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アポキルが効かない柴犬の痒い皮膚病の症例

2018.03.15

柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病だけでなく、アポキルが効かない難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

アポキルが発売されたことで柴犬の皮膚病の治療は随分と楽になったと思うのですが、アポキルはどんな痒みにも効くわけではありません。

「効く」と思って使ったのに効かない、1日2回服用しているのに効かない・・・柴犬の皮膚病のあるあるではないでしょうか。

今日紹介する症例も、柴犬のよくあるアトピーにもかかわらず1日に2回アポキルを服用しているのに痒みがとれないというわんちゃんです。

【症例】

 柴犬 10カ月 女の子

【経過】

 〇生後4か月のころからずっと痒い!

 〇腕を掻く&噛む、口唇を掻く、目を腕で掻く、お腹の側面を後ろ脚で掻く

 〇アレルギー対応療法食を色々試すも、何を食べても改善しない

 〇アポキルを1日2回服用しているにも関わらず痒い

それでは初診時の状態を紹介します。

まずは正面から。

続いて、顔を色々な角度からみてみましょう。

続いて、頚部とその拡大です。

続いて、胸部とその拡大です。

続いて、腹部です。

続いて、体幹の左側面とその拡大です。

続いて、左前腕(やや後ろから)とその拡大です。

続いて、右前腕の内側とその拡大です。

同じく右前腕の外~尾側の拡大です。

それでは初診時から2か月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

元々の痒みを10として、今は0~1程度です。

掻き壊して毛並みが悪くなっていた部位も随分と生えそろってきました。

顔・腕などの赤みもほぼなくなりました。

アポキルは1日2回だったものが、「ここ1週間飲んでないけど、痒くない」という改善です。

診断はいつものように一瞬で、柴犬にアポキルが効かないパターンの典型症例ですね。

柴犬の正常をしれば、この治療が可能です。

柴犬の痒い皮膚病でお悩みの方は、当院を受診してください。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【一瞬の診極め】アポキルが効かない柴犬の皮膚病治療

2018.02.23

柴犬のアトピーやアレルギー、アポキルが効かない痒い難治性皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

一般的に動物病院の皮膚科で治療が難しい犬種の筆頭に上がってくる一つが柴犬ですね。

その独特の体質からシーズーやフレンチより扱いづらく、治療難易度としては最高クラスと思います。

わかりやすい例えが良くも悪くもアポキルの反応で、アポキルが非常に効く症例もいるのですが、全然効かない症例もいます。

もちろんアポキルが万能ではなく効かない痒みがあるのはわかるのですが、このアポキルが効く症例と効かない症例の区別がつかないケースがあるから困るのだと思います。

だれしも

「なぜ効かない?」

と考えるのだと思うのですが、本当の意味でアポキルが気かない痒みであるわけではないですし、アポキルが効く柴犬と見た目の違いが全くないわけではありません。

柴犬の正常を知っていれば、アポキルが効かない痒みを呈している柴犬を事前に把握することができます。

「この症例には効きが悪い」

そして効くための治療手段を把握していれば「時期にアポキルが効くようになりますよ」と伝えることができるので、効かないアポキルを使い続けることにも何の後ろめたさも感じることはありません。

当院でも「最初は効きが悪いようにみえるかもしれませんが、1~2ヵ月後には効いてきますよ。」と伝えて治療開始しています。

今回はそんな「アポキルが全然効かない!」という柴犬の皮膚病です。

【症例】

 柴犬 4歳半 男の子(去勢済み)

