2019.01.31
アポキルの効かない柴犬のアトピー・アレルギーなどの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
柴犬の痒みにアポキルが効かないというのは本当に多くありますね。
当院では基本「アポキルを飲んでいるのに痒みが減らない」という主訴で来院されます。
【症例】
柴犬 2歳 女の子(不妊手術済)
【経過】
〇生後3~4か月から皮膚トラブル
〇季節性はなく通年発症
〇1年以上前からアポキルを毎日(一時期1日2回)服用しているが改善しない
〇減感作療法(週1回×6、以後月1回)を1年実施するも改善なし
〇下顎の痒み、手を舐める、お腹をかく
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
治療後0~2ヵ月はやや治療成績が悪く、アポキルと併用するお薬を徐々にかえていき3カ月目からは劇的に改善しました。
現在はアポキルを減らして、中3日服用しない状態でも気になる痒みはないという状態です。
当院でも最初はアポキル1日1回を継続しました。
問題はアポキルで抑えきれない痒みの原因をどう診断するかだと思います。
もちろん初診時に判定できますので、初診時から「アポキルと併用すべき投薬治療」は確定することができます。
では、なぜそれが以前にアプローチ(治療)されていなかったか?
その理由は簡単です。
「数値化できないから」
今の皮膚科医療の弱点の1つですが、数値化できないということは検査できないということでもあり、イコール診断できず治療にたどり着くことができません。
どんな病気もそうですが、すべて数値化できるとは限らないため、数値化できない疾患をどう診極めるかが治療成績に大きな差を生み出すのだと思います。
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