皮膚科ブログ

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【痒み専門外来】アポキルは効く?効かない?

2017.06.05

犬の痒みを伴う皮膚病治療を専門に行う皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

最近、仕事が終わって病院からでるときに違和感を感じます。

・・・・そう!外が明るい!

1年のほとんどを真っ暗の時間帯に帰宅するのですが、6月だけは外がちょっと明るいのがとても嬉しいです!

勤務医時代は「今日中(24時まで)に帰れるのか?」という毎日だったことを考えれば、外が明るいなんてびっくり(笑)

さて、今日も「アポキルを服用しているのに痒みが改善しない」という症例の治療報告です。

【症例】

 ウエスティ 6歳 去勢雄

【病歴】

 〇2才からつづく痒みトラブル

 〇昨年8月(初診時から8ヶ月前)からアポキルを服用、最初1日2回のときはよく効いたが、その後1日1回にして徐々にぶり返す。

 〇痒みの部位は、口唇、頚部、腕、手先&足先(舐める)、お腹を舐める、膝~かかとを噛む

 〇痒みが強いため、日常時にエリザベスカラー(ドーナツ型)を着用している。

 〇背中が脂っぽくべったりしている

 〇背中にブツブツ、お腹に赤い湿疹が複数ある

それでは初診時の状態です。

 

※毛をカットしたわけではありません。

続いて、右前腕です。

 

続いて、前肢端の指の間です。


ちょっと毛が多いので見えにくいのですが、黒いフケのようなものが皮膚炎で過剰になった皮脂です。


続いて、右後肢の膝~スネの部位です。


続いて、左後足の膝~スネのあたりです。

それでは約1ヶ月半の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

口唇、頚部、腕、四肢、お腹、膝~カカトの全ての痒みがほぼ消失しました。

痒みもコントロールされ、被毛の回復が認められています。

※比較がしずらい写真でしたので、腹部・膝付近の治療後は掲載しませんでした。

もちろんエリザベスカラー(ドーナツ型)も完全にはずして落ち着いた生活に戻れています。

改善後、診察時に飼主さまから驚きの質問がでました。

「どうしてよくなったんですか!?」

・・・・・・一瞬どう答えていいのか思わず言葉がつまって汗ってしまいました・・

昔、大阪にいたときなら「腕がいいから♪」ってボケでましたが、名古屋ではツッコまれることがないので言えません(笑)

では、ちょっとまじめな話に戻って・・・毎回お話していますが、アポキルは万能薬ではありません。

非常にいいお薬で、今回の症例でも結局はアポキルを処方していますが、2日に1回まで減らして上記のいい状態です。

元々1日2回で効果あり、1日1回に減らしてぶり返して・・・・・・当院で2日に1回まで減らしてコントロール良好という状態です。

アポキルを服用して痒みがコントロールできないとき、「アポキルが効かない」ではないこともあります。

多くはアポキル以外のパーツが足りないということが圧倒的に多いです。

大事なことは皮膚全体をみて、「アポキルだけでは効かない。アポキル以外に何が必要か?」という詳細な判定ができることですね。

今回も初診時の処方でほぼコントロールまでもっていくことができました。

こういった症例では改善のために必要な治療プランと、再発させないようにするための治療プランにわずかな違いがあります。

より根本的で、再発させない治療プランには当院のスキンケアとサプリメントが非常に合うと思います。

皮膚科専門の動物病院で、治療のために開発した「差のつくスキンケア&サプリ」です。

四肢端や腕、膝~カカトの病変にはスキンケアだけではなく、心因性も疑われるのでヒーリングケアLFプラスがおすすめでしょう。

お薬を減らすための「医療にプラス」のケアにぜひご利用ください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【フレブルの皮膚科専門外来】アポキルを減らしたい