【経過】

 〇1才半から続く皮膚の痒み

 〇顔(目・口・耳)、お腹、腕、四肢・・・・背中以外すべてが痒い

 〇アレルギーといわれ、食事をかえても、おやつを変えても改善しない

 〇1年前からアポキル1日2回服用しても痒い

柴犬でよくある「アポキルが効かない」という典型的な症例です。

診断は診察室でチラッとみた一瞬、アポキルが効かない理由と効くための治療方針の確定もほぼ一瞬です。

それでは初診時の状態です。

まずは全体、一見重度な感じはしません。

続いて、顔の左側で、目の回りも口周りもあちこち痒いです。

本来この顔周りの痒みにはアポキルが効果を示しやすいのですが、効きにくい柴犬もちょくちょくいます。

こういったタイプにはちょっとアプローチを変えると簡単に痒みのコントロールが可能になります。

続いて、右前腕で、柴犬に多い「腕を噛む」という症状が強くでいているため毛並みが悪くなっています。

このタイプの痒みにアポキルは効きにくいですね。

同じく右前腕の外側面です。

続いて、左前腕の内側。

続いて、胸部です。

胸を後ろ足で掻くというアトピーでよく認められる症状です。

腕とことなり、この部位の痒みにはアポキルが非常に効くことが多いのですが、柴犬では効きにくいことがありますね。

続いて、腹部とその拡大です。

お腹が真っ黒になっています。

診療で診る大事なポイントは痒くて黒くなってしまったお腹ではありません。

別のところに診断のヒントが隠されています。

最後に右胸部の側面の拡大です。

掻きすぎて傷になっています。

それでは治療後5ヶ月半後の状態と比較します。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

初診の治療スタートの時点でアポキルを1日2回服用している影響もあってか、見た目が重度でないため当院の症例方向の中では差の小さなものかもしれませんが、大分きれいになりました。

比較写真が約5ヵ月半と長期になったのは途中で悪化したためです。

悪化の理由は簡単で、初診から1~2ヶ月で順調によくなったのですが、飼主さま判断で投薬治療が減ったためです。

これは「のど元過ぎれば熱くない」という心理的にもやむをえないことで、よくなると「薬がなくても良くなったんじゃないか?」「いくつかあるお薬のうち、〇〇はもういらないんじゃないか?」と考えてしまうためかと思います。

投薬治療を無理強いすることはできないため希望に合わせるのですが、やはりおまかせ治療がベストであってそのおまかせからズレると振り出しに戻ってしまうことがあります。

という理由で比較写真が5ヵ月半になっています。

おまかせであれば3ヶ月でこの状態だったと思います。

肝心のアポキルですが、受診前は1日2回服用でも痒かったのですが、今は1日半に1回(痒みが強いときは1日1回)でコントロールしています。

もちろん1日1回の方が効きはいいのですが、お薬は少ないにこしたことはないので1.5日が許容範囲であればそれも選択肢の1つかと思っています。

もし柴犬の痒い皮膚病治療でアポキルが効かない場合は、最低限2つの病気のことを考えるのがいいと思います。

治療は2つの病気以外のあるため、かなり多くの種類を駆使しますが、それぞれが重要な働きをします。

「痒い=アポキル」ではありません。

なお今回の症例はスキンケアやサプリメントメインではさすがによくなりません。

ヒーリングケアLFプラスは適応ですが、単独使用では改善は難しいでしょう。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルが効かない柴犬の皮膚病の根本的解決策

2018.01.20

アトピーやアレルギーなど、柴犬の痒みを伴う皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

目が痒い、耳が痒い、口が痒い、鼻が痒い、首が痒い、ワキが痒い、腕を噛む、膝をかむ、かかとを噛む、手先・足先をなめる&噛む・・・・背中は特に問題ない、3歳までに発症する柴犬のアトピー性皮膚炎の典型例ですね。

今はアポキルというすばらしいお薬がありますので、コントロールしやすくなってきました。

ただ、今でも一定数コントロールできない難治性皮膚炎の柴犬のアトピー性皮膚炎のわんちゃんがいます。

今日はそんな「どこからどうみてもアトピーなのに、アポキルが効かない」という症例です。

【症例】

 柴犬 2歳 女の子(避妊手術済み)

【経過】

 〇生後7ヵ月後から痒みを伴う皮膚病

 〇季節性はなく1年通じて痒みがある

 〇顔、耳、口唇、わき、腕~手首、膝~かかと、四肢端

 〇16ヶ月前からアポキルを服用しているが、服用していても効いているわけではない

ここでポイント①、飼主さまのお住まいは関東圏です。

当院が提供している遠隔診療を希望するお申し込みでした。

すべての皮膚科症例が遠隔診療の適応になるわけではないため、まずはお写真をいただきました。

いつもお話している通り皮膚科は初診の診極めが大事です。

この症例でもこのお写真で判断可能です。

この時点で治療方針はほぼ確定です。

そして日時をあわせて東京品川で実際に診察を行いました。

当日のお写真を紹介します。

ここまでは送っていただいた写真、症状の通りです。

皮膚病は見た目が何より大事で全身に診断につながる重要な所見が隠されています。

痒いところをみるだけでなく、予測通りか確認することも重要です。

ここも大事なポイントですね。

この初診時から約1ヵ月後の状態です。

飼主さまからいただいた写真なのでわかりやすい比較写真ではないですが、ご了承ください。

まずは腹側の全体像。

続いて、頚部。

続いて、胸部です。

フワフワの毛並みですね。

痒みは「かきますが、気になるほどではありません」というレベルまで改善しました。

症例報告に使うフレーズとして「アポキルが効かない」というセリフをよく使用しますが、正しくは「アポキルが効く痒みではない」で、アポキルを使うべき痒みにはとてもよく効くんです。

