2018.06.04
トイプードルのアトピー・アレルギーなど、アポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院の高い治療成績を支えるの特徴の1つは「心因性の診断と治療」と考えています。
というのも心因性は数値化できる検査がないため、今の皮膚科診療から置き去りにされており、治療成績に差が出る原因疾患の一つになっています。
逆にいうと、この心因性掻痒症に取り組むことで治療成績は飛躍的に向上します。
今日紹介する症例はそんな典型的な心因性掻痒症のトイプードルのわんちゃんです。
【症例】
トイプードル 4歳半 女の子
【経過】
〇1歳のころから痒み発症
〇季節性はない
〇ステロイドは少しだけ効果あり
〇シクロスポリンによる改善効果はなかった
〇一番痒みは足の裏を舐める(手舐め、足舐め)、2番目は腕を噛む&舐める
〇鼻回りの痒み、目の痒み、耳はたまに
〇背中も噛む
〇食物アレルギー対策として病院療法食での食事療法継続中
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部~前肢です。
続いて、右前肢の腕の内側です。
続いて、左前肢の腕の内側です。
続いて、右前肢端です。
続いて、右前肢端です。
続いて、背中です。
同じく背中のよく噛んでいる部位の拡大です。
続いて、後足の裏、左右です。
それでは初診時から約2か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
この写真では大きな変化がないように見えますね。
続いて、右前肢です。
元々赤みがつよくなかっためこの右前肢も変化はわかりにくいかもしれません。
続いて左前肢です。
この左前肢は赤みもなくなり、毛並みもよくなったのがわかると思います。
続いて、背中のその拡大です。
写真ではわかりにくいですが、噛みちぎって毛並みがわるかったものがきれいになりました。
もちろん背中の痒みはゼロになりました。
最後に両後肢に裏です。
綺麗に改善しました。
当院の症例の中では「見た目は重症ではない」のですが、ステロイドや免疫抑制剤を使用して改善しないというのは難治性の部類に入ると思います。
心因性の搔痒にはステロイド、アポキル、免疫抑制剤(シクロスポリン)といった一般的な皮膚科の治療薬での反応が悪く、心因性への直接的な投薬治療をしなければ改善しないままです。
もちろん心因性の痒みだけしかないわけではないため、治療は複数のアプローチを併用は必要です。
肝心の心因性に対する治療ですが、一つは当院が開発したリラックス系(心因性・癖対策)のサプリメント、ヒーリングケアLFプラスです。
初診時にアポキルとこのヒーリングケアLFプラスを処方しただけですが、2回目の診察までには痒みの大半は消失していました。
そしてアポキルとヒーリングケアLFプラスの2つで抑え切れなかった痒みに追加(初診時にすでに伝えていた予定通り)の処方を行い、ほぼすべての痒みが消失しています。
当院の症例報告で時々でてくるこのヒーリングケアLFプラスですが、アポキルとの相性が非常にいいです。
特にトイプードル、マルチーズ、ヨーキー、ポメラニアン、シーズー、チワワなどの小型犬腫の手舐め・足舐め・腕噛み・腰噛みにはかなり効果的です。
アポキルが多少きくけど、残った痒みに何かプラスというときにお勧めです。
このヒーリングケアLFプラスにはアトピーやアレルギーの緩和、免疫系への強化というメリットもあるため、毎日使うことでアポキルを減らすことができるわんちゃんはかなりいるのではないかと思います。
今回紹介したトイプードルのわんちゃんでもアポキルを併用しましたが、今は週2~3回の頓服的服用でほぼ痒みは落ち着いています。
適切な診断・投薬治療の上での使用をお勧めしていますので、お困りの方はぜひ当院を受診してください。
紹介したヒーリングケアLFプラスは当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2017.11.27
トイプードルのアトピー・アレルギーなど、手舐め・足舐めの治療で高い治療成績を残している四季の森どうぶつクリニックです。
先日は脂漏性マラセチア性皮膚炎のトイプードルを紹介しましたが、今日は異なるタイプの症例報告です。
トイプードルはシーズーやフレンチブルドッグよりも多彩な表現形をもった遺伝的素因をもっていますので、「トイプードルのどのタイプか?」を診極めなければいけません。
今日紹介するタイプもかなり非常に多く、世間では難治性皮膚炎であてはまる症例です。
【症例】
6歳 トイプードル 女の子(避妊手術済み)
【経過】
〇1年前からつづくかゆみ・赤み・脱毛
〇足先の痒み、口唇の痒み
