2015.03.01
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
3月、暖かくなってきて春を感じさせる日々ですね!
今日は「犬にも精神的な皮膚病がある」というお話です。
あらかじめお話しておきますが、一概に「ストレスが原因です」というわけではありません。
わんこにはわんこなりに考えることもあるでしょうから、こういった皮膚病が実際にあります。
【症例】
トイプードル
【病歴】
〇今までステロイドで2~3ヶ月かけて痒みを抑えていたが、何度も再発していた
〇今回は治りが悪い
一見皮膚病があるようには見えませんね。
痒みがある部位をみてみましょう。
まずは右前肢、全体的になめるということでした。
続いて、左前肢の状態です。
赤みが少ないため皮膚病っぽさがありませんが、わんちゃんが頻繁にかじっているため被毛が短く毛並みが悪くなっています。
ここから2~3ヵ月後と比較してみましょう。
左が初診時、右が治療後
※画像をクリックすると拡大できます。
左が初診時、右が治療後
※画像をクリックすると拡大できます。
自分でかじってしまう症状が改善されたため、毛並みがとてもきれいになっています。
大事なポイントは「初診時に心因性であることに気づくこと」です。
言葉も通じない犬の心因性の皮膚病は何を根拠に診断するのか?という疑問は僕もなくはありませんが、答えは「直感」です。
今回も初診時の飼主さまとの会話で10~15分くらいでなんとなく「心因性かな?」という感じがしました。
もちろんそうではないことも考えるので、さまざまなパターンを候補に頭に描きつつ・・・ですが、「まず心因性だろう」というイメージをもって治療計画をたてます。
治療薬としては数種類選択肢があり、どのわんちゃんがどの薬に反応するかはわからないので2週間後に変えることもあるのですが、今回は最初に選んだサプリメントで著しい改善が認められました。
もちろん当院受診まで使用していたステロイドは一切服用せず、長期間のステロイドで認められた血液検査の肝臓の異常値もほぼ綺麗に改善しました。
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