2018.06.04
トイプードルのアトピー・アレルギーなど、アポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院の高い治療成績を支えるの特徴の1つは「心因性の診断と治療」と考えています。
というのも心因性は数値化できる検査がないため、今の皮膚科診療から置き去りにされており、治療成績に差が出る原因疾患の一つになっています。
逆にいうと、この心因性掻痒症に取り組むことで治療成績は飛躍的に向上します。
今日紹介する症例はそんな典型的な心因性掻痒症のトイプードルのわんちゃんです。
【症例】
トイプードル 4歳半 女の子
【経過】
〇1歳のころから痒み発症
〇季節性はない
〇ステロイドは少しだけ効果あり
〇シクロスポリンによる改善効果はなかった
〇一番痒みは足の裏を舐める(手舐め、足舐め)、2番目は腕を噛む&舐める
〇鼻回りの痒み、目の痒み、耳はたまに
〇背中も噛む
〇食物アレルギー対策として病院療法食での食事療法継続中
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部~前肢です。
続いて、右前肢の腕の内側です。
続いて、左前肢の腕の内側です。
続いて、右前肢端です。
続いて、右前肢端です。
続いて、背中です。
同じく背中のよく噛んでいる部位の拡大です。
続いて、後足の裏、左右です。
それでは初診時から約2か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
この写真では大きな変化がないように見えますね。
続いて、右前肢です。
元々赤みがつよくなかっためこの右前肢も変化はわかりにくいかもしれません。
続いて左前肢です。
この左前肢は赤みもなくなり、毛並みもよくなったのがわかると思います。
続いて、背中のその拡大です。
写真ではわかりにくいですが、噛みちぎって毛並みがわるかったものがきれいになりました。
もちろん背中の痒みはゼロになりました。
最後に両後肢に裏です。
綺麗に改善しました。
当院の症例の中では「見た目は重症ではない」のですが、ステロイドや免疫抑制剤を使用して改善しないというのは難治性の部類に入ると思います。
心因性の搔痒にはステロイド、アポキル、免疫抑制剤(シクロスポリン)といった一般的な皮膚科の治療薬での反応が悪く、心因性への直接的な投薬治療をしなければ改善しないままです。
もちろん心因性の痒みだけしかないわけではないため、治療は複数のアプローチを併用は必要です。
肝心の心因性に対する治療ですが、一つは当院が開発したリラックス系(心因性・癖対策)のサプリメント、ヒーリングケアLFプラスです。
初診時にアポキルとこのヒーリングケアLFプラスを処方しただけですが、2回目の診察までには痒みの大半は消失していました。
そしてアポキルとヒーリングケアLFプラスの2つで抑え切れなかった痒みに追加(初診時にすでに伝えていた予定通り)の処方を行い、ほぼすべての痒みが消失しています。
当院の症例報告で時々でてくるこのヒーリングケアLFプラスですが、アポキルとの相性が非常にいいです。
特にトイプードル、マルチーズ、ヨーキー、ポメラニアン、シーズー、チワワなどの小型犬腫の手舐め・足舐め・腕噛み・腰噛みにはかなり効果的です。
アポキルが多少きくけど、残った痒みに何かプラスというときにお勧めです。
このヒーリングケアLFプラスにはアトピーやアレルギーの緩和、免疫系への強化というメリットもあるため、毎日使うことでアポキルを減らすことができるわんちゃんはかなりいるのではないかと思います。
今回紹介したトイプードルのわんちゃんでもアポキルを併用しましたが、今は週2~3回の頓服的服用でほぼ痒みは落ち着いています。
適切な診断・投薬治療の上での使用をお勧めしていますので、お困りの方はぜひ当院を受診してください。
紹介したヒーリングケアLFプラスは当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。
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2018.06.03
柴犬のアトピー・アレルギーや、アポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
痒みを抑える画期的な新薬「アポキル」が発売されて2年が経ちます。
副作用が非常に少なく、さまざまなシーンで使いやすい非常にいいお薬で、特に従来の治療では改善しにくかった典型的なアトピーの柴犬ではかなり効果を発揮します。
ただ柴犬の痒い皮膚病は独特で、原因が違うのに見た目が一緒ということが多いため、柴犬のアトピーだからアポキルが効くだろうと処方したのにまったく改善しないこともあります。
アポキルを使って改善しない場合にどう考えるか、今の皮膚科の課題の一つだと思います。
今日紹介する症例は「アポキルを1日2回服用しているのに改善しない柴犬の痒い皮膚病」です。
【症例】
柴犬 1歳半 男の子
【経過】
〇2ヵ月前(春)から口周り、お尻周りが痒い
〇他院にてアポキル1日2回2週間、3週目から1日1回を2週間の合計1カ月服用したが改善なし
〇口唇もお尻周りも血が出るまで痒がる
〇傷防止のためにエリザベスカラーを装着している
それでは初診時の状態です。
まずは口唇です。
診断と治療方針はこの初診時の一瞬で決まります。
初診時からわずか12日後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まだ毛は生えていませんが、皮膚炎はかなり改善しました。
飼主さまから「すごくいい!びっくりした!」と喜んでいただけました。
エリザベスカラーもはずして、まったく掻かないそうです。
たしかに柴犬の皮膚病はどの症例も似ているのですが、本当は少しづつ違います。
原因の違いがほんのわずかでも見た目に反映されていますので、よく見ればアポキルが効かない理由をみつけることができます。
なお当院でもアポキルは1日1回で継続投与としています。
治療の差はアポキル以外のところにあります。
大事なのはアポキルを出すことではなく、アポキルが効く痒みと効かない痒みを見分けられること、そしてアポキルが効かない痒みをどう評価してどうアプローチするかの方法を初診時に把握できることです。
当院と診療提携をしている病院には解説メールをお送りします。
診療提携をご希望の方はお問い合わせフォームからご連絡ください。
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2018.05.30
犬の皮膚病で最も多くみられる細菌性の皮膚炎「膿皮症」の根本的な治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
よく飼主さまに聞かれる質問の1つに「どうして膿皮症になるんですか?」があります。
教科書上での膿皮症の原因は、「皮膚表面の細菌感染」です。
ただ「どうして皮膚で細菌が増えるのか?」まで考えると、アトピー&アレルギーや内分泌疾患による皮膚コンディションの異常や、食事の影響、気温&湿度などの局所環境の影響・・・などとなり、そう簡単に特定できないのが今の皮膚科の現状です。
この「どうして皮膚で細菌(しかも常在菌)が増えるのか?」を考え続けて生まれたのがスキンケアECプラスなのですが、膿皮症のすべてがスキンケアECプラスで解決するわけではありません。
やはり症例によって膿皮症の原因(体質)は異なりますので、その子の体質に合わせたアプローチが必要です。
今日は「繰り返す&治らない膿皮症の原因を特定し、根本的な治療に成功した症例」で、しかも「スキンケアECプラスを使用していない症例」ということでかなり珍しいパターンです。
【症例】
パグ 4歳 女の子(避妊手術済み)
【経過】
〇2歳のころから皮膚トラブルがつづく
〇この1年以上はずっと繰り返していて、良くなっていない
〇耳、顔のしわ、内股のブツブツ、四肢端のなめ
〇抗生物質ではよくならない
〇アレルギー検査では何も異常がでなかった
〇ロイヤルカナンの食事療法を1年継続したが改善なし
〇現在完全手作りをしているがよくならない
繰り返す膿皮症の「あるある」がたくさん詰め込まれているタイプの症例です。
「抗生物質でよくならない」という点だけに注目しても色々考えるべきことがあるのですが、もし感受性のある抗生物質を使っていても良くならないとすれば別に問題がると考えなければいけないタイプです。
また食事療法も「あるある」があり、動物医療の食事療法のトップであるロイヤルカナンの療法食でも改善なく、ポジション的には正反対である完全手作り食でも改善なく、いったい何を食べればいいのか?食事は関係ないのか?と悩んでしまう状態です。
アレルギー検査についても同様で、突破口を探して検査をされたと思いますが、「何も異常がでなかった」というのもアレルギー検査のあるあるです。
