2020.08.22
こんにちは、獣医師の平川です。
当院では当院に直接受診できない遠方の飼主さまのために、四季の森どうぶつクリニックで開発したオリジナルのスキンケア&サプリメントをオンラインショップで販売しています。
スターターセットをご購入の方には無料相談メール(簡単な問診に対する返事と写真添付)でアドバイスをすることになっているので、ご利用開始の飼主さまとやりとりする機会がありますが、意外とご利用後の感想をお聞きすることはあまり多くありません。
ですが、先月ご注文していただいた方が注文の備考欄にこんなメッセージを残してくれました。
・・・・・・・・・・(以下、飼主さまからのメッセージ)・・・・・・・・・・
もう体質と諦めていた皮膚トラブル及び、性格と諦めていた足舐めによるひどい腫れや膿が、5月からのスターターセットで大きく改善しました。さらに薄いものだと11年間思い込んでいた毛並みまで密集。ありがとうございます。相談メールしたいと思いながらまだしていません。とりあえずご報告とお礼まで。
・・・・・・・・・(以上、飼主さまからのメッセージ)・・・・・・・・・・・
こんなメッセージを残してくれるのは本当にうれしいもので、思わず飼主さまにメッセージのお礼と、詳細をお聞かせくださいと追加の質問メールをお送りして色々と経過をおしえていただくことができました。
そのやりとりについて、飼主さまからHpやブログでの掲載を了承いただけたので、紹介させていただきます。
※一部カットなどの編集をしましたが、言葉そのものは飼主さまからいただいた文章のままです。
※質問1~3はスターターセットをご購入の方にお送りする質問の一部です。
質問1.発症年齢は?
よく覚えていません。いつのまにか。だんだんとでした。甲状腺機能低下症の持病があり、8年前にチラーヂン服用開始前はひどい脱毛。その後も毛は薄く、そんなものなのだろうと思っていました。
外耳炎、内耳炎、目のかゆみ、目やには繰り返し、そのたび抗生剤やステロイドの塗り薬や、飲み薬、注射などで対応きてきました。
ただ、ここ半年ほどは足先の舐めや噛みがひどくなり、悪化。傷になったり膿が出たりとなり、ネットで調べるうちに貴クリニックに出会いました。
質問2.痒みや脱毛などの状態について
始まりは外耳炎、内耳炎と目の痒みと腫れでした。
ここ3年くらいは口のまわり、足先、胸、おなか、
足の付け根、おしっこが出る周辺など。
質問3.今までの治療内容について
甲状腺機能低下症とそれにより8年前に痙攣を何度か起こしてからは、チラーヂン、コンセーブを朝晩。痒みに対しては、アポキル、塗り薬としてデルモゾールローション、目や耳にはリンデロン軟膏。あまりに炎症が、ひどいときには抗生剤注射、5月に一番足が膿んだときにはプレドニンも、服用しました。
・・・・・・・・・・(以上、飼主さまからの回答&写真)・・・・・・・・・・
※以上が無料相談メールの内容の一部です。
※飼主さまから改善報告を受けたあとに追加でお送りした質問メールに対する回答と改善写真が以下となります。
・・・・・・・・・・(以下、飼主さまメッセージ)・・・・・・・・・・
今のミルクの状態は少し右前足付け根と左親指爪部分が赤くなっています。これでも、ほんの2か月前に比べたら劇的によくなっています。
質問①散歩は好きですか?
行くときはとても喜んでいるようです。ただ、散歩を楽しんでいるのかなと疑問に思えることもあります。排泄を済ませてから散歩に行くのですが、散歩中によく下痢気味になります。残便を絞り出すようにして、時間がかかります。
質問②散歩中に他の犬に出会うとどんなリアクションですか?
遊んだことはありません。最初の数年は、とにかく出会うものに吠えたり威嚇したりするので、落ち着いた散歩ができませんでした。いろんなことに慣れるのに時間がとてもかかるようです。人の話声、バイクの音、3,4歳まではすべてに反応していました。
質問③ドッグランに行ったことがあれば、その時の様子を教えてください。
行ったことはありません。お預かりのところでは、共存はしていますが無視しているようです。ずっと緊張しっぱなしみたいです。帰ってくると目のかゆみが現れます。犬アレルギー?!と長年不思議でした。
質問④おもちゃは好きですか?特別なお気に入りなどありますか?
