症例別

【犬の舐め癖の治療法】「舐める=痒い」とは限らない

2019.05.10

手を舐める、足を舐めるなど身体の一部を執着してなめることによって起きる皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

犬の皮膚科をしていると、「舐める」という症状をよく診ます。

痒いから舐めていることもありますが、痒みと関係なく舐めているわんちゃんも多くいます。

痒みから舐めている場合は痒みを抑えればいいのですが、痒みと関係なく舐めていれば痒み治療ではまったくうまくいきません。

今回はそんな「痒いではない舐め癖」のわんちゃんです。

【症例】

 マルチーズ 4歳 男の子(去勢済)

【経過】

〇元々臍ヘルニア(デベソ)があり、気にして舐めていた

〇しつこく舐めることでヘルニアの袋部分が破れてしまい、手術で縫合整復

〇術後も舐め癖はつづき、臍に裂開部分あり

〇アポキル服用するもあまり効果がなかった

 

それでは初診時の状態です。

 

次は臍(へそ)の拡大です。

穴が開いています。

おそらく臍ヘルニアを舐めすぎて破裂した後、手術で整復&縫合するも術後に舐めすぎで一部離開してしまったと思われます。

舐め続けたことでずっと穴が開いている状態が続いているのでしょう。

 

非常につよい舐め癖があり、胸~内股にかけてほとんど毛がありません。

ここから8週間後の状態と比較してみましょう。

ほとんど舐めなくなり、毛も再生していますし、皮膚コンディションもかなり改善しています。

臍の皮膚裂開部分も完全に閉じることができています。

 

この症例では「腹部を舐める」という症状が非常に強いのですが、痒くて舐めていたわけではありません。

そのため痒み止め「アポキル」では十分な改善ができません。

こういった症例には心因性のアプローチ(投薬&サプリメント)が重要になってきます。

サプリメントとしては今年当院で開発した「パーソナルケアPⅡ+」がお勧めで、今回の治療症例でも併用しています。

今まで「舐め癖」は仕方がないと言われていた部分もありますが、当院では皮膚トラブルにつながる過剰な舐め癖は治療対象としてみています。

また投薬&サプリメントを長期継続することで十分改善可能と考えています。

 

パーソナルケアPⅡ+は以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【パピヨンの皮膚科専門外来】掻く・舐める・齧るは痒い???

2019.04.26

パピヨンの痒みを伴うアトピー・アレルギー・心因性の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

パピヨンは湿疹・脂漏症の体質がひどくでないため、あまり難治性というイメージはないのですが、小型犬ゆえに「心因性」というのが起きやすく、アトピーと心因性が同時にあると難治性になる傾向があります。

【症例】

 パピヨン 2歳半 女の子(避妊手術済)

【経過】

〇1歳前から皮膚コンディション&毛並みが悪い

〇1歳くらいから全体的に脂っぽい体質になり、痒み発症

〇顔・耳・お腹を掻く、手先をなめる、膝~スネを噛む

それでは初診時の状態をみてみましょう。

 

続いて、頚部です。

 

続いて、胸部です。

続いて、身体の右側面です。

続いて、右後足の側面です。

 

それでは初診時から2か月半後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

 

 

掻く・舐める・齧る・嚙むといった痒み症状はすべて消失しました。

毛並み全体がべたっと脂漏症になっていましたが、サラサラの毛並みに戻りました。

また齧り過ぎて毛がなくなっていた部分(右後足・外側)もきれいな毛並みがもどってきています。

 

こういった症例はアポキルやプレドニゾロンでは十分な改善に至らないため、積極的な心因性アプローチがお勧めです。

投薬治療もそうですが、ヒーリングケアLFプラスを併用することで少ないお薬で高い効果を導き出すことが期待できます。

長期続けることでお薬を減らすことも診察ではできているので、サプリメントを併用しながら治療するのがベターです。

また脂漏症にはクレンジング&シャンプーといったスキンケアも非常にいいのですが、根本的な体質改善にはサプリメント「スキンケアECプラス」が非常にいいです。

今回のパピヨンの症例には、

 ・クレンジングオイル

 ・シャンプー

 ・モイストクレンジングオイルジェル

 ・スキンケアECプラス(アトピー&脂漏体質の改善)

