2022.09.28
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は一般的な治療が効かない柴犬の子の症例です。
【症例】
8歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇3年前から身体を『掻く・舐める・噛む』といった痒み症状が始まり、徐々に悪化傾向
〇食物アレルギー検査をし、食事療法や手作り食にするも改善せず
〇アポキルやステロイドの使用もしたが良くならず
初診の時の様子をご覧ください。
まずはお顔の写真からです。
次に首下から胸。
胸下から両前肢です。
胸の拡大写真です。
胸から腹部にかけての拡大写真です。
腹部の拡大写真です。
横の全体写真です。
ここからは各部位の拡大写真です。
まずは右前足。
次に下半身。
そして右後ろ脚。
最後に横顔~首周辺です。
柴犬さんかと疑うくらい容姿が変わっています。
全体的にほとんど毛が生えていません。
皮膚は赤黒く像のようにゴワゴワして強張り硬くなっています。
まずは投薬治療を主軸に、腸内の免疫異常が原因と考え腸内環境改善のため、当院がお勧めするフードとサプリメント(スキンケアECプラス)で治療を開始しました。
それでは、初診時から2ケ月後の様子をご覧ください。
この写真は毛をかき分けた写真です。密に毛が生えアンダーコートも復活しています。
1ヶ月後には痒みが劇的に減り、2ヶ月後には写真の状態まで改善しました。
離島から船に乗って通院する必要があり、「頻繁に連れてこれないけど、治りますか?」と初診時に心配されていました。
もちろんこのタイプは当院では非常に改善させやすく、通院間隔を開けながらでも改善は可能です。
実際に今回の改善までに必要な診察は2回、
1回目:初診時
2回目:検査結果説明
3回目:改善後の写真撮影
でした。
この子のように食事といったアプローチでは改善不可能のため、投薬治療が必要になります。
ただ投薬治療の組み合わせが特殊なため、アポキル・サイトポイント・ステロイドなどで同じように改善しない場合は当院への受診を強くオススメします。
お勧めするアプローチ
・投薬治療
・スキンケアECプラス
・アロペシアGR+
・食事療法(アレルギー対策ではない)
・スキンケア(治るものではないが、必要)
今回使用しているサプリメントは、当院オンラインショップでお買い求めいただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
投稿者:
2022.09.22
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は脱毛症のポメラニアンの子の症例です。
【症例】
ポメラニアン 6歳 女の子(避妊済)
【経過】
〇昨年10月から毛がごわごわし、徐々に首とお腹の毛量が減っていると感じた
〇かかりつけでアロペシアXと診断が下り、特に治療はしていない
〇同じ時期に膿皮症も患い抗生剤を内服している
それでは、初診時の様子をご覧下さい。
こちらは胸のお腹の部分です。
毛量は一見あるように見えますが、毛束状になりゴワゴワしたさわり心地です。
先程の拡大写真です。毛束感やゴワゴワしている感じが写真から伝わります。
こちらはお腹の部分の拡大写真です。
次は身体側面のお写真です。
このお写真は首辺りを映しています。
この部分だけ顕著に脱毛が見られました。
初診では食事療法を開始し、約2週間後から投薬治療とスキンケアを開始しました。
初診から3ヶ月後、血液検査も挟みながら適宜状態をみながら投薬を調整し、首辺りの毛が生え始め、全体的にゴワゴワしていた毛がやわらく感じられるように。
さらに2ヶ月後には毛量が増えボリュームが出始めました。
元の状態まで改善されたため治療終了となりました。
それでは、フワフワに戻った姿をご覧ください。
正面の写真からでも毛がフワフワしているのが分かります。
全体的に毛量が増え毛束感も無くなりました。
拡大写真です。
お腹の部分の拡大です。皮膚が見えていた部分が毛で覆われています。
身体側面です。フワフワモコモコですね。
脱毛が顕著にみられた首の部分も綺麗に生えそろっています。
全体的に毛が増えただけでなく、密になりポメラニアンらしい姿に戻れました。
アロペシアXは治療の正解がないため、効果が出るまで時間を要したり、全ての子がこの子のような結果となるわけではありません。
