そして早期に劇的な改善が認められると思います。
ただ薬浴そのものでは「皮膚病の原因」には対処できていないため、根本的にはことなるアプローチをしなければいけません。
その根本的なアプローチというのは、スキンケアECプラスであり、ヒーリングケアLFプラスであり、食事療法だと思います。
今回は薬浴実施と食事療法の処方とし、次回改善していることを確認してスキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラスを処方する予定です。
特に今回の症例は「初診日から食事変更で、新しい食事療法開始」としたのですが、これは非常に重要なポイントです。
当院に受診していた当日まで食べていた療法食はアミノ酸系アレルギー対応療法食でした。
アミノ酸系療法食を食べていればよくなるというのはないので、即刻中止です。
参考までに当院の薬浴で使用しているスキンケア商品、このタイプのわんちゃんの体質ケアに必要なスキンケアECプラスとヒーリングケアLFプラスは以下のオンラインショップからお買い求めいただめます。
追記)3月30日
初診から8日後の3月30日に2回目に来院されたときの状態を紹介しています。
投稿者:
2018.03.22
アトピー・アレルギー疾患が多いといわれる柴犬の痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルが発売されてそろそろ2年が経とうとしています。
アポキルの発売半年ごから「アポキルが効かない」というわんちゃんの問い合わせが多くなり、最近では新しい初診のわんちゃんのほとんどが「アポキルを服用しているのに痒い」という状態です。
あらかじめ伝えておきますが、アポキルは非常にいいお薬です。
いいお薬すぎて、効く効かない関係なく「とりあえずアポキル飲んでおこうか」でもいいと思うくらいです。
もちろんアポキルがよく効く痒みと、効かない痒みがあるため区別して治療すべきなのですが、安全性の高さから「こまったらアポキル」というプランができるのがアポキルのいいところだと思っています。
そのため当院にはアポキルを服用しているのに痒みが改善しないというわんちゃんばかりが来院するので、アポキルが効く痒みとアポキルが効かない痒みをだいたい区別できるようになりました。
もちろんアポキルが効かないときにどうしたらいいのかも大体把握できるようになりました。
たまには外しますが、たまにです。
今日紹介する症例もそんな「アポキルが効かない」という柴犬の皮膚病のわんちゃんです。
【症例】
柴犬 5歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1歳すぎてから痒み発症
〇毎年明確な季節性があり、2月~5月の花粉の時期だけ
〇夏は一切発症しない
〇昨年(平成29年)、初めて秋に春と同様の目ヤニの症状がでる さらに身体のべたつきあり
〇基本は涙目、目ヤニ、目の痒み
〇平成29年11月からアポキルを1日2回服用しつづける(1日2回を4か月)も、今年の2月に例年どおりの目の痒み発症
〇今はわき、お腹の痒み
〇飼主さま曰く「今年はアポキルを服用しているので、花粉症を乗り切れると思っていた。いつも通り発症しているのでアポキルの効果を実感できていない」
〇エリザベスカラーと洋服で傷防止
それでは初診時の状態です。
3月17日が初診です。
まずは全体像です。
続いて、顔。
続いて、頚部とその拡大。
続いて、胸部とその拡大です。
右脇の拡大です。
胸部中央の拡大です。
左わきの拡大です。
続いて、腹部とその拡大です。
この症例で何を考えるか?
考えるポイントは
①明確な季節性がありアトピーを疑うにも関わらずアポキルが効かない理由は?
②今の痒みをコントロールするために必要な治療は?