では、まずは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔とそのシワの拡大です。
続いて、下顎です。
同じく下顎のやや左側です。
続いて、右前肢端です。
続いて、胸部とわきの拡大です。
」
続いて、腹部とその拡大です。
それでは初診時から約3ヶ月弱後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
※四肢端の写真に治療後がないのですが、非常に綺麗に改善しています。
当院での症例報告の中では軽症なので一見目立ちにくい症例かもしれませんが、この症例は非常にみどころのある症例です。
理由は始めでも触れたとおりで、「細菌性膿皮症が治らない&再発しやすい原因を特定し、根本的治療ができた症例」だからです。
しかも当院がよく伝えている「スキンケアECプラスを使うと膿皮症が再発しません」とはまったく異なるアプローチをしているのもポイントです。
具体的には、
①抗生物質の試用期間はわずか3週間弱
②抗生物質を終了して7週間経過しても1つも湿疹が再発していない
③スキンケアECプラスは使用せず
そして最大の特徴は、
④膿皮症の再発予防のために、抗生物質の服用以外の治療を併用している
です。
みなさんに知っていただきたいのは、「膿皮症の原因は1つではない」、だからなんでもスキンケア&サプリメント&食事療法ではないということです。
やはり適切な医療があれば治療結果はここまで変わりますので、ぜひ受診していただけばと思います。
どれだけインターネットで調べてもでてこない想定外の診断名と治療アプローチ、そして何より治療結果で「今まで治らなかった理由」を実感していただけると思います。
肝心の「④抗生物質ではない再発予防につながるアプローチ」ですが、当院と提携している先生には検査結果とを添えた解説メールをお送りします。
当院との提携をご希望の方はお問い合わせください。
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2018.05.28
柴犬のアトピー・アレルギーや、アポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先日の柴犬の皮膚病ブログでは「原因が異なれど見た目が一緒になりやすいため、原因を分けるのが難しいこともある」ということをかきましたが、今回は見た目が特徴的なので診断&治療方針決定が非常に簡単という症例です。
ただ、柴犬の痒みに対して「アポキルを3ヶ月以上毎日服用しつづけているにもかかわらず良くならない」という症例のため、スタート時点での治療難易度はそれなりに高めです。
【症例】
柴犬 3歳4ヶ月 男の子
【経過】
〇1歳半のころに耳の痒み
〇2歳半から腕やスネの脱毛(痒みはなさそう)
〇胸の毛並みもわるくなってフケも多い(今はマシな方)
〇痒みは、耳を掻く&振る、お腹を掻く、腕~手首をかむ
※目・口は痒みほぼなし、四肢端は多少なめることはあるかも?
〇抗生物質とステロイドの併用でも改善なし
〇アミノ酸系療法食でも改善はなかった
それでは初診時の状態です。
続いて耳ですが、後ろからみてみましょう。
続いて、右耳を後ろからみたところです。
同じく右耳の後ろから、拡大です。
同じく右耳、横からなど角度を変えてみてみましょう。
続いて、腹部全体と、胸の拡大・臍の拡大です。
続いて、お腹と右内股の拡大です。
続いて、右後肢の内股~膝の内側です。
この初診時からちょうど2ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
続いて、腹部より下です。
ここは赤みの改善もありますが、なにより毛並みがかわっています。
以下の写真は臍周りです。
続いて、お腹~内股です。
この上の写真では少しわかりにくいかもしれませんが、右内股の赤みがほぼなくなっています。
最後にこの内股でわかりやすい写真、右後肢の内側(膝の内側)ですが、非常に毛並みがよくなっているところに注目してください。
痒みは「たま~~にかゆい」くらいで、アポキルも毎日から減らして現在は週3日の服用ですが、痒みのぶり返しはありません。
以下、今回の症例の簡単な考察です。
今回は12月~3月までアポキルを毎日服用していても痒い柴犬の皮膚病でしたが、本来であれば12~3月は皮膚病の治療成績が最も悪化しにくく、むしろ4~5月にかけて悪化するのが普通です。