ですが、もし積極的な治療に興味があり試してみたいという方がいらっしゃいましたら是非当院にご相談ください。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧いただけます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りの方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 上林
投稿者:
2022.06.20
こんにちは、パピヨンの皮膚科治療も行っている四季の森どうぶつクリニックです。
今回はパピヨンの症例をご紹介します。
【症例】
パピヨン 6歳 女の子(避妊済み)
【経過】
〇来院の1年以上前から毛が薄くなってきた
〇かかりつけで治療を進めるが、脱毛が進行してしまった
では、初診時の様子をご覧ください。
まずは首の写真です。
次は体の側面の写真です。
首、体、背中のアップの写真です。
初診時と4カ月後の様子を比べてみましょう。
毛が薄く地肌が見えてしまっていた部分も毛が生え揃いました。
今回は積極的なホルモン治療を行い、治療を進めました。
この子の場合、治療からわずか4カ月で治療結果が出ましたが、全ての症例で同じような結果が出るとは限らないのとわんちゃんによって結果が出るまで長い時間がかかってしまう子もいます。
この子のようにわんちゃんの皮膚病でお困りで治療をしてみたいという方は是非当院までご連絡下さい。
尚、関東にお住まいの方は、東京サテライトにて当院獣医師が初診をさせていただき、継続治療をオンライン診療で行う遠隔診療も行っています。
※症状によってはできないこともございます。
詳しくは東京サテライトのご案内をご覧下さい。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者 佐野】
投稿者:
2021.09.07
毛並みの治療も行っている皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はMIX犬の症例です。
【症例】
MIX(ポメラニアン×スピッツ) 6ヶ月 女の子
【経過】
〇お迎えしてすぐに痒みと脱毛
〇全身の痒み
〇手足などを噛んだり舐めたりすることもある
それでは初診時の様子をご覧ください。
まずは全体の写真です。
続いては首から胸の写真です。
地肌の色が見えています。
続いては脇~足の写真です。
毛が薄くなっているのがお分かり頂けると思います。
そしてお腹側の全体と、お腹~足の写真です。
全体的に毛が薄く、お腹に至ってはほとんど毛がありません。
こちらは側面の様子です。
側面や背中も薄毛になっています。
これは側面の毛をめくったところです。
アンダーコートも見られず、脂漏症の症状もみられます。
それでは治療開始から3ヶ月後の写真をご覧下さい。
かなり毛の量が増えました。
毛並みも以前とは違いふわふわしています。
今回の治療にはアポキルはほとんど使用していません。
基礎疾患である免疫やホルモン異常への治療を行いました。並行して腸内環境を整える為のサプリメントも使っています。
治療スタートから、1ヶ月後には毛並みが良くなってきて、痒みも減りました。
最後の写真(3ヶ月後)でもお分かり頂けるように、アンダーコートが再生し、毛並みも変わり、脂漏症の症状も無くなりました。
このように、なぜ痒みや毛並みの異常が起こっているかの原因を見極めて、適切な治療を行うことで毛並みをも改善させることができます。
皮膚病が良くならない、原因が分からないなど、わんちゃんの皮膚病の事でお困りのことがあれば是非、当院までご相談下さい。
尚、関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診させて頂き、再診をオンライン診療で行う継続治療を受けることもできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
詳しくはこちらからご覧頂けます。⇒東京サテライト
今回の治療でも使用したサプリメント(スキンケアECプラス)はこちらからご覧頂けます。⇒サプリメント
【症例報告制作者】 看護師 森
投稿者:
2021.06.15
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、パピヨンの脱毛症「アロペシアX(毛周期停止)」の治療症例です。
【症例】
パピヨン 6歳 男の子
【経過】
〇2年前から毛並みが悪くなり、一時期良くなったが再び脱毛してしまう。
〇頚部・胴体・臀部に脱毛が顕著に出ており、痒がる。
それでは、初診時の状態です。
まずは、身体の正面です。
続いて身体の側面とその拡大です。
続いて頚部とその拡大です。
続いて胸部です。
続いて腹部です。
続いて背中全体です。
最後に臀部です。
それでは、治療後の状態と比較してみましょう。
初診時と比べると、明らかに毛量が増え毛が生えそろってきました。
脱毛で皮膚が丸見えになってしまっていた部分にも、見違えるほどきれいな被毛が再生しています。
治療前のゴワゴワして硬くなっていた毛も、パピヨンらしい柔らかな毛になり、毛ツヤもアップしました。
【症例報告制作者】 看護師 山崎
投稿者:
2021.01.16
アトピー・アレルギーなど痒い皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はイタリアン・グレーハウンド(通称イタグレ)の皮膚病治療です。
特徴的な見た目で有名なイタグレですが、数が多くないのでトイプードル・チワワ・ダックス・柴などの犬種と異なり、そう頻繁に診ることはないかもしれません。
ただ、このイタグレですが皮膚が弱いです。
「アポキルが効かない」という主訴をよく聞きます。
アトピー?
アレルギー?
体質?
イタグレの皮膚が弱い根本的な理由がわかっていれば治療は簡単です。
今日はそんな症例報告です。
【症例】
イタリアングレーハウンド
【経過】
〇痒い(掻く、噛む)
〇アポキルを毎日飲んでもすっきり治らない
それでは初診時の状態です。
ここから治療後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
結果は劇的です。
何が違うかわかりますか?
大事なのは、
毛並み
です。
モコモコ&フワフワです。
飼主さまも「こんなのみたことない」と衝撃を受けていました。
イタグレって毛が少なくで、地肌が見えるのが普通だと思われているのですが・・・
本当は、
「それ、病気です」
なんですね。
治療しなければ命に関わるではないとは思うのですが、皮膚が弱い原因になります。
「毛並みがよくなる=皮膚コンディションがよくなる」
なので、治療の価値は高いです。
問題なのはこのイタグレの毛並みの異常が、「イタグレはこんなもの(正常)」と勘違いされていることです。
僕も3年前までそう思っていました(反省)。
理由は簡単、「教科書に掲載されていない」からですね。
治療法がないどころか、病名もないので「病気として認識されていない」という状態です。
今は違います。
診た瞬間に「治せる」と確信できる判断力と治療法があります。
イタリアングレーハウンドだけではなく、その他のハウンド系・ピンシャー系も同様なので、もしお困りの方がいれば当院までご相談ください。
投稿者:
2019.12.20
こんにちは、ポメラニアンの脱毛症(アロペシアX、毛周期停止)の治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はポメラニアンの症例です。
【症例】
ポメラニアン 6歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇急に毛量が減り、頚部、体の側面、臀部がスカスカに
〇腹部~内股に湿疹あり
〇痒がっている
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
頚部です。
脇~胸です。
腹部~内股です。
体の側面(右側)とその拡大です。
臀部です。
それでは、治療後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
スカスカだった部分に毛が生え、毛量が増えました。
腹部の湿疹があった所も綺麗になっています。
アロペシアX、毛周期停止といった脱毛系の治療は非常にデリケートです。
何がデリケートかというと、
①診断
血液検査での確定診断は不可能
②治療
専用の治療薬はなく、報告がある治療薬の取り扱いが繊細
③結果
一般的には治療結果がでるのに最短でも6カ月、平均1年越え・・・と時期だけでなく結果がでるかどうか不確定要素が強い
治療方針は色々とありますので、色々と組み合わせを変えながらご提案をしていきます。
毛並みの再生をお約束できるものではありませんが、お悩みの方はご相談ください。
投稿者:
2019.11.23
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は治療依頼が非常に多いトイプードルの脱毛症「アロペシアX」、別名「毛周期停止」の治療症例です。
