2022.05.24
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は高齢になってから発症した脂漏症と、昔からあった舐め癖のトイプードルの治療症例です。
【症例】
トイプードル 13歳 男の子
【経過】
〇アポキルを服用しても改善されなかった
〇10年前から手足をずっと舐めていた
〇13歳になってから他院から皮膚病と診断された
それでは初診の様子をご覧下さい。
まずは首の写真です。脂漏症の症状がお分かり頂けると思います。脱毛もしています。
次は胸の写真です。赤みもあり、正常に毛が生えていません。
そして、前足と後足(内側)の写真です。
舐め癖、噛み癖があり痛々しい状態です。正常な毛はありません。
最後に全体の写真です。
特に舐める手足は毛がほとんどありません。
それでは初診時から約5ヶ月後の写真を比較してみましょう。
いかがでしょうか
治療開始から約1ヶ月過ぎる頃にはフケやガサガサ感が減り始め、痒みや舐め癖も減ってきました。
皮膚のコンディションが改善されることで、正常な発毛にも繋がります。
今回は、高齢になってから発症した脂漏症でもきちんと治療できれば改善される症例です。
隠されたいくつかの基礎疾患と、心因性の治療を同時に行うことが重要です。
そしてもう一つ、外部からのアプローチとして当院での薬浴や、適切なスキンケアの指導を行い飼い主様自身でのスキンケアも行って頂きました。
今回の治療にアポキルは使用していません。
内部からの治療と、外部からのアプローチを同時にすることで改善に繋がります。
このように、噛み癖や、アポキルが効かないなど、わんちゃんの皮膚病の事でお困りの事がありましたら、是非当院にご相談下さい。
また、関東にお住まいの方、関東の方が近い方は、東京サテライトで当院の獣医師が初診をさせて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うことも可能です。
※疾患によっては適応できないこともありますので、ご了承下さい。
詳しくはこちらのホームページでご覧いただけます。⇒東京サテライト
今回使用したスキンケアは当院ホームページでご覧頂けます。⇒スキンケア&サプリメント製品
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】 看護師 森
投稿者:
2019.11.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はトイプードルの症例です。
【症例】
トイプードル 5歳 男の子(去勢手術未)
【経過】
〇3年前から季節性のない皮膚炎
〇体全体に脱毛、痒みあり
〇手足をよく舐めている
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
顔の左側です。
脇~前胸です。
体の右側面と拡大です。
右後肢の大腿部です。
それでは、初診時から約2ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
今回の症例ですが、トイプードルの治りにくい皮膚病として非常に多いタイプです。
治療で重要なキーワードは「脂漏症」と「免疫」です。
アトピーという枠組みも間違いではないのですが、アトピーを中心に置くと治療がうまくいきません。
もし仮にアトピーとして考えると、治療は「アポキル」になるのですが、アポキルではこのタイプはかなり苦戦します。
もちろんアポキルを間違いというものではなく、ある程度改善も認められると思うのですが、「アポキルだけでは治らない」という意味でアトピーを治療の中心に置くのはよくないということです。
脂漏症に対してはもちろんスキンケアが必要不可欠です。
また免疫にはスキンケアECプラスが非常におすすめですが、今回の症例は少しだけ手先の舐め癖があったのでヒーリングケアLFプラスを採用しました。
このタイプにはスキンケア&サプリメントだけでは改善しないので投薬治療は必須です。
積極的な投薬治療を併用することでかなり短期間で改善し、サプリメントの体質改善によって必要な投薬量も現在は初期の半分量で維持できています。
適切な診断と投薬治療があれば当院のスキンケア&サプリメントが非常に役立つ典型的な症例だったと思います。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.12.15
トイプードルのアトピー・アレルギーなど脂漏を伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回の症例は以前紹介したトイプードルの脂漏症のその後です。
前回記事 ⇒ 【トイプードルの皮膚病】アポキルが効かない脂漏症
初診時の詳しい状態は前回記事をご覧ください。
改めてよくなった部位の比較を行います。
初診時の状態から。
まずは右前腕。
それでは初診時からわずか6週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
変化としては、
・痒み:ほぼなし
・脂漏:ほぼなし
・毛の再生
・エリザベスカラーを完全に外すことに成功
です。
・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
今回の症例のポイントは
①脂漏をどうコントロールするか?