アポキルはすべての痒みを止めるわけではないため、原因を診極めて何をターゲットにして使うかを判定していけば非常にいいお薬です。

もちろん副作用が非常に少ないので「とりあえず」で使うとこもできますが、「アポキルを使って残った痒みをどう評価すべきか」まで考えて処方するのが正しい使い方と言えます。

前回の症例同様にある治療を加えれば、今回の柴犬にも他のアトピーの柴犬同様アポキルはよく効くようになります。

大事なのは、

柴を極める

でしょうか。

柴犬の正常を知れば、柴犬の異常を知ることができます。

常に、常に柴犬の皮膚を診続けるば、いづれ正常がわかるようになり、次に異常がわかります。

正常を知らずに異常はわかりませんからね。

今回紹介した柴犬の初診では、静岡県静岡市の動物病院「あん動物病院」の大石先生と一緒に診察しています。

静岡市近隣にお住いの方で、柴犬の皮膚病にお困りの方はあん動物病院の大石先生にご相談ください。

当院ではこういった一般的に知られていない診断・治療法を含めたプライベート皮膚科セミナーを開催しています。

ご興味のある方は当院HPからお問い合わせください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の痒み専門外来】ステロイドが効かない理由は?

2018.01.19

柴犬のアトピーやアレルギーなど、痒みと伴う皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

柴犬の痒みトラブルは非常に多いですね。

痒みを抑えることができる「アポキル」が発売されて、一定の症例はこのアポキルによってかなりの改善を認めていると思われます。

しかしアポキルが高い効果を示す症例と、そうでない症例がいますが、その違いはどこにあるのでしょうか?

これはアポキルだけに限ったものではなく、ステロイドや免疫抑制剤などの痒みに関するお薬全般にいえることです。

「服用しているのによくならない」

当院を受診しているわんちゃんのスタートラインはここです。

今日はそんな「痒み止めの効果がでない」という柴犬についてです。

【症例】

 柴犬 1歳10カ月 女の子(避妊手術済)

【経過】

 〇生後5か月から続く痒み

 〇口・耳・目、わき、お腹、四肢端なめる&かむ、腕をかむ、膝をかむ

 〇動物病院からの食事療法を約1年(2種類)継続するも改善なし

 〇抗生物質を1年間継続中

 〇痒み止めとしてステロイドを1年間(約200日くらい?)服用

 〇痒みのコントロールができていない

 〇季節性はなく、1年通してずっと痒い

それでは初診時の状態です。

6日前に初診のために当院を受診されたので、治療後の写真はまだありません。

初診時の検査では、ニキビダニ陰性、マラセチアわずかに検出、膿皮症なしでした。

診断は一瞬です。

いや、実は看護師が受けた電話の問診メモをみるだけでわかりました。

※先入観はときに痛い目をみるので本当はよくありません。

あとは当日パッとみて&お話聞いて確信へ、各種検査は似ている疾患を除外するために実施します。

簡単な特徴としては、

 〇柴犬

 〇若い発症

 〇季節性のない痒み

 〇痒み止め(一般的にはアポキルとステロイド)が効かない

 〇寄生虫(ニキビダニ、疥癬)ではない ※なさそうでも可

この条件であれば「柴犬のあるある」かもしれませんが、シンプルなアトピーであればアポキルなりステロイドが効きますし、季節性もあると思いますのでそのグループには入らないちょっと難しいタイプに分類できます。

おもしろいのは、飼い主さまからの主訴には決して入ってこないあることに関する情報を聞き出すことで、この病気の診断に近づくことができます。

今回も一通り飼主さまのお話を聞いて、簡単な顕微鏡検査をして、改めて飼主さまに質問をしてみました。

「お近くで柴犬のわんちゃん見る機会もあると思いますが、他の柴ちゃんとこの子で何が違うと思いますか?」

飼主さまはこの質問に的確に、かつ僕の期待通りの答えを返してくださいました。

病気の原因はそこだったんですね。

ただ、飼主さまはそれを僕に伝えることはできなかったのです。

認識できていることと、今の病気と関係していると思うことは別で、獣医師に伝える症状には入っていませんでした。

診断には検査だけでなく、飼い主様から必要な情報を聞き出す質問ができることも重要と思います。

参考までにこの子はアトピーの範疇でいいと思います。

問題はなぜこの子のアトピーにステロイドが効かないのか?ですね。

仮にアポキルでも同様ですが、効くはずのものが効かないのは「効かない理由」があるのです。

効かない理由の診断をつけて治療さえすれば、この症例のアトピー部分には他の症例同様にアポキルやステロイドが効くようになります。

この症例に必要なのは痒みを抑える治療ではなく、アトピーにステロイド(同様にアポキルも)が効かないある疾患を治療してアポキルが効くようにすることです。

3か月後にはアポキル(ないしステロイド)を毎日飲まなくても痒みがコントロールできるようになると思います。

次回は今回紹介した症例とまったく同じような柴犬で、「アポキルを服用しているのにまったくよくならない」という症例の改善経過を紹介します。

おもしろいは東京で開催した遠隔診療での症例です。

要するにメールと写真で目途をつけ、実際に診るのは1回だけで診断・治療方針を組み立てるという医療です。

また、当院では動物病院向けにこのような今の皮膚科で不足している大事なことについて、個別で皮膚科セミナーを開催していますので、ご希望の方はHPからお問い合わせください。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の痒い皮膚病】アポキルが効かない!?どうする?

2017.12.18

柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

クリスマスまで1週間を切り、クリスマスが終わればもう今年もカウントダウンで新年ですね。

クリスマスの飾りつけをしながらお正月の飾り付けも選び、クリスマスプレゼントを準備しながら年賀状を書くというイベント大好き日本人の性を実感する毎日です(笑)

今日の症例報告は先日の柴犬の記事で伝えておいたわんちゃんです。

  12月16日に初診で来院されたわんちゃんをその日のうちに紹介しています。

【症例】

 柴犬 1歳 男の子

【経過】

 〇生後7ヶ月に痒み発症

 〇徐々に拡大して悪化

 〇地元動物病院にて「アトピー?アレルギー?」

 〇抗生物質と消炎剤の内服で改善なし

 〇11ヶ月からさらに悪化し、拡大

 〇四肢の痒み、顔(目・口・頬)の痒み、目の脱毛など

それでは初診時の状態です。

続いて、顔正面の拡大。

続いて、顔の左側。

同じく顔の左側。

続いて、身体側面の右側から。

続いて、右前肢の内側、とその拡大。

同じく右前肢の外側と、その拡大。

続いて、左側面。

腹部の左側とその拡大。

左後肢の側面。

同じく左後肢のかかと付近を外側から。

同じく左後肢の甲、外側から。

背中以外傷だらけで来院されました。

噛みすぎて毛もありません。

それでは10週後の状態と比較してみましょう。

※画像をクリックすると大きくみることができます。

まずは顔の正面、右、左の順番です。

続いて、左側面。

続いて、右前腕。

続いて、右後肢。

続いて、左側面。

続いて、左前肢。

続いて、左腹部とその拡大。

続いて、左後肢の側面。

非常に綺麗に改善しました。

傷ひとつなく、毛並みは100%回復です。

症状も改善し、10週間後の状態ではほぼ痒みなしです。

念のためアポキルを渡しておきましたが、治療9~10週目の2週間で服用したのは2~3回のみ、それでも痒くないという回復ぶりです。

もちろんステロイドの1度も処方していません。

今回の症例の特徴の一つは、「アポキルが効かないタイプの痒みである」ということです。

まったく効かない、絶対にきかない・・・というほどではないので、併用するのはありなのですが、「アポキルで抑えきれない」とわかった上で処方しなければ後が困ります。

再診時に「痒みがあまり改善していない」という状態を予測して、再診時に次の治療に踏み込める準備を初診時にしておく必要があります。

今回の症例でも初診時に「とりあえずアポキル」という処方をしましたが、予測どおりあまり改善なし・・・という結果でした。

想定どおりですので、再診時から初診時の時点ですでにお伝えしていた治療第2弾を併用して、最終的にはアポキルがなくてもかかない、という状況に改善したという流れです。

ブログにしてしまうと治療は一瞬にみえるかもしれませんが、柴犬の皮膚病治療は難しいと思います。

アポキル単独でかなり痒みを抑えられる症例もいるのですが、そうでない症例もそこそこいます。

そしてアポキルで痒みを抑えきれないときに次の手が中々ない、というのが今の皮膚科の現状です。

当院ではアポキルが効かないという診療が大半を占めるので、それ以外の手をいくつか持って診療に臨んでいます。

ただ、打つ手が正しくてもそのタイミングが悪ければ十分な評価ができなかったりしますし、いいタイミングで手を打っても「それがいつ効くのか?効いているのか?」を判断できないといけません。

