2019.02.01
アポキルとステロイドが効かない柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルが効かない柴犬の皮膚病は多いですね。
効かないというより、「効かない理由を治療する」といった方がよりベターかと思います。
今回の症例は、「柴犬のアポキルが効かない典型疾患」の症例報告です。
【症例】
柴犬 3歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後半年前から続く痒み
〇3年間ですっきりとよくなったことはない
〇季節性は多少あり、夏は悪化しやすい
〇アポキルを1日1回2年間、欠かさず継続服用しているが痒みが悪化している
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部です。
続いて、胸部です。
続いて、腹部です。
続いて、内股です。
続いて、胸部を側面からみて拡大したところです。
続いて、右後肢の側面です。
それでは初診時からちょうど2か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
劇的な改善ですね。
気になる痒みはほぼゼロと言っていい状態です。
今回はアポキルを処方せず代わりにシクロスポリンを採用しましたが、そのシクロスポリンも完全休薬としました。
1年通してみたとき、本当の意味でアポキルもシクロスポリンもゼロでということではないと考えていますが、痒みがゼロであれば服用する意味もないため、一旦休薬としています。
ではアポキルが効かないときはシクロスポリンに変更すれば効果が出るのか?と言えば異なります。
今回の症例はアポキルだから効かなかった、シクロスポリンだから効いたではありません。
アポキルとシクロスポリンには適応に若干の差がありますが、基本似ているため、変更で効くというのは特殊な皮膚病タイプのみと考えています。
大事なポイントは、シクロスポリン以外の投薬治療法と考えています。
この併用した治療があれば、多少時間の差はあれアポキルでも同様の劇的な改善があったと思われます。
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