この2つですね。
ただ痒みをコントロールするためには目の痒みと身体の痒みの原因と治療を変えた方がいいです。
今回は関東圏からの受診でしたので、次の再診は遠隔診療になります。
そのため診断と方向性はこの初診で確定しなければいけません。
あとは微調整のみ、毎年6月にはかゆみがなくなるため、今日からの治療結果をどう判断するかの問題はなきにしもあらずですが、おそらく飼い主様が「今までと違う!」と実感できる結果をだせると確信しています。
このタイプの皮膚病は当院と診療提携を行っている病院※であれば対応することが可能です。
※診療提携病院
京都市 よこた動物診療室
静岡市 あん動物病院
投稿者:
2018.03.16
犬の痒い皮膚病治療における食事療法に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院には愛知県内全域だけでなく、隣の岐阜県・三重県・静岡県からの来院もよくあります。
ここ数年は関東・関西圏からの受診も珍しくなく、特に東京・神奈川からの受診は年々増えていっています。
北海道は往診依頼があったのでカルテもありますし、以前は宮崎県からフェリーにのっての受診もありました。
そして今回はついに、四国から橋を渡って受診がありました。
※平成30年5月21日追記 この症例のさらに2ヵ月後
【症例】
プロットハウンド 2歳半 女の子
【経過】
〇1才になる前からの皮膚病
〇背中の湿疹&脱毛(全体的)
〇この1年ずっとアポキルを服用している
〇わき、お腹、目の上、耳、目、口唇、背中など身体全体が痒い
〇アポキルを服用していても痒みが強く、やめるともっと痒くなる
〇アミノ酸系の食事療法を継続している
〇2週間に1回マラセブシャンプー
それでは初診時の状態をみてみましょう。
写真はありませんが、背中にも円形の膿皮症である湿疹&虫食い脱毛が認められました。
この初診時から14日後の状態とひかくしてみましょう。
痒みが劇的に減少し、この1年で最も良い状態になったということです。
具体的には元々の痒みを10とすると、2週間で3まで改善しています。
内服薬の処方としてはアポキルのみで、今までとまったく変わらない処方です。
背中の膿皮症に関しては本来抗生物質を処方するのが定法なのですが、「あること」を考えて抗生物質をあえて処方せずに2週間すごしてもらいました。
背中の膿皮症に対して考えた「あること」とは、
①耐性菌による膿皮症の可能性を強く疑うため、処方の前に細菌培養&感受性試験を行い、感受性(効果)のある抗生物質を調べてから処方
②この症例の体質であれば、今のアミノ酸系療法食は体質に合っておらず、背中の膿皮症は別の食事療法とスキンケアECプラスとMedicareクレンジングオイル&シャンプーの4点セットで良くなるはず
の2点です。
初診時から2週間の治療の中で、内服薬の処方としてはアポキルの継続服用のみとしたのですが、アポキル以外にお渡ししたのは
〇スキンケアECプラス1回1包 1日2回服用
〇Medicareクレンジングオイル&シャンプー 週1~2回
〇病院推奨の食事療法 ※アミノ酸系療法食は即刻中止
でした。
この初診時の指示&処方により、背中の膿皮症は抗生物質を服用することなく、ほぼ完全に消失しました。
実際に2回目の診察時(初診から14日後)には、細菌培養&感受性試験の結果がでて「効果がでる抗生物質」が特定できたのですが、服用しなくてもいい状態になっていたため、結局処方はしていません。
食事管理を間違わず、このまま膿皮症のために開発したサプリメントであるスキンケアECプラスがあれば、今後も膿皮症がでることはほぼないでしょう。
ここで大事なポイントは、1年間にわたって出続けていた背中の膿皮症の原因がどこにあって、どうすれば根本的(抗生物質を使わず)に改善するかを初診時に確定できたことですね。
すわなち、アミノ酸系療法食がこのわんちゃんの体質に合っていないという判断ができたこと、体質に合う食事療法の指示ができたこと、そしてスキンケアECプラスが膿皮症に効くと判定できたことです。
続いて目のまわり、口唇~下顎、うで&わき、腹部などの皮膚炎も十分に改善しています。
もうここから悪くなることはないと思います。
参考までに今回の診断はアトピー&膿皮症です。
食物アレルギーは稀なため現在は特別食事制限を考えておらず、今後はいろいろ食べていいという方向性になっています。
このわんちゃんの膿皮症は、スキンケア&サプリメント&食事療法だけで改善するものです。
アトピーもある程度改善が期待できるとは思うのですが、投薬治療があった方が絶対的にいいと思います。