②痒みをどうコントロールするか?
③エリザベスカラーを外せるか?
です。
①に関しては投薬とスキンケアが非常に重要ですが、アポキルでは抗脂漏が難しいためその他のプランが推奨されます。
②痒みは2種類の痒みがあるため、アプローチ方法を2~3つ用意して臨まなければいけません。
それこそアポキルで痒みをコントロールできない典型症例なのですが、その理由は最後の腰背部~臀部の病変ですね。
前腕の痒みも心因性が一部含まれていますが、腰背部~臀部の痒みはほぼ心因性といっても過言ではないです。
この心因性のアプローチがなければ③エリザベスカラーを外すは難しいでしょう。
投稿者:
2018.07.19
トイプードルのアトピー・マラセチア・脂漏性皮膚炎などの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
トイプードルは遺伝的にアトピーと脂漏がセットで起きやすい傾向があります。
この脂漏に対してどうアプローチするのか、そして脂漏が起きている理由がアレルギーなのかどうか?が治療成功のポイントだと思います。
【症例】
トイプードル 12歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇5歳まではまったく異常がなかった
〇4年前から痒み
〇お腹をかく&なめる、四肢端をなめるなど
〇全身がベタベタして、シャンプー後もべたつく
それでは初診時の状態です。
まずは頚部とその拡大です。
続いて、腹部とその拡大です。
続いて、背中とその拡大です。
初診時と1週間後に院内薬浴を実施し、初診時から3週間後の状態と比較してみます。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒み・皮膚炎・ベタツキ・フケほとんど抑えることができました。
飼主さまからは「劇的によくなった。掻いているのをみたことがない。」という改善です。
こういったタイプの脂漏性マラセチア性皮膚炎の場合によく陥ってしまう落とし穴について解説します。
落とし穴①「こまめにシャンプーするしかない」
たしかにシャンプーすると脂っぽいのは和らぐのですが、それは一瞬だけです。
2~3日で元にもどりますし、シャンプーし続けたらよくなるものでもないため「エンドレス」です。
改善を実感することは難しいと思います。
どうして皮脂が多いのか?に向き合う必要性があります。
落とし穴②アポキルが効かなければ他に方法がない
今の皮膚科の課題の1つだと思いますが、「痒み=アポキル」という依存のようなものがあります。
毎回書いている通りアポキルは非常に使いやすいので「とりあえずアポキル」でも問題はないのですが、アポキルで改善がなければどうするのか?を考えながら処方する必要があります。
もちろんアポキルで改善がないときに、「アポキルが効かないのか?」「アポキル以外のアプローチが足りないから効かないようにみえるのか」の2つを区別できなければいけません。
前者(アポキルが効かない)であればアポキルは不要ですし、後者であればアポキルを使いながら別の治療プランを足していけばいいのです。
この2点の落とし穴に落ちないためには次の視点を持つ必要があります。
視点①なぜ脂っぽくなるのか?
脂漏の原因が簡単にわかれば誰も苦労しないのですが、特異体質でない限りだいたいわかります。
発症年齢などを考えて、アトピーなどの免疫異常を考えます。
ここで「アレルギー」と考えてしまうと迷走の原因になるため、アレルギーという概念に縛られない方がいいです。
もちろん内服治療としてアポキルはありですし、場合によってステロイド系もOKですし、シクロスポリンという手もあります。
視点②アトピー・免疫異常の改善には?