その4~5月にかけてアポキルを減らしても痒みはあまりないという改善なので、写真の見栄え異常に劇的な改善効果があったといえます。
治療の成功のために注目すべき点はいくつかあるのですが、
①目・口・四肢端に強い病変がない
②耳の重症度が高い
③アポキルが効いていない
この3点を考えると「柴犬に良く認められるシンプルなアトピーではない」というのがわかります。
シンプルなアトピーではなく、アポキルが効かない・・・・・非常に難しそうにみえますが、この病気の原因はこの初診時でほぼ判定できます。
初診時の検査結果がは1週間後くらいに出揃いましたが、初診時の確信があったため検査結果が出揃うまえに治療方針を決めて治療開始させていただきました。
初診時の治療方針からの変更はありません。
なお当院と診療提携を結んでいる先生には簡単な治療解説メールをお送りする予定です。
今回は初診時に飼主様から「柴犬のコンクールに出してあげたい」という願いを聞いており、「きっとでれますよ!」とお約束していたので、順調に改善して一安心です。
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2018.05.26
柴犬のアトピーやアレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
皮膚病の難しいところの一つ、「見た目」をどう評価するか?です。
皮膚病は目で見えるからわかりやすいという側面もありますが、目で見えてしまうがゆえに難しいところがあります。
「目で見えるから難しい」の理由ですが、皮膚の変化のバリエーションには限りがあり、原因が異なっても見た目が一緒になることが多々あるということです。
特に柴犬で顕著ですが、原因が1つで程度が軽度であれば、その原因の特徴を見た目で分類することもしやすいのですが、複数の原因が重なり合って重症化すると、それぞれの特徴が消えて同じような皮膚病にみえてしまいことがあるのです。
例えばA疾患、B疾患、C疾患、D疾患と4つの病気の原因があるわんちゃんがいるといて、病状を分析(予測)するとA疾患25%、B疾患50%、C疾患15%、D疾患10%のという配分だったとします。
すると見た目はB疾患とA疾患の重症化というようにはみえますが、C疾患とD疾患まではわかりません。
疾患AとBに対する治療である程度緩和したときに、ようやく疾患CとDの特徴がみえることもあります。
もちろん予測できるところもあるので、ある程度想定はしますが、あとから「実は〇〇〇という病気もありそう」となることもあります。
今日はそんな複雑な要因が重なっている病気です。
【症例】
柴犬 9歳 男の子
【経過】
〇初発は生後4歳から
〇7歳(2年前)のとき、頚部の皮膚炎から悪化
〇この2年のうち一時期だけ無治療で改善したが、基本は通年発症
〇食事療法は色々したが、よくならず
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部です。
続いて、胸部です。
続いて、腹部です。
続いて、右側面です。
右側面の胸部拡大です。
同じく右側面の腹部拡大です。
続いて、右後肢のカカト付近です。
それでは初診時から3カ月半後の状態と比較してみましょう。
短期間のうちに劇的に改善しましたが、部分的にまだ残っていますね。
この残っているところが「今までの継続」でよくなるのか、別のアプローチが必要になるのかの判断が大事で、個人的には異なるアプローチが必要と考えています。
ここが前半でお話した別の要因があとから見えてくるという点です。
まだ改善の余地ものこっているので、飼主さまと相談しながら追加アプローチのタイミングは決めていこうと思います。
柴犬の皮膚病が重症化すると原因が異なれど、見た目は一緒になりやすく、見た目の判断が難しくなります。
アポキルが発売されてから、痒みに対してはアポキル一辺倒のような風潮があるのですが、こういった症例に対して画一的な治療ではうまくいかないため、病状に合わせた治療方針の変更が必要です。
※アポキルはとても使いやすい便利なお薬で、困ったら「とりあえずアポキル」でもいいのがメリットです。
アポキルを飲んでいるのに良くならない、柴犬の皮膚病で慢性・重症化して治療に困っている方はぜひ当院までご相談ください。
柴犬のこういった重症化であればほぼ改善します。
投稿者:
2018.05.21
アポキルが効かない、食事療法で改善しないといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回の症例は2ヶ月ほどまえに一度紹介したわんちゃんの続きです。
前回の記事は、
平成30年3月16日のブログ記事 アポキル&アミノ酸系食事療法で改善しない 【四国から愛知までの通院】
初診時の治療方針で2週間後の2回目の診察時には改善していたという内容でした。
今回は「初診→2回目→3回目→今回」という状況です。
それでは初診時から約2ヵ月後の状態と比較してみましょう。
続いて、右前腕とその拡大です。
続いて、左前腕とその拡大です。
非常に綺麗になりましたね。
全身の痒みの大半が著しく改善しました。
背中以外の、目周囲・口唇~下顎、頚部、胸、腕、内股、わきのフケ・皮脂(ベタベタ・ゴワゴワ・ザラザワ)が綺麗になりました。
ゼロではないのですが、見た目の改善度は90%です。
今回の症例は当院受診時にすでにアポキルを服用していた状態で痒い&皮膚炎&フケでしたので、大事なのは「アポキル以外の治療プラン」です。
よくアポキルを飲んでいるのに・・・と聞くのですが、アポキルが効いたり・効かなかったり・・・というようなことはないと思っています。
そして続けることによって効きにくくなるということもないと考えています。
アポキルが効くメカニズムは常に一定なので、効果がない?というときはアポキルが作用する部分以外の治療を組み立て直す必要があります。
そこでアポキルをやめるのか、継続するのかはそのときの判断ですが、今回は「アポキルが効くべき異常所見はある。効果があるため継続処方」としました。
今回は「アポキルは効く、ただしアポキル以外の治療が適切に限る」というような症例でした。
今回の症例もいつも通りですが、初診時に行った検査結果が出揃う前に組み立てた初診時の治療方針だけで、わずかな軌道修正もなく改善ができています。
当院では獣医師向けにこういった診極めのためのセミナーを開催しています。
希望の方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2018.05.19
再発を繰り返す膿皮症、治りにくい膿皮症の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
膿皮症はもっとも頻繁に診る皮膚病の1つで基本的には抗生物質とシャンプーでよくなりますが、奥の深さはピカいちで「なぜ膿皮症になるのか?」が見えないと苦労することも非常に多い疾患です。
この「なぜ膿皮症になるのか?」という観点を無視して、本当の理由を置き去りのまま治療をつづけると「抗生物質服用中は治るがやめると再発する」か「抗生物質を続けていても治らない」ということが起きます。
この目に見えない膿皮症になる理由を探すのが皮膚科診療、今日はそんな症例報告です。
【症例】
シェルティー 女の子 3歳9か月
【経過】
〇3歳まで皮膚病はなし
〇3カ月前から湿疹&フケ&円形脱毛が続く
〇抗生物質など服用するも改善なし
まずは初診時の状態から。
つづいて、頚部の湿疹とその拡大です。
続いて、腰背部とその毛をかき分けたところです。
続いて、お尻~陰部とその拡大です。
初診時から3か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
膿皮症も奇麗になりましたが、毛並みがよくなったのがわかりますか?
膿皮症の原因にもいろいろあるのですが、このわんちゃんのタイプでは膿皮症になる明確な原因を特定でき、治療をすることができたので膿皮症にはなりにくいと思います。
現時点も抗生物質をやめて2ヵ月ほど経過しましたが、再発していません。
なお当院では膿皮症の再発を抑える治療プランとしてスキンケアECプラスを奨めることが多いのですが、今回のわんちゃんでは膿皮症の原因が異なるため、使っていません。
なんでもかんでもスキンケアとサプリメントではないので、それぞれの症例に合わせた的確な判断が重要です。
投稿者:
2018.05.18
アトピー・アレルギー、手舐め・足舐めなどが多いフレンチブルドッグの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの手舐め・足舐めは「癖?」と思うくらいしつこくて、アポキルが効きにくいことが有名ですね。
はたして手・足は痒いのでしょうか?
