2016.03.28
こんにちは、四季の森どうぶつクリニックです。
今日はFNSうたの春まつりをみながらブログを書いています。
この時期ですので卒業に関連した内容なのですが、みなさまは卒業式に何か思い出は残っていますか?
僕は卒業式の日に女の子に第2ボタンを・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もらわれたこともないので、いい思い出は何もないです(笑)
さ、そんなさみしい思い出話は早々にやめて、数ヶ月お休みしていた症例報告にきりかえましょう。
日々同じような診察をしているようで、新しい発見が次から次にみつかるのが診療最前線なのですが、つい先日も新しい発見がありました。
今回紹介するのははるか昔から有名な病気、「ポメハゲ」「アロペシアX」「毛周期停止」の名前で呼ばれる脱毛症の治療です。
まずは初診時の正面・・・は向いていませんが、実はこの脱毛症は「かわいい子に多い」というのが定説になっています。
バンザイの姿勢で、胸のあたりをみてみましょう。
大きな湿疹がたくさん認められます。
続いて、腹部です。
同じく大きな湿疹が数多く認められます。
続いて、側面。
この疾患に特有の脱毛が認められますね。
この湿疹が全身に無数にあります。
最後に背中を上からです。
重度ではありませんが、典型的なアロペシアXです。
その診断を下して治療開始からわずか4週間後をみてみましょう。
まずは胸とお腹です。
湿疹は非常に綺麗になっています。
胸の辺りはすでに新しい被毛が再生しており、数ヵ月後にはフワフワになっているのが予想できます。
続いて、側面です。
アロペシアで脱毛が進行しやすい頚部の側面を拡大してみます。
同じくアロペシアXで脱毛が早期から認められる胸部側面です。
当院の治療の中で湿疹が治るのは当然として、「治し難い脱毛症」で早くも被毛の再生が認められています。
個人的にはこんなに早くの再生があるのは初めてなので、ちょっと驚きました。
多くの疾患で「おおよそ〇ヶ月でよくなるでしょう」が予測できる中で、この脱毛症だけは被毛の再生時期を予測することが難しいです。
中には半年以上かかることもあります。
今回のポメちゃんはかなり早い時期での再生が認められたと思います。
このアロペシアXの脱毛症の治療にはさまざまな考え方があり、「命に関わらないため治療の必要性はない」とされがちですが、個人的には病気の1つとして積極的な治療は選択肢の1つだと思います。
その理由は今回の症例の膿皮症です。
この膿皮症、おそらくアロペシアが原因で起きています。
ポメラニアンは本来ではそうそう難治性の膿皮症になることはないのですが、「アロペシアがゆえに膿皮症が治らない」となる症例が少なくありません。
従来では「アロペシアは毛が生えないだけ」とされていましたが、「皮膚コンディションが低下する病気」として捉えて治療が必要だと思います。
投稿者: