2015.10.30
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
最近は症例報告の形を「〇ヶ月でここまで改善しました」というスタイルから、初診時をすぐに紹介して「今から治療します。〇ヶ月後が改善でしょう。」というスタイルを増やしています。
それは多く診察している中で、紹介されている症例が偶然うまくいった治療症例ではなく、しかも初診時に治療方針を診極めることができるタイプであることをお伝えするためでもあります。
ですが、そんな僕も「いけるかな?」と少し躊躇することもあるため、事後報告のパターンも未だにあります(笑)
今回は「改善できるかわからない」と思ったわけではなく、薬との相性も考えて「この薬が飲むことができる子であればいける!」という条件付でしたので、事後報告バージョンとなりました。
ただ治療内容と投薬がOKであれば「いける!」と確信をもって臨んだ症例です。
【症例】
フレンチ・ブルドッグ 9歳 避妊メス
【病歴】
〇1歳前から皮膚病
〇食事療法、外用、内服などさまざまするも、効果的な治療法は今までなかった
初診時の状態です。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
続いて、後肢。
最後は左後肢を裏側から。
初診時からちょうど2ヵ月後です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
※下顎だけ微妙に見えますが、実際はかなり改善しますよ!
非常に綺麗に改善しています。
もちろん過去8年ほぼ皮膚病でしたので、ダメージの蓄積から被毛の再生がまだの部分もありますが、かなりの改善といえます。
治療内容は初診時の提案通りで軌道修正はありませんでした。
投稿者:
2015.10.28
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
先日のブログで「休日はスイッチをOFFに」とか言ってましたが、今週の休日は事情により明日の午後にスイッチを切る予定です。
実質の休日は半日ですが、麻衣子先生と素敵な半日を過ごしたいと思っています♪
では初診時の診極めの新しい症例です。
チワワによく認められる難治性になる典型的な皮膚病です。
実はもう1症例同じ時期に、まったくタイプのチワワの症例が来院されましたので、同じく紹介します。
皮膚病をみるときに教科書的な診断名からアプローチすると「間違ってはいないけど改善しない」という迷走につながることが多々あります。
大事なのは
体質 × 診断名 = 表現形
というイメージを持って初診時に診ることです。
すると診断名のもつ意味が違ってきます。
僕がよく「教科書だけでは治らない」といっているのはこのことです。
教科書には間違ったことは書いていないのですが、治療に大事なことが書かれているとは限りません。
そのため臨床家は「読む」ではなく「診る」が大事なんですね♪
痒みの改善に必要なのは1週間
ベタベタの皮膚がサラサラになるのに2~4週間
被毛がフワフワになるには2~3ヶ月
必ず改善できます。
投稿者:
2015.10.11
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
雲ひとつない青空が広がりましたね♪
ここ2回紹介しているヨーキーの症例は初診時から1ヶ月でとてもよくなりましたが、その後想定外の悪化が認められたため、さまざまな修正を加えて1年かけて改善した症例です。
そのためには初診時の判断と1ヶ月で改善した治療内容すら一旦撤回しなければいけませんでした。
※僕もすっかり忘れていたのですが、1年前の初診から1ヵ月後の時点で「随分とよくなりました!」とブログを書いていました。
1年前は治療1ヶ月で随分とよくなり、違和感を感じることなく「このままいける!」と考えていました。お恥ずかしい限りです。
今回の第1回目ブログ ⇒ 診極めの甘さ
第2回目ブログ ⇒ 診極めの甘さ2
治療から2~3ヵ月後から認められた予想外の皮膚トラブルにより治療方針の変更を繰り返して1年後・・・
顔・頚部・前胸部・四肢端までは初診時の判断と1ヵ月後の状態のまま、特に治療を変更することなくさらに改善しています。
問題は治療後2~3ヵ月後から認められた体幹の痒み&湿疹&脱毛です。
まずは体幹、左からと背中から。
続いて腹部~胸部の中間くらい(臍の側面)
続いて、右大腿部尾側です。
その拡大、膿を含んだ湿疹があります。
さまざまな治療を行い・・・
