2019.04.22
シーズーの手舐め・足舐め・内股舐めなど痒みを伴う皮膚炎治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
手をしつこく舐める、足を舐めだしたら止まらない、暇があると内股を舐める・・・など「舐める」という症状が強くでる皮膚病があります。
アポキルやステロイド、食事療法、アレルギー治療などでの改善が難しく、今の皮膚科では難治性として扱われています。
特にシーズーに多く診らえる傾向があります。
今日はそんな症例です。
【症例】
キャバリア×マルチーズMIX 4歳 男の子(去勢済み)
※シーズーではないのですが、遺伝的体質がほぼシーズーに近いためこのカテゴリに分類しています。
【経過】
〇1年前から手を舐める&噛む、毛をひっぱる
〇2ヵ月前からは後足や内股までなめるようになった
〇季節性はない
〇アポキルを1日2回服用しても効果がない
〇食事療法併用しているが、改善しない
それでは初診時の状態です。
続いて、口唇(右側)です。
続いて、前肢端です。
続いて、前腕です。
※皮膚炎があるのは腕の曲がる部位(屈曲部)です。
その拡大です。
続いて、内股~後肢です。
それでは初診時から5週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
口唇、腕、四肢端、内股の痒みはほぼゼロに近いです。
当院でもアポキルを併用しましたが、1日2回ではなく1日1回と少ない量で使っています。
ポイントを列挙します。
①アポキルは効くのか?効かないのか?
②よく見るアトピーや脂漏性マラセチア性皮膚炎と何が違うのか?
③食事療法は適切か?
④アポキル以外に必要な投薬治療は何か?
これらを初診時に同時に判定することが5週間で改善させるポイントです。
投薬治療があることが最も確実な治療プランですが、治療内容にスキンケア&サプリメントは非常に重要になっています。
当院が開発したスキンケア商品のMedicareシリーズと、サプリメントPlusシリーズが非常に相性があうと思います。
特にクレンジングオイル&シャンプー、スキンケアECプラス&パーソナルケアPⅡ+がお勧めです。
当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
当院では獣医師向けにプライベートセミナーを開催しています。
今回の症例のようなアポキルが効かない舐め癖に対する診断・治療法についての詳細な解説を行います。
ご興味のある方は当院までお問い合わせください。
投稿者:
2018.09.06
シーズーのアトピー・マラセチア性皮膚炎・脂漏症など、痒い皮膚病の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病は本当に治しにくい場合があります。
あのアポキルでしっかりコントロールできる症例もいますが、そうでない症例も相当数いるかと思います。
今日はそんな「アポキルでは抑えきれないだろう」というシーズーの皮膚病症例です。
【症例】
シーズー 8歳
【経過】
〇3年前から皮膚トラブルで、通年性(季節による改善はほぼなし)
〇外用ステロイドスプレーによる改善なし
〇痒み(四肢なめる・内股舐める)がひどいため、常時エリザベスカラーを装着している
それでは初診時の状態、まずは正面から。
続いて、胸部~わき。
同じく左わきの拡大。
続いて、内股です。
病変部の確認と、治療成績向上を兼ねて毛をカットしました。
続いて、右わき(毛カット後)です。
続いて、内股です。
毛をカットしたあと、そのまま院内薬浴を実施しましたので、その実施直後の状態を紹介します。
まずは胸部。
続いて、左前腕です。
同じく左前腕の内側です。
同じく左前腕の外側です。
続いて、内股です。
続いて、右後足の膝~スネあたりの写真です。
今回はここまでです。
とういうのも、つい昨日来院されたため、2回目の診察はまだ先です。
このタイプ、一見シーズーの典型症例にみえるかもしれませんが、ちょっとイレギュラーです。
そのためシンプルななアポキル&シャンプーでは抑えきれないものがあります。
初診時にどの部位を、どう評価するのか?
そしてどの治療方針を選ぶのか?