2017.06.03

フレンチブルドッグの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

春の膨大な仕事も終わり、落ち着いてきたので溜まっていた症例報告を続けていこうと思います。

テーマは引き続き「アポキルが効かないとき、どうするのか?」についてです。

今日は「アポキルを服用しているのに痒みが改善されない」ではないのですが、「アポキルだけではコントロールが難しかった」という症例です。

【症例】

 フレンチブルドッグ 8歳 去勢雄

【病歴】

 〇4年前からの慢性的な痒み

 〇季節性があり、夏の方が悪化しやすり

 〇過去の投薬治療は主にステロイドで、一時的にシクロスポリン

 〇痒みで身体を傷つけるほど掻くため、1年以上エリザベスカラーを装着している

 〇床がぬれてしまうほど手先をよく舐める

それでは初診時の状態です。

づづいて、かなり痒みの強い部位の一つ、胸部の側面です。

胸部の側面を拡大してみましょう。

これは脱毛疾患ではなく、掻き壊しといって強く書くことで毛が引きちぎれいているため引き起こっているものです。

続いて、左側面です。

膝~スネにかけて噛んでいることで傷が認められます。

続いて大腿部の尾側、全身での発症ではありませんが赤い湿疹が認められます。

この初診時で初期治療としては湿疹(膿皮症)に対して抗生物質、季節性の痒みに対してアトピーを疑いアポキルを併用しました。

この2つの投薬治療である程度の改善が得られましたが、「エリザベスカラーをはずせない」「アポキルを1日2回服用しないと抑えきれない日が多い」であり、十分に痒みをコントロールできているという状況ではありませんでした。

また膿皮膚症も抗生物質の服用により数を減らすことができたのですが、やはり服用しながらも新しい湿疹が週に1~2箇所できる・・・という状態でしたので、胃腸免疫サプリ「スキンケアECプラス」を併用しました。

さらに「掻き壊し」が心因性によるものと疑い、心因性に対するサプリメントでのアプローチを開始しました。

お薬はあえて変更せず、初診時に採用した抗生物質とアポキルの2種類のままで、追加は2つのサプリメントのみとしました。

併用後から激しく掻き壊すシーンが減り、アポキルを1日2回必要とする日もどんどん少なくなり、エリザベスカラーも完全にはずすことができるようになりました。

湿疹はスキンケアECプラスを併用して以降、抗生物質を必要とするような再発がないくらい綺麗な状態を保っています。

そして最も悪化しやすい季節になりましたが、エリザベスカラーを装着することはありません。

それでは、治療後の比較画像です。

※画像をクリックすると拡大することができます。

派手さはありませんが、毛並みが綺麗になっているのがわかると思います。

今回は投薬治療とサプリメントの相性が非常によく、アポキルを減らすことができた症例です。

湿疹タイプの膿皮症にはスキンケアECプラスがおすすめで、心因性にはヒーリングケアLFプラスを使うようにしています。

スキンケア単独で改善するタイプではないのですが、湿疹のケアには非常に有効だと思います。

初めてのご利用の方は写真を用いた無料相談ができる痒みケアスターターセットをお勧めします。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【皮膚科専門外来】アポキルが効かない次の選択肢

2017.06.01

痒みの皮膚病治療のみを専門に行う動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

先日のアポキルセミナーでも話題になりましたが、「アポキルが効かない時」というのは今後の皮膚科の一つのテーマだと思います。

かといって医療に魔法の薬がないように、「アポキルが効かない」というときの原因も1つではないのが、すぐに答えにたどり着けなさそうな医療の難しいところですね

もちろんアポキルが効いていても、「まだ痒い」や「減らすと痒がる」であれば、何をもって効いているというのか・・・細かい考えたらきりがないのですが、とりあえず「アポキルで期待していた効果を得られなかった」という場合にどうするか?について部分的にお話してみようと思います。

そもそも診断が間違っていて・・・という数歩下がったところから掘り返すと何時間もかかりそうな話になるので、そこは割愛させていただき、今回は「心因性」というテーマにしぼっていきたいと思います。

アポキルが登場して約1年、かなりの症例に処方してきましたが、すごく効くわんちゃんと、「あれ?」というわんちゃんがいます。

痒がる場所はそっくりなのに、お薬の反応に差がでる・・・・そうなると「その差は何か?」ということになりますよね。

その差を生めることができれば一つ上の治療ができるので、この1年いろいろ試してきました。

その中の一つのパーツが「心因性」です。

心因性の痒みにはアポキルが効き難い傾向があります。

そのため治療に心因性のアプローチを追加すると、改善がみとめられたり、アポキルの投与回数を減らすことができたり・・・という変化が生まれます。

おそらくアポキルとの相乗効果も十分期待できるとは考えています。

どんなわんちゃんに心因性を疑うか・・・というと、

 □ 手先・足先をよく舐める

 □ 腕、手首、膝、スネをよく噛む&毛をむしる

 □ 湿疹はないけど、お腹をよく舐める&噛む

 □ お薬が効き難い ※特にアポキルの効きが悪い

 □ お散歩やお出かけ中は痒がらない

 □ 食事療法で改善がない

 □ アレルギー対策はしている

こういったわんちゃんでしょうか。

痒み=心因性ではないのですが、心因性の評価が不十分がゆえに治療がうまくいっていないケースはかなり多くあると思っています。

※心因性という診断が正しくても、心因性のアプローチが必ずしも改善につながるわけではないです。やはり条件、組み合わせなどさまざまな要因が関係します。

当院ではそんな投薬治療だけではカバーしきれていない心因性の痒み部分をサプリメントでサポートする治療プランを提案しています。

それがこの1年以上、膨大な治療チャレンジを経て導き出し、開発したのが「ヒーリングケアLFプラス」です。

成分はラクティウム100mgとラクトフェリン100mgです。

ラクティウムは「あかちゃんは母乳を飲むとなぜぐっすり安らぐのか?」という経緯から見つけられた成分で、リラックス作用が認められています。

ラクトフェリンも母乳に含まれる成分の一つでリラックス作用だけでなく、抗菌作用や胃腸免疫改善作用、そしてアトピーなどのアレルギー対策として非常に期待できる成分です。

両成分ともかなり高価であり、人のサプリメントでもラクティウムとラクトフェリンがともに100mg含有しているサプリメントはありません。

そしてこのヒーリングケアLFプラスの開発により、当院のスキンケア商品と、胃腸免疫サプリメントのスキンケアECプラスと合わせて、医療に足りない部分のかなりの範囲をカバーできるようになりました。

痒みケアスターターセット

 セット内容  Medicareクレンジングオイル
          Medicareシャンプー
          Medicareローション
          スキンケアECプラス
          ヒーリングケアLFプラス

当院のオンラインショップでお求めいただけます。

今回のヒーリングケアLFプラスですが、人が服用できる基準で製作しています。

僕に皮膚病はないのですが、ストレスが多い社会を生き抜くためにこのLFプラスを毎日服用しています(笑)

※もちろんスキンケアECプラスも毎日服用しています。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【差のつく皮膚病治療】フレブルとアポキルと+?

2017.05.22

こんにちは、フレンチブルドッグの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院四季の森どうぶつクリニックです。

暑い日が続いており、わんちゃんの皮膚トラブルも増えてきました。

今からケアを欠かさずつづけることで、いいシーズンにすることができますので、がんばっていきましょう。

それでは今日の症例です。

【症例】

 10歳 フレンチブルドッグ

【病歴】

 〇3年異常前から手先~腕を舐める皮膚病

 〇その他、お腹の皮膚炎、頚部~胸の皮膚炎

 〇過去の治療歴はステロイドの内服と外用薬

   ※ステロイド内服、1年365日のうち100日以上服用、3年以上継続

それでは初診時の状態をみてみましょう。

まずは正面から。

続いて、頚部~前胸部。

同じく前胸部の拡大、黄色の皮脂がびっしりと付着しているのがわかるでしょうか?

続いて、胸部、円形脱毛があり、湿疹があることがわります。

続いて、右前肢。

続いて、左前肢。

同じ部位の拡大をみてみましょう。

同じく左前肢の指先です。

それでは治療後と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

非常に綺麗になりました。

今回の治療にはアポキルを併用しましたが、腕を舐める症状と足先を舐める症状は改善しませんでした。

そのためアポキルに当院のサプリメントを併用したところ、写真のように非常にきれいな改善を認めました。

確かにアポキルは安全性も高く、非常に強力な痒みを抑える作用がありますが、すべての痒みを押さえるわけではありません。

当院のサプリメント、ヒーリングケアLFプラスはこういったアポキルが聞きにくい、特に四肢端や腕を舐めるわんちゃんの体質ケアに非常にお勧めです。

いくつかの商品がありますが、フレンチブルドッグのわんちゃんであれば、掻く・舐めるといった痒み治療のために開発されたスターターセットをお勧めします。

今回のわんちゃんでも、脂漏にはスキンケア、湿疹にはスキンケアECプラス、四肢端の舐める痒みにはヒーリングケアLFプラスと症状に適したケアを行って治療を成功に導くことができました。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【皮膚科】アポキルは効く?効かない?~薬の使い方~

2017.05.20

柴犬の皮膚病治療に力をいれている、皮膚科専門動物病院の四季の森どうぶつクリニックです。

随分と暑くなってきましたね♪

昨年、皮膚科の画期的な新薬「アポキル」が発売されて、そろそろ1年が経とうとしています。

1年前に使い始めたときは「先生!うちの子に何を使ったの!(笑)」と言われるほどの劇的な治療効果に驚き、同時に「自分の仕事は無くなるのではないか!?」と恐怖さえ抱いたことを覚えています。

・・・・・・あれから約1年、そんなアポキルをもってしても、当院を受診される飼主さまは減りませんでした。

変わったのは、

「アポキルを飲んでいるのによくならない」

「アポキルが効かなかったらしょうがない、と言われた」

と頻繁に聞くようになったことでしょうか。

しかし当院では「アポキルが効かなければ次はない」というような最終兵器とは思っていません。

アポキルが効きにくい症例は珍しくないのですが、本当の意味で効かないわけではありません。

効かないには効かないなりの理由があり、「効かせる」ことができるのです。

今日はそんな「ある工夫でアポキルを効かせた」症例報告です。

【症例】

 柴犬 4歳 去勢雄

【病歴】

 〇生後6ヶ月から続く、季節性のない通年性の痒み

 〇当院で4件目の受診

それでは初診時の状態です。

まずは顔の側面から。

つづいて、体幹の側面(右側)です。

腹~胸部の側面の毛をかきあげて、どれほど掻いて毛がなくなっているかを撮影してみると、

地肌がみえているため、かなり強く掻いているのがわかります。

続いて、後足側面です。

こういったわんちゃんにアポキルを処方すると・・・

※写真をクリックすると拡大してみることができます。

随分とよくなります。

しかし・・・

十分に効かない部位が残っているのがわかります。

アポキルを毎日3ヶ月以上服用しても「痒みが強い」という症状のままです。

実は原因はわかっています。

そのため「〇〇〇すれば効くようになりますよ!」とあることをします。

すると、4週間後・・・

かきむしっていたのが随分と落ち着き、掻き壊すこともなくなってきました。

アポキルの投与量や、投与回数は一切変更せず痒みの改善が認められました。

今回の治療症例のポイントは、

①アポキルの投与により痒みが激減した部位は確かにある(顔)

②アポキルでまったく効いていない部位もある(胸・お腹)

③アポキルが効かないわけではない(顔は効いている)

④痒みのすべてが1つの原因で起きているとは限らない

⑤別の問題点が隠されていることに気づかなければいけない

⑥アポキルの量や回数の問題ではない

でしょうか。

そして最も大事なことは、「診た瞬間に、アポキルが効くけど、アポキルだけでは無理。工夫が必要。」と判断できることですね。

※では今回の症例でなぜ3ヶ月やらなかったのか?ですが、実はこのわんちゃんの痒みは再発です。
初回の治療ではアポキルと工夫の治療をやって効いたのですが、飼主さまの強い強い希望で工夫治療は終了になりました。
「再発しますよ」とはお伝えしたのですが、やはり「完治した」と思うほどの結果でしたので、終了になってしまうことはゼロではありません。
そして再発時の初期治療にはその工夫は含まれず、しばらく苦戦し・・・・という流れでした。
しかし今回の件により、飼主さまにも「本当に何が必要になっているのか」はよく伝わったかと思います。
そういう意味では「小出しにする」という治療プランは価値があると思います。

