2020.11.18
フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日はフレンチブルドッグの症例を紹介します。
【 症例 】
フレンチブルドッグ 7歳 男の子
【 経過 】
〇3年前に保護時点から続く皮膚病
〇3年間アポキルを毎日服用しても改善しない
〇ステロイドを併用しても一時的な緩和しか得られない
〇1年通して症状があるが、梅雨に特に悪化する
〇手を舐める、舐めだすと止まらない
〇顔や脇を掻く、掻きだすと止まらない
それでは初診時の状態です。
続いて、3カ月弱の治療後との比較です。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
とてもきれいになっていますね。
かゆみや手舐めもかなり落ち着きました。
当院では、投薬・サプリメント・食事療法・スキンケア療法などによる根本的な皮膚コンディションの改善に力を入れています。
お悩みの方はぜひご相談ください。
報告作成者:看護師 鮫島
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ 【解説】 ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
獣医師の平川です。
今回は初診時の「こんにちは」のあとに続く一言目に、とても印象に残ることを聞かれました。
飼主さま 「先生、これ治るかな?」
今まで色々治療を続けてきて、何年も皮膚のことに悩まれていたことが凝縮しているような一言ですよね。
もちろんまだ検査どころか問診もしていませんが、飼主さまはどうしても聞きたかったのだと思います。
その心は、
「先生、治せる自信ありますか?」
だと思います。
まだわんちゃんを一目しか見ていなかったのですが、間髪いれずにこうお答えしました。
僕 「余裕です」
治療結果は何一つでていないのですが、「来てよかった~!」と喜んでいたのが印象に残っています。
このタイプですが、検査どころか問診すらしていなくても劇的に改善することだけは容易に想像できるタイプです。
治療結果は劇的で、
・痒くない
・脂っぽくない&におわない
・毛が抜けない
・全身フワフワ&モコモコ
アポキルに至っては元々毎日服用していてもよくならなかったにも関わらず、現在は2日に1回でも症状がでないレベルまで改善しています。
アポキル減らすことができる治療法を持っていれば、より根本的なアプローチが可能です。
さらに性質・気質的なところからきている「舐め癖」に対するアプローチとして、性格・気質を変えるような治療を併用したのですが、ずいぶんと変化が認められ、
・元気になった
・散歩が嫌いだったのに、散歩好きになった
・意欲的に行動するようになった
ととても喜んでもらえました。
こういうときに聞く言葉があるので、今回も聞いてみました。
僕 「犬らしくなりました?」
飼主さま 「ホント!その通り!」
参考までに多くの飼主さまがこのタイプで「アレルギー」を疑っているのですが、このタイプでアレルギーの可能性はかなり低いです。
むしろ「アレルギー」を疑って検査したり、治療方針を立てると負のスパイラルに入り、改善の可能性はますます低くなります。
キーワードは「免疫」「毛並み」「心因性」の3つです。
この3つの診断&治療が適切であれば、劇的によくなります。
勘違いしてはいけないのですが、免疫をアレルギーと置き換えてしまうと治るものも治りません。
免疫異常であってアレルギーではないのがポイントです。
そして毛並み、痒く&脂漏だから毛並みが悪いのではありません。
毛並みが悪い原因が見落とされているから痒くて、脂漏が悪化するのです。
そして心因性、「ストレス」と言い換えて環境や接し方を変えても何もかわりません。
外部のストレスではなく、生まれ持った性格・気質によるものなので、脳の思考回路から変える視点が必要です。
フレブルは遺伝的に「夢中になる」「ムキになる」という行動パターンを示しやすく、この性格・気質が皮膚病のときに難治性の原因になっています。
この脳の思考を確認する問診と、脳の思考の癖を変える治療プランを持っていれば舐め癖すら緩和できます。
当院ではこういった難治性に対する皮膚科の勉強会を開催しています。
勉強会への参加をご希望の方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2020.10.12
東京サテライトで痒みを伴う皮膚病治療に取り組んでいる皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
【東京サテライトの特徴】
・遠隔オンライン診療の拠点
・基本の対面診療は初診の1回のみ
・継続診療はオンライン診療