こういった「アポキルが効かない痒み」について、個別でセミナーを開催していますので、診療提携をご希望の方はご連絡ください。

参考までに前回初診時のみを紹介した柴犬のわんちゃんと原因は一緒です。

前回紹介した柴犬のわんちゃんもアポキルを1日2回服用して改善しない皮膚病です。

3ヵ月後までには綺麗になるでしょう。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の皮膚病治療】アポキルが効かない痒い理由

2017.12.17

柴犬の痒みを伴うアトピー・アレルギー性皮膚炎の治療に力をいれている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

アポキルが使えるようになって1年が経過し、症例報告のほとんどにアポキルが処方されているにもかかわらず改善がなく、タイトルが「アポキルが効かない」とワンパターンになってしまうのが最近の悩みの種です。

根本的解決にならないのですが、最後に「痒い理由」とつけて無理やり新しいタイトルにしてみました。

さて、今日紹介するのは「本日、12月16日に初診で来院された柴犬の皮膚病の症例」です。

もちろん検査結果は出揃っておらず、投薬治療もはじまったばかりです。

治療後の写真はありませんが、初診時の状態を紹介します。

【症例】

 柴犬

【経過】

 〇半年以上前から全身の痒み

 〇アポキル1日2回服用していても痒みが改善しない

 〇抗生物質1日2回服用中

 〇食材をかえて何種類も食事療法を行ったが、改善しない

それでは初診時の状態を紹介します。

まずは正面から。

続いて、顔の左側から。

続いて、顔の右側から。

続いて、頚部とその拡大。

続いて、左前腕の尾側から。

続いて、右前腕の内側とその拡大。

続いて、左前腕の内側。

続いて、胸部とその拡大。

続いて、腹部とその拡大。

続いて、身体左側と腹部側面の拡大。

最後に後ろ側と大腿尾側の拡大。

アポキル0.45mg/kgを1日2回服用していても痒みの改善がないわんちゃんです。

念のためを含め、除外しておきたい疾患の検査を行いましたが、注目すべきメインターゲット(原因)は1つと考えています。

サブの原因は2つありますが、メイン1つの治療を徹底して行えばサブの原因2種はさほど目立たなくなると思います。

その他の特別な疾患が隠れていなければ、1ヵ月後くらいから治療結果がでて、3ヵ月後にはアポキルに頼らなくていいくらい十分な結果がでると思われます。

影響を受けるとすれば、このあとくるであろう発情でしょうか。

発情ばかりはなんともできないため、万が一治療期間に重なれば「やむをえなかった」となります。

なお診断は、問診時に抱っこされている柴ちゃんを見た一瞬でほぼ判定可能です。

参考までに今回の皮膚病はスキンケアとサプリメントではさすがに改善しません。

次回の症例報告は、今回とほぼ同じ柴犬の症例報告(治療後比較あり)の予定です。

傷だらけの状態で来院されましたが、アポキルもいらないくらい綺麗に改善した症例です。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の皮膚病治療】アポキルが効かない?アトピー?アレルギー?

2017.10.02

柴犬の痒みを伴うアトピー・アレルギー性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門病院、四季の森どうぶつクリニックです。

今日紹介するのはここ最近の中で最も「会心」だった症例です。

【症例】

 柴犬 4歳 去勢オス

【経過】

 〇1才のころから皮膚病

 〇最初は季節性の痒み発症であったが、この2年は通年性

 〇シクロスポリンで改善なし

 〇アポキルでも改善なし

 〇シクロスポリン+アポキルの同時併用3ヶ月でも改善なし

 〇最近はステロイドでも改善なし

 〇食事療法は、低アレルゲン、アトピーフード、グレインフリーと変えるも改善なし

さて、初診時の状態です。

正面全体から。

続いて、右側面から。

続いて、顔~頚部(右)。

同じく頚部の右、拡大。

同じく右頚部、さらに拡大。

頚部、正面から。

同じく頚部正面、拡大。

続いて、前胸部。

続いて、右前肢の屈曲部(肘)。

続いて、右前腕内側。

続いて、右前肢外側。

続いて、右胸部側面。

続いて、右肩の側面拡大。

右胸部側面の拡大。

同じく右胸部側面の拡大2箇所目。

同じく右胸部側面、3箇所目。

続いて、右腹部側面。

続いて、右後肢膝~カカトの側面。

続いて、左側面。

左側面をやや斜め後ろから。

右側面の炎症部位の拡大。

右腹部側面の拡大。

続いて、右後肢側面。

かなり重度ですが、この見た目は特徴的なので診断は一瞬です。

万が一のことを考えて、似ている疾患を除外するためにいくつか検査をしますが、頭の中で答えは決まっています。

綺麗に治るまでの軌跡を描いてからゆっくり検査、説明をします。

※検査結果は確認のためで、治療方針を立てるためではありません。

それでは初診時からちょうど12週間後との比較です。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

参考までに

 〇甲状腺機能低下症はなし

 〇ステロイドの副作用でもない

 〇疥癬でもない

 〇アポキルは効かない

 〇上記の写真で紹介した病変に、抗生物質を必要とするものはない

当院でも初診時に「アポキル」を処方しましたが効果はゼロで、飼主さまから「痒みはまったくかわらない」といわれました。

もちろん現状でアポキルがほとんど効かないだろうというのはわかってたのですが、「副作用はほとんどないし、多少効果があればOK」というつもりで処方しています。

それだけではなく2回目~7回目までの再診時もずっと「よくならない。かわらず痒い」といわれ続けており、9週間後の7回目の再診時でも「痒みはあまり変わらず、元々を10とすると今8くらい」という低調な評価でした。

ただ!改善する自信があったので「治療方針は変えません。よくなります。」と言い続けて初診時の診断は変えませんでした。

そしていよいよ12週間後の8回目の診察時、飼主さまにはじめてうれしい言葉が・・・

 「おかげさまで随分良くなりました。散歩でも『別人みたい!』と声をかえてもらえました♪」

痒みも足先をちょっとなめる、口を時々掻く・・・というくらいです。

毛並みも非常によく、ツヤツヤです。

柴犬のこのタイプの皮膚炎はときどき診る事があり、だいたいアトピー、アレルギーといわれて難治性皮膚病になっています。

「アトピーではない」「アレルギーではない」と言うことは難しいのですが、「アトピー」「アレルギー」といっていると絶対治りません。

このタイプはアポキル単独では改善しませんし、食事療法なんてほぼ無意味ですし、スキンケアで改善するわけでもありません。

あることをし続けなければ結果がでません。

結果がでるまでの数ヶ月も痒みが続くのですが、飼主さまの「痒みが改善しない」という返事に対して、自信をもって「このままでよくなります。」とブレずに継続する力が必要です。

この「痒いといわれてもブレない」というのがかなり難しいと思います。

もう1点、これが難しいといわれる理由は「教科書に掲載されていない」ということでしょうか。

また、セミナーで解説されているのも聞いたことがありません。

近い記載はわずかにあるのですが、おそらく誰も気づいていないのが現状です。

当院と皮膚科に関する診療提携を行っている病院の先生には詳しく解説する予定です。

今回の症例でも初診時の診極めで、治療方針を変更することなく改善することができました。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【アポキルが効かない?】柴犬の痒みを伴う皮膚病

2017.09.09

柴犬の痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

柴犬の皮膚病といえば、痒みが強く、独特の体質・性格のためか治療が難しく、難治性皮膚病になりやすい犬種の1つです。

当院にも多くの柴犬が来院されており、過去にもたくさん症例報告してきましたが、中にはノーマルなアプローチでは全く改善しない特殊な症例もいます。

今回は柴犬の中でもそんなイレギュラーな症例を紹介します。

【症例】

 柴犬 2歳 男の子(去勢済み)

【経過】

〇2年前から痒みがある
〇痒みの部位:全身痒いが、最も痒みが強いのは耳
〇過去の投薬歴:減感作療法(1週間に1回の頻度で計6回の注射を行った)、内服薬は抗生剤(ラリキシン)と抗ヒスタミン剤を服用していた。

それでは、全体からみていきましょう。

柴犬の皮膚病の特徴である目の周りの脱毛や、色素沈着がほとんどありません。

この時点で「え?難治性???」と感じる先生は多いかと思います。

続いて、飼主さまが「痒みがつよい」と感じている頚部です。

そして最も痒みが強いという耳ですが、まずは後ろからみてみましょう。

後頭部。

同じく、左耳の拡大。

同じく、右耳の拡大。

実はここで治療での問題があります。

 ①アポキルで痒みは抑えられない

 ②ステロイド・抗生物質・抗真菌剤が含有された合剤点耳薬で耳の痒みは抑えられない(そもそも耳垢も、炎症もない)

一般的な痒み全般を抑えることができるアポキルがほとんど効果を示さないことがわかっています。

また、耳は赤くなく、耳垢もなく、これも一般的な治療法である点耳薬がほぼ効果なしという判定です。

さて、どうするべきか?