今日はそんなフレンチブルドッグのアトピーなのか、アレルギーなのか、癖なのか・・・悩む手舐め・足舐めがひどい症例報告です。
【症例】
フレンチブルドッグ 1歳未満 男の子(去勢済み)
【経過】
〇手・足舐めがひどい
〇左後ろ足が特にひどい
それでは初診の状態です。
まずは右前肢です。
右前肢の指間です。
続いて、左前肢の指の間です。
続いて、右後肢です。
それでは約1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まずは右前肢。
続いて、左前肢です。
最後に右後肢です。
一番重度であった右後肢は劇的によくなりましたね。
診断名は心因性掻痒症、精神的な、癖のような舐める行動ですね。
ブルドッグ犬種はこの心因性がよくでます。
もちろんアトピーもあると思うのですが、アトピーだけでこうはならないのでその他の要因を疑います。
少しだけ難しいのは、この痒みはアトピーよりなのか?それとも心因性よりなのか?を判断することです。
このタイプは心因性よりでアトピーは軽度と考えられます。
そのため初診時から心因性に対するアプローチを積極的にやるのがいいでしょう。
犬の癖のような手舐め・足舐めといった心因性の痒みには、当院が開発したヒーリングケアLFプラスが非常に有効です。
ラクティウム、ラクトフェリン、テアニンという3つの成分を高濃度に配合したサプリメントはわんちゃんをリラックスさせ、心因性の行動異常を緩和させてくれます。
ヒーリングケアLFプラスは当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.05.17
痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院は2014年から犬のみを受け付けていますが、昔の患者様はそのまま継続診療していますので今でも猫ちゃんを診ています。
猫は犬と異なり皮膚病になりにくく、なっても原因が犬とは随分と異なります。
その要因の1つが心因性掻痒症なのですが、当院が開発したサプリメント「ヒーリングケアLFプラス」がかなりの確率で効果を発揮します。
効くかも?ではなく「まず効く」というくらいの相性のよさで、個人的にもびっくりです。
今日はそんな猫の典型的な心因性掻痒症に対するヒーリングケアLFプラスの治療症例です。
【症例】
猫 MIX 6歳 女の子
【経過】
〇2ヶ月前からお腹と背中の脱毛
〇2件の動物病院で「原因はストレス」「治療はエリザベスカラー」といわれた
それでは初診時の状態です。
まずは顔の正面から。
続いて、背中全体です。
真ん中のラインに毛並みの異常がみとめられます。
拡大してみましょう。
背中のところどころが脱毛しているようにみえますが、毛がぬけているのではなく千切れているのです。
続いて、腹部とその拡大です。
初診時から3ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックするとおおきくすることができます。
腹部は100%、背中は80~90%再生しています。
診断は心因性で、治療にステロイドは使っていません。
当院で開発したヒーリングケアLFプラスですが、猫でも高い治療効果が期待できることがわかっています。
過去に5症例使用しましたが、5症例とも明らかな改善が認められています。
もちろん診断が正しければ、ですが猫用か?と思うほどの効果を示すため、ぜひ一度ご利用いただければと思います。
当院のヒーリングケアLFプラスは当院のオンラインショップからお買い求めいただけます。
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2018.05.14
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギーなど脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は扱いにくく、こじれやすいです。
昨日は東京・品川の遠隔診療で5頭のわんちゃんを診ましたが、そのうち2頭がフレンチブルドッグでした。
たしかに難しい体質だと思いますが、うまくいかない理由は案外基本にあり、今の皮膚科医療のスタンダードである「アレルギー」と「痒み止め」に縛られてしまっていることだと思いました。
「フレンチブルドッグの皮膚病はアレルギーではない」「皮膚に痒みの異常があるわけではない」という目線でアプローチしなければうまくいかないと思います。
今日は以前にも2回紹介したわんちゃんの経過報告です。
1回目は、
3月23日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療 (初診)
2回目は、
3月30日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療② (2回目再診時)
今日紹介するのは初診から約6週間後のつい先日の症例報告です。
まずは1回目、2回目と順番医お読みください。
それでは初診時から6週間後との比較をご覧ください。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
顔のシワの皮膚炎がまだ十分とはいえませんが、全体的には劇的な改善ができたいと思います。
この方向性でいけばもう2度と元の状態にもどることはないでしょう。
このタイプの症例には院内薬浴を実施して、サプリメント2種類を併用しています。
当院の薬浴で使用しているスキンケアと、サプリメントは以下のオンラインショップからご購入できます。
適切な診断・治療とともにご使用ください。
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