この一番大事なポイントは提携動物病院にメールでお知らせします。
この症例は初診時の「診た目」に特徴があるので、「アポキル&シャンプーではない」理由がわかるタイプです。
提携をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
投稿者:
2018.07.28
犬の痒み止め新薬アポキルが効かない痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
犬の皮膚病治療薬で画期的な新薬「アポキル」が登場して2年が経ちました。
アポキルで改善しない痒みにどうアプローチするか、今の皮膚科の最大の課題と言えるでしょう。
今日紹介するのはそんな「アポキル」を1日1回を服用し続けても改善しない痒いわんちゃんの治療実績です。
【症例】
MIX(チワワ×シーズー) 5歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳から続く痒み疾患
〇1年通して発症だが、やや季節性の悪化がある
〇四肢端の痒み(なめる)、腕を噛む、下顎~頚部をかく、お腹を掻く・・・など
〇エリザベスカラーを装着している(夜)
〇アポキルを1日1回継続服用しているが、抑えきれていない
今回の受診のきっかけは当院のオンラインショップのスターターセットご購入の方へお送りしている無料相談メールです。
過去の経過とお写真を送っていただいたところ、「治療すればよくなる」と判断できたため、「スキンケア&サプリメントでは不十分のため、受診をお勧めします」とアドバイスさせていただきました。
すると遠方ではありましたが、飼主さまの熱意もあり受診していただけることになりました。
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは全体から。
続いて、頚部です。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部です。
最後にお尻です。
ただ、全体をみて「痒いのか?」「アポキルが効かないほど痒いようにみえない!」というのが正直な感想かと思います。
ただこれは写真をみただけでわかる異常があります。
その一つがお尻、お尻に痒みはないのですが、この皮膚病の評価にはこの部位をよくみることが大事です。
もちろんお尻だけでなく他の部位でもわかるのですが、よほど目で慣れていないと判断できないと思います。
それでは初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
痒みも皮膚炎もないお尻周囲ですが、みごとな回復ぶりですね!
もちろん痒みも劇的に改善したようです。
今は「舐めない」「噛まない」「掻かない」という状態です。
肝心のエリザベスカラーも外すことができて、通常の通りの生活ができています。
写真とメールで「当院で投薬治療した方がいい」と言ったからには改善させないといけないというプレッシャーは大きいのですが、イメージ通りの治療結果に一安心です。
アポキルを毎日服用しながら痒みが改善しない原因がどこにあるのか?
今回の症例は2つの原因があります。
その原因はメールと写真の2点から判断(推測)できました。
初診時はその推測の確認作業で、想定外の診断結果は何一つありませんでした。
今回のポイントはアポキルが効かない原因を探すことです。
初診時の写真で「痒みのないお尻」を撮影したのがポイントの一つですが、赤い皮膚、痒い部位をみるだけが皮膚科診療ではありません。
痒みのあるない関係なく全身みて「ヒントを探す(確認する)」ことで的確な診断と治療が可能になります。
アポキルで痒みがコントロールできない場合でも改善のための手段はたくさんありますので、お困りの方はぜひ受診してください。
投稿者:
2018.07.05
アポキルが効かないアトピー・マラセチア・脂漏症などシーズーの痒い(舐める・掻く)皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
気温・湿度ともに上昇中で、非常に過ごしづらい季節になりましたね。
今日は夏に弱いシーズーちゃんですが、ちょっとだけ特徴のあるわんちゃんの症例です。
【症例】
シーズー 4歳半 女の子
【経過】
〇1年以上アポキルを服用しているにも関わらず痒みが改善しない
〇夜に寝れなくなるほど痒がる
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、下顎~頚部と、下顎の拡大です。