※※※※※※※※※

当院では今年から新しい活動として、専門分野を持たない個人動物病院向けに診療サポートを行っています。

スキンケア商品、サプリメントの共用や、症例報告からの治療成績向上を目的としています。

業務提携にご興味のある方はお問い合わせください。

四季の森どうぶつクリニック
平川

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の皮膚病治療】アポキルが効かない?

2017.05.06

柴犬のアレルギー・アトピーなどの痒みを伴う慢性難治性皮膚病の治療に力をいれている動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

以前のブログ記事で、「今年の新しい取り組み」を紹介したのを覚えている方はいますか?

 アポキルの効果判定【ウェスティの皮膚病治療】

この記事の最後に、今年は他の動物病院とグループをつくって新しい医療提供につなげていく活動について書いてみました。

もちろん複線があってのことでしたが、実は今年の1月に遠方で開業されている先生からメールで治療についての相談を受けました。

 【症例】

 4歳 柴犬

【経過】

 〇1歳からの全身の痒み
 〇過去の複数の動物病院の治療歴は
  ・ステロイド内服、ステロイド外用(スプレー)
  ・シクロスポリン(半年以上継続)
  ・インタードッグ(2日に1回で半年以上)
  ・試験的駆虫(毛包虫対策)
  ・アレルギー検査(IgE&リンパ球検査済)
  ・食事療法2種類実施済み
  〇現在の内服はアポキル

アポキルを1日2回の服用することである程度はの効果をみとめたが、写真のレベルであり痒みは抑えきれない。

ステロイド1mg/kgの方がよく効く。

ということでした。(写真もおくっていただきました)

実際に診てみないと・・・が基本ではありますが、病歴と写真でだいたいわかります。

ただ説明も難しくなるため、その先生の病院まで1度だけの往診をすることにしました。

僕の休診日と、先生と飼主さまとの予定を合わせて1件1日がかりの往診です!

それが1月末でした。

現地では診るだけ、念のための血液検査(結果は後日わかる)だけで、診る&聞くだけの診察で治療方針を先生と飼主さまにお伝えし、1回限りの往診を終了としました。

それから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2ヵ月~2ヶ月半で随分とよくなったそうです♪

具体的には1日2回のアポキル投与でも十分に抑えられなかった痒みが、1日1回投与でもかなり抑えられるようになったようです。

過去の治療歴をみて「いったい何が効くのか?何がたりないのか?」と思われる方も多いと思いますが、今でも知られていない病気と治療薬もあるということです。

これからこういった形で遠方の動物病院での医療サポートを行っていこうと思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルの効果判定【ウェスティの皮膚病治療】

2017.03.04

「医療に万能薬はない」と考えて、さまざまなアプローチを行う皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

インターネットの影響もあり、ご存知の方もいるとは思いますが、昨年「アポキル」というお薬が登場しました。

皮膚病治療の世界では、この新しいお薬であるアポキルのおかげで治療成績が向上しています。

そして発売から半年、予測どおり当院には「アポキルを使っているのによくならない」という初診の方が増えています。

しかし多くの場合は、アポキルが効く・効かないという簡単な問題ではなく、複数の要因を同時に診極めていないがためにおきていると考えています。

今日はそんな「そもそも・・・」という症例報告です。

【症例】

 8歳 ウェストハイランド・ホワイト・テリア 男の子

【病歴】

 〇2年前が初発

 〇耳・内股・四肢端の痒み、慢性的で腹部は真っ黒になっている

 〇アポキル2ヶ月投与したが、痒み悪化、色素沈着悪化、範囲拡大

それでは初診時の状態をみてみましょう。

耳や四肢端はたいした皮膚炎ではありませんでしたので、ここでは腹部のみ掲載します。

 