 ・ヒーリングケアLFプラス(心因性対策)

の5点を使っています。

投薬治療も併用していますが、一般的な痒み治療薬であるアポキルは3日に1回レベルで十分コントロールできています。

犬の皮膚病治療のために開発したスキンケアおよびサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

こういった心因性にはヒーリングケアLFプラス、パーソナルケアPⅡ+のどちらかがお勧めですが、パピヨンで軽症であればヒーリングケアLFプラスがいいかと考えています。

柴犬・フレンチブルドッグ・シーズーはパーソナルケアPⅡ+をお勧めしています。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【トイプードルの皮膚科専門外来】舐め癖&掻き壊し

2019.04.25

アポキル・ステロイドといった痒み止めのお薬が効かない舐める・掻くといった皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

トイプードルはアトピー、脂漏症、ホルモン異常の他にも心因性の皮膚トラブルが多いなど、かなり難治性になる場合があります。

今回は一見重度ではないのですが、特徴的な皮膚病で同じような症状のわんちゃんの飼主さまには知ってほしいことなので紹介します。

 

【症例】

 トイプードル 4歳 女の子(避妊手術済)

【経過】

〇生後4歳(約半年前)にブリーダーから譲渡

〇引き取ってこの半年ずっと皮膚トラブルがある

〇痒みは「前胸を舐める」「陰部を舐める」「背中を真っ赤になるまで掻く」「顔をこする」「前肢端を舐める」

それでは初診時の状態を紹介します。

続いて、頚部~前胸部です。

 

続いて、左前腕の屈曲部位です。

続いて、胸部とその拡大です。

 

 

続いて、この胸の部位の毛をカットした後の状態です。

 

続いて、背中と皮膚炎の局所拡大です。

背中全体をみると一見なにもないようにみえますが、たった1か所だけ非常に炎症の強い部位があります。

この半年間、背中ではこの1か所だけをずっと掻いているそうです。

背中の他の部位にこの赤み、ないし痒みがでたことはないそうです。

 

 

初診時から2週間後の状態です。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

舐め癖がつよく、真っ赤&脱毛していた部位ですが、舐めるのがとまったため、赤みもなくなり発毛しています。

 

左前腕の内側(屈曲部)ですが、同じく舐め動作がなくなったので皮膚炎が消失しました。

 

この部位には部分的に「感染」があり、心因性である舐め癖と感染の炎症の2種類が混在しています。

 

舐める・掻くといった症状はほぼゼロになりました。

写真は掲載していませんが、背中の皮膚炎&痒みもゼロになりました。

 

 

今回の症例のポイントです。

①舐め癖が強い

四肢端を舐める症状もですが、前胸部をずっなめるという行動は非常にめずらしく、一般的な痒み行動ではありません。

②同じ部位を掻き続ける

背中ですが、広い範囲でみると一見皮膚病変はありませんが、1か所だけ掻き壊して真っ赤になっています。

このように「ピンポイント」で皮膚炎が起きつづけているのも心因性の特徴の1つです。

③痒み以外にも特徴的な行動が多い

これは診察室での表情や動き(行動)をよく観察すればかなりの確率で診断できます。

また日常の行動について飼主さまからお話をきくことで、同じく推測できます。

皮膚病治療だからといって、皮膚の診た目と検査で診断治療するのではなく、そのわんちゃんの「行動」をよく観察することが重要です。

 