現在は非常によい状態をコントロールできるようになりました。
通常は2~3ヶ月で一つの区切りですが、今回の症例はまさに1年かけてここまでたどりつきました。
最初の1ヶ月の治療内容と現在の治療内容が異なっている点ですが、初診時の想定範囲外でしたので、診極めが甘かったかなと反省です。
最終的な治療内容は「免疫抑制剤」「外用薬」・・・と「〇〇〇」です。
あと、外科手術も効果的だったと思います。
やはり病変の出方がおかしいとは思いました。
一般的には「背中だけ」や「お腹だけ」という分布になるのですが、下半身だけ・・・というのは通常ありません。
この写真です。
下半身だけの痒みを伴う皮膚病は非常に少ないので、「いつもと違う何か」を探さなければいけません。
皮膚トラブルの原因が常に1つとは限りませんので、複数の要因を想定するのも大事ですね。
個人的にもとてもいい勉強になりました。
投稿者:
2015.10.10
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
深まる秋の夜長に虫の音を聞きながら・・・・・といえばお洒落なはじまりですが、最近寒いので窓をしめているためあまり聞こえません(笑)
それでは先日のブログ、時には診極めの甘さも~診・誤る~の続きです。
まずは初診時の状態です。
タイトルにも「診極めの甘さ」と書きましたが、わずか1ヶ月でここまで改善しました。
※画像をクリックすると大きくすることができます。
顔の痒みのコントロール、数年ぶりの顔の被毛の再生、四肢端の痒みコントロール、胸部皮膚炎の改善・・・
こうみるといつも通り初診時の判断に大きなミスはなかったようにみえなくもありませんが、問題はここからです。
初診から2ヵ月を越えたころから背中の痒みと脱毛が・・・
これは自然と毛がぬけているのではなく、痒みで噛んだり掻いたりすることで毛並みが悪くなっています。
胸の拡大です。
続いて、右大腿部の尾側と、その拡大です。
ニキビのように膿をもった湿疹がみとめられます。
確かに初診時にはなかったので、一概に初診時の判断が間違っていたとまでは思わないのですが、なにせここから苦戦しました。
初診時に3ヶ月時点で苦戦していることなんて想定していなかったため、そういった意味で「想定外」でした。
このように一見改善したようで、あとから苦戦するようなことは稀なのですが、皮膚病が常に1つの原因、病態からきているとはかぎりませんので、こういうときは「一から再スタート」です。
具体的には「過去の自己否定」、初診時に自分が下した診断すら自ら否定して捨て去ることが必要です。
それができなければ過去にとらわれたまま前にすすめません。
次回も続きます。
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2015.10.09
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
晴れた日も随分と涼しく、夜は冷えるようになりましたね。
さて、今日はいつもと違った症例報告をします。
この1~2年は「診極め」という言葉を使い、初診時にいかに治療方針・ゴールまでの軌跡を描くか・・・と書いてきました。
確かに十中八九、初診時の想定どおりにすすみますが、実はすべての症例で「診極め」ができているわけではありません。
時に「判断できない」ということもあるのはまだよしとして、中には「診誤る」ことも稀にあります。
今回はそんな「初診時に診誤った症例」を紹介します。
初診時の状態、まずはお顔から。
続いて頚部です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて前肢端です。
過去に数年間、何件もの動物病院でさまざまな治療を受けられていたのですが、詳細は次回に。
この初診の状態から1年。
1年間まったく改善がなかったわけではないのですが、少しずつ、少しずつ、修正に修正を重ねてさまざまなチャレンジもして・・・
結局のところ初診時に描いた軌跡とは異なるアプローチに落ち着きましたので、初診時の診立てが悪かったということになります。
自分の診極めの甘さの反省もそうですが、1年間もの長い期間治療の機会を与えてくださった飼主さまに感謝です。
次回は改善をご紹介します。
投稿者:
2015.10.05
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
10月3日(日)午後に、獣医師向けの1対1のシークレットセミナーを行いました。
