2022.07.15
こんにちは、わんちゃんの皮膚科専門の動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回はアポキルが効かない痒みを持った柴犬の子の症例です。
【症例】柴犬 8歳11か月 男の子
【経過】
〇下顎、耳、お腹を過剰に掻いてしまう
〇3年前からアポキルを毎日服用し、多い時は1日2回服用しているが改善されない
それでは、初診時の様子をご覧下さい。
まずは横顔のお写真です。
目や口周りなど赤みがあり、掻いて傷になっているところもあります。毛もまばらに生えている状態です。
続いて首、胸、お腹のお写真です。
毛がほとんどなく、皮膚の状態もガサガサしているのが分かります。
次は前肢のお写真です。
最後に身体の側面と皮膚を拡大したお写真です。
毛が薄く、スカスカになっています。
それでは、初診時から約8ヶ月の写真と比べてみましょう。
比べて見ていただくとフサフサにに毛も生えて毛質も良くなりました。掻きすぎてできていた傷もなくなり、とてもきれいな皮膚になりました。飼い主様にお家での様子をお伺いすると、前より穏やかに過ごせてお散歩の足取りも軽くなったと仰っていました。柴犬はストレスに弱く、皮膚の状態が悪いと痒みストレスから行動異常が増えることがあります。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
【症例報告制作者】看護師 佐野
投稿者:
2022.06.21
こんにちは。柴犬の毛並み治療に力を入れている、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は柴犬の症例をご紹介します。
【症例】
柴犬 6歳7カ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1才を過ぎた頃から痒みが出だした(ずっと改善されず年々悪化)
〇舐めたり噛んだりし出すと止まらない
〇アポキルを服用しても改善されない
〇エリザベスカラー(24時間)と洋服とを着用している(掻き壊し防止の為)
それでは初診時の様子をご覧下さい。
まずは首の写真です。
掻き壊しによって肌がゴワゴワしています。特に引っ掻く所は毛がありません。
次に胸から股にかけての全体写真と、胸と股をアップにした写真です。
胸も股も地肌がはっきり見える程脱毛しています。毛の質もパサパサした印象です。
こちらは前足と、後足を横からみた写真です。
舐めたりかじったりすることで更に薄毛になっている部分もあります。
最後に全体の写真と、側面の毛をかき分けた写真です。
毛をかき分けてみるとアンダーコートが無いのが分かります。
それでは2ヶ月後の写真をビフォーアフターで比較してみましょう。
こちらは2ヶ月後の状態になるのですが、毛量がかなり増えたのがお分かり頂けると思います。そして、量だけではなく毛並みもかなり改善されました。一番最後の写真をご覧頂くと、中の方が黒っぽくなっています。これは、ツートンカラーのアンダーコートが見えている為です。アンダーコートもしっかり発毛しています。
1ヶ月も経たないうちにエリザベスカラーを外せる時間ができたり、飼い主様は「犬らしくなってきた」と感じられたようです。
アフターの写真の時(初診から2ヶ月後)には、洋服も基本的には無しの状態で過ごせるようになりました。
アンダーコートは生えないのは毛並みの異常です。アポキルだけでは痒みを抑えることはできません。同時に見落とされいた基礎疾患や心因性の治療行わなければ改善に繋がらない症例です。
このように異常に舐める・噛む、エリザベスカラーを外したいなど、わんちゃんの事でお困りの事があれば是非当院にご相談下さい。
また、関東にお住まいの方、関東の方が近い方は、東京サテライトで当院の獣医師が初診をさせて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うことも可能です。
※疾患によっては適応できないこともありますので、ご了承下さい。
詳しくはこちらのホームページでご覧いただけます。⇒東京サテライト
今回は投薬の他に、ご自宅でのスキンケアやサプリメントの服用も行いました。
当院オリジナルのサプリメントとスキンケア製品は、当院ホームページのオンラインショップからご覧頂けます。
インスタグラムでも症例や動画を配信しています。
ブログと違う症例もありますので、ぜひご覧ください。
下のリンクバナーからご覧頂けます。↓
【症例報告制作者】 看護師 森
投稿者:
2022.06.20
アポキルが効かない柴犬の治療に力を入れている、犬の皮膚科専門動物病院の四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、柴犬の症例をご紹介します。