当院で推奨しているスキンケア&サプリメントは専用オンラインショップでお買い求めいただけます。
当院における膿皮症の治療成績がよい理由は「いいお薬」を使うからではなく、膿皮症ができる原因(体質)を高い精度で、かつ初診時に特定することができるためです。
今の皮膚科医療には、膿皮症を治すための抗菌薬(抗生物質や殺菌系消毒薬)はあるのですが、「膿皮症が再発する理由」を特定できる検査はありません。
しかし問診&視診である条件を満たす症例であれば、どうすればできなくなるかが大体わかるようになります。
今回はそんな典型的な症例でした。
平成30年5月21日 追記 この症例のその後
投稿者:
2018.03.15
柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病だけでなく、アポキルが効かない難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルが発売されたことで柴犬の皮膚病の治療は随分と楽になったと思うのですが、アポキルはどんな痒みにも効くわけではありません。
「効く」と思って使ったのに効かない、1日2回服用しているのに効かない・・・柴犬の皮膚病のあるあるではないでしょうか。
今日紹介する症例も、柴犬のよくあるアトピーにもかかわらず1日に2回アポキルを服用しているのに痒みがとれないというわんちゃんです。
【症例】
柴犬 10カ月 女の子
【経過】
〇生後4か月のころからずっと痒い!
〇腕を掻く&噛む、口唇を掻く、目を腕で掻く、お腹の側面を後ろ脚で掻く
〇アレルギー対応療法食を色々試すも、何を食べても改善しない
〇アポキルを1日2回服用しているにも関わらず痒い
それでは初診時の状態を紹介します。
まずは正面から。
続いて、顔を色々な角度からみてみましょう。
続いて、頚部とその拡大です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部です。
続いて、体幹の左側面とその拡大です。
続いて、左前腕(やや後ろから)とその拡大です。
続いて、右前腕の内側とその拡大です。
同じく右前腕の外~尾側の拡大です。
それでは初診時から2か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
元々の痒みを10として、今は0~1程度です。
掻き壊して毛並みが悪くなっていた部位も随分と生えそろってきました。
顔・腕などの赤みもほぼなくなりました。
アポキルは1日2回だったものが、「ここ1週間飲んでないけど、痒くない」という改善です。
診断はいつものように一瞬で、柴犬にアポキルが効かないパターンの典型症例ですね。
柴犬の正常をしれば、この治療が可能です。
柴犬の痒い皮膚病でお悩みの方は、当院を受診してください。
投稿者:
2018.03.13
手を舐める、足を舐める、掻き壊すなどストレスや精神的な要因から起きる心因性掻痒症の治療に力をいている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルが発売されて多くのわんちゃんの痒みが簡単に緩和できるようになったのですが、アポキルがほとんど効かない痒みがあります。
その筆頭が「心因性掻痒症」、手を舐める、足を舐める、腕をかむ、膝をかむ、背中を噛む、急に掻き壊す・・・といった症状です。
特異的な症状はなく、見た目でもアトピーやアレルギーなどに見えてしまい埋もれて見逃されているケースも多々あります。
多々というより「アポキル服用して残る痒みは仕方ない」という流れができつつあるほどです。
当院では痒みではなく、「痒み動作」としてとらえて原因追及&改善を徹底しています。
それは例え一般的な治療である程度緩和できて1年維持しても、2年維持していても残る症状があれば攻め直します。
今日はそんな「一定の改善をみとめて長期間コントロールしているが、再度攻めの治療で功を奏した症例」です。
【症例】
チャイニーズクレステッドドッグ
【経過】
〇当院への初診は4年半前
〇アトピーと心因性と診断し、シクロスポリン&心因性治療(内服1種、サプリメント1種)で一定の改善をえる
〇アポキルが発売されてシクロスポリンからアポキルへ変更
〇家族構成に変化があり、アトピーの再燃はないが、心因性の再燃を認める
※なお心因性治療(内服1種、サプリメント1種)の変更はしていない
まずは4年半前の初診時の状態を紹介します。
今みても「アトピー&心因性」という症例です。
部分的に感染症もありますが、この子にとって感染症はわずかなものでほぼぶり返しはありません。
それではここ半年ほどぶり返していた状態をみてみましょう。
この腕にできる潰瘍はなめすぎによるもので、完全な心因性です。
アポキルを毎日服用しても全く改善できません。
この4年半の中で大きな治療方針の変更はシクロスポリンをアポキルに変えたのみで、心因性のぶり返しはほとんど気にならなかったため、心因性に対する内服1種&心因性サプリメントの変更はしたことがありませんでした。
久しぶりの再燃に関しても一過性のものかと思っていたので様子をみていたのですが、一向に改善がみとめられないため、再び病気に攻めてみることにしました。
そう、心因性といえば当院が開発したヒーリングケアLFプラスです。
※このわんちゃんが初診で来院された4年半前にはヒーリングケアLFプラスはなかったので、別のものを採用していました。
市販の心因性サプリメントから、当院のヒーリングケアLFプラスに変更してから約3ヵ月後の状態とひかくしてみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
切り替えてからすぐに舐め癖は消失し、それから1度も再発はなく、ついでにアポキルまで減らすことに成功できました。
今ではアポキルは3日に1回までへってますが、それでも痒みがほとんどありません。
この先は春の花粉症がでやすいため、「例え痒みがなくともこの季節に3日に1回以下まで減らす必要はないと思いますので、しばらくキープです」としているほどの改善です。
当院のヒーリングケアLFプラスは精神的な癖、心因性だけではなく、アトピーなどの免疫異常に対しても非常に有効な改善が期待できます。
アポキルの使用量を減らすことができたのはこのヒーリングケアのおかげだと思います。
当院ではお薬の足し算ばかりをするのではなく、常にそのときの状態にあわせた最良の組み合わせをつくり、優先順位をつけて投薬量が増えすぎないように工夫しています。
薬の生理整頓は非常に重要ですね。
当院で開発したヒーリングケアLFプラスは専用のオンラインショップでお買い求めいただけます。
舐め癖、掻き壊しなどストレスや精神的な要因でおきる心因性の痒みに対して非常に相性がいいです。
適切な診断の元でご利用いただければ幸いです。
投稿者:
2018.03.09
ポメラニアンやトイプードルに多く発症する脱毛疾患「毛周期停止(アロペシアX)」の発毛治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日の症例報告は「痒みのない脱毛疾患」の典型症例、ポメラニアンの毛周期停止(アロぺシアX)です。
【症例】
ポメラニアン 初診時2歳3カ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1年前から脱毛があり、この1年で徐々に進行している
〇他院にてアロペシアXを疑われ、メラトニンとサプリメントを服用している
それでは初診時の状態をみてみましょう。
初診時から8か月後の状態との比較です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まずは左側面。
同じく左側面、胸部の拡大です。
続いて、左側面腹部~大腿部の拡大です。
続いて、右側面です。
同じく右側面、胸部の拡大です。
同じく右側面、頚部の拡大です。
続いて、背中です。
続いて、後ろから、
まだ不十分ですが、再生が認められています。
この比較写真を作成した後に治療10カ月後の写真を送っていただいて、8か月の時点より徐々に増えているのが確認できています。
写真を送ってもらっているというのは、今回の症例も前回同様に遠隔診療で治療継続しています。
8か月で生え始めて10カ月でもまだ不十分なのですが、アロペシアXの治療成績の中では十分早くから改善が認められた方に入ると思います。
やはり若く、経過が短いというのが治療結果がでやすいポイントだったかと思っています。
アロペシアXの治療でお悩みの方は一度ご相談ください。
投稿者:
2018.03.04
ポメラニアンやトイプードルに多く「アロペシアX」「毛周期停止」と呼ばれる脱毛症の発毛治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アロペシアX(毛周期停止)に関しては色々な意見もあるのは十分承知していますが、当院では常に「治療しないプラン」と「積極的に治療するプラン」を提示するニュートラルなポジションでいます。