【症例】
トイプードル 7歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇元々薄毛ぎみだった
〇約1年前に頚部が脱毛、そこから広がっていった
〇エリザベスカラーを着用している
それでは、初診時の状態です。
まずは、体の正面です。
右耳です。
頚部です。
脇~腹部です。
内股です。
体の右側面と頚部の拡大です。
それでは、初診時から約8ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
トイプードルの毛並み異常は非常に多く、難治性皮膚病の原因になっています。
難しい理由は、
①評価ができない
毛並みは数値ができないため、毛並みが悪いという状態をしっかり評価できていないケースが多く認められます。
顕著に脱毛していればまだ「脱毛」とわかるのでいいのですが、なんとなく悪いだけであれば気づかれにくく放置されてしまうこともあります。
そういった症例で湿疹やアトピーが混在していると、毛並み異常の病気が隠されてしまい「アトピーだから」「皮膚病だから」で済まされてしまうこともよく起きています。
何事もそうですが、「正常を知る」というのがとても重要で、正常を知っていることで「おかしい(異常)」を的確に評価することができます。。
②診断が難しい
診療の基本は証拠(わかりやすいのは数値化)を得て診断名(病気の枠組み)をつけることなのですが、脱毛・毛並み異常の原因が必ずしも数値化できる病気ばかりではありませんし、既存の診断名の中に綺麗に収まる病気ばかりではありません。
数値化で診断しやすい疾患(甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症)もあるのですが、そうではないものを把握しておく必要があります。
もちろん診断がない毛並み異常に対しても治療プランをもっているとより医療の質は高くなります。
③治療が難しい
よくある病気に当てはまらないと治療プランを立てることがむずかしくなります。
というのも診断名があり特定の治療法がある疾患であれば悩むことはないのですが、原因が特定されておらず漠然とした疾患で、治療法にもさまざまな選択肢があると「よりベターは選択は?」となるため、高度な判断力が必要となります。
④トイプードルならではも難しさ
トイプードルの脱毛症は他の犬種とことなる特徴があるため、その特徴を知っていないと意外なところで躓きます。
トイプードルの脱毛症、特にこのアロペシアX(毛周期停止)はこういった条件がそろっているため、治療は難しくなっています。
今回はその中でかなりいい治療結果が出た方だと思います。
本当に難しいのはこの治療結果がでるのかでないのか、事前に予測するのが非常に難しいところですね。
投稿者:
2018.11.05
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は急に脱毛したボストンテリアの症例です。
【症例】
ボストンテリア 13歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇今年の4月から毛が薄くなってきた
それでは、初診時の状態です。
まずは体の正面です。
続いて、頚部です。
続いて、胸部です。
続いて、腹部から内股です。
続いて、右後肢の拡大です。
続いて、右側面の全体です。
続いて、背中とその拡大です。
それでは、それでは、初診時から約4ヶ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
一目で分かるくらい、体全体の毛量がぐんと増えました。
特に、ツルツルだった内股はフサフサになりました。
見違えるほど綺麗になり、飼主様にも喜んで頂けて良かったです。
【症例報告制作者】 看護士 長尾
・・・・・・・・・・・・・・・
【獣医師の解説】
一目でわかる「典型的なクッシング(副腎皮質機能亢進症)」です。
多飲多尿:水をよくのむ、オシッコが多くなる
薄毛:背中、腹部、大腿部など胴体を中心に毛が薄くなります。局所の脱毛が起きる場合もあります。
検査所見:ALP高値、超音波検査での副腎腫大など
非常に興味深かったのは、飼主さまから「病気になる前より毛が生えた!」と言われたことです。
この半年くらい「もしかしたら〇〇〇なんじゃないか?」とずっと考えていたことが目の前で確認することができました。
かなり大きな発見なので、今後の治療に生かせると思います。