【症例】
柴犬 2歳9ケ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇2歳になってから痒みが酷くなった
〇アポキルを服用したがあまり改善されなかった
〇体の痒みに加え、膝と腕を噛む
では、初診の様子からご覧下さい。
首~胸、更にお腹と股の写真です。
これらは共通して、アンダーコートが無く薄毛です。地肌が見えるのは異常な状態です。
続いては噛み癖によって脱毛状態になっている前足と後ろ足です。
肌もゴワゴワとと固くなっています。
最後は全体の写真です。
全体的に毛量が少ないのがお分かり頂けると思います。
それでは、ビフォーアフターを比較した写真をご覧下さい。
約3カ月後の状態です。
今回は当院でもアポキルを服用して頂きました。
今まではアポキルを服用しても効果があまり出なかったのに、今回はこのように改善に繋がりました。その理由は、ただの痒みの治療だけではなく、腸内環境を改善させたり、見落とされがちな基礎疾患や心因性の治療も並行してしっかりアプローチした事によるものです。
その大切なポイントに気付き治療を行えれば、短期間でもこれだけの改善がみられる場合もあります。
この子の場合、1ヵ月も経たないうちに痒みが減り、舐めたり噛んだりすることも減っていきました。
そして、2ヶ月も経たない頃に、飼い主様からこの毛並みは初めてと言って頂けました。
写真でお分かり頂けるように、しっかりとアンダーコートが生え、モコモコになり、本来の柴犬の毛並みになりました。
この様になかなか改善されない、どんどん悪化していくなど、わんちゃんの事でお困り事がありましたら、是非当院にご相談下さい。
今回、腸内環境を良くする為に当院オリジナルのサプリメント(スキンケアECプラス)を使用しています。気になる方はこちらからご覧頂けます。⇒サプリメント&スキンケア製品
また、関東にお住まいの方、関東の方が近い方は、東京サテライトで当院の獣医師が初診をさせて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うことも可能です。
※疾患によっては適応できないこともありますので、ご了承下さい。
詳しくはこちらのホームページでご覧いただけます。⇒東京サテライト
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【症例報告制作者】 看護師 森
投稿者:
2021.11.23
柴犬の皮膚科治療にも力を入れている、犬の皮膚科専門動物病院の四季の森どうぶつクリニックです。
今回は、柴犬の症例をご紹介します。
【症例】
柴犬 5歳3ヶ月 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇1歳前から発症
〇掻く、かじる
〇アポキルを服用してもあまり効果が得られず
では、初診の様子からご覧下さい。
まずお顔の写真です。
一見普通の柴犬のようですが、後からビフォーアフターで載せる写真を見て頂くと、その差がお分かり頂けます。
次は、首と前足の写真です。
首の毛はぱさぱさしている印象を受けます。
前足に至ってはかじったり舐めたりする頻度も多く、毛質も悪く地肌が透けて見えている部分も多いです。
続いてはお腹、胸、写真です。
胸やお腹の毛はだいぶ薄くなっていて、こちらも毛質が良くありません。
更に股の部分、後ろ足、側面から見た前足と後足です。
側面から見た足は薄毛なのがよく分かります。
最後に全体の様子です。
足以外はそんなに違和感がないかもしれませんが、次の写真の様に側面の毛をかき分けて見てみるとアンダーコートが正常に生えていないのが分かります。
ビフォーアフターで見て頂くと更にお分かり頂けます。
それでは、ビフォーアフターの写真をご覧下さい。
こちらは2ヶ月後の写真になります。
こうして比べてみると、いかに毛量や毛質に異常があったかがお分かり頂けると思います。
当院では原因を見極め、すぐに基礎疾患や心因性へのアプローチ、平行してご自宅でのスキンケアを行いました。1ヶ月も経たないうちにアポキルだけでは改善しなかった痒みも減り、かじったり掻いたりすることも少なくなってきて、初診から2ヶ月後には痒がることがほとんど無くなりました。
毛並みも生まれて初めてこんなにもふもふになったと飼主様から言って頂けました。
ただ痒みを抑えようとする治療では改善しない事も多く、その子に隠れている原因を見つけ出すことが大切です。
アポキルを服用していても良くならない、良くなったり悪くなったりを繰り返している、執拗にかじる・舐めるなどの場合、他の原因で毛質が悪くなったり痒みがある場合もあります。
このように似た症状だな、中々改善しないな、など、毛並みや皮膚のことでお困りの方は是非当院にご相談下さい。