ただ、「なんとかしたい」という飼主様の想いに応えるのも一つの役割と思って、かなり積極的に治療を行うようにしています。
それでは今日はそんなポメラニアンの脱毛症「アロペシアX」の症例報告です。
まずは初診時から。
続いて、頚部です。
続いて、身体側面(左側)です。
同じく胸部~腹部の側面の開く第です。
続いて、身体の側面(右)と、その胸の拡大です。
続いて、ばんざいしたときの胸~お腹とその悪代です。
続いて、背中の尾っぽとその拡大です。
それでは初診時から約7~8ヵ月後のころだったかと思います。
全身ほぼフワフワのモコモコに再生しました。
今回はは治療後の写真が「自宅」になっているように、初診時を当院で診察して、継続診療を遠隔で行いました。
7~8ヶ月で再生したというのは比較的早いほうで、まだ軽度で若い状態だったからだとは思います。
最近はだいたい生えるのですが、1年くらいかかるわんちゃんが多いです。
問題なのは1年治療したら絶対はえるのか?といえば違いますし、2年治療してはえるわんちゃんもいて、治療に正解がないことでしょうか。
とりあえず当院は治療を諦めることはせず、基本としては「飼主さまが諦めるまで諦めません」です。
投稿者:
2018.03.03
4年前の病院移転から新規来院を犬の皮膚病治療のみに切り替えたのですが、移転前からの猫の患者さまについては今でも飼主さまの希望に合わせて診察を行っています。
そのため今でも猫を診るのが珍しいというわけではないのですが、最近猫の問題行動の治療成績が格段に向上してきましたので記事にしてみました。
猫の問題行動に取り組むというのは非常に難しいですね。
主な理由としては、
①生まれつきの性格によるものが多い
②生活環境に精神的なストレスがあっても根本解決(原因除去)が困難
③しつけや行動療法が困難
があげられます。
こういった事情もあり、今の動物医療ではほとんど重要視されていないため、悩んでいる方にはぜひ読んでいただきたいと思います。
今日の症例は猫の精神的・心因性が関連した問題行動の2症例です。
【症例①】
雑種猫 1歳
【経過】
〇顔~頚部の掻き壊しで、常にかさぶたがある
【治療】
初期治療としてステロイドを使うも十分な改善なく、サプリメントに切り替えたところ、ステロイドを使っているときよりも痒みの改善が認められました。
飼主さまも、「元々他の猫たちよりちょっと変わった子で、急に壁を走ったりして『ちょっとおかしい子だな』と思っていたのですが、サプリメントをはじめたとたんに穏やかな猫らしい動きになり、普通のかわいらしい猫になりました。旦那もこの変化にびっくりしてます。」とよろこんでいただけました。
【症例②】
スコティッシュホールド 約6歳くらい?
【経過】
夫婦2人と猫1頭の家庭に、赤ちゃんが生まれてから猫の様子がおかしくなったと診察に来院されました。特に奥様に対して攻撃的になり、襲うようなことが繰り返しおこり、奥様も「もう手放したい」と引き取り手を探すほどでした。
【治療】
あかちゃんや奥様、猫の活動領域など含めて家庭内での生活は一切変更せずサプリメントを投与してもらいました。
サプリメントを服用している間は攻撃性が低下し一度も奥様への威嚇・襲撃動作はなく、サプリメントがなくなってから再度攻撃性が再燃したということで、再投与になっています。
もうおわかりかと思いますが、当院のヒーリングケアLFプラスです。
2頭とも「ヒーリングケアLFプラスでいける!」と思って処方したのですが、2頭とも予測通りの改善を認めました。
※なお、過去に猫で処方して改善がなかった症例はいません。
猫の問題行動において、行動療法という選択肢がないというわけではありませんが、行動療法は「ペット(猫)の異常の原因が私(飼主)にある」と飼主さまが精神的に追い込まれやすいという問題があるとも考えています。
そのため当院では問題点の解決を無理に図るより、投薬治療やサプリメントで緩和させる提案もしています。
当院のヒーリングケアLFプラスであれば飼主さまにも、猫ちゃんにも新しいストレスを増やすことはないと思います。
しかもかなりの精度で期待できる効果がえられているのでおすすめです。
特に症例①のように「猫の痒みはアレルギー様で、ステロイドが効果的」ととらえられる皮膚病が多いのですが、最近はかなりの割合で心因性・問題行動による痒みもあり、ステロイドより身体に負担の少ないサプリメント「ヒーリングケアLFプラス」の方が十分な改善が期待できるのではないかと思っています。
当院では猫の診察を新規で受けてはいないのですが、このヒーリングケアLFプラスは猫との相性もかなりよいと考えています。