5時間を越えたセミナーだったのですが、休憩はトイレタイムのみという頭フル回転のアドレナリン全開でしたので、先々週に引き続きヘトヘトになってしてしまいました・・・(苦笑)
休診日に体調を戻そうと思います。
では、少しタイムラグができてしまいましたが、先月から継続しているミニチュアダックスの治療中の症例を紹介します。
1回目 ⇒ 初診日(9月12日)に掲載したブログ
2回目 ⇒ 1週間後の再診(9月19日)に掲載したブログ
そして本日は9月26日のときの状態を掲載します。
すべての病変ではありませんが、ほぼ全体がわかるかと思います。
※写真をクリックすると拡大してみることができます。
本当に綺麗になってきています。
あとは被毛の再生でしょう。。
週1回の診察は必要ないレベルまできたので、次回は2週間後としています。
初診時に描いた通りの改善で、今のところ修正点はありません。
投稿者:
2015.09.19
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
虫の音を聞きながらブログを書いているのですが、仕事のようで癒される時間にもなっているので、最近はブログを書くのがとても楽しみになっています♪
今日は1週間前に書いたブログの続きで、9月12日(土)に初診で来院されたミニチュアダックスの症例の1週間後(今日)を紹介します。
以下の写真は画像をクリックすると拡大してみることができます。
非常に綺麗に改善しています。
痒みもほとんどない!とおしゃっていただけました。
注目すべきは1枚目の写真の「尾」なのですが、「しっぽブンブン♪」でとてもご機嫌で来院してくれました。
飼主さまも痒みが劇的に改善したことにも驚かれていましたが、「とても元気になりました!」と喜んでくださいました。
次回のブログでは最近取り組んでいる「次世代遠隔診療」の結果を紹介しようと思います。
遠隔診療とは、遠方で継続診療が困難なわんちゃんに、初診のみ実際に診て、継続診療はメールと写真添付で行うというものです。
まさに「初診時の診極め」の究極の姿でもあります。
そのわんちゃんの飼主さまは石川県にお住まいで、事前にメール相談でお問い合わせがあり先月8月1日に初診として来院されました。
そして9月19日の今日が2回目の来院となりました。
10年、20年後のスタンダードになるだろう遠隔診療の実際をご紹介したいと思います。
投稿者:
2015.09.12
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
台風が過ぎ去り大空が広がると夏の雰囲気もあり、、夜の肌寒さが秋の訪れを感じさせとても心地いい季節ですね♪
さて、今日は少し珍しいミニチュアダックスフンドの慢性脂漏性皮膚炎の「診極め」です。
本日9月12日が当院の初診、過去に4年間で4件の動物病院での治療歴があります。
それでは「今日」の状態をみてみましょう。
獣医師としては失格ですが、診ているだけでも胸が痛くなります。
目やにがついているのが珍しいわけではありませんし、病気で目ヤニがでていることくらい獣医師なのでわかるのですが、表情をみていると悲しい顔で泣いているようにもみえてしまいます。
獣医師としては感情を抑えて病気と向き合わないといけませんし、心の甘さは痛い目に合う要因になるため気を引き締めて望もうと思います。
必ず綺麗に改善させます。
では今後の予定です。
毎回お伝えしていますが、こういった症例をみるときは頭の中でいくつかパターンをつくります。
検査は絶対に見落としてはいけない疾患の判定と、初診時に描いたいくつかのパターンの仕分けのために行います。
仮診断は本日行った検査結果が出揃う1週間後を予定していて、次回の再診時に検査センターに提出する項目もありますし、一部の疾患の検査は「ある程度皮膚が改善してから最終判断」としているので、4~8週間後に確定に近い診断が出せると思います。
ですが治療は今日から始まっています。
次回1週間後の再診時には明確な改善がでていると思います。
1ヵ月後にはわんちゃんも元気になり、表情も変わっていると思います。
四季の森どうぶつクリニック
平川将人
投稿者:
2015.05.22
フレンチブルドッグの繰り返す膿皮症の根本的な治療に力をいれている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
なぜフレンチブルドッグは皮膚病になるのか?
なぜフレンチブルドッグの皮膚病は再発しやすいのか?