症状を抑えるために①の投薬治療は非常に有効ですが、将来的には投薬治療を減らすための他のアプローチを併用します。
具体的には免疫異常の根本である腸管免疫に注目し、当院が開発したサプリメント「スキンケアECプラス」が非常にいいです。
長期的にみると投薬治療が随分とへります。
当院で治療している脂漏症のほとんどが1年単位で皮脂がでにくく、投薬治療がへるという結果につながっています。
症状を緩和させる投薬治療も有効ですが、体質改善のためのサプリメントも同時進行で併用していくことが改善の実感には重要だと思います。
今回紹介したわんちゃんのケアには適切な診断治療と、当院で開発したスキンケア&サプリメントが非常に有効です。
投稿者:
2018.06.30
チワワ・トイプードルに多い「皮膚が脂っぽい」「フケがでる」など痒みを伴う脂漏性&アトピー性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
梅雨も終わり夏の始まりですね。
気温・湿度の影響で皮膚トラブルも増える傾向があるため、シャンプーを含めたスキンケアには力を入れていかなけばいけません。
それでは今日の症例報告です。
【症例】
トイプードル×チワワ 3歳半 女の子
【経過】
〇8か月前から続く痒み
〇冬での改善はなく、通年性(疑い)
〇4か月漢方治療をしたものの、悪化を認める
〇当院で3件目動物病院
〇痒みは、頚をかく、前肢なめる、後肢(スネ~甲)の痒み
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは全体。
続いて、頚部とその拡大。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢です。
続いて、胸部とわきの拡大です。
全体的に皮脂が多くべたついており、慢性的な皮膚炎により皮膚が硬く分厚くなっています。
初診から時に薬浴して3週間後の2回目の再診時のときとの比較をみてみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
初診時の薬浴前に毛をカットした影響で被皮が少なくみえますが、
①皮脂がほとんどない(サラサラ&臭い無し)
②皮膚がやわらかくなっている
③皮膚炎がほとんどない
④色素沈着の減少
が認められています。
もちろん肝心の痒みもほとんど解消されました。
トイプードルとチワワには遺伝的に「アトピー」と「脂漏」が出やすい傾向があります。
こういった症例ではスキンケア&投薬治療をメインとして、再発防止(体質改善)のためにサプリメントという3つのアプローチが効果的です。
今回の皮膚科診療でのポイントとしては「治療効果の予測」かと思います。
病気に対するアプローチ方法にはさまざまな考え方があるため、治療に正解はないのですが「痒みを確実、かつ最短で抑える治療法」を提案できたことではないかと思います。
医療にはインフォームドコンセントという言葉があり、丁寧な説明をして治療プランのいいところ・悪いところの説明の上で飼主さまに同意・選択してもらうことがいいとされていて、飼主さまが治療法を選ぶことがいいような風潮がありますが、「こうしたら確実によくなりますよ」というベストを選択してもらうことも適切なインフォームドコンセントだと思います。
そのため「やりたいこと、やりたくないことなど拘りがあれば希望をききますが、『おまかせ』がベストです」と伝えることが多いです。
今回は過去の東洋医学とは正反対の西洋医学でのアプローチで、飼主さまの不安もあったかと思いますが、医療には「経験」が非常に重要なため「おまかせ」が一番いい選択肢だと思います。
投稿者:
2018.06.05
トイプードルに多くみられるアロペシアX(毛周期停止)、アトピー・アレルギー、癖やストレスなど精神的な要因を含ん心因性の痒い皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
トイプードルは皮膚病が多いわけではないと思うのですが、トイプードルがゆえの遺伝的体質から難治性の皮膚病になってしまうことがあります。
「難治性」と一言にいっても色々とあるのですが、本当の意味で治りが悪いことはほとんどありません。
多くは典型的な体質のため、1つずつ的確なアプローチをしていくと非常に綺麗に改善します。
「よくならない」ということで当院を受診する飼主さまから過去の治療歴を伺うと、このアプローチで躓く「陥りやすいポイント」が見えてきます。
〇アポキル
アポキルを使って痒みが止まらないと次の選択肢がない