猫もヒーリングケアLFプラスを服用してもいいのか?とご質問がありそうですが、実はこのヒーリングケアLFプラスは「人間用サプリメント」で開発しています。
同じく成分を考えても猫でも十分に対応できると考えています。
参考までにこのヒーリングケアLFプラスですが、ストレス社会に生きるこの時代には必須アイテムと思うくらいです。
僕は診察で劇的に改善していく犬・猫を数多くみて、個人的に毎日服用するようになりました。
たった1泊2日の出張でも絶対にもって行き、ホテルで夜寝る前に服用しています(笑)
このヒーリングケアLFプラスは、オンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.03.02
ヨーキー(ヨークシャー・テリア)のアトピー・アレルギー・心因性(精神的・癖)による痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院の症例報告にヨーキーが多いというわけではありませんが、ヨーキーも難治性皮膚病がおきやすい傾向があります。
シーズー、ブルドッグ犬種、柴犬ほどではない理由としては登録頭数のわりに発生が多くないのと、最大のポイントは「これぞヨーキーの典型的皮膚病!」というパターンがないことですね。
今回紹介するのはそんな典型的ではない独特なバランスの皮膚病で、複雑な病態が絡んでいる皮膚病です。
【症例】
ヨークシャー・テリア 8歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇2年前から皮膚病
〇四肢(特に前肢)をかむ、耳をかく、口唇をかく ※胴体は異常なし
〇エリザベスカラーを1年以上常時装着していて、外すと手に傷ができるほど噛むため外すことができない
〇アポキルを6カ月1日1回服用しているが、アポキルを服用していてもエリザベスカラーが外せない
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは右耳から。
続いて、左耳。
続いて口唇を右、左の順番で。
続いて、前肢とその拡大です。
それでは初診時から8か月後の状態と比較してみましょう。
一見よくみないと難しいですが、初診時は手が腫れて大きく、皮膚がゴワゴワと固くなっており、深いシワが刻まれています。
口唇は激しい皮膚炎とフケ・カサブタの付着がありましたが、今はかなり改善しています。
耳も慢性炎症により肥厚していたのが、ほぼ正常に近づいています。
一番治療が難しかった手の改善ですが、なにせかなりの慢性経過だったため今でも変形の跡が残っています。
大きな治療効果は2点、
①エリザベスカラーを外すことができ、今はカラーのない生活が保てている
②アポキルは2日に1回まで減らすことができている
この2点はかなり大きな改善と評価できると思います。
今回の診断は最低2つ、
①アトピー性皮膚炎 → アポキルが効く
②心因性掻痒症 → ヒーリングケアLFプラスを併用する
アポキルとヒーリングケアLFプラスだけでの治療結果ではないのですが、方向性はこの2点です。
もう2点あるのではないかと思うのですが、そこはまだグレーの状態で今後検討課題としています。
治療比較写真が8か月となっており随分と時間がかかりましたが、治療による改善効果は比較的早く1カ月以内にカラーを外すことができました。
8か月の時間については、極めて重度&慢性の肥厚が改善するのにどうしても時間が必要だったというだけで、初診時に伝えた診断および治療内容に変更なく継続治療のみでここまで到達できた症例です。
なお四肢端の痒みの原因と治療方針、耳&口唇の原因と治療方針は半分似ていますが、半分ことなります。
この皮膚病の全体を1つの病気として捉えると「カラーが外せない」という結果になります。
部位ごとに原因の配分がことなり、治療の力を入れ方が異なることを把握する必要があります。
今回の症例に限らずですが、ポイントとして心因性掻痒症の診断と治療を的確に行うことができれば、皮膚病の治療成績は格段に向上します。
※心因性というのは「精神的な」というニュアンスでもよくて、簡単な言葉では「癖」とも言い表すことができます。「癖」という一言で簡単に片づけられないほどの皮膚病になるのであればやはり治療がおすすめです。
この心因性掻痒症で難しいのは3つ、①診断、②インフォームド、③治療です。
難しい理由は、
①検査ができず、客観的根拠がない
②心因性をどう飼主さまに伝えるか、「なるほど」と思う説明ができるか?