ウェスティといえば重度の皮膚病になりやすい犬種の1つで、しかも改善させにくいことで有名です。

この腹部が真っ黒になるのもウェスティではよくあるシーンです。

ですが今回はそんなウェスティにありがちな全身脱毛・傷・色素沈着の・・・・・・・・・ではありませんでした。

ウェスティでよくある顔・頚部にはほとんど病変はなく、わき・腕・背中などもまったく問題ありませんでした。

確かに四肢端もなめていますが、写真を撮るほどでもない程度です。

この色素沈着は腹部のみです。

答えはこの初診時の一瞬です。

そして初診時に処方したのは「2ヶ月服用して効果ないどころか悪化した」と聞いているアポキルと、もう一つのお薬、耳用の点耳薬の合計3つを処方しました。

もちろんこれだけで解決するとは考えていなかったのですが、飼主さまにもどのお薬がどう効いていくのかを実感していただきたかったので順番にアプローチする方法を提案しました。

「〇〇〇が隠れていると思いますが、スタートはアポキルと〇〇〇(もう一つの薬)の2種類でアプローチです。」

そして初診時から2週間後。

「見た目は随分とよくなった!」

でしたが、

「内股をなめる頻度はまったくかわらない」

ということでした。

もちろん想定範囲でしたので、初診時に選択した「アポキル、もう一つのお薬」に加えてあるサプリメントを加えて3種類で内股にアプローチすることにしました。

再度2週間後(初診時から4週間後)の状態をご覧ください。

随分とよくなりましたね!

ただ、内股をなめる動作は残っていますし、四肢端もよく舐めているということで、追加のお薬を処方することにしました。

もちろん初診時に伝えた「〇〇〇」への追加処方ですので、初診時の想定の範囲内です。

そこから2週間後(初診時から6週間後)です。

わずかな色素沈着がありますが、ほぼ綺麗といって問題ないレベルでしょう。

なめる動作も元々10とすると、残りは1~1.5というレベルまで減りました。

今回の治療では「最初からわかっていた治療内容を、あえて小出しにする」という方針でしたが、飼主さまにとっても、何がどう効果を示したか、とてもわかりやすい診療内容だったと思います。

ポイントは、

①悪くなった皮膚を改善するのに何が効果的だったのか?

 ⇒初診時の2つのお薬 アポキルともう1つのお薬

※ただし、舐める頻度はまったく変わらずだったため、痒みの原因は別のところにある。

②そもそもなぜ腹部を舐めるのか?根本的なアプローチは?

 ⇒初診時に伝えた「〇〇〇」が診断名で、根本的にはサプリメントと最後に処方したお薬が治療薬

③初診時に処方した2種類なく、後半の2種類のお薬のみであったら?

⇒徐々によるなるとは思いますが、倍以上の時間がかかったと思います。

ですね。

では、アポキルはどうだったのか?

当院でも初診時から処方したように、アポキルそのものが今回の治療に不適切だったとは思いません。

皮膚を改善させるための選択肢の一つとしては有効だったと考えています。

ただ、「アポキルでなんとかなる」とは思えない皮膚病で、原因が別にあることに気づくことが最も重要だったのだと思います。

根本的な疾患を診極めでいる上で、「アポキルを併用すると早く治る」と判断して処方するのがベストだったのでしょう。

以上ののことから、次の治療のプランは「アポキルから減らしていく」となります。

残るのはサプリメントを中心にした治療でしょう。

診療というのは飼主さまを満足させてこそで不適切なかもしれませんが、個人的には思い描いたとおりに進んだ診療でとても晴れやかです(笑)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回の症例に併用したサプリメント&スキンケア商品は、当院オンラインショップで取り扱いをしています。

お勧めは掻く・舐めるといった痒み治療のために開発したスターターセットです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今年は当院のスキンケア・サプリメントなどの共有や遠隔診療のパートナー病院を募集し、動物病院同士で新しくグループをつくりたいと考えています。

また、スキンケア・食事療法などさまざまな情報共有をすることで、皮膚病全体の治療成績を高める活動をする予定です。

その活動の一つは参加していただいた動物病院での院内セミナー開催です。

主なテーマは

・スキンケア

・膿皮症へのアプローチ 

・正しい食事療法

・見落とされている皮膚疾患

などです。

このセミナーを受けていただければ当院の症例報告の内容のほとんどを理解できると思います。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

皮膚病の新薬「アポキル」で治らない?効くのか効かないのか?