続いて、胸部~腹部です。
続いて、左後肢です。
写真では重症度がわからないとは思いますが、痒くて痒くて眠れない!という状況です。
なによりアポキルを1年以上服用し、当院まで100件以上の動物病院を超えてきていますので、どれだけ痒いのかは見た目以上だというのは伝わると思います。
こういった症例ではアポキルがまったく効かないわけではないというのは、過去の治療症例記事で何度もお話してきた通りですが、せっかくなので「アポキルなし」で治療してみることにしました。
その方が「アポキルだけが治療のすべてではない」というのがよくわかりますし、この子の痒みには何がどれだけ効果的なのか?が飼主さまにもよく伝わると思います。
それではアポキルを完全にゼロにして、初診時から約2週間後の状態と比較してみましょう。
なにせ初診時の状態でわかりやすい皮膚炎がなったため、変化は乏しいですね。
ただ痒みは随分となくなり、掻く日もあるが掻かない日もあり、特に夜もぐっすり眠ることができるようになっています。
なにをやったかというと、薬浴&投薬治療&サプリメントです。
内服治療にはステロイド、シクロスポリン、アポキルは使っていません。
外用薬の処方もありません。
サプリメントは当院で開発したヒーリングケアLFプラスを使用しています。
2020年追記 現在はパーソナルケアPⅡ+を推奨しています。
そう、痒みの原因の1つは心因性です。
今回の痒み行動の原因が純粋な痒みではなく、心因性の行動であることに気づくことがポイントです。
心因性の痒みにアポキルはほぼ効きません。
ただ、アポキルが効く痒み(アトピー)もありますので、それはアポキルでもいいですし、今回のようにアポキル以外の薬浴で緩和させてもいいと思います。
今回はあえて「痒い=アポキルではない」という意味でアポキルを使わずに治療しています。
もちろんアポキルを使いながらでもいいのですが、痒みの原因を分析してアポキルが効く痒みが全体のどれほどあるのか、アポキル以外で抑えなければいけない痒みがどのくらい残るのか、初診時に確実に判定できることが重要ですね。
これも診た瞬間に「アポキル以外の方法でも十分にコントロールできる」と判定できた症例です。
的確な診断・治療があれば当院のスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいタイプです。
当院で開発したスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
シーズーの皮膚病はスキンケアブームの弊害でスキンケアばかりが注目されますが、本当はそうではありません。
スキンケアを大事にしつつ、サプリメントを大事にすることがなによりも治療成績に差をつけます。
的確な診断治療とともに、ECプラスとLFプラス(現在はパーソナルケアPⅡ+を推奨)を使用していただければ多くのわんちゃんの相性に合うと思います。
投稿者:
2018.02.03
シーズーのアトピー・アレルギー・脂漏・マラセチアといった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
シーズーの皮膚病治療で重要な要素の1つはスキンケアであり、当院では昔からシーズーのスキンケアに力を入れていますが、スキンケアで何でも治ると思っているわけではありません。
また最近ではアポキルという非常にいいお薬がでて治療成績を向上させていますが、アポキルがどんな痒みも抑えることができるわけではありません。
今回紹介するのはそんな「スキンケアやアポキルでも抑えきれない痒み」についての症例報告です。
【症例】
シーズー 2歳9カ月 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳になる前からの痒みを伴う皮膚病
〇9カ月前からアポキルを服用継続しているが、明らかな改善が認められない
〇食事療法として複数試しているがよくならない
〇当院で3件目の動物病院
それでは初診時の状態です。
まずは正面から。
続いて、右耳。
続いて、左耳と拡大。
続いて、頚部とその拡大。
続いて、右前腕と脇部分の拡大。
続いて、左腕とその拡大。
続いて、胸部と左右の脇の拡大です。
続いて、腹部とその拡大です。
同じく右内股、膝のやや上あたりの拡大です。
続いて、左膝の拡大です。
続いて、右膝~右すねの拡大です。
最後に四肢端として、右前肢の指の間と足裏をみてみましょう。