こういった症例には感染症の除外のために積極的なスキンケアと、心因性へのアプローチが必要です。

もちろん当院が開発したスキンケア&サプリメントが非常に有効です。

適切な診断&治療とともに【医療にプラスのケア】痒みケアスターターセットをご使用いただければ非常に効果的です。

このタイプはスキンケア単独では絶対によくならないため、スキンケアECプラスとパーソナルケアPⅡ+が非常にお勧めです。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【犬の舐め癖専門外来】手舐め・足舐め・内股舐め

2019.04.22

シーズーの手舐め・足舐め・内股舐めなど痒みを伴う皮膚炎治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

手をしつこく舐める、足を舐めだしたら止まらない、暇があると内股を舐める・・・など「舐める」という症状が強くでる皮膚病があります。

アポキルやステロイド、食事療法、アレルギー治療などでの改善が難しく、今の皮膚科では難治性として扱われています。

特にシーズーに多く診らえる傾向があります。

今日はそんな症例です。

【症例】

 キャバリア×マルチーズMIX 4歳 男の子(去勢済み)

※シーズーではないのですが、遺伝的体質がほぼシーズーに近いためこのカテゴリに分類しています。

【経過】

〇1年前から手を舐める&噛む、毛をひっぱる

〇2ヵ月前からは後足や内股までなめるようになった

〇季節性はない

〇アポキルを1日2回服用しても効果がない

〇食事療法併用しているが、改善しない

それでは初診時の状態です。

続いて、口唇(右側)です。

 

続いて、前肢端です。

続いて、前腕です。

※皮膚炎があるのは腕の曲がる部位(屈曲部)です。

その拡大です。

続いて、内股~後肢です。

 

 

 

それでは初診時から5週間後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。

 

 

 

 

 

非常に綺麗になりました。

口唇、腕、四肢端、内股の痒みはほぼゼロに近いです。

当院でもアポキルを併用しましたが、1日2回ではなく1日1回と少ない量で使っています。

 

ポイントを列挙します。

①アポキルは効くのか?効かないのか?

②よく見るアトピーや脂漏性マラセチア性皮膚炎と何が違うのか?

③食事療法は適切か?

④アポキル以外に必要な投薬治療は何か?

これらを初診時に同時に判定することが5週間で改善させるポイントです。

 

投薬治療があることが最も確実な治療プランですが、治療内容にスキンケア&サプリメントは非常に重要になっています。

当院が開発したスキンケア商品のMedicareシリーズと、サプリメントPlusシリーズが非常に相性があうと思います。

特にクレンジングオイル&シャンプー、スキンケアECプラス&パーソナルケアPⅡ+がお勧めです。

 

当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。

 

当院では獣医師向けにプライベートセミナーを開催しています。

今回の症例のようなアポキルが効かない舐め癖に対する診断・治療法についての詳細な解説を行います。

ご興味のある方は当院までお問い合わせください。

≪セミナー申し込みはこちら≫

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【痒い?or 癖?】犬の皮膚病に新しいアプローチ「性格」

2019.04.09

犬の舐め癖・掻き壊しと言ったアポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

手を舐める、足を舐めるといった指間・足裏の痒い皮膚病がときに「癖」と言われていることがあります。

「本当に痒いのか?癖なのでは?」

特にフレンチブルドッグ・シーズー・トイプードルに多く、その他マルチーズなどの小型犬や柴犬で多くみます。

特徴の一つとして、今の標準的な皮膚科治療である「食事療法」「スキンケア」「アポキル(痒み止め)」では中々改善しないことです。

「癖」以外にも改善しにくい皮膚病として、皮膚炎がないのに急に出血・傷になるくらい掻いてしまう「掻き壊し」タイプのわんちゃんもめずらしくありません。

「そんなに痒いの??」

犬種としてはやはりフレンチブルドッグ、柴犬に極端に多い傾向があり、同じく「食事療法」「スキンケア」「アポキル(痒み止め)」では中々コントロールできず、エリザベスカラーや洋服で防ぐ以外難しいという症例によく遭遇しています。

 

本当に痒いの?

