2020.03.18
再発しやすい犬の膿皮症の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の膿皮症治療といえば抗生物質ですが、治りにくいこもはもちろん、よくなってもお薬が無くなると再発しやすい場合も多々あります。
今回紹介する症例は、
①抗生物質で治らない膿皮症をどのように治していくか
②抗生物質がないと再発する膿皮症を抗生物質なしで治し、再発させないためにどうするか
を順番に実現させた非常にわかりやすい症例です。
【症例】
ビーグル 3歳
【経過】
〇半年前から膿皮症が治らない
それでは初診時の状態から。
続いて、頚部~前胸部です。
続いて、右側面と右大腿部外側の2枚です。
半年前からこの状態がずっと続いているという主訴でした。
この初診時に以下の治療を行いました。
①抗生物質
②食事療法
この4点で1か月後には皮膚炎(膿皮症)と痒みはおさまったのですが、抗生物質をやめて1~2か月後には再発してしまいました。
ただ、この再発も初診時の想定の範囲内で「もう1つ治療した方がいい」という問題点が残っていました。
そのため抗生物質が終了となった時点で、「短期間で再発したら残ったもう一つのアプローチを行いましょう」と事前にお伝えしていました。
再発時は「想定通りの再発」であり、予定通り次のアプローチを行いました。
この2回目の治療には初診時で採用した「抗生物質」は併用しませんでした。
この2回目の治療から2か月後の状態と初診時の状態を比較してみました。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
抗生物質を使わずすべての膿皮症が消失しました。
湿疹はゼロ、皮膚炎もゼロ、痒みなし、毛並みも非常にきれいに改善されています。
膿皮症の原因は「細菌感染」とされ、殺菌がメインとなっているのが今の皮膚科診療ですが、根本的には「最近が増える理由」を抑えるべきだと考えています。
この根本的な治療が食事療法、スキンケアECプラス、そして適切な医療、すべてが揃うことだと思います。
あと、最大のポイントは「初診時にこの流れを想定できること」だと考えています。
※今回の治療症例も提携病院には詳細な症例報告をお送りしています。
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