それでは、この初診時から1年後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると拡大してみることができます。

薄かった毛も多くなり、フワフワになっています。

肝心な痒みも大きくおさえることができ、「過去最高のコンディション」になっています。

今回の治療には3つのお薬を併用しました。

3つのうち1つは「単独服用では効果がないアポキル」ですが、残り2つが治療成績を左右する重要なものです。

この体質を初診時に判断できることが「初診時の診極め」です。

当院では皮膚科のない個人動物病院向けに、オリジナル商品の提供を含めた「初診時の診極め」に関するサポートを行っています。

業務提携にご興味のある方は専用フォームからお問い合わせください。

※比較に1年という時間がかかったのは理由があります。

初期のもっと早い時期に痒みのコントロールができましたが、飼主さまの治療縮小のリクエストにより一旦フェードアウトして、痒みの再発後に再治療に入りました。

そのため被毛の再生に時間がかかり、比較写真が1年後になっています。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【診療サポート】アポキルが効かない痒みの原因は?

2017.07.26

犬の皮膚病の中でも痒み治療に特化した動物病院【四季の森どうぶつクリニック】の平川です。

以前にも何度かブログで紹介しましたが、今年から皮膚科のない動物病院向けに、スキンケア・サプリメントなどの共同開発・研究を中心に診療提携をはじめました。

そして今年の1月に最初の取り組みとして、静岡市のあん動物病院で難治性症例の診療サポートを行い、順調にいい結果がでましたので、ここでご紹介したいと思います。

【症例】

 柴犬 4歳

【経過】 ※かかりつけ動物病院の先生からいたたいだメール内容をご紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4歳の柴犬で、1歳くらいから全身の痒みを発症。
当院だけでなく、他院にも受診しており、過去には(当院と他院の治療内容を合わせて)
ステロイド(内服・コルタバンス)
シクロスポリン(半年以上継続)
インタードッグ(EODで半年以上)
ブラベクトによる試験的駆虫
IgE リンパ球検査済

などを経て、今はアポキルを当院で内服しています。
BIDでアポキルを飲むとある程度は効くけど、写真のレベルであり痒みは抑えきれない。
目の周りは、アポキル飲んでからましになった。
ステロイド1mg/kgの方がよく効く。
フードはアレルギーに配慮したフードを2社くらい使ったが、フードを変えて痒みが変わった実感はなし。
どの会社のフードかは、飼い主さんが記憶していない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そのときにいただいた写真を紹介します。

この4枚を送っていただきました。

投薬内容など少し追加の情報をいただいたのが、以下の通りです。
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ステロイドは、過去1年間で
2016年4月にEODで5㎎(0.6㎎/㎏)16日間(8回)
5月~7月に5㎎錠 頓服として10錠/月 処方
7月後半からはアポキルへ
コルタバンスは、2014年10月に1度処方したのみ
アポキルを飲み始めてから、顔周りの痒みはだいぶましで発毛も良好。
2016年10月くらいは、SIDで大丈夫と言っていたが、現状BIDでもかなりかじっているのか、発毛はみられない
10月末に一度、足裏の炎症がひどくなったため、1週間だけプレドニゾロンに変更。
10㎎3日間と5㎎4日間。
そしたら、痒みがぴたっと止まったとのこと。
現在、アポキルは3.6㎎錠 SID~BID (0.42㎎/㎏)
背中の痒みはなし
耳は先日の診察で左耳がかゆいとのことで来院。
左のみ強い発赤が出ていて、オスルニアを点耳→本日2回目の予定
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この時点でほぼ答えはでてゴールまでの治療の道筋はついています。

そして平成29年1月31日、かかりつけの先生の都合と飼主さまの都合を合わせて「1回限りの現地診療」をさせていただき、方向性・処方をお伝えして当院の診療は終了としました。