→痒みであればアポキル(痒み止め)で改善すると思います。

 

そんなに痒いの?

→ずっと掻いていないのであれば、そこまで痒くないのだと思います。

 

「癖」や「やりすぎ」の痒み症状による皮膚病は確かにあります。

こういった皮膚病の原因の一つとして「心因性」という視点があり、当院ではこの心因性に積極的にアプローチしてきました。

投薬治療としては「ストレス障害対策として抗不安薬」、サプリメントとしては「ストレス対策としてヒーリングケアLFプラス」が相当します。

確かにこの治療法でかなりのわんちゃんが改善しますが、ストレス対策では改善しないわんちゃんもいますし、本当に「ストレスが原因なのか?」と思うシーンもあります。

そこでこの1年は「ストレスではない性格による皮膚病」と視点を変えて治療方針を立てることで新しい治療ができるようになったと感じています。

【症例】

 チャイクレ

【経過】

 〇約5年前から当院受診

 〇約2年前まで抗不安薬でほぼコントロール済

 〇家族構成の変化により治療成績低下

それでは再発するようになったときの写真です。

 

 

右前腕(手首の少し上)を舐め続けることでびらん・潰瘍になっています。

以前は抗不安薬・ヒーリングケアLFプラスでずっとコントロールできていたのですが、家族構成の変化によりぶり返してしまい、最近はずっとコントロール不能になっていました。

そこで「ストレス対策」から「癖」という視点に切り替えて治療内容を変えてみました。

半年以上ぶりに綺麗に改善し、今のところ再発なしです。

被毛が茶色ではなくなっていることが、短期的な改善ではなく長期間舐めていないことの証明でもあります。

「ストレスで舐めている?」という視点ではなく、「癖」「性格」という視点でアプローチしたのが奏功しています。

投薬治療もそうですが、このタイプにはサプリメントも非常に有効だと思います。

ようやく完成した「パーソナルケアPⅡ+」です。

正直なところ癖や性格が薬やサプリメントで変わるのか?という意見が大半かと思いますが、

今見つかっていない答えは想定外にある

きっと5年後10年後にはスタンダードになるでしょう。

柴犬の掻き壊し、フレンチの舐め癖&掻き壊し、シーズーの舐め癖には非常にいいだろうと期待しています。

 

今「性格」「癖」に対する新しい治療について、世界初の症例報告を執筆中です。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【柴犬の皮膚科専門診療】アポキルとステロイドが効かない痒み

2019.03.31

アポキルが効かない柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

柴犬の皮膚病治療は難しいですね。

「難しい」と一言にしても色々意味があって、

①掻く・舐める・嚙むの原因、皮膚炎の原因がわからない(診断できない)

②柴犬が治療を受け入れてくれない

③治療方針に対して、飼主の理解が得られにくい

④体質に合う薬・体質改善方法がわからない

などがあります。

今回は柴犬の難治性が色々詰まった症例です。

 

【症例】2272

 柴犬

【経過】

 〇アポキルが効かない

 〇ステロイドが効かない

 〇ずっと掻いている

 〇食事療法で改善しない

まずは初診時の状態です。

まずは顔から。






続いて、左胸部(脇)を側面からみたところです。

 

それでは治療後の状態と比較してみましょう。






非常に綺麗になりました。

見た目の重症度が高くないためBefare&Afterでみれば一瞬にみえますが、実際は相当苦労しました。

 

まずは①原因がわからない(診断できない)についてから。

もちろん当院で原因がわからないということはほとんどなくて、「検査でわかる原因はない」と言った方が適切かと思います。

このタイプは診た瞬間に治療方針はわかるのですが、実はありとあらゆる検査をしても痒みの原因と考えられる異常な検査結果が1つもでないのです。

原因というには不足ですが、局所にわずかなマラセチア・細菌が検出される程度です。

柴犬の皮膚病治療が難しい理由の1つはこれ、「原因が特定しにくい」です。

ただ、検査結果で異常がでないのはいつものことで、想定の範囲内です。

 

