2018.07.05
アポキルが効かないアトピー・マラセチア・脂漏症などシーズーの痒い(舐める・掻く)皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
気温・湿度ともに上昇中で、非常に過ごしづらい季節になりましたね。
今日は夏に弱いシーズーちゃんですが、ちょっとだけ特徴のあるわんちゃんの症例です。
【症例】
シーズー 4歳半 女の子
【経過】
〇1年以上アポキルを服用しているにも関わらず痒みが改善しない
〇夜に寝れなくなるほど痒がる
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、下顎~頚部と、下顎の拡大です。
続いて、胸部~腹部です。
続いて、左後肢です。
写真では重症度がわからないとは思いますが、痒くて痒くて眠れない!という状況です。
なによりアポキルを1年以上服用し、当院まで100件以上の動物病院を超えてきていますので、どれだけ痒いのかは見た目以上だというのは伝わると思います。
こういった症例ではアポキルがまったく効かないわけではないというのは、過去の治療症例記事で何度もお話してきた通りですが、せっかくなので「アポキルなし」で治療してみることにしました。
その方が「アポキルだけが治療のすべてではない」というのがよくわかりますし、この子の痒みには何がどれだけ効果的なのか?が飼主さまにもよく伝わると思います。
それではアポキルを完全にゼロにして、初診時から約2週間後の状態と比較してみましょう。
なにせ初診時の状態でわかりやすい皮膚炎がなったため、変化は乏しいですね。
ただ痒みは随分となくなり、掻く日もあるが掻かない日もあり、特に夜もぐっすり眠ることができるようになっています。
なにをやったかというと、薬浴&投薬治療&サプリメントです。
内服治療にはステロイド、シクロスポリン、アポキルは使っていません。
外用薬の処方もありません。
サプリメントは当院で開発したヒーリングケアLFプラスを使用しています。
2020年追記 現在はパーソナルケアPⅡ+を推奨しています。
そう、痒みの原因の1つは心因性です。
今回の痒み行動の原因が純粋な痒みではなく、心因性の行動であることに気づくことがポイントです。
心因性の痒みにアポキルはほぼ効きません。
ただ、アポキルが効く痒み(アトピー)もありますので、それはアポキルでもいいですし、今回のようにアポキル以外の薬浴で緩和させてもいいと思います。
今回はあえて「痒い=アポキルではない」という意味でアポキルを使わずに治療しています。
もちろんアポキルを使いながらでもいいのですが、痒みの原因を分析してアポキルが効く痒みが全体のどれほどあるのか、アポキル以外で抑えなければいけない痒みがどのくらい残るのか、初診時に確実に判定できることが重要ですね。
これも診た瞬間に「アポキル以外の方法でも十分にコントロールできる」と判定できた症例です。
的確な診断・治療があれば当院のスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいタイプです。
当院で開発したスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
シーズーの皮膚病はスキンケアブームの弊害でスキンケアばかりが注目されますが、本当はそうではありません。
スキンケアを大事にしつつ、サプリメントを大事にすることがなによりも治療成績に差をつけます。
的確な診断治療とともに、ECプラスとLFプラス(現在はパーソナルケアPⅡ+を推奨)を使用していただければ多くのわんちゃんの相性に合うと思います。
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