処方:発送 診療費:振込
7月の開設からちょうど3カ月が経過しました。
先月にもウェスティの症例紹介させていただきましたが、今回も東京サテライトのウェスティの症例を紹介します。
【症例】
ウェスティ 男の子
【経過】
〇アポキルを毎日服用しているが、改善しない
それでは初診時の状態です。
この初診時から約6週間後の状態を紹介します。
※飼主さまからの写真になるため、角度などは異なります。
写真の通りですが、劇的に改善しています。
ウェスティはこのタイプになりやすく、かつ「アポキルが効きにくい」という傾向があります。
こういったタイプにはある治療が劇的に効くので、「アポキル以外の視点」をもっていることが重要です。
参考までにですが、初診時からの初期治療プランにアポキルは使用しませんでした。
※十分な改善を認めてから「痒みに応じたアポキル投与」に切り替え。
数年前にアポキルが登場して以降、皮膚科疾患では「痒い=アポキル」となり、アポキルが効かなければしょうがないという雰囲気も結構あるのですが、「痒み疾患=アポキルではない」ことを知っていることが皮膚科診療を成功させるポイントかと思います。
※最近はサイトポイントという注射タイプもでましたが、基本はアポキルと同じだと思っています。
アポキルが何に効いて、効かないのは何か、知ってこそのアポキルですね。
飼主さまから許可をいただくことができましたので、改善後にいただくことができたメッセージを紹介させていただきます。
最後にこれも参考情報ですが、飼主さまが当院受診を決めたきっかけは当院のオンラインショップです。
オンラインショップのスターターセットをご購入の方には相談メールをお送りしているのですが、そこで「積極的な投薬治療が必要」とお伝えさせていただき受診につながりました。
スターターセットは価格的に一番高い設定ですが、最もリーズナブルなものだと考えています。それは「セット価格として割引している」ではなく、当院からの相談メールが受けられることです。
「よかれ」と思ってやっていることが間違っていたり、向き合い方が見当違いだったり・・・「よくならない理由」に気づいていないことが多くあります。
もちろんなんでもスキンケア&サプリで改善するわけではないので、適切な医療があればよくなるという点に気付けることはとても重要だと思っています。
無料相談メールで治ることではないのですが、「間違っていることに気づく」や「改善に向かう方向性を修正する」という点でプライスレスだと思っています。
東京・千葉・神奈川・埼玉でアポキルが効かない痒い皮膚病でお困りの方は当院までご相談ください。
投稿者:
2020.09.08
柴犬のアトピー・アレルギーなどによる痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回紹介する症例も柴犬の難治性の典型症例です。
特徴①アポキルが効かない
特徴②悲鳴をあげるほど掻いてしまい、傷になる
特徴③手や足、身体など噛みだしたら止まらない
特徴④エリザベスカラーを外すことができない
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、頚部~前腕部分です。
続いて、身体側面と、胸部側面の拡大です。
初診時から3カ月弱の治療後と比較してみます。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常にきれいになりましたね。
エリザベスカラーも外すことができ、痒みで鳴いたり、傷になったりすることはなくなりました。
このタイプの柴犬は非常に多く、標準治療ではまずよくなりません。
標準治療というのは、
・アポキル(またはステロイド、シクロスポリン)を毎日服用する
・アレルギー対策をする(減感作療法など含む)
・アレルギー療法食を採用する
・スキンケアに力を入れる
・抗生物質を使う
どれも標準治療で、一概に間違いとはいいませんがこれでよくなる柴犬は多くありません。
(良くなるなら過去の治療ですでによくなっているでしょう。)
比較して当院での診療の特徴は、
ポイント①診断に要する時間は一瞬
ポイント②検査で異常値はでない
ポイント③抗生物質は不要
ポイント④アレルギー対策はしない
です。
ほぼすべての症例で同じことをお伝えしていますが、診断は「検査結果が出そろってから」ではありません。
診断および治療方針は、診察室で一瞬目を合わせただけ、実際には1秒もかからず0.5秒でしょうか。
もちろん問診・各種検査は行いますが、このファーストインプレッションが覆ることはなく、治療方針がブレることはほぼありません。
今回も検査結果が出そろう前の初診時にお伝えた治療方針を1つも変えずにエリザベスカラーを外すところまで到達することができました。
アポキル・抗生物質・アレルギー対策・食物アレルギーに対する食事療法などの標準治療では治せない理由はいくつもあるのですが、今回の症例の中で特徴的な治療の1つは「パニックに対する治療」です。
パニックというのは、急に掻きだす、舐め続ける、舐めることに夢中になりすぎて思わず噛んでしまい・・・・ついつい傷だらけになってしまうといったパターンのことで、柴犬の皮膚病のあるあるです。
このタイプにはアポキルはあまり効かないので、アポキル以外の治療が必要になります。
では柴犬は他の犬種とどう違うのか、が重要になりますね。
もちろん柴犬にしかない病気はないので、全犬種で当てはまるのですが、柴犬に多いというのがポイントです。
当院はこの「柴犬だから」に対して医学的にアプローチすることで治療成績を向上させています。
絶対ではありませんが、多くの病気は遠隔オンライン診療でも対応できますので、遠方にお住いの方でも継続治療が可能になるかと思います。
また東京にサテライトクリニックがありますので、関東圏にお住いの方は当院まで受診する必要がない場合もあります。
柴犬の皮膚病治療で、アポキルなどの一般的な投薬治療で改善がなくお困りの方は一度受診をご検討ください。
なお、このタイプは投薬治療が必須のタイプで、スキンケア&サプリメントも非常に重要ですが、投薬治療なしにこのレベルの劇的な改善は見込めません。
投稿者:
2020.09.04
アトピー・アレルギーなど痒み・脂漏を伴う皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
7月からスタートした東京サテライトでの診療について、実例をご紹介していこうと思います。
四季の森どうぶつクリニック 東京サテライト
【症例①】
ウェスティ 3歳
まずはお問い合わせいただいたメールで一緒に送っていただいた写真を紹介します。
実際にこの目で診ることができるのは東京サテライトでの初診1回きりとなるため、最も大事なことは「簡単な経過のご報告とこの写真だけ」で改善までをイメージすることです。
イメージする、というよりは「イメージできる」ことですね。
もちろんこの写真だけで「遠隔診療適応可」という判断で初診を迎えます。
当日は基本「診る」だけ、頭の中では治療は決まっていますので、最終確認のようなものです。
それでは初診時当日写真です。
この初診から5週間後の状態を比較写真で紹介します。
※写真をクリックすると拡大することができます。
治療結果は劇的ですね。
以前から初診時の診断は一瞬とお伝えしていますが、遠隔診療の場合は初診前に行う相談メール&写真でほぼ確定します。
検査が不要という意味ではなく、検査をしつつも「検査結果は想定範囲内」であり、治療方針に変更はないという意味です。
今回の症例においては、膿皮症に対して細菌培養感受性試験だけしか行わず、しかも抗生物質を使わずとも膿皮症が改善する治療プランを立てて、実際に抗生物質を処方せず改善まで導くことができました。
お悩みの方は東京サテライトページのお問合せフォームからご相談ください。
投稿者:
2020.08.22
こんにちは、獣医師の平川です。
当院では当院に直接受診できない遠方の飼主さまのために、四季の森どうぶつクリニックで開発したオリジナルのスキンケア&サプリメントをオンラインショップで販売しています。
スターターセットをご購入の方には無料相談メール(簡単な問診に対する返事と写真添付)でアドバイスをすることになっているので、ご利用開始の飼主さまとやりとりする機会がありますが、意外とご利用後の感想をお聞きすることはあまり多くありません。
ですが、先月ご注文していただいた方が注文の備考欄にこんなメッセージを残してくれました。
・・・・・・・・・・(以下、飼主さまからのメッセージ)・・・・・・・・・・
もう体質と諦めていた皮膚トラブル及び、性格と諦めていた足舐めによるひどい腫れや膿が、5月からのスターターセットで大きく改善しました。さらに薄いものだと11年間思い込んでいた毛並みまで密集。ありがとうございます。相談メールしたいと思いながらまだしていません。とりあえずご報告とお礼まで。
・・・・・・・・・(以上、飼主さまからのメッセージ)・・・・・・・・・・・
こんなメッセージを残してくれるのは本当にうれしいもので、思わず飼主さまにメッセージのお礼と、詳細をお聞かせくださいと追加の質問メールをお送りして色々と経過をおしえていただくことができました。
そのやりとりについて、飼主さまからHpやブログでの掲載を了承いただけたので、紹介させていただきます。
※一部カットなどの編集をしましたが、言葉そのものは飼主さまからいただいた文章のままです。
※質問1~3はスターターセットをご購入の方にお送りする質問の一部です。
質問1.発症年齢は?