唯一、布の小さなボールだけです。投げっこ、取ってこいをします。ぬいぐるみやクッションにはマウンティングします。ガムも噛むおもちゃも興味を示しません。
質問⑤ここは編集で削除としました。
質問⑥テリトリー意識は高いですか?
家のなかではあちこち行こうとしますし、しきりなど気にしている様子はありませんが。訪問者への警戒心はとても
強いです。吠えるので、ケージに入れます。たまに来る1歳の孫が歩き始めてからは、近づくと攻撃的になるので困っています。孫の手から餌を食べたりはします。孫が寝ると横にくっついて寝ています。が、走ったりミルクのサークルに近づくとひどく威嚇します。
婿には散歩してもらって不思議なくらいになついていいます。
質問⑦苦手なものありますか?
たぶん苦手なものだらけだと思います。美容院、病院、宅配便、薬、多くの食べ物・・・恐らく全部です。雷は平気です。
質問⑧できないことはありますか?
お座り、待て、ハウス、どいて、コマンド出してのトイレなど、よくできます。マンホールの上やグレーチングは避けます。
質問⑨スイッチが入るような行動パターンはありますか?
パニックとまではいきませんが、怒る、おびえる、興奮、いずれもあります。
今までで一番手に負えなかったことは三度。1歳前の動物病院診察後、ミルが知らない人の車に乗せた2歳ころ、最近では美容院終了後の会計時。待合室で待っている間は、みんなに声をかけられても、ブルブル震えているだけなのですが、診察やカットが終わったとたん豹変します。急に相手を威嚇します。そして、そこでさらに誰かに声をかけられたり、まわりが騒々しかったりすると吠えます。
質問⑩その他、個性的だなと思うエピソードや行動パターンがあれば教えてください。
今回、悩んだ末に貴クリニックにたどり着いたのは、足舐め足かみによる炎症でした。
ミルクは留守番が長い子なので、留守番のストレスや留守中の足かみなのだとずっと思ってきました。それが悪化した結果、在宅のときにも舐めてしまうのだと。しかし、貴サイトで逆もあると知り、意識してみたところ、まさに在宅のときのみに足かみをしているようだと気づきました。それが、今回のコロナによる在宅時間の長さが裏目に出てしまったのかもしれません。3月あたりからたちまち悪化しました。想像でしかありませんが・・・
もうミルクとは11年以上の付き合いなので、彼女にとって居心地がいい生活ができていますが、もともとはとても難しい子でした。吠える、怒る、おびえる、震える、散歩も病院も美容院も来客もとても大変でした。ただ、 美容院でも病院でも飼い主さえいなければ、とてもおとなしくしているので、扱いやすいようでした。そこの人になつくということはほとんどなかったようです。
しつけに悩み、2歳ころにはトレーナーについたり、幼稚園に通わせたりしました。ひどくリードで刺激したり、においや音で脅すような躾も挑戦してしまいましたが、かえって興奮するか、ひどい下痢をしたり円形脱毛になったりし、そういう躾はしないと決めたのがちょうど2歳ころです。
ミルクと我が家に合ってると思えた幼稚園とトレーナーに出会い、1年くらい通い、家族で接し方などを学ぶとともに、ミルク自身の個性もあると思うようになりました。今では、威嚇の表情は見せますが、吠えたりせずに私も散歩を楽しめるようになりました。
家で過ごすぶんには、来訪者がないかぎりはとても穏やかで吠えもしないので、それでよしとするようになりました。誰にも噛んだことはありません。
今は孫への威嚇に悩んではいますが、幸いサークルとケージでは落ち着いていてくれるので、来訪のときにはハウスです。
今までの病気や皮膚トラブル、薬などは無料相談メールへの返信のとおりです。難しい子ではありましたし、病気もたくさんしました(膝の手術も)
躾にも病気にも悩みながらもこれがミルクなのだと生活をともにしてきました。ただ、今回長年の皮膚の状態がここまで改善したことに、驚くとともに、もっと早くお会いできていたらと思わずにいられません。
スターターセットを購入しましたが、実際使用しているのは週に一度のシャンプーとジェル、そして散歩の後に足を洗ってのジェル、それから朝にパーソナルケア、夜にスキンケアECプラスです。こんなにミルクの肌と毛並みの調子がよく、耳と目の膿がないのも初めてなのです。今まで一時的によくはなっても毛そのものは薄く、縮れていたのが、密集してサラサラした毛になりました。通っていた獣医さんにも驚かれました。「子犬みたいな顔になって!」と言われ、何をしているのか聞かれたので、正直にお答えしました。一緒に喜んでくださいました。
なにより、あのミルクがおなかを見せて寝るようになったのが嬉しいです。残りのミルクとの生活は長くありません。少しでもいい時間にしたいと思います。アドバイス等ありましたら、よろしくお願いします。
つい長々と書いてしまい申し訳ありません。犬との生活で悩んでいる方々のために、少しでも先生の研究の参考になれば嬉しく思います。
・・・・・・・・・・(以上が飼主様メッセージ)・・・・・・・・・・
このメールとお写真をいただいてから、獣医師として予測の範囲内という枠内で、どんなことが考えらるのか回答させていただきました。
回答の内容には具体的な診断名として「〇〇〇〇」として、詳しいお話をしています。
そのあとに送っていただいたメールか以下の通りです。
・・・・・・・・・・(以下、飼主さまメッセージ)・・・・・・・・・・
返信が大変遅くなり、申し訳ありません。
いただいたメールを何度も読み返しました。何年も躾などに悩んできた者にとっては、「〇〇〇〇」というのは、ある意味救いになります。そして、腑に落ちることがいくつかあります。
残りの何年かの生活を、さらに豊かにするためにサプリメントとスキンケアは、続けていくつもりです。「人間と同じで歳を重ねるとさらに頑固に、感情のコントロールがきかなくなる」というくだりは、ドキッとしますが、それもお互いさま。少しでも穏やかな生活を送りたいものです。
ホームページ、ブログへの掲載、喜んて承諾いたします。私ももっと早く貴クリニックに巡り会いたかったと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
・・・・・・・・・・(以上、飼主さまからのメッセージ)・・・・・・・・・・
スキンケアも、腸管免疫のためのサプリメント(スキンケアECプラス)も非常に大事だったと思いますが、「これがなければ絶対によくならなかっただろう」と考えられるのは、パーソナルケアPⅡ+でしょう。
パーソナルケアPⅡ+は一番最後に開発された商品なのですが、名前のとおり「個性をケアする」です。
個性が変わるのか?と多くの人が疑問をもつと思うのですが、僕は十分ケアすることは可能だと思っています。
開発から1年越えてきて、多くのわんちゃんの治療させていただきましたが、
・近づくとうなっていた同居犬と仲良く寝れるようになった
・ずっと寝てるか手を舐めているかだったのに、元気になり子犬の時以来10年ぶりにおもちゃで遊ぶようになった
・ドッグフード以外食べれなかったのに、おやつを食べれるようになった
・リビングからでることができなかったのに、違う部屋に入るようになってびっくり
・隙間に入ってしまったボールが取れなかったのに、今では自分でとれるようになった
・食事中うなっていたのに、大人しく食べれるようになった
一見「なにそれ?」という症状一覧かもしれませんが、当事者である飼主さまにとっては驚きの改善として診察時によろこんで報告してもらえたことです。
僕個人も治療前に「できないことができるようになり、より犬らしくなって、残った人生が豊かになる、きっと可能性はありますよ!」と伝えて治療を開始しています。
個性はケアすることができ、わんちゃんと飼主さまのわんこライフは変わる、と本気で思ってます。
最後に、当院を受診していない多くの方がこのブログをみているかと思います。
ご覧になっている方全員にお伝えしたいことがあるのですが、
「原因は想定外にあり」
です。
治療がうまくいっていないときほど先入観(自己判断)を捨て、知らない新しいものを取り入れることが必要かと思います。
きっとこうではないか、と色々想像してチャレンジしては改善効果を得られない連続なのが現実かと思います。
当院を受診され、劇的に改善するわんちゃんは本当に多いと思いますが、その診断および対策は「え?まさか?」というものばかりです。
標準医療は「標準」であって「ベスト」でも「すべて」でもないと思いますので、一般的なアプローチで改善がなければぜひ新しい医療を受けることをお勧めしたいと思います。
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