2016.10.01

こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。

※2017年6月追記
このページを読まれる方が非常に多く、いかにアポキルが多く処方されているか、そして飼主さまが期待した改善が得られないことに悩んでいるかがわかりました。
ブログ本文は過去のままですが、最下部に最近のアポキルの使い方を考えて作成した症例リンクを複数記載しています。
ご興味のある方は最後までお読みいただき、リンクもぜひご覧ください。

今年の夏に、「アポキル」という皮膚病治療薬として非常に新しいお薬がでました。

痒みを緩和させるための画期的なお薬で、非常にいいお薬のため当院でもよく使うのですが、どんな皮膚トラブルにも効く万能薬ではありません。

そのため発売前から予測していたのですが、早速「(他院で)アポキルを処方され飲んでいるのによくならない」という電話がかかってくるようになりました。

今日は少しめずらしい関西圏からの来院で、「アポキルでも改善しない」という主訴の転院症例報告です。

【症例】

 柴犬 8歳 女の子

【病歴】

 〇5年前からずっと皮膚病
 〇免疫抑制剤で多少改善
 〇この夏からアポキル1日2回服用開始したが、効果を感じられない

初診時の状態から。

柴犬の皮膚病として、「よくある典型的なパターン」といえると思います。

この初診から1ヵ月後の状態と比較してみましょう。

写真をクリックすると拡大してみることができます。

非常に綺麗になりました。

もちろん肝心の痒みも元々の10分の1まで落ちついてコントロールできています。

「アポキルを1日2回服用しているのに痒みが減らない」という主訴に対して、当院がアポキルをどうしたか?

実は、初診時から1日1回で継続処方しています。

アポキルだけにフォーカスを絞って考える点は2つ、

 ①この症例にアポキルは効果的かどうか?

  ②アポキルでなければ改善しない症例かどうか?

現実として「1日2回服用していたのに、効果がなかった」という状態で来院されているので、

アポキルが痒みを抑えなかったようにみえなくもないのですが、実は効果はあるのです。

正確な表現としては「効果はあるはず」がよりベターで、詳細に説明するなら

「アポキルを治療の柱にする判断は十分正しいが、その他の治療方針が不十分がゆえに効果がみられなかった」

と考えています。

アポキルが効かないのではなくて、アポキル以外の必要な治療に気づかなかったことがポイントになっています。

このアポキルがその他の薬でも同様のことが言えます。

実際にこのわんちゃんは以前に免疫抑制剤をつかっていますが抑えきれず、アポキルに変更になったという経過をたどっています。

今回は当院でもアポキルを選択しましたが、例えアポキルがなかった半年前であったとしても、今回の症例を「痒み10分の1」にすることは可能です。

ということで、①と②の結論・・・①は効果的、②は「そんなことはない」です。

医療に魔法の万能薬はありませんので、大事なことは「いいお薬を出す」ではなくて「使うシーンを診極めて処方する」、いい武器は使いこなしてこそですね。

2017年6月3日 追記

アポキルが発売されて約1年、当院には「アポキルを使っているのに痒い」という飼主さまばかりが来院されるようになりました。
症例報告でもアポキルについてなるべく書くようにしています。
以下にリンクを張っていますので、参考にしてください。

【痒み専門外来】アポキルは効く?効かない?

【フレブルの皮膚科専門外来】アポキルを減らしたい

【皮膚科専門外来】アポキルが効かない次の選択肢

【差のつく皮膚病治療】フレブルとアポキルと+?

【皮膚科】アポキルは効く?効かない?~薬の使い方~

【柴犬の皮膚病治療】アポキルが効かない?

アポキルの効果判定【ウェスティの皮膚病治療】

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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