今回の治療でも使用した当院オリジナルのサプリメント、パーソナルケアpⅡ+(心因性のアプローチに服用しました)、スキンケア製品(ご自宅で行って頂きました)は、当院のホームページでご覧頂けます。⇒サプリメント&スキンケア製品
尚、関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診させて頂き、その後の診察をオンライン診療で行うこともできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
詳しくはこちらからご覧頂けます。⇒東京サテライト
【症例報告作成者】 看護師 森
投稿者:
2021.06.12
【症例】
柴犬 12歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇10歳から皮膚トラブル(それ以前は、皮膚トラブルはなし)
〇顔(目・耳・口唇・下顎)を掻く
〇お尻を吸ったり噛む
〇四肢・四肢端・お腹を舐める
〇アポキルが効かない
はじめに顔の正面と横側から。
目のまわりや耳、口まわりが赤く、毛がまだらになってしまっています。
続いて腹部、左後足の内側、そして右後足の内側です。
こちらも皮膚が赤く、毛が生えそろっておらず毛並みも悪いです。
では、この初診時から約8カ月後の状態と比べてみましょう。
まだらだった顔周りの毛は見事に生えそろい、赤みもなくなりました。
腹部も赤く硬くなっていた皮膚はピンク色のやわらかい皮膚に戻り、ふわふわな毛も生えてきました。
作成:看護師 山崎
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当院で紹介している柴犬のほぼすべてが「特別な治療」を行っています。
この症例も例外ではなく、特別な治療で改善しています。
柴犬は「アトピー」「アレルギー」と言われやすいのですが、もし単純なアトピーであればアポキルやサイトポイントでコントロールできます。
もし食物アレルギーであれば、対応している食事療法できれいに改善します。
そうでないときは・・・・
「食物アレルギーではないかも?」
「何か見落としているかも?」
という視点が必要です。
当院ではそういった「アポキルが効かない」の症例で、見落とされている視点からアプローチすることで治療成績を向上させています。
この症例にもアポキルを使っていますが、本当の意味でアポキルが効かないのではありません。
「アポキルが効かない」ではなく「アポキルが効かない理由が見落とされている」です。
お困りの方は当院への受診をお勧めします。
関東にお住いの方は東京サテライトで初診を診て、再診をオンライン診療で継続治療を受けることもできます。
疾患によっては適応外になることもありますが、ご希望の方はご相談ください。
東京サテライト開設ページ
投稿者:
2020.09.08
柴犬のアトピー・アレルギーなどによる痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回紹介する症例も柴犬の難治性の典型症例です。
特徴①アポキルが効かない
特徴②悲鳴をあげるほど掻いてしまい、傷になる
特徴③手や足、身体など噛みだしたら止まらない
特徴④エリザベスカラーを外すことができない
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、頚部~前腕部分です。
続いて、身体側面と、胸部側面の拡大です。
初診時から3カ月弱の治療後と比較してみます。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常にきれいになりましたね。
エリザベスカラーも外すことができ、痒みで鳴いたり、傷になったりすることはなくなりました。
このタイプの柴犬は非常に多く、標準治療ではまずよくなりません。
標準治療というのは、
・アポキル(またはステロイド、シクロスポリン)を毎日服用する
・アレルギー対策をする(減感作療法など含む)
・アレルギー療法食を採用する
・スキンケアに力を入れる
・抗生物質を使う
どれも標準治療で、一概に間違いとはいいませんがこれでよくなる柴犬は多くありません。
(良くなるなら過去の治療ですでによくなっているでしょう。)
比較して当院での診療の特徴は、
ポイント①診断に要する時間は一瞬
ポイント②検査で異常値はでない
ポイント③抗生物質は不要
ポイント④アレルギー対策はしない
です。
ほぼすべての症例で同じことをお伝えしていますが、診断は「検査結果が出そろってから」ではありません。
診断および治療方針は、診察室で一瞬目を合わせただけ、実際には1秒もかからず0.5秒でしょうか。