よく覚えていません。いつのまにか。だんだんとでした。甲状腺機能低下症の持病があり、8年前にチラーヂン服用開始前はひどい脱毛。その後も毛は薄く、そんなものなのだろうと思っていました。
外耳炎、内耳炎、目のかゆみ、目やには繰り返し、そのたび抗生剤やステロイドの塗り薬や、飲み薬、注射などで対応きてきました。
ただ、ここ半年ほどは足先の舐めや噛みがひどくなり、悪化。傷になったり膿が出たりとなり、ネットで調べるうちに貴クリニックに出会いました。
質問2.痒みや脱毛などの状態について
始まりは外耳炎、内耳炎と目の痒みと腫れでした。
ここ3年くらいは口のまわり、足先、胸、おなか、
足の付け根、おしっこが出る周辺など。
質問3.今までの治療内容について
甲状腺機能低下症とそれにより8年前に痙攣を何度か起こしてからは、チラーヂン、コンセーブを朝晩。痒みに対しては、アポキル、塗り薬としてデルモゾールローション、目や耳にはリンデロン軟膏。あまりに炎症が、ひどいときには抗生剤注射、5月に一番足が膿んだときにはプレドニンも、服用しました。
・・・・・・・・・・(以上、飼主さまからの回答&写真)・・・・・・・・・・
※以上が無料相談メールの内容の一部です。
※飼主さまから改善報告を受けたあとに追加でお送りした質問メールに対する回答と改善写真が以下となります。
・・・・・・・・・・(以下、飼主さまメッセージ)・・・・・・・・・・
今のミルクの状態は少し右前足付け根と左親指爪部分が赤くなっています。これでも、ほんの2か月前に比べたら劇的によくなっています。
質問①散歩は好きですか?
行くときはとても喜んでいるようです。ただ、散歩を楽しんでいるのかなと疑問に思えることもあります。排泄を済ませてから散歩に行くのですが、散歩中によく下痢気味になります。残便を絞り出すようにして、時間がかかります。
質問②散歩中に他の犬に出会うとどんなリアクションですか?
遊んだことはありません。最初の数年は、とにかく出会うものに吠えたり威嚇したりするので、落ち着いた散歩ができませんでした。いろんなことに慣れるのに時間がとてもかかるようです。人の話声、バイクの音、3,4歳まではすべてに反応していました。
質問③ドッグランに行ったことがあれば、その時の様子を教えてください。
行ったことはありません。お預かりのところでは、共存はしていますが無視しているようです。ずっと緊張しっぱなしみたいです。帰ってくると目のかゆみが現れます。犬アレルギー?!と長年不思議でした。
質問④おもちゃは好きですか?特別なお気に入りなどありますか?
唯一、布の小さなボールだけです。投げっこ、取ってこいをします。ぬいぐるみやクッションにはマウンティングします。ガムも噛むおもちゃも興味を示しません。
質問⑤ここは編集で削除としました。
質問⑥テリトリー意識は高いですか?
家のなかではあちこち行こうとしますし、しきりなど気にしている様子はありませんが。訪問者への警戒心はとても
強いです。吠えるので、ケージに入れます。たまに来る1歳の孫が歩き始めてからは、近づくと攻撃的になるので困っています。孫の手から餌を食べたりはします。孫が寝ると横にくっついて寝ています。が、走ったりミルクのサークルに近づくとひどく威嚇します。
婿には散歩してもらって不思議なくらいになついていいます。
質問⑦苦手なものありますか?
たぶん苦手なものだらけだと思います。美容院、病院、宅配便、薬、多くの食べ物・・・恐らく全部です。雷は平気です。
質問⑧できないことはありますか?
お座り、待て、ハウス、どいて、コマンド出してのトイレなど、よくできます。マンホールの上やグレーチングは避けます。
質問⑨スイッチが入るような行動パターンはありますか?