〇手作り食事療法で改善しない
〇皮膚科を受診するも「特に問題ない」で治療プランは提案されず
それでは初診時の状態です。
まずは口唇です。
続いて前肢端。
この初診時から7週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
赤み・フケもなくなり、毛並みもよくなりました。
肝心の痒みもほぼなし、手をなめなくなったということです。
症状の改善に7週間かかったわけではなく、症状は治療8日後の2回目の診察時にはほぼ消失していました。
現在は痒み止めのアポキルを半分に減らしても全くぶりかえすことがなく、頓服服用という治療レベルに到達しました。
今回の症例の治療で非常に有効だったのが当院のサプリメント「ヒーリングケアLFプラス」です。
トイプードルやシーズー、チワワ、ポメラニアン、ヨーキー、ダックスフンドなどの犬種と特に相性がいいです。
このヒーリングケアLFプラスは当院オンラインショップでお買い求めいただけます。
また提携している以下の動物病院でも診察の上、処方を受けることが可能です。
京都市 よこた動物診療室
静岡市 あん動物病院
投稿者:
2017.11.26
トイプードルのアトピー・アレルギーや脂漏症の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
この1週間は大阪の学会参加、京都での遠隔診療と仕事を詰め込みすぎてブログ更新が滞ってしまいました。
遠隔診療については色々報告したいこともあるので、また改めて記事にしたいと思います。
今日はトイプードルの皮膚病治療の症例報告です。
【症例】
4歳 トイプードル
【経過】
〇1年前から継続する痒み
それでは初診時の状態です。
薬浴治療のために初診時に毛をカットしたため、全身カット後の状態を紹介します。
まずは全体像。
続いて、頸部とその拡大。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
続いて、胸~腹部。
続いて、右膝の内側の拡大。
続いて、左内股の拡大。
脛~カカトの拡大。
それでは初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
もちろん毛が生えていますが、毛並みのよさ、そして毛をかきわけた皮膚コンディションの比較に注目してください。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
臭い、フケ、痒みともにほぼパーフェクトの改善が認められました。
トイプードルの皮膚病がみなこのタイプではありませんが、トイプードルの体質の1つとして非常に多い典型例といえます。
治療は非常に簡単でシンプルなアプローチで、投薬治療・スキンケア・サプリメントです。
スキンケアで重要なのはオイルとシャンプー、長期的な体質改善のためにはサプリメントがかなり効果的だと実感しています。
今日紹介したわんちゃんもすでに治療経過半年ほどすぎていますが、投薬治療を減らしつつもぶり返しにくい体質になっています。
当院で開発したスキンケア商品とサプリメントはオンラインショップでもお買い求めいただけます。
院内での薬浴で短期間で改善しますが、メールと写真で継続治療する遠隔診療でも十分改善できるタイプです。
お困りのわんちゃんはご相談ください。
なお、アレルゲン対策としての食事療法は行っておりません。
投稿者:
2017.10.14
トイプードルの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ちょうど1ヶ月前にトイプードルの皮膚病で「以前の病院で原因不明と言われた」というわんちゃんについて記事を書きました。
「治療後にこれだけよくなりました」ではなく、「今日来院されて、今日から治療します」という症例紹介でした。
9月15日にUPしたブログ記事 【0.1秒の診極め】原因不明の痒み
心因性と診断し、2週間後、4週間後(先日)と受診していただき、予測通りの改善をみとめましたので治療後を紹介します。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
局所であるため、その拡大も比較して見ましょう。
右半身の大腿部外側にも同じような病変がありましたので、その比較も紹介します。
ガジガジとかじっていたため、局所的に毛がなくなっていましたが、4週間でほぼ100%の毛並みに戻りました。
前回の記事で書いたように診断は「心因性の痒み」です。
診断のための有効な検査は一切無く、「経験」だけです。
今回治療比較が4週間後の写真になっていますが、2週間後はどうだったのか?というと、ここが意外と興味深いポイントです。
実は2週間後の時点で飼主さまはこうおっしゃっていました。
「特にかわらず痒そう」
ただ、僕の診た目での診断は
「よくなってます。診断は心因性、方向性は変えず1種類お薬を増やしましょう」
でした。
その次の3回目の診察が上の写真の通りで、明らかな改善が認められています。
ポイントは3つ、
①初診時の診断
原因が心因性の場合、その他の治療アプローチでの改善はほぼ見込めません。治療方針のブレをさけるためにも初診時に把握するのがベストです。
②押し切る治療方針
飼主さまの見ていることと、獣医師が診察で診なければいけないポイントが必ずしも一致するとは限りません。そして治療方針が合っていることと、飼主さまの評価がリンクするとも限りません。
飼主さまの「よくなっていない」という判断は一つの評価として受け止めますが、診るべきポイントを押さえると「改善している」と評価することは可能です。ブレてはいけません。
③微調整の手段を準備しておくこと
今回は初診時にすでに「再診時に改善が不十分だったときの次のプラン」を用意していました。その改善のための治療プランが初診時の治療アプローチの変更ではなく、「追加治療」であることが初診時にわかっていることがとても重要です。
基本的で簡単なようですが、本当はかなり大変です。
それでは今回の治療で必須のサプリメントを紹介します。
です。
トイプードル、シーズー、ヨークシャーテリア、ダックスなどのわんちゃんで非常によく使っています。
こちらの商品は以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2017.09.15
トイプードルの痒みの診断・治療に力を入れている犬の皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日紹介するのは本日来院されたばかりのわんちゃんのため、治療後の比較写真はありません。
実際よくなるかどうかは別ですが、診断が非常に早かったのでご紹介しようと思います。
【症例】
トイプードル 1歳弱 女の子
【経過】
〇3ヶ月前から繰り返すかゆみ
〇他院受診するも「原因不明」
〇抗生物質とステロイドで緩和されるも、投薬中止でぶり返す
〇処方&再発を繰り返したため、原因追及のために当院受診
それでは今日の初診の状態を紹介します。
一見普通のトイプードルちゃんですね。
早速痒みがでている部位をみてみましょう。
この上の写真では主に3つの部位が痒みをだしています。
2箇所は腹部の側面、脱毛している?ようにみえる部位です。
拡大してみましょう。
上の写真で2箇所脱毛してる?ようにみえる場所がわかりますか?
そのうちの1箇所を拡大してみましょう。
かなり集中的にかじっているため、地肌がみえています。
もう1箇所は右後ろ足の側面、太もも~膝~アキレス付近を広範囲にかじっています。
拡大してみましょう。
見慣れていないとわかりにくいですが、まわりの毛よりもみじかくなっているため、相当は範囲をかじっているのがわかります。
それでは反対の右半身をみてみましょう。
左半身と異なり、最近になって1箇所痒がるようになったそうです。
まずは痒みの強い左半身の2箇所の病変部と同じような部位を拡大してみましょう。
まったく何もありません。
それでは右半身の痒みが強い部位を拡大してみましょう。
ここだけ集中的にかじっているのがわかります。
一応顕微鏡で菌がいないか、寄生虫がいないか・・・とみますが、実は検査をするころには診断は決まっていました。
そう、「心因性」です。
心因性の診断を下すポイントになったのは各種検査ではなく、診察室でわんちゃんに近づいたときに見せたわずかなリアクションがきっかけです。
その0.1秒ほどのわずかなリアクションで「あ、この子の性格は心因性の掻痒を引き起こすタイプだ」と確信できました。
もちろん皮膚をよくみることでも心因性の特徴が数多くでていますので、診断は非常に簡単です。
カルテ情報をみて、飼主さまからお話をきいて、わんちゃんをチラッとみて・・・心因性の診断はここでほぼきまります。
簡単とはいいましたが、心因性の診断には根拠がありません。
あえていうなら「根拠は経験値」、検査がないがゆえに経験で判断するしかありません。
正しいかどうかの判定は難しいのですが、きっと改善すると思います。
参考までにこういった症例には3つほどの治療プランを提案するのですが、そのうちの1つが最も重要なヒーリングケアLFプラスです。
あと2種類は症状にあわせて併用しながらコントロールしていきます。
トイプードルやシーズーには非常に相性がいいため、きっといい結果がでると思います。
オンラインショップでお買い求めできますので、同じような症状の方はぜひお試しください。