続いて②柴犬が治療を受け付けないについてお話します。

根本的な解決ではないのですが、このタイプにはスキンケア&局所療法をすることが痒みの緩和にそこそこ効果的なのです。

しかし柴犬は特徴的な性格が原因で、このスキンケアや局所療法が難しいことがあります。

診察のたびに局所ケアを提案しましたが、飼主さまがケガをするレベルなので結局不可能でした。

 

続いて③飼主さまの理解を得られないについて。

これは僕のインフォームドに未熟なところがあったかもしれませんが、「検査で異常所見がない」というのは飼主さまにとっては理解しにくいことかと思います。

「病院でしっかり検査したら、原因が見つかって、答え(治療法)がわかる」

これは病院を受診する飼主さまに潜在している期待レベルで、当然のことかと思います。

ただこれには獣医師とのギャップがあり、医療提供する側からしたら「それならどんな獣医師も困らない」という想いで診ています。

検査して原因が分かって、治療法がわかるものならどの病院でも検査を勧めますし、おそらく病院を変える必要はなくなります。

ただ、異常所見がないからこそ「治療は〇〇と〇〇」というのがあるのですが、そこに飼主さまとのギャップがあると治療が進まないということがあります。

良くも悪くも検査結果に異常があれば「〇〇だから治療は〇〇」とスムーズに進みますが、検査で証明できない治療方針には「本当にそうなのか?その治療方針が効果的なのか?」という疑問は信頼関係でしか払拭できません。

今回はこの③に非常に時間がかかりました。

答えとして、今回の症例には

 〇痒みを止める ⇒ アポキルやステロイド

 〇局所ケア ⇒ 不可能

 〇性格 ⇒ 心因性アプローチ

 〇体質改善 ⇒ 免疫サプリメント

 〇有害物質の排除 ⇒ 食事療法

特に下3つが「同時に」必要だったのですが、まさにこの3つが「検査結果で異常がでない」ところで伝わりにくいというのがネックでした。

例えば、食事療法です。

「食べないかもしれない」

「(過去によくなっていないのに)本当によくなるのか?」

「高い食事を勧められる」

不安要素はたくさんあると思います。

 

続いて心因性アプローチです。

「掻いているのに痒みではない?」

「心因性の薬に不安がある」

想定外の診断治療が提案されると心配になるのは当然かと思います。

 

最後は「体質改善のサプリメント」です。

「何がどう体質なのか?」

「サプリメントは気休めでは?」

アポキルやステロイドですら効かない皮膚炎にサプリメントが有効と考えるのは確かに伝わりにくいかもしれませんね。

 

何より大事なのは「全部同時にすること」です。

複数の治療方針の中から「〇〇はするけど、△△は治らなかったら考える」というように、複数の中から1つ選ぶというスタンスで臨むと治療は失敗します。

原因を1つでも残すとうまくいきません。

実は今回の治療症例は明らかに改善するにの3カ月以上かかったのですが、時間がかかったのはこういった理由がありました。

初診時にしっかり検査させていただいて以降はほとんど追加検査はなく、毎回の診察で丁寧に丁寧にお話しさせて理解を得ることができました。

 

 

まとめです。

柴犬の掻く・舐める・嚙むといった痒み症状の原因の多くは検査でみつけることはできません。

検査で異常がでないということは、治療法がかなり限定されます(痒み止めのアポキルやステロイド)。

そのためアポキルやステロイドが効かなければ今の標準医療ではかなり難治性という判断になりやすいです。

ただ、柴犬には遺伝的な体質・性格があるため、アプローチ方法はたくさんあります。

だからこそ、一つ一つ的確な対応をすれば「劇的に」改善します。

それは「検査」ではなく「経験」です。

 