この①と②もかなり難しいのですが、③の治療も相当難しいです。
心因性については一度しっかりとまとめて、みなさまが読める原稿に仕上げよう思っています。
今回の症例でも併用しているヒーリングケアLFプラスですが、オンラインショップでもお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.02.27
柴犬のアトピー・アレルギーなど、痒い皮膚病でステロイドやアポキルが効かない難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
僕に花粉症はないのですが、くしゃみや目の痒みを訴えるわんちゃんが来るようになったので、春の訪れを感じる今日このごろです。
一般的に冬は皮膚病が少なくなるため、病院もゆっくりとした時間が流れるのですが、この冬は溜まっている症例報告をたくさんやる時期でもあります。
それでは今日の症例報告は、今年の1月中旬に初診で来院されたわんちゃんで、以前のブログで初診の写真を紹介したわんちゃんのその後です。
1月19日にUPしたブログ → 【柴犬の痒み専門外来】ステロイドが効かない理由
【症例】
柴犬 1歳10ヶ月 女の子(避妊済み)
【経過】
〇生後5か月から続く痒み
〇口・耳・目、わき、お腹、四肢端なめる&かむ、腕をかむ、膝をかむ
〇動物病院からの食事療法を約1年(2種類)継続するも改善なし
〇抗生物質を1年間継続中
〇痒み止めとしてステロイドを1年間(約200日くらい?)服用
〇痒みのコントロールができていない
〇季節性はなく、1年通してずっと痒い
それでは改めて初診時の写真を紹介します。
一見重度な感じはしませんが、痒いものは痒いのです。
100件どころか数百件の動物病院を超えて当院を受診するほど痒いのです。
普通の柴犬に見えた方がほとんどだと思います。
もし散歩でこのわんちゃんに出会っても、まさか県を越えて通院するほどの痒い皮膚病で悩んでいる柴犬には見えないと思います。
そんな見た目ですが、明らかに異常です。
前回のブログで書いたように診断は一瞬です。
それでは初診から6週間後の状態との比較です。
※写真をクリックすると大きく見ることができます。
いつも当院が紹介している重症からの改善ほどの大きな差がみえないかもしれませんが、非常に大きな改善が認められています。
痒みは元々10として、今は4くらいです。
写真をよくみたらわかると思いますが、毛並みもよくなり、フワフワになってきました。
飼主さまもこんなに毛並みがよくなったのは初めてと実感していただけました。
治療はステロイドではなく、2つのお薬を使いましたが1つはアポキルです。
アポキルがステロイドを上回ることはないと考えていますので、アポキル単独で効いたとは考えられません。
次は初回の治療方針で残った4の痒みですが、もちろん初期治療で痒みが残るのは想定範囲内であり、これも予定通り次の手をうつことにしました。
次の目標は4の痒みがある程度(完全ではない)緩和できること、もう少し先はアポキルを若干減らしても大きなぶり返しがないこと、です。
そのころにちょうどアトピーの痒みが出やすくなる花粉の多き季節、梅雨、夏・・・となるため、若干季節による悪化があるかもしれませんが、以前のように「効かない!」となることはもうないと考えています。
ここ最近の口癖の1つですが、「柴犬の正常を知れば異常がわかる」につきます。
ただ僕もこの柴犬の正常を把握するのに獣医師になって約10年かかったので、今は昔の自分を思い出しては反省する毎日です。
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