2015.09.07
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
最近は雨が続いていますね。
今日は先週に紹介したポメラニアンの症例の続きです。
8月31日の初診時の状態を当日紹介し「何をすべきか」とお話したので、今日2回目の再診時の状況を紹介します。
【症例】
ポメラニアン 1歳半 男の子
【病歴】
〇2ヶ月前から痒みを伴う皮膚病
〇抗生物質、ステロイド(0.5mg/kg)を継続するも改善せず
〇食事療法(アミノペプチド)継続中
まずは初診時の状態です。
痒みの強い頚部の状態です。
わかりにくいため、毛をかきわけてみましょう。
こういったときはしっかりと病変部を確認するため、そして治療のためにも毛をカットした方がいいです。
頚部のやや右側の拡大です。
続いて、右上腕~方にかけての拡大。
頚部の左側の拡大です。
続いて、頚部を右側から。
上の写真の拡大です。
続いて、左後ろ足の内側(膝の内側)。
上の写真の拡大です。
前回の記事でこう記しました。
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今日最優先で行うべき治療法は?
そして今後予測される治療方針は?
すべて初診時に判定可能です。
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そこから1週間後の今日を比較してみましょう。
写真をクリックを拡大してみることができます。
初診時に行った検査は2回目の本日お伝えしました。
きれいに改善させてから原因を伝えるというなんとも不思議な流れですが、当院ではめずらしくありません。
よく「検査してみないと原因わからないですよね?」と飼主さまからいわれますが、今回のように「原因が特定されていなくても治療法はわかる」ということは珍しくありません。
むしろ初診時に治療法がわからなければ、検査してもわからないとすら思います。
初診時には「原因を追究する」とともに、「治療法を導くこと」がとても重要です。
当院の初診を受けられる方には今回同様に、初診時に「必要な治療はこうでしょう!」とお伝えするようにしています。
投稿者:
2015.08.31
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックの平川です。
本日は前回の記事に引き続き、2回目のブログ更新です。
今日は皮膚科の初診が4件あり、1件を先ほどの記事で紹介しました。
今回は2件目の紹介です。
先ほどの中高齢のわんちゃんと異なり、まだ1歳半の若いポメラニアンです。
2ヶ月間抗生物質とステロイドを服用してきましたが、痒みが改善しないということで受診されました。
被毛を書き分け撮影してみましたが、若干わかりにくいところですね。
病変を正確に把握するためには思い切ってカットすることも重要です。
まずは頚部を中心に。
頚部中心の拡大です。
続いて、右前肢のワキ~肩のあたりの拡大です。
続いて、頚部の右側面から。
右側面の拡大部分です。
ラストは左後肢の膝から下の部位(内側)、とその拡大写真です。
2ヶ月のうち半分以上の日数で0.5mg/kgのステロイドを服用しても痒みが止まりませんでした。
今日最優先で行うべき治療法は?
そして今後予測される治療方針は?
すべて初診時に判定可能です。
投稿者:
2015.02.21
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
お久しぶりです♪
ブログ更新が止まるときは大体悩んでいるときで、PCに向かっても頭の中で文章がまとまらないときです。
何かきっかけがないとかけないのですが、今日は少しうれしいことがあったので書いてみることにしました♪
タイトルにも書きましたが、ポメラニアンの脱毛症はご存知ですか?
ポメラニアンの飼主さま以外は知らないと思うのですが、かつては「ポメはげ」といわれていたほどポメラニアンに特徴的に認められる脱毛症です。
※少し前までアロペシアX(エックス)、今は毛周期停止と名称はころころ変わっていますが、同じ病気です。ここではアロペシアXにしておきます。
頭と四肢を残して、体幹を中心に脱毛が進行する病気で、ホルモン異常が原因とされていているのですが、特効薬がないため脱毛症の中でも治療が難しい病気の一つです。
当院にも数多くの症例が来院しているのですが、このアロペシアXは治療成績を予測することができません。
被毛が再生するわんちゃんもいれば、さまざまチャレンジするも改善が認められないわんちゃんもいて、毎回僕を悩ませます。
そしてこの特徴的な脱毛症がゆえに初診のご予約のお電話の時点で「アロペシアXだな」とほぼわかるため、飼主様には「治療成績が高いとはいえません。やってみないとわからない。」とお断りを入れた上で受診してもらっています。
今回はそんな治療が読めないアロペシアXの治療症例報告です。
まだ治療途中ですが、約3ヶ月後の今日の写真です。
古い毛とまざっているため、毛質にムラがめだちますが、明らかにポメラニアンらしい質のいい被毛が再生してきています。
一喜一憂は好きではないのですが、いい流れに乗ったと思います。
ただし治療を行っている全頭で同じいい反応が得られるわけではありません。
これだけ有名な病気にも関わらずHPに治療成績を掲載していない理由はここで、あまりにも治療成績が安定せず予測できないところです。
治療の必要性についてはさまざまな意見・価値観があるため一概にいえませんが、皮膚科のみを行う動物病院としては悩める飼主さまに「選択肢があるのであれば提供することも大切」と思うので積極的な治療もするようにしています。
※実際同じ治療で反応が認められなかった症例もあります。
投稿者: