2017.09.15
トイプードルの痒みの診断・治療に力を入れている犬の皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日紹介するのは本日来院されたばかりのわんちゃんのため、治療後の比較写真はありません。
実際よくなるかどうかは別ですが、診断が非常に早かったのでご紹介しようと思います。
【症例】
トイプードル 1歳弱 女の子
【経過】
〇3ヶ月前から繰り返すかゆみ
〇他院受診するも「原因不明」
〇抗生物質とステロイドで緩和されるも、投薬中止でぶり返す
〇処方&再発を繰り返したため、原因追及のために当院受診
それでは今日の初診の状態を紹介します。
一見普通のトイプードルちゃんですね。
早速痒みがでている部位をみてみましょう。
この上の写真では主に3つの部位が痒みをだしています。
2箇所は腹部の側面、脱毛している?ようにみえる部位です。
拡大してみましょう。
上の写真で2箇所脱毛してる?ようにみえる場所がわかりますか?
そのうちの1箇所を拡大してみましょう。
かなり集中的にかじっているため、地肌がみえています。
もう1箇所は右後ろ足の側面、太もも~膝~アキレス付近を広範囲にかじっています。
拡大してみましょう。
見慣れていないとわかりにくいですが、まわりの毛よりもみじかくなっているため、相当は範囲をかじっているのがわかります。
それでは反対の右半身をみてみましょう。
左半身と異なり、最近になって1箇所痒がるようになったそうです。
まずは痒みの強い左半身の2箇所の病変部と同じような部位を拡大してみましょう。
まったく何もありません。
それでは右半身の痒みが強い部位を拡大してみましょう。
ここだけ集中的にかじっているのがわかります。
一応顕微鏡で菌がいないか、寄生虫がいないか・・・とみますが、実は検査をするころには診断は決まっていました。
そう、「心因性」です。
心因性の診断を下すポイントになったのは各種検査ではなく、診察室でわんちゃんに近づいたときに見せたわずかなリアクションがきっかけです。
その0.1秒ほどのわずかなリアクションで「あ、この子の性格は心因性の掻痒を引き起こすタイプだ」と確信できました。
もちろん皮膚をよくみることでも心因性の特徴が数多くでていますので、診断は非常に簡単です。
カルテ情報をみて、飼主さまからお話をきいて、わんちゃんをチラッとみて・・・心因性の診断はここでほぼきまります。
簡単とはいいましたが、心因性の診断には根拠がありません。
あえていうなら「根拠は経験値」、検査がないがゆえに経験で判断するしかありません。
正しいかどうかの判定は難しいのですが、きっと改善すると思います。
参考までにこういった症例には3つほどの治療プランを提案するのですが、そのうちの1つが最も重要なヒーリングケアLFプラスです。
あと2種類は症状にあわせて併用しながらコントロールしていきます。
トイプードルやシーズーには非常に相性がいいため、きっといい結果がでると思います。
オンラインショップでお買い求めできますので、同じような症状の方はぜひお試しください。
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