投稿者:
2015.09.01
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
今日は晴れたり大雨だったり・・・天候の急変が多い1日でしたね。
最近はかなりこまめにブログを書いていますので、ぜひ以前の記事もみてください。
さて、今日は「名前は知っているけど診断し難い&治し難い」という皮膚病です。
症例はトイ・プードルです。
痒みとして目立つ部位の一つは背中です。
少しわかり難いので、赤い枠で記します。
拡大してみましょう。
この部位だけ被毛が短くなっているのがわかると思います。
何度もかじることでその部位だけ毛が短くなっています(毛が抜けているわけではない)。
続いて、右側です。
同じように赤い枠で記します。
2箇所をそれぞれ拡大しましょう。
続いて、左側です。
少し拡大してみます。
痒い部位を記してみます。
それでは初診時から1ヵ月後です。
それぞれ画像をクリックすると拡大することができます。
痒みもほとんどなくなり、均一な毛並みにもどっています。
さて、初診時に僕が下した答えは・・・・・・・・・・・「心因性皮膚病」です。
心因性皮膚病、これは精神的な問題で痒み行動を引き起こすという皮膚病です。
アレルギーでもなく、菌でもなく、寄生虫でもなく、ホルモン疾患でもありません。
客観的な検査方法もなく、明確な診断基準もありません。
また、心因性にはホルモン疾患、寄生虫疾患、細菌性皮膚炎などのように、皮膚そのもに特徴的な診た目があるわけでもありません。
典型的な場所であればまだわかりやすいこともなるのですが、今回の症例は典型的な場所ではありませんでした。
ではどのように診断するのか?
基本的なことですが、話を聞く、わんちゃんの行動をよくみる、皮膚をよくみる・・・・・たったこれだけです。
診察室に入り話をききながら、わんちゃんの動作を見る、皮膚をみる・・・15分くらいあれば頭の中には「心因性」という言葉が最上位にきます。
あとはその他の疾患を除外しながらアプローチします。
実は心因性皮膚病を診断するために、あと一つ大事なポイントがあります。
それは検査でも、診た目でもなく・・・・・・積極的な診療をしていくとだんだんとつかめてくることです。
逆に消極的な診療ばかりしていると、なんとなく診落とされがちで「癖?」とされていたりします。
「アグレッシブに美しく」
皮膚病は初診時の診極めが最も重要で、今回も確信をもってアプローチできました。
投稿者:
2015.03.01
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
3月、暖かくなってきて春を感じさせる日々ですね!
今日は「犬にも精神的な皮膚病がある」というお話です。
あらかじめお話しておきますが、一概に「ストレスが原因です」というわけではありません。
わんこにはわんこなりに考えることもあるでしょうから、こういった皮膚病が実際にあります。
【症例】
トイプードル
【病歴】
〇今までステロイドで2~3ヶ月かけて痒みを抑えていたが、何度も再発していた
〇今回は治りが悪い
一見皮膚病があるようには見えませんね。
痒みがある部位をみてみましょう。
まずは右前肢、全体的になめるということでした。
続いて、左前肢の状態です。
赤みが少ないため皮膚病っぽさがありませんが、わんちゃんが頻繁にかじっているため被毛が短く毛並みが悪くなっています。
ここから2~3ヵ月後と比較してみましょう。
左が初診時、右が治療後
※画像をクリックすると拡大できます。
左が初診時、右が治療後
※画像をクリックすると拡大できます。
自分でかじってしまう症状が改善されたため、毛並みがとてもきれいになっています。
大事なポイントは「初診時に心因性であることに気づくこと」です。
言葉も通じない犬の心因性の皮膚病は何を根拠に診断するのか?という疑問は僕もなくはありませんが、答えは「直感」です。
今回も初診時の飼主さまとの会話で10~15分くらいでなんとなく「心因性かな?」という感じがしました。
もちろんそうではないことも考えるので、さまざまなパターンを候補に頭に描きつつ・・・ですが、「まず心因性だろう」というイメージをもって治療計画をたてます。
治療薬としては数種類選択肢があり、どのわんちゃんがどの薬に反応するかはわからないので2週間後に変えることもあるのですが、今回は最初に選んだサプリメントで著しい改善が認められました。
もちろん当院受診まで使用していたステロイドは一切服用せず、長期間のステロイドで認められた血液検査の肝臓の異常値もほぼ綺麗に改善しました。
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