〇抗生物質
抗生物質で改善が認められないときに「ずっと同じものを服用し続ける」「効かないため抗生物質を処方しない」「抗生物質を変更しつづける」
〇食事療法
食物アレルギーを疑い魚、ポテト、動物性蛋白なし、アミノ酸系・・・・色々試す
こういった点は陥りがちなポイントで、迷走する原因になります。
アポキルが効かないときはアポキルが効く痒みとは異なる痒み原因へのアプローチを考えるとうまくいきます。
抗生物質が効かないときは「抗生物質が効く病変なのか再検討」「抗生物質が効くのか検査」「そもそも菌が増える理由はどこにあるのか?」を考えていくとうまくいきます。
食事療法は「そもそも食物アレルギーなのか?」から考えていく必要があります。
要するに皮膚病が治らない原因は1つではなく複数、同時にすべてへのアプローチがそろわないと改善しないこともあります。
今回紹介する症例は、そんなわずかなズレの積み重ねでよって難治性になっていた症例です。
【症例】
トイプードル 4歳半 男の子
【経過】
〇4ヶ月前から皮膚トラブル(痒み&脱毛)
〇手舐め、足舐め、口唇をかく、繰り返す背中の湿疹
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔の正面。
続いて、口唇(左)です。
続いて、右側。
続いて、頚部です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部です。
続いて、背中とその拡大です。
続いて、側面とその拡大です。
初診時から約3ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗に改善しました。
改善点①毛並み
全体的に薄毛でしたが、フワフワの状態にもどっています。
トイプードルの薄毛ではアロペシアX(毛周期停止)か、その他のホルモン異常かいくつかありますので各種検査が必要です。
時に難しい判断になる検査結果となり悩むことはありますが、それなりのアプローチ方法がありますので改善の余地は高いと考えています。
改善点②湿疹
特に薄毛の部分(胴体)に全体的に認められた湿疹(膿皮症)ですが、抗生物質をやめてもほぼコントロールできています。
※現在初診から半年以上経過しましたが、湿疹の再発はほぼなし
改善点③脂漏
口唇、四肢を中心に「かひ」を認めましたが、綺麗な状態を保っています。
改善点④手舐め・足舐め・痒み
基本はアトピーでいいのですが、アトピー単独であれば過去のシクロスポリンやステロイドで十分に緩和できていたはずです。
改善できなかった理由は心因性なのですが、心因性だけで痒かったわけではないため、アトピー対策と心因性対策の両方を行えばバランスが取れます。
しつこい手舐め・足舐めは心因性へのアプローチにより改善しました。
トイプードルは他の犬種に比較して薬の反応が非常にいいタイプの子が多いので、アプローチ方法さえ間違わなければかなりの確率で治療成績がよくなります。
トイプードルの皮膚病治療でお困りの方は当院を受診してみてください。
なお今回のトイプードルのアトピー、脂漏、心因性、湿疹には当院が開発したスキンケア&サプリメントは非常に効果的です。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
脱毛はスキンケア&サプリメントでは改善せず、アトピー・脂漏・湿疹の治療成績にも関わりますので、必ず適切な投薬治療を併用しましょう。
投稿者:
2017.11.27
トイプードルのアトピー・アレルギーなど、手舐め・足舐めの治療で高い治療成績を残している四季の森どうぶつクリニックです。
先日は脂漏性マラセチア性皮膚炎のトイプードルを紹介しましたが、今日は異なるタイプの症例報告です。
トイプードルはシーズーやフレンチブルドッグよりも多彩な表現形をもった遺伝的素因をもっていますので、「トイプードルのどのタイプか?」を診極めなければいけません。
今日紹介するタイプもかなり非常に多く、世間では難治性皮膚炎であてはまる症例です。
【症例】
6歳 トイプードル 女の子(避妊手術済み)
【経過】
〇1年前からつづくかゆみ・赤み・脱毛
〇足先の痒み、口唇の痒み
〇手作り食事療法で改善しない
〇皮膚科を受診するも「特に問題ない」で治療プランは提案されず
それでは初診時の状態です。
まずは口唇です。
続いて前肢端。
この初診時から7週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
赤み・フケもなくなり、毛並みもよくなりました。
