2017.10.23
フレンチブルドッグの痒みを伴う膿皮症・アレルギー・アトピーの治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は本当に多いですね。
当院の皮膚科の来院で最も多いのがフレンチブルドッグではないかと思います。
ではフレンチブルドッグで多い皮膚病の原因はというと、
①細菌性膿皮症
②アトピー性皮膚炎
③アレルギー性皮膚炎(食物アレルギー含む)
というものが一般的にあげられます。
見た目ではどんな雰囲気かというと、今日の症例報告のようなわんちゃんが典型例なので「よくある典型的なフレンチブルドッグの皮膚病」としてみてください。
【症例】
フレンチ・ブルドッグ 去勢雄 3歳
【経過】
〇1歳の時から痒みを伴う皮膚病を発症
〇季節性はなく、1年通して痒い(梅雨が最も悪化)
〇アポキルを1日1回1年前から継続して服用しているが改善しない
※間近1ヶ月はこのアポキルを1日2回服用中にも関わらず改善なし
〇痒みは、胸の側面を掻く、四肢端をなめる(特に前肢)、ワキ、顔
〇過去に3件の動物病院受診
〇色々な療法食を使うも改善せず、手作り食でも改善せず
それでは初診時の状態をみてみましょう。
正面から。
顔の側面と皺の拡大です。
続いて頚部。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
続いて、身体側面。
一見普通に見えますが、実は痒みを伴っています。
下半身を拡大してみましょう。
被毛が茶色になっているため、頻繁に噛んでいることが推測されます。
続いて右側面の肩のあたりです。
強くかいているため、傷になっています。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部。
続いて、内股です。
それでは初診時からわずか1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みは元々10だったのが2くらいまで減ったそうです。
見た目も赤い湿疹はほぼなくなり、毛並みも綺麗になり、白くなっているのがわかると思います。
被毛が茶色に変色する原因は唾液によるもので、舐めたり噛んだりしなくなったことで、白にもどっています。
フレンチブルドッグに多いしつこい足舐めもかなり軽減されています。
今回のタイプはフレンチブルドッグの典型的な皮膚病で、メジャーな原因3つをそろえています。
それぞれに対して適切な診断・アプローチをとることで、たった1ヶ月で劇的に改善します。
投薬治療を行いましたが、当院が開発したスキンケア&サプリメントもとても重要なアプローチの1つです。
再発を少なくするためには非常に効果的と考えています。
オンラインショップでお買い求めいただけますので、適切な医療を併用しながらご利用ください。
また、遠方にお住まいの方には遠隔診療を提供しています。
ここで一つ疑問があるかと思います。
なぜアポキルを1日2回服用しているにも関わらず痒みが改善せず、当院では改善したのか?
理由は複数あるのですが、1つはフレンチブルドッグに食物アレルギーは少ないという考え方です。
世の中では「フレンチブルドッグの皮膚病=アレルギー」といわれているところが多いですが、個人的にはそう考えていません。
あくまで「個人的に」であって正解ではないのですが、「アレルギー」と考えているから改善していないわんちゃんは相当数いるかと思います。
当院ではアレルゲン対策はほとんどしません。
理由は「アレルギーは稀」というスタンスだからです。
「アレルギーがない」という根拠はないのですが、アレルギー対策で改善するわんちゃんは稀ですので、あえて稀なところからアプローチしないだけです。
そして2つめは、アポキルが効く痒みと効かない痒みを区別できることでしょうか。
数字では判断できないので、獣医師の経験からの判断でしかありませんが、「これはアポキルが効く」「これはアポキルでは不十分」という判断ができることが重要だと思います。
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