なぜフレンチブルドッグの皮膚病は難治性なのか?
今回紹介するのは「治療」という側面よりもさらに「根本的に皮膚病にさせない」という新しい取り組みです。
【症例】
フレンチブルドッグ 3歳 去勢雄
【病歴】
〇3年前から全身に湿疹ができる。
〇診断名は「膿皮症」
〇やや少ない季節もあるが、1年中湿疹がある
〇3年間湿疹に対してさまざまな治療をしてきた
【過去の検査&治療歴】
当院受診までに行った治療や検査などです。
〇抗生物質・・・過去に持続型注射薬を含め5種類服用(同時ではなく、変更しながら)
〇シャンプー・・・セラミドシャンプー、角質溶解系シャンプー
〇抗ヒスタミン剤
〇サプリメント・・・セラミド系、脂肪酸系などさまざま
〇食事療法・・・複数の食事療法にチャレンジ
〇免疫抑制剤
〇減感作療法(注射薬)
〇外用薬・・・ステロイド系、セラミド系など
〇アレルギー皮内反応検査、食物アレルギー検査(2回)
犬の皮膚病治療の選択肢でほぼすべてが含まれるような過去3年間といえます。
それでは初診時の状態をみてみましょう。
※写真をクリックすると拡大できる写真もあります。
診た目も、検査結果も診断は「細菌性皮膚炎、膿皮症」と呼ばれるものです。
フレンチブルドッグで最も多く、診断は難しくないのですが再発が多くコントロールしにくい傾向にある皮膚病です。
それでは初診時から4週間後の状態と比較してみてみましょう。
処方は当院が開発したオリジナルのサプリメントと、同じく当院が開発したクレンジングオイル、シャンプー、ローションのスキンケアのみとしました。
内服薬は一切使わず、食事療法などの指示もせず「今まで通り」としました。
写真をクリックすると拡大してみることができます。
※赤い三角は主な湿疹がある部位を示しています。
湿疹がゼロではありませんが、劇的に改善しています。
皮膚に残っているくすんでいる部分は、湿疹が改善したあとにのこる色素沈着で時間とともに薄くなっていきます。
今回の症例のポイントは「診極め」です。
何を診極めるのか?
それはフレンチブルドッグがなぜ皮膚病になりやすく、再発しやすいのか?・・・・・と、この重症かつ難治性の皮膚病に必要なものが何かの優先順位をつけることです。
この優先順位ですが、過去・現在の動物医療では抗生物質を服用することがファーストチョイス(第一選択)です。
これは個人的も同様で、今でも変わることはありません。
ですがそれは「治療」としてで、「なぜこの皮膚病になっているのか?」に対する治療ではありません。
予測ではありますが、今回の症例に適切な抗生物質を処方すれば同じような改善があったのではないかと思いますが、高い確率で服用をやめれば再発したと思います。
だとすればそれは湿疹を診ているのであって、動物の身体を診ているとはいえない・・・と考えています。
「診極め」とは、改善方法を知っていることではなく、「なぜこうなったのか?次こうさせないためには?」を含めた部分を初診時に判定することです。
今回は初診時にいくつか検査も行いましたが、検査結果を見ることなく「まずはこのスキンケアとサプリメントのみ」とし、個人的には「まずこれでいけるだろう」という確信をもってチャレンジしました。
再発防止のメインはサプリメントで、スキンケアは症状にあわせて行うように指導しています。
再発がなければこまめなシャンプーもなくなり、飼主さまにとっても随分とケアの負担が少なくなると思います。
投稿者:
2014.02.17
こんにちは、四季の森どうぶつクリニック獣医師平川です。
今日の柴犬の皮膚科症例です。
【症例】
柴犬 2歳 女の子
【病歴】
〇生後6カ月の頃から前肢の外側をよく噛むようになり、被毛が薄くなっていった。
〇近医にて抗生物質と痒み止め(ステロイド)を処方され、あまり効いていないように見えたが痒みがあったため約1年間継続して服用
〇1年経過し、セカンドオピニオンで2件目の動物病院を受診したところ、肝臓数値が高くなっていたためステロイドを中止
〇痒みが強く、アレルギー検査・外用ステロイドスプレー、療法食、手作り食を試すも改善なく悪化