肝心の痒みもほぼなし、手をなめなくなったということです。
症状の改善に7週間かかったわけではなく、症状は治療8日後の2回目の診察時にはほぼ消失していました。
現在は痒み止めのアポキルを半分に減らしても全くぶりかえすことがなく、頓服服用という治療レベルに到達しました。
今回の症例の治療で非常に有効だったのが当院のサプリメント「ヒーリングケアLFプラス」です。
トイプードルやシーズー、チワワ、ポメラニアン、ヨーキー、ダックスフンドなどの犬種と特に相性がいいです。
このヒーリングケアLFプラスは当院オンラインショップでお買い求めいただけます。
また提携している以下の動物病院でも診察の上、処方を受けることが可能です。
京都市 よこた動物診療室
静岡市 あん動物病院
投稿者:
2017.11.26
トイプードルのアトピー・アレルギーや脂漏症の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
この1週間は大阪の学会参加、京都での遠隔診療と仕事を詰め込みすぎてブログ更新が滞ってしまいました。
遠隔診療については色々報告したいこともあるので、また改めて記事にしたいと思います。
今日はトイプードルの皮膚病治療の症例報告です。
【症例】
4歳 トイプードル
【経過】
〇1年前から継続する痒み
それでは初診時の状態です。
薬浴治療のために初診時に毛をカットしたため、全身カット後の状態を紹介します。
まずは全体像。
続いて、頸部とその拡大。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
続いて、胸~腹部。
続いて、右膝の内側の拡大。
続いて、左内股の拡大。
脛~カカトの拡大。
それでは初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
もちろん毛が生えていますが、毛並みのよさ、そして毛をかきわけた皮膚コンディションの比較に注目してください。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
臭い、フケ、痒みともにほぼパーフェクトの改善が認められました。
トイプードルの皮膚病がみなこのタイプではありませんが、トイプードルの体質の1つとして非常に多い典型例といえます。
治療は非常に簡単でシンプルなアプローチで、投薬治療・スキンケア・サプリメントです。
スキンケアで重要なのはオイルとシャンプー、長期的な体質改善のためにはサプリメントがかなり効果的だと実感しています。
今日紹介したわんちゃんもすでに治療経過半年ほどすぎていますが、投薬治療を減らしつつもぶり返しにくい体質になっています。
当院で開発したスキンケア商品とサプリメントはオンラインショップでもお買い求めいただけます。
院内での薬浴で短期間で改善しますが、メールと写真で継続治療する遠隔診療でも十分改善できるタイプです。
お困りのわんちゃんはご相談ください。
なお、アレルゲン対策としての食事療法は行っておりません。
投稿者:
2017.05.21
トイプードルの脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
春のピークも過ぎ去り、通常モードになってきましたので、症例報告を再開していきます。
それでは今日はトイプードルの典型的な皮膚病の一つ、脂漏症の症例報告です。
【症例】
トイプードル 9歳2ヵ月 女の子(避妊済)
【症歴】
〇1歳から発症
〇過去の治療はステロイド、クロルヘキシジンシャンプー、ケトコナゾールなど
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、身体を右側面からみてみましょう。
続いて、頚部です。
同じく頚部をやや右側からみてみましょう。
続いて、左の耳です。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢です。
続いて、身体の左側面、腹部~大腿部にかけてです。
同じく太もも外側の拡大です。
続いて、右後肢の内側です。
同じく、右後肢の膝~スネにかけての写真です。
同じく右後肢の甲~足首の部分です。
かなり重度の脂漏性皮膚炎ですが、トイプードルでよくある典型的な状態でもあります。
病気としては特別なものではなく、治療は非常にシンプルです。
それでは治療後との比較をみていみましょう。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
まずは頚部です。
