2017.11.07
シーズーの痒み、アトピー&アレルギー、脂漏性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れて取り組んでいる皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日は静岡市の動物病院、「あん動物病院」で皮膚科診療を行ってきました。
【症例】
約10歳 シーズー 避妊済み女の子
【経過】
〇保護(5年前)から慢性的な痒みを伴う皮膚病
〇アポキル、ステロイド外用(コルタバンス)、インタードッグなどのさまざまな治療に反応せず
〇現在はステロイドを2日に1回服用にも関わらず改善しない
それでは初診時の状態、そして毛をカットした後の状態を紹介します。
続いて顔の左から、目の下~頬~口唇にかけて。
続いて、顔の右側やや下側から、口唇~下顎にかけて。
続いて、頚部と、その拡大です。
シーズーの頚部は重度の脂漏性皮膚炎が起きやすいのですが、今回はほとんど起きていません。
続いて、右前肢。
続いて、お腹~内股~甲にかけて。
続いて、背中。
一見なにもないようにみてますが、「いつも噛んでいる部位がある」ということで、腰背部を拡大してみましょう。
ここはいつも皮膚炎がおきており、常にフケがついているようです。
ただ、腰の部位以外の背中にはありません。
薬浴が適応になるため全身のカットを行いました。
もちろん病変の判断もしやすくなります。
頚部はたいしたことなくて、下顎の方がひどいですね。
頚部に重度の脂漏がないのもこの症例の特徴といえます。
続いて、右前肢。
腕の内側はやや赤いですが、外側はほとんど問題ありません。
しかし、四肢端は、
かなり腫れており、皮脂も多く付着しています。
反対の左前肢もみてみましょう。
右前肢と同様でした。
それでは薬浴に入ります。
オイルの使い方、シャンプーについて・・・・・在籍している看護師&トリマーの方にも解説しながら実演してきました。。
しかし予想より「スキンケア実演」として絵にならなかったのは構図の問題か・・・・いや、アラフォー獣医師2名でやったからでしょう(笑)
それでは薬浴後の状態です。
一過性の赤みはありますが、改善のための通過点です。
【総括】
一見シーズーの典型的・・・にみえなくもありませんが、実は少し違います。
そもそも典型であればアポキルとシャンプーである程度の緩和ができたはずです。
なぜアポキルに反応がなかったのか?
今回はその「アポキルが効かなかった理由」を考えるのですが、実はこの写真から推測することができます。
皮膚のどの部位を診て、どう評価するのかについて、解説してきました。
もちろん薬浴でどの部位を治療ターゲットにするのか、薬浴後の必要な投薬治療についても解説してきました。
また大石先生からは超音波の画像診断について色々教えていただくことができました。
大石先生、ありがとうございました。
またご報告します。
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