こういった症例の場合、院内薬浴が非常に奏功するためカットさせていただきました。
以上が初診時の状態の紹介です。
それでは初診時の薬浴の次の診察(わずか12日後)の状態をみてみましょう。
皮膚の発赤がほぼ消失、もちろん痒み・臭い・フケ・べたつきもほとんどありません。
アポキルを服用する、抗真菌剤を服用する、こまめにシャンプーする、食事療法をする・・・・どれも間違っていませんし、特に問題となる治療プランではありません。
ここで重要なのは「パズルのピース」です。
もう一つピースを足せばうまくいくのです。
そのピースの不足に気づくことが重要ですね。
参考までにこまめにシャンプーすることが悪いわけではないのですが、上記の12日間は一度もシャンプーしていません。
そして治療後の改善写真も「薬浴前」の状態ですので、こまめにシャンプーしなくてもここまで改善します。
よくシーズーの脂漏・マラセチアでは「こまめにシャンプー」と言われていますが、シャンプーで治る皮膚病と治らない皮膚病があり、今回の症例では「シャンプーの回数が問題ではない」ということです。
スキンケアに力を入れてこだわりにこだわった自分が言うのもおかしな話ですが、個人的には「シーズーの脂漏・マラセチアにスキンケアは必須だけれども、シャンプーでは治らない」が行き着いた答えです。
シーズーの皮膚病でお困りの方は当院の治療&薬浴をぜひ受けてみてください。
典型的であればあるほど劇的に改善が見込めます。
投稿者:
2017.12.04
シーズーのアトピー・アレルギー、マラセチア性脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
12月に入り、病院も随分と落ち着いてきました。
この余裕のある時期を利用して症例報告、執筆などいろいろやっていこうと思います。
【症例】
シーズー 7歳4ヶ月 女の子(避妊済)
【経過】
〇2歳頃から痒み
〇季節性があり、夏が最も悪化する
〇アポキルを1日1回ないし2回服用しているがよくならない
それでは初診時の状態、毛をカットしました。
続いて、頸部とその拡大です。
続いて、右前肢
続いて左前肢。
続いて、胸部。
続いて、左脇の拡大。
続いて、内股。
続いて、膝周囲(右と左)。
初診時から6週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みは元々の10分の1までへりました。
赤み、フケ、臭いほぼありません。
参考までにアポキルは当院でも処方したので、アポキルが効かないわけではありません。
治療に必要なのはアポキルだけではない、がより適切な答えですね。
不足していた治療は大きく3つです。
まずは当院のヒーリングケアLFプラス、そしてスキンケア、残りは・・・院内薬浴です。
薬用=スキンケアではないのもポイントの一つです。
あくまで投薬治療が必要なタイプではありますが、投薬治療に足りない分は当院のスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいと思います。
投稿者:
2017.11.10
シーズーのアトピー&アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院の治療ブログでもたびたび登場している「アポキル」というお薬ですが、基本的には効果が出やすく副作用が少ないため非常に使いやすいお薬といえます。
ただどんな痒みでも抑えることができるか?というとそうではなく、効きにくい痒みもあります。
そのため診療では「アポキルが抑える痒みかどうか?」の判定と、「アポキルで抑えられない痒みにどうアプローチするのか?」の腕が非常に重要といえます。
今回紹介するのは「アポキルで改善するが、抑えきれない痒み」についての症例です。
【症例】
シーズー 8歳 女の子
【経過】
〇1年前半まえから当院で治療開始し、薬浴・アポキルによって著しい改善を認める。
〇ここ数ヶ月、内股の痒みが強く、従来どおりの投薬治療で改善が認めらにくい
それでは、初診時から約1年半後の状態を紹介します。
顔・頚部・四肢はほぼ正常に近いところまで改善しています。
問題は内股、特に右の内股が皮膚炎をおこしています。
右に比べて左に同じような皮膚炎は認められません。
従来どおりの治療を継続していても改善が認められない場合は、新しいアプローチが必要です。
当院の初診からこの日まで使ったことがない別の治療法を併用しました。