もちろん問診・各種検査は行いますが、このファーストインプレッションが覆ることはなく、治療方針がブレることはほぼありません。
今回も検査結果が出そろう前の初診時にお伝えた治療方針を1つも変えずにエリザベスカラーを外すところまで到達することができました。
アポキル・抗生物質・アレルギー対策・食物アレルギーに対する食事療法などの標準治療では治せない理由はいくつもあるのですが、今回の症例の中で特徴的な治療の1つは「パニックに対する治療」です。
パニックというのは、急に掻きだす、舐め続ける、舐めることに夢中になりすぎて思わず噛んでしまい・・・・ついつい傷だらけになってしまうといったパターンのことで、柴犬の皮膚病のあるあるです。
このタイプにはアポキルはあまり効かないので、アポキル以外の治療が必要になります。
では柴犬は他の犬種とどう違うのか、が重要になりますね。
もちろん柴犬にしかない病気はないので、全犬種で当てはまるのですが、柴犬に多いというのがポイントです。
当院はこの「柴犬だから」に対して医学的にアプローチすることで治療成績を向上させています。
絶対ではありませんが、多くの病気は遠隔オンライン診療でも対応できますので、遠方にお住いの方でも継続治療が可能になるかと思います。
また東京にサテライトクリニックがありますので、関東圏にお住いの方は当院まで受診する必要がない場合もあります。
柴犬の皮膚病治療で、アポキルなどの一般的な投薬治療で改善がなくお困りの方は一度受診をご検討ください。
なお、このタイプは投薬治療が必須のタイプで、スキンケア&サプリメントも非常に重要ですが、投薬治療なしにこのレベルの劇的な改善は見込めません。
投稿者:
2019.03.31
アポキルが効かない柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の皮膚病治療は難しいですね。
「難しい」と一言にしても色々意味があって、
①掻く・舐める・嚙むの原因、皮膚炎の原因がわからない(診断できない)
②柴犬が治療を受け入れてくれない
③治療方針に対して、飼主の理解が得られにくい
④体質に合う薬・体質改善方法がわからない
などがあります。
今回は柴犬の難治性が色々詰まった症例です。
【症例】2272
柴犬
【経過】
〇アポキルが効かない
〇ステロイドが効かない
〇ずっと掻いている
〇食事療法で改善しない
まずは初診時の状態です。
まずは顔から。
続いて、左胸部(脇)を側面からみたところです。
それでは治療後の状態と比較してみましょう。
非常に綺麗になりました。
見た目の重症度が高くないためBefare&Afterでみれば一瞬にみえますが、実際は相当苦労しました。
まずは①原因がわからない(診断できない)についてから。
もちろん当院で原因がわからないということはほとんどなくて、「検査でわかる原因はない」と言った方が適切かと思います。
このタイプは診た瞬間に治療方針はわかるのですが、実はありとあらゆる検査をしても痒みの原因と考えられる異常な検査結果が1つもでないのです。
原因というには不足ですが、局所にわずかなマラセチア・細菌が検出される程度です。
柴犬の皮膚病治療が難しい理由の1つはこれ、「原因が特定しにくい」です。
ただ、検査結果で異常がでないのはいつものことで、想定の範囲内です。
続いて②柴犬が治療を受け付けないについてお話します。
根本的な解決ではないのですが、このタイプにはスキンケア&局所療法をすることが痒みの緩和にそこそこ効果的なのです。
しかし柴犬は特徴的な性格が原因で、このスキンケアや局所療法が難しいことがあります。
診察のたびに局所ケアを提案しましたが、飼主さまがケガをするレベルなので結局不可能でした。
続いて③飼主さまの理解を得られないについて。
これは僕のインフォームドに未熟なところがあったかもしれませんが、「検査で異常所見がない」というのは飼主さまにとっては理解しにくいことかと思います。
「病院でしっかり検査したら、原因が見つかって、答え(治療法)がわかる」
これは病院を受診する飼主さまに潜在している期待レベルで、当然のことかと思います。
ただこれには獣医師とのギャップがあり、医療提供する側からしたら「それならどんな獣医師も困らない」という想いで診ています。
検査して原因が分かって、治療法がわかるものならどの病院でも検査を勧めますし、おそらく病院を変える必要はなくなります。
ただ、異常所見がないからこそ「治療は〇〇と〇〇」というのがあるのですが、そこに飼主さまとのギャップがあると治療が進まないということがあります。
良くも悪くも検査結果に異常があれば「〇〇だから治療は〇〇」とスムーズに進みますが、検査で証明できない治療方針には「本当にそうなのか?その治療方針が効果的なのか?」という疑問は信頼関係でしか払拭できません。
今回はこの③に非常に時間がかかりました。
答えとして、今回の症例には
〇痒みを止める ⇒ アポキルやステロイド
〇局所ケア ⇒ 不可能
〇性格 ⇒ 心因性アプローチ
〇体質改善 ⇒ 免疫サプリメント
〇有害物質の排除 ⇒ 食事療法
特に下3つが「同時に」必要だったのですが、まさにこの3つが「検査結果で異常がでない」ところで伝わりにくいというのがネックでした。
例えば、食事療法です。
「食べないかもしれない」
「(過去によくなっていないのに)本当によくなるのか?」
「高い食事を勧められる」
不安要素はたくさんあると思います。
続いて心因性アプローチです。
「掻いているのに痒みではない?」
「心因性の薬に不安がある」
想定外の診断治療が提案されると心配になるのは当然かと思います。
最後は「体質改善のサプリメント」です。
「何がどう体質なのか?」
「サプリメントは気休めでは?」
アポキルやステロイドですら効かない皮膚炎にサプリメントが有効と考えるのは確かに伝わりにくいかもしれませんね。
何より大事なのは「全部同時にすること」です。
複数の治療方針の中から「〇〇はするけど、△△は治らなかったら考える」というように、複数の中から1つ選ぶというスタンスで臨むと治療は失敗します。
原因を1つでも残すとうまくいきません。
実は今回の治療症例は明らかに改善するにの3カ月以上かかったのですが、時間がかかったのはこういった理由がありました。
初診時にしっかり検査させていただいて以降はほとんど追加検査はなく、毎回の診察で丁寧に丁寧にお話しさせて理解を得ることができました。
まとめです。
柴犬の掻く・舐める・嚙むといった痒み症状の原因の多くは検査でみつけることはできません。
検査で異常がでないということは、治療法がかなり限定されます(痒み止めのアポキルやステロイド)。
そのためアポキルやステロイドが効かなければ今の標準医療ではかなり難治性という判断になりやすいです。
ただ、柴犬には遺伝的な体質・性格があるため、アプローチ方法はたくさんあります。
だからこそ、一つ一つ的確な対応をすれば「劇的に」改善します。
それは「検査」ではなく「経験」です。
投薬治療が必須ですが、こういった症例には当院のスキンケア&サプリメントが非常に有効です。
特にスキンケアECプラスと、まもなく発売されるパーソナルケアPⅡ+はかなり相性がいいと思います。
当院のオンラインショップでお買い求めできますので、「適切な医療とともに」ご使用いただければと思います。
医療にわずかでもズレがあれば改善しないのも事実のため、柴犬の皮膚病でお悩みの方は当院受診をご検討ください。
柴犬の皮膚病の多くはメール&写真で対応する遠隔診療(2回目以降)でも十分高い治療成績が期待できます。
投稿者:
2019.03.02
柴犬のアトピー・アレルギーなど痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
数年前から比較すると柴犬の来院が増えたように思います。
もちろんシーズー、フレンチブルドッグもまだまだ多く減っているわけではないのですが、柴犬のわんちゃんの転院の方が多くなってきた印象です。
これは痒み止めの治療薬「アポキル」の影響で、シーズーやフレンチブルドッグに比較して柴犬にアポキルが効きにくいことが原因だと思います。
シーズーとフレンチブルドッグの軽度皮膚炎であればアポキル単独でなんとか緩和させることができる症例もいるからです。
もちろん柴犬でも軽度であればアポキル単独でコントロール可能なんですが、アポキルが効かない原因を持っている柴犬はシーズーとフレンチブルドッグより多いと思います。
この点に関して、改善した柴犬の飼主さまからも「どうして今まで治らなかったのか?」と聞かれますが、答えは簡単です。
「柴犬だから」
です。
医学的に解説すると「柴犬の皮膚病の原因は検査で判明しない。だから今の皮膚科医療ではよくならない。」になると思います。
今日の症例はそんな「検査では何も異常が見つからないけど、柴犬の体質に合った治療をすると劇的に改善する柴犬」です。
【症例】
柴犬 約9歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇子犬のころにニキビダニ
〇3歳までは一切皮膚トラブルなし
〇5歳くらいから皮膚病
〇この4年間季節性はなく1年通じてずっと皮膚が悪い
〇ステロイドで多少緩和できるがすっきりよくならない
〇分子量の低いアレルギー対応食事療法継続するもよくならない
〇痒みは「腹部を掻く&噛む&舐める」「口唇を掻く」「四肢端(指間・足裏)を舐める」「耳を掻く」
それでは初診時の状態です。
まずは正面と顔です。
続いて、前胸部と上腕です。
続いて胸部~臍~内股です。
続いて、腹部の側面(右から)です。
初診時から約6週間後の状態と比較してみましょう。