そこから約5ヵ月半後の7月19日の状態を先生からいただくことができたので、ご紹介します。

状態には非常によくて、過去最高の毛並みに戻ったそうです♪

参考までにアポキルは1日1回でコントロールできているということでした。

冬に1日2回でも痒くて毛並みも悪かったのが、この真夏に1日1回で過去最高のコンディションという変化です。

最初に提案した方向性のまま、ここまでいい結果がでて本当によかったと思います。

今回は飼主さまの通院都合などもあり、若干時間がかかりましたが、スムーズにいけば2ヶ月あればここまで到達できるでしょう。

今の皮膚科の最大の悩みである「アポキルが効かない痒みをどうすればいいか?」のポイントの一つはここにあります。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【皮膚科】アポキルは効く?効かない?~薬の使い方~

2017.05.20

柴犬の皮膚病治療に力をいれている、皮膚科専門動物病院の四季の森どうぶつクリニックです。

随分と暑くなってきましたね♪

昨年、皮膚科の画期的な新薬「アポキル」が発売されて、そろそろ1年が経とうとしています。

1年前に使い始めたときは「先生!うちの子に何を使ったの!(笑)」と言われるほどの劇的な治療効果に驚き、同時に「自分の仕事は無くなるのではないか!?」と恐怖さえ抱いたことを覚えています。

・・・・・・あれから約1年、そんなアポキルをもってしても、当院を受診される飼主さまは減りませんでした。

変わったのは、

「アポキルを飲んでいるのによくならない」

「アポキルが効かなかったらしょうがない、と言われた」

と頻繁に聞くようになったことでしょうか。

しかし当院では「アポキルが効かなければ次はない」というような最終兵器とは思っていません。

アポキルが効きにくい症例は珍しくないのですが、本当の意味で効かないわけではありません。

効かないには効かないなりの理由があり、「効かせる」ことができるのです。

今日はそんな「ある工夫でアポキルを効かせた」症例報告です。

【症例】

 柴犬 4歳 去勢雄

【病歴】

 〇生後6ヶ月から続く、季節性のない通年性の痒み

 〇当院で4件目の受診

それでは初診時の状態です。

まずは顔の側面から。

つづいて、体幹の側面(右側)です。

腹~胸部の側面の毛をかきあげて、どれほど掻いて毛がなくなっているかを撮影してみると、

地肌がみえているため、かなり強く掻いているのがわかります。

続いて、後足側面です。

こういったわんちゃんにアポキルを処方すると・・・

※写真をクリックすると拡大してみることができます。

随分とよくなります。

しかし・・・

十分に効かない部位が残っているのがわかります。

アポキルを毎日3ヶ月以上服用しても「痒みが強い」という症状のままです。

実は原因はわかっています。

そのため「〇〇〇すれば効くようになりますよ!」とあることをします。

すると、4週間後・・・

かきむしっていたのが随分と落ち着き、掻き壊すこともなくなってきました。

アポキルの投与量や、投与回数は一切変更せず痒みの改善が認められました。

今回の治療症例のポイントは、

①アポキルの投与により痒みが激減した部位は確かにある(顔)

②アポキルでまったく効いていない部位もある(胸・お腹)

③アポキルが効かないわけではない(顔は効いている)

④痒みのすべてが1つの原因で起きているとは限らない

⑤別の問題点が隠されていることに気づかなければいけない

⑥アポキルの量や回数の問題ではない

でしょうか。

そして最も大事なことは、「診た瞬間に、アポキルが効くけど、アポキルだけでは無理。工夫が必要。」と判断できることですね。

※では今回の症例でなぜ3ヶ月やらなかったのか?ですが、実はこのわんちゃんの痒みは再発です。
初回の治療ではアポキルと工夫の治療をやって効いたのですが、飼主さまの強い強い希望で工夫治療は終了になりました。
「再発しますよ」とはお伝えしたのですが、やはり「完治した」と思うほどの結果でしたので、終了になってしまうことはゼロではありません。
そして再発時の初期治療にはその工夫は含まれず、しばらく苦戦し・・・・という流れでした。
しかし今回の件により、飼主さまにも「本当に何が必要になっているのか」はよく伝わったかと思います。
そういう意味では「小出しにする」という治療プランは価値があると思います。

※※※※※※※※※

当院では今年から新しい活動として、専門分野を持たない個人動物病院向けに診療サポートを行っています。

スキンケア商品、サプリメントの共用や、症例報告からの治療成績向上を目的としています。

業務提携にご興味のある方はお問い合わせください。

四季の森どうぶつクリニック
平川

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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