約1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
赤み、痒みともにほぼ消失しました。
アポキルを毎日服用していても抑えられなかったかゆみが、新しい投薬治療により数日で消失しました。
「アポキルが効かない」ではなく、アポキルも効果的だったが、すべての痒みを抑えるわけではないということです。
アポキルを処方するときにはこのアポキルによりどの部位の痒みがどの程度抑えられるのかを予測した上で、さらに「改善がなかった次の手」を準備して処方するようにしています。
「アポキルが効かなければお手上げ」とならないためにも痒みの原因を診極める必要があります。
今回の治療に併用したサプリメントは当院のヒーリングケアLFプラスです。
ヒーリングケアLFプラスは投薬治療の補助、アポキルの減量に非常に有効と考えています。
今回のシーズーの脂漏性マラセチア性皮膚炎の院内薬浴にしようしているスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
正確な診断、適切な投薬治療があってこそのスキンケア&サプリメントですので、遠方にお住まいの方は当院の遠隔診療とご一緒に継続されることをお勧めしています。
また、当院では個人動物病院向けに、皮膚科の診療提携を行っています。
診断・治療内容、スキンケア商品・サプリメントについて提携をご希望の方はお問い合わせください。
投稿者:
2017.11.07
シーズーの痒み、アトピー&アレルギー、脂漏性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎の治療に力を入れて取り組んでいる皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日は静岡市の動物病院、「あん動物病院」で皮膚科診療を行ってきました。
【症例】
約10歳 シーズー 避妊済み女の子
【経過】
〇保護(5年前)から慢性的な痒みを伴う皮膚病
〇アポキル、ステロイド外用(コルタバンス)、インタードッグなどのさまざまな治療に反応せず
〇現在はステロイドを2日に1回服用にも関わらず改善しない
それでは初診時の状態、そして毛をカットした後の状態を紹介します。
続いて顔の左から、目の下~頬~口唇にかけて。
続いて、顔の右側やや下側から、口唇~下顎にかけて。
続いて、頚部と、その拡大です。
シーズーの頚部は重度の脂漏性皮膚炎が起きやすいのですが、今回はほとんど起きていません。
続いて、右前肢。
続いて、お腹~内股~甲にかけて。
続いて、背中。
一見なにもないようにみてますが、「いつも噛んでいる部位がある」ということで、腰背部を拡大してみましょう。
ここはいつも皮膚炎がおきており、常にフケがついているようです。
ただ、腰の部位以外の背中にはありません。
薬浴が適応になるため全身のカットを行いました。
もちろん病変の判断もしやすくなります。
頚部はたいしたことなくて、下顎の方がひどいですね。
頚部に重度の脂漏がないのもこの症例の特徴といえます。
続いて、右前肢。
腕の内側はやや赤いですが、外側はほとんど問題ありません。
しかし、四肢端は、
かなり腫れており、皮脂も多く付着しています。
反対の左前肢もみてみましょう。
右前肢と同様でした。
それでは薬浴に入ります。
オイルの使い方、シャンプーについて・・・・・在籍している看護師&トリマーの方にも解説しながら実演してきました。。
しかし予想より「スキンケア実演」として絵にならなかったのは構図の問題か・・・・いや、アラフォー獣医師2名でやったからでしょう(笑)
それでは薬浴後の状態です。
一過性の赤みはありますが、改善のための通過点です。
【総括】
一見シーズーの典型的・・・にみえなくもありませんが、実は少し違います。
そもそも典型であればアポキルとシャンプーである程度の緩和ができたはずです。
なぜアポキルに反応がなかったのか?
今回はその「アポキルが効かなかった理由」を考えるのですが、実はこの写真から推測することができます。
皮膚のどの部位を診て、どう評価するのかについて、解説してきました。
もちろん薬浴でどの部位を治療ターゲットにするのか、薬浴後の必要な投薬治療についても解説してきました。
また大石先生からは超音波の画像診断について色々教えていただくことができました。
大石先生、ありがとうございました。
またご報告します。
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