口唇だけでなく、目の周りの綺麗になっているのがわかると思います。
痒み止め「アポキル」も併用しましたが、6週間後の時点で「頓服で服用」となりました。
この柴犬のポイントは4つ、
①アトピーが悪化する要因(アポキルが効かない要因)に対する治療
②食事が体質に合っていない
③心因性
④スキンケア
です。
この4つの共通項は「検査でいい・悪いがわからない」であり、教科書通りの治療では確かに改善しにくいです。
逆に言うと「柴犬の体質をよく理解すれば非常に簡単」で、一定の病気を除外すれば初診時にほぼ治療方針は確定可能です。
投稿者:
2019.02.01
アポキルとステロイドが効かない柴犬のアトピー・アレルギーなどの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
アポキルが効かない柴犬の皮膚病は多いですね。
効かないというより、「効かない理由を治療する」といった方がよりベターかと思います。
今回の症例は、「柴犬のアポキルが効かない典型疾患」の症例報告です。
【症例】
柴犬 3歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後半年前から続く痒み
〇3年間ですっきりとよくなったことはない
〇季節性は多少あり、夏は悪化しやすい
〇アポキルを1日1回2年間、欠かさず継続服用しているが痒みが悪化している
それでは初診時の状態をみてみましょう。
続いて、頚部です。
続いて、胸部です。
続いて、腹部です。
続いて、内股です。
続いて、胸部を側面からみて拡大したところです。
続いて、右後肢の側面です。
それでは初診時からちょうど2か月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
劇的な改善ですね。
気になる痒みはほぼゼロと言っていい状態です。
今回はアポキルを処方せず代わりにシクロスポリンを採用しましたが、そのシクロスポリンも完全休薬としました。
1年通してみたとき、本当の意味でアポキルもシクロスポリンもゼロでということではないと考えていますが、痒みがゼロであれば服用する意味もないため、一旦休薬としています。
ではアポキルが効かないときはシクロスポリンに変更すれば効果が出るのか?と言えば異なります。
今回の症例はアポキルだから効かなかった、シクロスポリンだから効いたではありません。
アポキルとシクロスポリンには適応に若干の差がありますが、基本似ているため、変更で効くというのは特殊な皮膚病タイプのみと考えています。
大事なポイントは、シクロスポリン以外の投薬治療法と考えています。
この併用した治療があれば、多少時間の差はあれアポキルでも同様の劇的な改善があったと思われます。
投稿者:
2019.01.31
アポキルの効かない柴犬のアトピー・アレルギーなどの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の痒みにアポキルが効かないというのは本当に多くありますね。
当院では基本「アポキルを飲んでいるのに痒みが減らない」という主訴で来院されます。
【症例】
柴犬 2歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後3~4か月から皮膚トラブル
〇季節性はなく通年発症
〇1年以上前からアポキルを毎日(一時期1日2回)服用しているが改善しない
〇減感作療法(週1回×6、以後月1回)を1年実施するも改善なし
〇下顎の痒み、手を舐める、お腹をかく
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
治療後0~2ヵ月はやや治療成績が悪く、アポキルと併用するお薬を徐々にかえていき3カ月目からは劇的に改善しました。
現在はアポキルを減らして、中3日服用しない状態でも気になる痒みはないという状態です。
当院でも最初はアポキル1日1回を継続しました。
問題はアポキルで抑えきれない痒みの原因をどう診断するかだと思います。
もちろん初診時に判定できますので、初診時から「アポキルと併用すべき投薬治療」は確定することができます。
では、なぜそれが以前にアプローチ(治療)されていなかったか?
その理由は簡単です。
「数値化できないから」
今の皮膚科医療の弱点の1つですが、数値化できないということは検査できないということでもあり、イコール診断できず治療にたどり着くことができません。
どんな病気もそうですが、すべて数値化できるとは限らないため、数値化できない疾患をどう診極めるかが治療成績に大きな差を生み出すのだと思います。
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