2024.04.29
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はフレンチブルドッグの子の症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 5歳 0ヶ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇季節問わず1年中発症する痒みと発疹
〇換毛期関係なく年中多い抜け毛
〇4年間毎日アポキルを服用しても改善されない症状
〇手先はビショビショになるまで舐める
それでは初診時の様子をご覧ください。
上から順に右側面、首、全体、脇、胸部~腹部、内股のお写真です。
全体的に毛が薄く、赤黒くなってしまった皮膚が見えてしまっていることが確認できます。
また、胸から内股にかけての湿疹が目立っています。
4年間も毎日アポキルを服用してもこの症状は改善されませんでした。
しかし、当院で受診し適切な診断や治療を行うことでたった3ヶ月で改善されていきました。
症状が改善された理由は2点の隠れた病気でした。
〇1つ目 『被毛形成異常』
写真からも見てわかるように
この子は地肌が見えてしまっていて全体的に毛が薄く細く、身体の内側は毛が生えていない状態です。
加えて飼主様の悩みであった1年中ある抜け毛があります。
実はこれこそが病気の1つ目『被毛形成異常』です。
実はこの病気一般的にはあまり認知されていないために
見落とされてしまいやすい病気です。
この病気に対し治療を行って行かないと改善には繋がりません。
〇2つ目 『心因性』
この答えこそがアポキルを服用しても改善されなかった原因です。
純粋な痒みの症状であればアポキルでコントロールする事ができます。
つまりこの子の痒みは純粋な痒みだけではないという事になります。
この子が体を搔いてしまうのは痒いからだけでなく『心因性の掻痒行動』が合わさっているからです。
心因性と診断される行動はいくつかありますが
この子には以下の行動パターンが確認できました。
・トラックやバイクが苦手
・他の犬に対しては隠れてしまう
・掃除機には怒り攻撃する
・小石や木の枝を咥える
・飼主様の後ろをついて回る
・興奮し、走り回る
・頑固でお気に入りの物は放さない
ご自宅のわんちゃんはこのような行動をとってはいませんか?
これらの行動パターンを示す症例では、痒みとは別に心因性の掻痒行動(特定の場所を異常に舐める・噛む・掻く)が強く出る傾向があります。
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【今回の北海道往診のフレンチブルドッグに対して行われた当院の処方プランは合計4つ】
①純粋な痒み(アトピー&膿皮症)には
・投薬治療
※抗生剤処方なし
②被毛形成異常には
・投薬治療
・スキンケアECプラス
③心因性には
・投薬治療
④上の3つに+して週に1回のスキンケア
・Medicareシャンプー
・Medicareオイル
・Medicareスキンケアオイルジェル
それでは治療後の様子と比べて見ましょう。
白い被毛が生えてきて皮膚の赤みや発疹も初診時より改善されたことがわかると思います。
痒み=痒い、薄毛=個性などの固定概念にとらわれず、別の原因、別の視点から考えアタックしてみる事が短期改善に繋がる重要な事と言えます。
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今回の症例に似た症状でお困りのわんちゃんは、当院までご相談ください。
もし受診が難い場合は、
・適切な食事
・サプリメント
スキンケアECプラス(腸活)
パーソナルPⅡ+(心因性)
アロペシアGR+(被毛形成異常)
・スキンケア
Medicareシリーズ
当院オンラインショップの「痒みケアスターターセット」をお勧めします。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 廣田
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