投薬治療が必須ですが、こういった症例には当院のスキンケア&サプリメントが非常に有効です。

特にスキンケアECプラスと、まもなく発売されるパーソナルケアPⅡ+はかなり相性がいいと思います。

当院のオンラインショップでお買い求めできますので、「適切な医療とともに」ご使用いただければと思います。

医療にわずかでもズレがあれば改善しないのも事実のため、柴犬の皮膚病でお悩みの方は当院受診をご検討ください。

柴犬の皮膚病の多くはメール&写真で対応する遠隔診療(2回目以降)でも十分高い治療成績が期待できます。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際③

2019.03.01

柴犬のアトピー・アレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

柴犬の症例は非常に多いですね。

キーワードは「柴犬」「痒い」「掻く」「舐める」「アポキルが効かない(ステロイドが効かない)」です。

今回の症例も「3年間綺麗になったことがない」「アポキル1日2回服用しても効果がない」「ステロイドも効果なし」という症例です。

以前にも紹介していますので、以前の記事も参考にしてください。

2019.11.23  アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際

2019.12.23  アポキルとステロイドが効かない柴犬の皮膚病治療の実際②

【症例】

 柴犬 約10歳 女の子(不妊手術済)

【経過】

 〇~5、6歳までは異常なし

 〇3年前から続く皮膚病

 〇アポキル(1日2回)効果なし、ステロイド効果なし

 〇食事療法効果なし

 〇掻き壊し防止のために洋服を着せている

 

それでは初診時の状態です。

まずは正面から。

続いて、頚部とその拡大です。


続いて、前胸部~上腕と上腕の拡大です。


続いて、右側面とその拡大です。


続いて、胸部です。

続いて腹部です。

 

それでは初診時からちょうど3か月後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。









アポキルは一時的に併用しましたが、治療2ヵ月の時点で週1回以下までへり、3か月後の時点では「ずっとアポキルを服用していないけど、痒みはない」というレベルまで改善しました。

皮膚炎・フケ・脂漏・円形脱毛はすべて改善しました。

治療方針は初診時に決定してから軽度な変更すらなく、順調そのものでした。

わずかな予測違いとあげるとすれば膿皮症の治療経過です。

抗生物質を使わずとも自然のよくなるかと期待して「あえて抗生物質なし」で治療していましたが、最後の最後に内股のだけに湿疹が残ったためやむを得ず使いました。

それ以外は特に問題なしですね。

このタイプの皮膚病治療には投薬治療が必須です。

もちろん投薬治療だけでうまくいくわけではなく、脂漏症には当院が開発したスキンケア(オイル&シャンプー&保湿ジェル)が非常に相性がいいと思います。

またアトピー&脂漏症と膿皮症の体質改善のためにスキンケアECプラスが必須で、アポキルをここまで減らすことができたのは投薬治療以外にも免疫の改善(スキンケアECプラス)がとても役に立ったと思います。

このタイプの遺伝的体質の評価は確定できるため、当院の治療方針に沿っていれば2度と悪い状態に戻ることはありません。

膿皮症や脂漏症の改善に必要なスキンケア・サプリメントは当院のオンラインショップでお求めいただけます。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

膿皮症を薬を使わずに治療・再発させない方法

2019.02.06

犬の皮膚病でも最も多い細菌性皮膚炎「膿皮症」の根本的な治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

よく「膿皮症の原因って何ですか?」と聞かれますが、そのときはこう答えています。

「人の風邪のようなもので、生物学的な免疫の弱点からくる病気です」

人で最も多い病気とえ言えば「風邪」だと思うのですが、風邪は治しても「2度とならない」ということはない病気ですよね。

逆に犬で風邪があるか?というと、個人的な意見としては「犬に風邪はない」と考えています。

では人は風邪をひくのに、犬に風邪がない理由は・・・?

それは免疫だと思っています。

人は呼吸器の免疫が弱く、犬は呼吸器の免疫が強いというだけです。

でも代わりに犬は皮膚免疫が弱いのでしょうね。

人の「風邪」と同じように絶対に根絶されることのない病気が「犬の膿皮症」と思っています。

そのため体質によっては治しても治しても再発するのだと思います。

 

今回はそんな「繰り返す(治らない)膿皮症の根本的な治療に成功した症例」です。

【症例】

 ミニチュアシュナウザー 女の子

【経過】

〇内股の湿疹が治らず繰り返される

それでは初診時の状態です。









それでは治療後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。


綺麗に改善しました。

今回の症例では初診時に7日間の抗生物質を処方しましたが、初診時に行った細菌培養感受性検査(どの抗生物質が効くか調べる検査)で耐性菌という結果がでて、処方した抗生物質が無効であったことがわかりました。

こういった場合は再診時(2回目診察日)に感受性(効果)のある抗生物質に変更して処方しなおすプランが定法ですが、あえて抗生物質を使わない方法へと切り替え「スキンケア&サプリメント」だけで治療することにしました。

もちろんスキンケア&サプリメントはもちろん当院のMedicareシリーズとスキンケアECプラスです。

こういったタイプにはスキンケアECプラスが非常に効果的です。

以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

検査で異常が見つからないフレンチブルドッグの皮膚病治療

2019.02.05

フレンチブルドッグに多いアトピー・アレルギー・膿皮症・手舐めなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

フレンチブルドッグの皮膚病は難治性になりやすいですね。

当院でも受診数の上位犬種に入ってきますので、体質として「現代の皮膚科医療アプローチ」と「フレンチの遺伝的体質」に大きなギャップがあると考えています。

参考までに「ギャップがある」というのはどういうことかというと、「今どきの医療ではフレンチを治せない」という意味です。

逆に「ギャップがない」というのは「検査したら答えが分かる」という意味です。

すわなち

「フレンチの皮膚病の治療法は検査ではわからない」

ということです。

今日紹介する症例はそんな「異常値が一切でないザ・体質からくる典型的な皮膚病をたくさん抱えたフレンチブルドッグ」です。

 

【症例】

 フレンチブルドッグ 4歳 男の子

【経過】

〇2歳のときから皮膚炎、背中の湿疹・外耳炎・手舐め&足舐め

〇過去の治療はアポキル、抗生物質、ステロイド、外用薬

〇背中をカットしたら生えてこなくなった

それでは初診時の状態です。

続いて、背中とその拡大です。



続いて、側面とその拡大です。

続いて、左耳です。

続いて、足裏です。


それでは治療後とひかくしてみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。








非常に綺麗になりましたね。

今回の皮膚治療は合計2年超に及びました。

純粋に2年かけてよくなったというわけではありません。

折角なので順番に解説していきます。

①毛が生えない

シンプルに「ステロイドの副作用」です。

外用薬や内服薬によっておきたものなので、ステロイドを使わないことで改善が期待できます。

 

ただ考えなければいけないことがあります。

「(以前の病院で)なぜステロイドが処方され続けていたのか?」

ここからは推測ですが、ステロイドを使うからには「炎症」があったのだと思います。

このわんちゃんでどんな炎症があったのか?

背中にはブツブツ(フケ&脱毛)タイプの湿疹(おそらく膿皮症)があったのだと思います。

手先・足先にはアトピー&心因性の皮膚炎がずっとあったのだと思われます。

これらの皮膚炎のコントロールのためにステロイドを使ったと推測されますので、ある程度改善したあとに起こりえることを想定しなければいけません。

 

②背中の湿疹

それは「背中の膿皮症の再発」と「手先・足先の皮膚炎の再発」です。

もちろん初診時に想定できますので、「毛が再生してきたら背中に膿皮症がでやすくなるかと思います。そのときには新しいアプローチが必要です

と伝えておきました。

※初診時に背中の膿皮症がなかったのは、幸か不幸かステロイドの副作用により毛がなく蒸れにくくシャンプーもしやすく細菌が増えにくい状態だったのが膿皮症をでにくくさせていたと思われます。

実際、治療から4~6カ月で背中の毛並みが再生してきたのですが、やはり湿疹(膿皮症)がでるようになってきました。

飼主さまも「この湿疹が昔からずっとあったもの」とおっしゃっていました。

もちろんこの膿皮症がでることも想定の範囲内なので、準備していたアプローチを併用します。

もちろん当院が開発したサプリメント、「スキンケアECプラス」です。

基礎疾患がない、食事の選択に間違いがなく、スキンケアも適切であれば、かなりの割合で改善が見込めるサプリメントです。

もう2年継続していただいていますが、膿皮症のトラブルはかなり少なくなりました。

 

③耳の脱毛

これも多いトラブルですが、耳介辺縁の脱毛です。

正常であればしっかりと密な毛が生えているのがフレンチブルドッグですが、皮膚トラブルが多いと耳の毛が抜け落ちやすくなります。

これにも原因と対策があるので、体質に合う治療法を取れば写真のようにきれいな毛並みに戻ります。

問題は検査で原因がわかるわけではないので、「体質に合った」という答えが導き出しにくいことでしょうか。

これはステロイドをやめても、膿皮症を治療しても治りませんので、特別なアプローチが非常に有効です。

 

④手舐め・足舐め

これもフレンチに非常に多いですね。

痒みを抑えるアトピー治療薬「アポキル」で改善すればいいのですが、この症例ではほぼ効果なしでした。

もちろん想定外ではないので、心因性のアプローチにシフトしていきます。

心因性のアプローチといってもどの成分を、どの程度服用させれば改善するか調整が難しいため、改善を導き出すために相当な変更を繰り返しました。

「正解」にたどり着くまでは改善が認められないため、飼主さまには治療方針への理解と協力が不可欠です。

結果がでるまで長くお付き合いしていだき本当に感謝です。

 

症状に対するアプローチを紹介しましたが、検査結果はどうだったか?というと特筆すべき異常値は何も認められませんでした。

検査でわかるものはほぼなし、ということです。

フレンチブルドッグの皮膚病治療が難しいのはこういった、「検査で答え(治療・薬)が分からない」ということだと思います。

 

今回紹介したスキンケアECプラスは、以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。

適切な診断、適切な投薬治療、適切な食事療法、適切なスキンケアがあれば非常にお勧めできるサプリメントです。

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症②

2018.12.15

トイプードルのアトピー・アレルギーなど脂漏を伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。

 

今回の症例は以前紹介したトイプードルの脂漏症のその後です。

 前回記事 ⇒ 【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症

 

初診時の詳しい状態は前回記事をご覧ください。

改めてよくなった部位の比較を行います。

初診時の状態から。

まずは右前腕。




 


 

 





 


 

 

それでは初診時からわずか6週間後の状態と比較してみましょう。

※写真をクリックすると大きくすることができます。


変化としては、

 ・痒み:ほぼなし

 ・脂漏:ほぼなし

 ・毛の再生

 ・エリザベスカラーを完全に外すことに成功

です。

・・・・・・・・・・

【獣医師の解説】

今回の症例のポイントは

 ①脂漏をどうコントロールするか?

 ②痒みをどうコントロールするか?

 ③エリザベスカラーを外せるか?

です。

①に関しては投薬とスキンケアが非常に重要ですが、アポキルでは抗脂漏が難しいためその他のプランが推奨されます。

②痒みは2種類の痒みがあるため、アプローチ方法を2~3つ用意して臨まなければいけません。

 それこそアポキルで痒みをコントロールできない典型症例なのですが、その理由は最後の腰背部~臀部の病変ですね。

 前腕の痒みも心因性が一部含まれていますが、腰背部~臀部の痒みはほぼ心因性といっても過言ではないです。

この心因性のアプローチがなければ③エリザベスカラーを外すは難しいでしょう。

 

 

投稿者:四季の森どうぶつクリニック

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