パニックとまではいきませんが、怒る、おびえる、興奮、いずれもあります。
今までで一番手に負えなかったことは三度。1歳前の動物病院診察後、ミルが知らない人の車に乗せた2歳ころ、最近では美容院終了後の会計時。待合室で待っている間は、みんなに声をかけられても、ブルブル震えているだけなのですが、診察やカットが終わったとたん豹変します。急に相手を威嚇します。そして、そこでさらに誰かに声をかけられたり、まわりが騒々しかったりすると吠えます。
質問⑩その他、個性的だなと思うエピソードや行動パターンがあれば教えてください。
今回、悩んだ末に貴クリニックにたどり着いたのは、足舐め足かみによる炎症でした。
ミルクは留守番が長い子なので、留守番のストレスや留守中の足かみなのだとずっと思ってきました。それが悪化した結果、在宅のときにも舐めてしまうのだと。しかし、貴サイトで逆もあると知り、意識してみたところ、まさに在宅のときのみに足かみをしているようだと気づきました。それが、今回のコロナによる在宅時間の長さが裏目に出てしまったのかもしれません。3月あたりからたちまち悪化しました。想像でしかありませんが・・・
もうミルクとは11年以上の付き合いなので、彼女にとって居心地がいい生活ができていますが、もともとはとても難しい子でした。吠える、怒る、おびえる、震える、散歩も病院も美容院も来客もとても大変でした。ただ、 美容院でも病院でも飼い主さえいなければ、とてもおとなしくしているので、扱いやすいようでした。そこの人になつくということはほとんどなかったようです。
しつけに悩み、2歳ころにはトレーナーについたり、幼稚園に通わせたりしました。ひどくリードで刺激したり、においや音で脅すような躾も挑戦してしまいましたが、かえって興奮するか、ひどい下痢をしたり円形脱毛になったりし、そういう躾はしないと決めたのがちょうど2歳ころです。
ミルクと我が家に合ってると思えた幼稚園とトレーナーに出会い、1年くらい通い、家族で接し方などを学ぶとともに、ミルク自身の個性もあると思うようになりました。今では、威嚇の表情は見せますが、吠えたりせずに私も散歩を楽しめるようになりました。
家で過ごすぶんには、来訪者がないかぎりはとても穏やかで吠えもしないので、それでよしとするようになりました。誰にも噛んだことはありません。
今は孫への威嚇に悩んではいますが、幸いサークルとケージでは落ち着いていてくれるので、来訪のときにはハウスです。
今までの病気や皮膚トラブル、薬などは無料相談メールへの返信のとおりです。難しい子ではありましたし、病気もたくさんしました(膝の手術も)
躾にも病気にも悩みながらもこれがミルクなのだと生活をともにしてきました。ただ、今回長年の皮膚の状態がここまで改善したことに、驚くとともに、もっと早くお会いできていたらと思わずにいられません。
スターターセットを購入しましたが、実際使用しているのは週に一度のシャンプーとジェル、そして散歩の後に足を洗ってのジェル、それから朝にパーソナルケア、夜にスキンケアECプラスです。こんなにミルクの肌と毛並みの調子がよく、耳と目の膿がないのも初めてなのです。今まで一時的によくはなっても毛そのものは薄く、縮れていたのが、密集してサラサラした毛になりました。通っていた獣医さんにも驚かれました。「子犬みたいな顔になって!」と言われ、何をしているのか聞かれたので、正直にお答えしました。一緒に喜んでくださいました。
なにより、あのミルクがおなかを見せて寝るようになったのが嬉しいです。残りのミルクとの生活は長くありません。少しでもいい時間にしたいと思います。アドバイス等ありましたら、よろしくお願いします。
つい長々と書いてしまい申し訳ありません。犬との生活で悩んでいる方々のために、少しでも先生の研究の参考になれば嬉しく思います。
・・・・・・・・・・(以上が飼主様メッセージ)・・・・・・・・・・
このメールとお写真をいただいてから、獣医師として予測の範囲内という枠内で、どんなことが考えらるのか回答させていただきました。
回答の内容には具体的な診断名として「〇〇〇〇」として、詳しいお話をしています。
そのあとに送っていただいたメールか以下の通りです。
・・・・・・・・・・(以下、飼主さまメッセージ)・・・・・・・・・・
返信が大変遅くなり、申し訳ありません。
いただいたメールを何度も読み返しました。何年も躾などに悩んできた者にとっては、「〇〇〇〇」というのは、ある意味救いになります。そして、腑に落ちることがいくつかあります。
残りの何年かの生活を、さらに豊かにするためにサプリメントとスキンケアは、続けていくつもりです。「人間と同じで歳を重ねるとさらに頑固に、感情のコントロールがきかなくなる」というくだりは、ドキッとしますが、それもお互いさま。少しでも穏やかな生活を送りたいものです。
ホームページ、ブログへの掲載、喜んて承諾いたします。私ももっと早く貴クリニックに巡り会いたかったと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
・・・・・・・・・・(以上、飼主さまからのメッセージ)・・・・・・・・・・
スキンケアも、腸管免疫のためのサプリメント(スキンケアECプラス)も非常に大事だったと思いますが、「これがなければ絶対によくならなかっただろう」と考えられるのは、パーソナルケアPⅡ+でしょう。
パーソナルケアPⅡ+は一番最後に開発された商品なのですが、名前のとおり「個性をケアする」です。
個性が変わるのか?と多くの人が疑問をもつと思うのですが、僕は十分ケアすることは可能だと思っています。
開発から1年越えてきて、多くのわんちゃんの治療させていただきましたが、
・近づくとうなっていた同居犬と仲良く寝れるようになった
・ずっと寝てるか手を舐めているかだったのに、元気になり子犬の時以来10年ぶりにおもちゃで遊ぶようになった
・ドッグフード以外食べれなかったのに、おやつを食べれるようになった
・リビングからでることができなかったのに、違う部屋に入るようになってびっくり
・隙間に入ってしまったボールが取れなかったのに、今では自分でとれるようになった
・食事中うなっていたのに、大人しく食べれるようになった
一見「なにそれ?」という症状一覧かもしれませんが、当事者である飼主さまにとっては驚きの改善として診察時によろこんで報告してもらえたことです。
僕個人も治療前に「できないことができるようになり、より犬らしくなって、残った人生が豊かになる、きっと可能性はありますよ!」と伝えて治療を開始しています。
個性はケアすることができ、わんちゃんと飼主さまのわんこライフは変わる、と本気で思ってます。
最後に、当院を受診していない多くの方がこのブログをみているかと思います。
ご覧になっている方全員にお伝えしたいことがあるのですが、
「原因は想定外にあり」
です。
治療がうまくいっていないときほど先入観(自己判断)を捨て、知らない新しいものを取り入れることが必要かと思います。
きっとこうではないか、と色々想像してチャレンジしては改善効果を得られない連続なのが現実かと思います。
当院を受診され、劇的に改善するわんちゃんは本当に多いと思いますが、その診断および対策は「え?まさか?」というものばかりです。
標準医療は「標準」であって「ベスト」でも「すべて」でもないと思いますので、一般的なアプローチで改善がなければぜひ新しい医療を受けることをお勧めしたいと思います。
投稿者:
2020.06.24
痒みを伴うアトピー・アレルギーなどの治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先月にもお伝えしましたが、遠隔オンライン診療のための東京サテライトを開設することになりました。
すでにお問合せをいただいており、お待たせしましたがHPからの申し込みの準備が整いました。
治療内容に言及はできませんが事前の簡単なご相談は無料ですので、皮膚病治療にお悩みの方はお電話ではなく
「フォーム」からのお申込みください。
四季の森どうぶつクリニック
平川
投稿者:
2020.05.13
犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は東京サテライトクリニック開設のお知らせです。
関東圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・群馬など)の飼主さま向けに初診を診ることができる東京サテライトを開設することにしました。
愛知の本院と異なり、院内薬浴・各種精密検査には対応しておりませんが、遠隔診療(オンライン診療)を前提とした初診を診るための拠点となります。
受付開始は5月下旬以降、準備でき次第当院のHPからの申し込みを予定しています。
また関東圏内で院内薬浴や直接受診の継続治療を引き受けていただける提携動物病院も募集しています。
ご興味のある先生は問い合わせフォームからご連絡ください。
投稿者:
2020.04.30
こんにちは、獣医師の平川です。
お久しぶりです。
コロナの影響で仕事・生活面での変化が大きい状況ですが、キーとなる変化はオンライン化ですね。
テレワークへのシフトもそうですが、オンライン飲み会や遠隔診療もメジャーな言葉になりつつあります。
当院も5年くらい前から遠隔診療に取り組んでいるのですが、これからの時代はもっと大事になってくるのではないか考えています。
これはコロナとは関係ないことで、数年前からずっと温めていた計画でもあるのですが、初診を診ることができるサテライトクリニックを東海以外の都市部で作ろうと思います。
また同時に考えているのがWEBセミナーです。
現在獣医師向けのWEBセミナーを準備しており、その次は飼主様向けのセミナー&相談会を考えています。
サテライト、セミナー、相談会ともに決まり次第発表しますので、ブログまたはフェイスブック&HPをチェックしてください。
自粛モードのGW中にある程度イメージを形に仕上げる予定です。
投稿者:
2020.03.18
再発しやすい犬の膿皮症の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の膿皮症治療といえば抗生物質ですが、治りにくいこもはもちろん、よくなってもお薬が無くなると再発しやすい場合も多々あります。
今回紹介する症例は、
①抗生物質で治らない膿皮症をどのように治していくか
②抗生物質がないと再発する膿皮症を抗生物質なしで治し、再発させないためにどうするか
を順番に実現させた非常にわかりやすい症例です。
【症例】
ビーグル 3歳
【経過】
〇半年前から膿皮症が治らない
それでは初診時の状態から。
続いて、頚部~前胸部です。
続いて、右側面と右大腿部外側の2枚です。
半年前からこの状態がずっと続いているという主訴でした。
この初診時に以下の治療を行いました。
①抗生物質
②食事療法
この4点で1か月後には皮膚炎(膿皮症)と痒みはおさまったのですが、抗生物質をやめて1~2か月後には再発してしまいました。
ただ、この再発も初診時の想定の範囲内で「もう1つ治療した方がいい」という問題点が残っていました。
そのため抗生物質が終了となった時点で、「短期間で再発したら残ったもう一つのアプローチを行いましょう」と事前にお伝えしていました。
再発時は「想定通りの再発」であり、予定通り次のアプローチを行いました。
この2回目の治療には初診時で採用した「抗生物質」は併用しませんでした。
この2回目の治療から2か月後の状態と初診時の状態を比較してみました。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
抗生物質を使わずすべての膿皮症が消失しました。
湿疹はゼロ、皮膚炎もゼロ、痒みなし、毛並みも非常にきれいに改善されています。
膿皮症の原因は「細菌感染」とされ、殺菌がメインとなっているのが今の皮膚科診療ですが、根本的には「最近が増える理由」を抑えるべきだと考えています。
この根本的な治療が食事療法、スキンケアECプラス、そして適切な医療、すべてが揃うことだと思います。
あと、最大のポイントは「初診時にこの流れを想定できること」だと考えています。
※今回の治療症例も提携病院には詳細な症例報告をお送りしています。
投稿者:
2020.03.18
痒みを伴う犬の皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルを毎日服用しているのに痒い(掻く・舐める・齧る・嚙む・こする)症状が改善しないときにどうすればいいのか?と悩んでいる飼主さまも多いのではないでしょうか。
今回はそんな症例報告です。
【症例】
3歳 ジャックラッセルテリア
【経過】
〇1年前から全身が痒い
〇アポキルを毎日服用しても「少しマシ」という程度
〇掻きむしる、かじる、噛む、こするなど症状が強い
それでは初診時の状です。
続いて、頚部です。
続いて、右前腕のやや内側と外側からの2枚です。
続いて、胸部と腹部の2枚です。
最後に、右後肢の外側です。
この初診時から3か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
続いて、胸部と腹部の2枚です。
当院に来院するまではアポキルを毎日服用していても「痒い!」という状態でしたが、3か月後には「1週間以上服用していないけど特別痒くない」というレベルまで改善しました。
もちろん掻きむしることはほぼありません。
この症例には標準医療ではアプローチできない原因が2つ隠れています。
アポキルは非常にいいお薬ですが、すべての掻痒を抑えるわけではありません。
医療にエビデンスは非常に重要かと思いますが、すべてが検査で分かるわけではありませんし、未知の疾患もあるため、エビデンスがなくても「安全性高く劇的に改善させる」という形も医療の1つかと思っています。
なんとか今年中に世界に向けて発表したいと思います。
※提携病院には詳細な症例報告を配布しています。
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