投稿者:
2018.06.05
トイプードルに多くみられるアロペシアX(毛周期停止)、アトピー・アレルギー、癖やストレスなど精神的な要因を含ん心因性の痒い皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
トイプードルは皮膚病が多いわけではないと思うのですが、トイプードルがゆえの遺伝的体質から難治性の皮膚病になってしまうことがあります。
「難治性」と一言にいっても色々とあるのですが、本当の意味で治りが悪いことはほとんどありません。
多くは典型的な体質のため、1つずつ的確なアプローチをしていくと非常に綺麗に改善します。
「よくならない」ということで当院を受診する飼主さまから過去の治療歴を伺うと、このアプローチで躓く「陥りやすいポイント」が見えてきます。
〇アポキル
アポキルを使って痒みが止まらないと次の選択肢がない
〇抗生物質
抗生物質で改善が認められないときに「ずっと同じものを服用し続ける」「効かないため抗生物質を処方しない」「抗生物質を変更しつづける」
〇食事療法
食物アレルギーを疑い魚、ポテト、動物性蛋白なし、アミノ酸系・・・・色々試す
こういった点は陥りがちなポイントで、迷走する原因になります。
アポキルが効かないときはアポキルが効く痒みとは異なる痒み原因へのアプローチを考えるとうまくいきます。
抗生物質が効かないときは「抗生物質が効く病変なのか再検討」「抗生物質が効くのか検査」「そもそも菌が増える理由はどこにあるのか?」を考えていくとうまくいきます。
食事療法は「そもそも食物アレルギーなのか?」から考えていく必要があります。
要するに皮膚病が治らない原因は1つではなく複数、同時にすべてへのアプローチがそろわないと改善しないこともあります。
今回紹介する症例は、そんなわずかなズレの積み重ねでよって難治性になっていた症例です。
【症例】
トイプードル 4歳半 男の子
【経過】
〇4ヶ月前から皮膚トラブル(痒み&脱毛)
〇手舐め、足舐め、口唇をかく、繰り返す背中の湿疹
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔の正面。
続いて、口唇(左)です。
続いて、右側。
続いて、頚部です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部です。
続いて、背中とその拡大です。
続いて、側面とその拡大です。
初診時から約3ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗に改善しました。
改善点①毛並み
全体的に薄毛でしたが、フワフワの状態にもどっています。
トイプードルの薄毛ではアロペシアX(毛周期停止)か、その他のホルモン異常かいくつかありますので各種検査が必要です。
時に難しい判断になる検査結果となり悩むことはありますが、それなりのアプローチ方法がありますので改善の余地は高いと考えています。
改善点②湿疹
特に薄毛の部分(胴体)に全体的に認められた湿疹(膿皮症)ですが、抗生物質をやめてもほぼコントロールできています。
※現在初診から半年以上経過しましたが、湿疹の再発はほぼなし
改善点③脂漏
口唇、四肢を中心に「かひ」を認めましたが、綺麗な状態を保っています。
改善点④手舐め・足舐め・痒み
基本はアトピーでいいのですが、アトピー単独であれば過去のシクロスポリンやステロイドで十分に緩和できていたはずです。
改善できなかった理由は心因性なのですが、心因性だけで痒かったわけではないため、アトピー対策と心因性対策の両方を行えばバランスが取れます。
しつこい手舐め・足舐めは心因性へのアプローチにより改善しました。
トイプードルは他の犬種に比較して薬の反応が非常にいいタイプの子が多いので、アプローチ方法さえ間違わなければかなりの確率で治療成績がよくなります。
トイプードルの皮膚病治療でお困りの方は当院を受診してみてください。
なお今回のトイプードルのアトピー、脂漏、心因性、湿疹には当院が開発したスキンケア&サプリメントは非常に効果的です。
当院が開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
脱毛はスキンケア&サプリメントでは改善せず、アトピー・脂漏・湿疹の治療成績にも関わりますので、必ず適切な投薬治療を併用しましょう。
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