それでは初診時の状態を見てみましょう。
まずは全体から。
続いて、顔。
わかりにくいかもしれませんが、毛穴を中心とした脱毛、毛穴~鼻上にかけて皮膚炎がみとめられます。
続いて、左前肢の外側から。
ここもわかりにくかもしれませんが、被毛が薄く、短くなり、地肌が見えています。
続いて、右前肢。
これはちょっとわかりやすいと思いますが、左前肢と同じく被毛が短くなっています。
わかりやすいように黄色の線で噛んでいるところを示してみます。
続いて、左後肢です。
これも柴犬の被毛を見慣れていないと、病変としてみえないかもしれませんが、膝の周囲を噛んで被毛が短くなっています。
脱毛しているわけではありません。
黄色い線で噛んでいる範囲を示してみます。
上の写真と見比べてみるとわかるかと思います。
続いて、右後肢です。
ここも左後肢と同じく脱毛ではなく、噛んで被毛が短くなっています。
黄色の線で囲ってみます。
今回の症例は初診時におそらく「〇〇〇による皮膚病」と仮診断し、初診時の診断に沿って治療を行いましたが、中々いい治療結果には結び付きませんでした。
通常であれば1~3ヶ月後にはほぼ綺麗になっているのですが、今回は5カ月を超えた時点でも悪化が認められました。
自分自身の中でも「自分の治療の限界なのか?」と悩みましたが、色々な治療法をさせていただく機会をいただくことができましたので、色々な攻め方をして、最終的にこの悪化後に変更した治療内容でいい結果を出すことができました。
上記の悪化したときから2カ月半後の状態と比べて見てみましょう。
痒がらないわけではありませんが、傷をつけるようなこともなく、被毛も綺麗に再生してきました。
この時点で初診時から8カ月経過していました。
正直、自分自身の未熟さを認め、大学病院を紹介するべきか・・・と悩みましたが、結果がついてきていない中でも新しい治療の選択肢を受け入れてくださった飼主さまの対応に本当に感謝しています。
「ここでは治らない」と判定されていてもおかしくない状況でしたので、最も頑張ってくださった飼主さまのおかげという以外ありません。
ただ診断名としては最後まで変更なく、今でもその診断として間違っていないと思っています。
それでも後半の2カ月半の治療の選択肢をもっと早くに提示することがでいなかった自分の非力・未熟なところは反省すべきで、今後に生かしていきたいと思います。
今回の症例を8カ月間治療させていただけたことで、、「柴犬の皮膚病を診る」という点においても新しい世界へ入ったような気がしました。
何度もお話しておきますが、チャンスを与えてくださった飼主さまに感謝しております。
当院の皮膚科専門外来を受診された飼主さまには、初診時にそのわんちゃんの皮膚病と同じように見える治療症例の写真を複数お見せするようにしています。
年間を通すと柴犬だけで何十頭と初診を診させて頂き、そのほぼすべてを画像データで残していますので、この数年は例外なく「うちの子とそっくり・・・」と思える症例を、しかも複数例お見せできています。
ここで症例報告をご覧になっている柴犬の飼主さまもきっと「うちの子と一緒」と思っている治療症例がいるのではないでしょうか。
そしてここの多くの治療症例をみながら「ほとんど同じに見える」、「柴犬には柴犬特有の同じ病気になりやすいのではないか?」、または「柴犬の皮膚病に特別効果のある薬があるのではないか?」と思う方もいるのではないでしょうか?
しかし答えは違います。
今回の症例を含め最近の6症例だけをピックアップしても、診断名と治療内容が一緒の症例は2症例のみです。他の4症例はそれぞれ異なる診断と治療を行っています。
このあとさらに2~3症例は紹介しようと考えていますが、それぞれ診断名・治療内容が少しずつ異なります。
柴犬を診るのが非常に難しい理由が少しずつ伝わってきているでしょうか?
また最後にまとめさせていただきます。
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