毛がのびていて、皮膚がみえにくいため、まだ被毛が伸びきっていない状態の比較もだしてみます。
続いて、左耳です。
続いて、右前肢です。
続いて、左前肢です。
続いて、身体の右側面です。
続いて、右後肢の内側です。
同じく右後肢の膝~スネの部位です。
このスネの部分ですが、被毛が長くなって、皮膚コンディションが見えにくいため、治療途中をお見せします。
かなり綺麗になっているのが伝わると思います。
続いて、右後肢の足首~甲にかけての部位です。
同じく治療途中の状態をみてみましょう。
かなり皮膚コンディションが改善しているのがわかると思います。
トイプードルの痒み・皮膚トラブルにはさまざまな要因があり、どこに力をいれて治療すべきかは症例によって異なります。
投薬メインの場合もありますし、スキンケアメイン、サプリメントが重要なこともあります。
当院ではありとあらゆる角度からのアプローチで高い治療成績をだしています。
差のつく治療成績のポイントがスキンケアとサプリメントです。
遠方の飼主さまでもご利用いただけるようにオンラインショップでも取り寄せることができますので、お困りの方は一度ご検討ください。
さまざまな商品がありますが、トイプードルであればヒーリングケアLFプラスが含まれた「掻く・舐めるといった痒み治療のために開発されたスターターセット」が最も適していると思います。
投薬治療と併用することで、今まで以上に高い治療成績をだすことが可能です。
投稿者:
2015.10.03
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
やはり普段慣れていない仕事をすると体力の消耗が大きいようで、9月23日の東京での遠隔診療後はしばらく疲労困憊で日常の診療をこなすことが精一杯でした。
しかしようやく回復してきたので、ブログも再開です。
今日は、この夏から取り組み始めた遠隔診療についてご紹介します。
遠隔診療というのは当院に通院が難しい遠方にお住まいの方に向けた当院の医療のサービスの一つです。
初診を実際の診療として行い、継続をメールと写真で行います。
通院にかかる時間がなくなるため、遠方からでも当院の医療サービスが可能になります。
もちろんメリットばかりではなく、「診る」ことに点で通常診療に比較してかなりの制限があるため、通院治療より治療成績が落ちる可能性も十分にあります。
むしろかなり危険なチャレンジで、お勧めしたいわけではありません。
ただ、それでも典型例であれば困っている飼主さまのご期待に沿いたいと考えてチャレンジしています。
今日紹介する症例は石川県にお住まいで、8月1日に初診として診察し、約7週間メールと写真のみで継続治療したトイプードルのわんちゃんです。
【症例】
犬 トイプードル 3歳10カ月 女の子
【経過】
〇2年前から痒みを伴う全身の皮膚病
〇当院受診までの治療
インターフェロン注射、 コルタバンススプレー、ステロイド錠剤、抗生物質
エピスースー、アルミデルシャンプー
それでは初診時の写真、そして毛をカットした後の状態も合わせてみてみましょう。
まずは顔。
続いて左耳。
続いて、頚部とその拡大。
わかり難いので、毛をカットした状態とその拡大です。
続いて、頚部の左側面です。
同じく頚部左側面の毛をカットした状態です。
続いて、右前肢です。
肘~上腕
左前肢の甲。
甲の拡大です。
右前肢の毛をカットしてみましょう。
続いて、胸部とその拡大です。
さて、初診時に最も大事なことは・・・・・・なんでしょうか?
検査をすることでしょうか?
検査をしないわけではありませんが、最も大事なこととは違います。
そう、「診極め」でしたね。
検査結果のいかんにかかわらず1~3ヵ月後までの軌跡を描きます。
もちろん検査は重要ですが、診るチャンスは1度きり、初診こそが最も重要です。
初診時にたてた治療計画で修正することなく迎えた7週間後の2回目の受診のときと比較しましょう。
非常に綺麗に改善しています。
完治するタイプではないので治療は継続です。
飼主さまからは、
「1ヶ月で劇的に皮膚の状態は良くなり、性格も明るくなりました
とても嬉しく思います。」
というメールをいただきました。
この数年の僕のテーマでもある「初診時の診極め」の究極の形だと思います。
※遠隔診療の問題点
すべての症例を改善させることができるというわけではありません。
やはり情報を収集する機会が非常に少ないため、修正することが難しいため、後手後手になることもあります。
ただ純粋にお役に立てるチャンスがあれば役に立ちたいという思いで行っています。
投稿者: