2017.11.10
シーズーのアトピー&アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院の治療ブログでもたびたび登場している「アポキル」というお薬ですが、基本的には効果が出やすく副作用が少ないため非常に使いやすいお薬といえます。
ただどんな痒みでも抑えることができるか?というとそうではなく、効きにくい痒みもあります。
そのため診療では「アポキルが抑える痒みかどうか?」の判定と、「アポキルで抑えられない痒みにどうアプローチするのか?」の腕が非常に重要といえます。
今回紹介するのは「アポキルで改善するが、抑えきれない痒み」についての症例です。
【症例】
シーズー 8歳 女の子
【経過】
〇1年前半まえから当院で治療開始し、薬浴・アポキルによって著しい改善を認める。
〇ここ数ヶ月、内股の痒みが強く、従来どおりの投薬治療で改善が認めらにくい
それでは、初診時から約1年半後の状態を紹介します。
顔・頚部・四肢はほぼ正常に近いところまで改善しています。
問題は内股、特に右の内股が皮膚炎をおこしています。
右に比べて左に同じような皮膚炎は認められません。
従来どおりの治療を継続していても改善が認められない場合は、新しいアプローチが必要です。
当院の初診からこの日まで使ったことがない別の治療法を併用しました。
約1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
赤み、痒みともにほぼ消失しました。
アポキルを毎日服用していても抑えられなかったかゆみが、新しい投薬治療により数日で消失しました。
「アポキルが効かない」ではなく、アポキルも効果的だったが、すべての痒みを抑えるわけではないということです。
アポキルを処方するときにはこのアポキルによりどの部位の痒みがどの程度抑えられるのかを予測した上で、さらに「改善がなかった次の手」を準備して処方するようにしています。
「アポキルが効かなければお手上げ」とならないためにも痒みの原因を診極める必要があります。
今回の治療に併用したサプリメントは当院のヒーリングケアLFプラスです。
ヒーリングケアLFプラスは投薬治療の補助、アポキルの減量に非常に有効と考えています。
今回のシーズーの脂漏性マラセチア性皮膚炎の院内薬浴にしようしているスキンケア商品とサプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
正確な診断、適切な投薬治療があってこそのスキンケア&サプリメントですので、遠方にお住まいの方は当院の遠隔診療とご一緒に継続されることをお勧めしています。
また、当院では個人動物病院向けに、皮膚科の診療提携を行っています。
診断・治療内容、スキンケア商品・サプリメントについて提携をご希望の方はお問い合わせください。
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2017.11.09
チワワのアトピー・アレルギー性皮膚炎、脂漏性マラセチア性皮膚炎などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回紹介する症例は、以前にも治療経過を紹介したことがあるチワワちゃんです。
振り返ればもう3年も前で、もちろんアポキルがないときの治療結果です。
ここから欠かすことなく継続治療をし、非常によい状態を長く維持していたのですが、今年の春くらいから悪化するようになりました。
そのときの様子から紹介しましょう。
左足だけの写真です。
3年前の治療開始した頃の投薬量よりも随分と減量していたため、まずは初期の投薬量に戻してみましたが、3年前のような改善はありませんでした。
そこで過去の治療内容は一端保留にし、今まで行ってこなかった新しい治療方針を加えてみました。
新しい投薬治療から2ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
随分とよくなりましたね!
この投薬治療には内服の処方と、当院のヒーリングケアLFプラスを処方しました。
新しい投薬内容と、このヒーリングケアLFプラスの相乗効果で、元々継続していた内服はさらなる減量に成功しています。
季節により投薬量の調整があるかもしれませんが、随分と再発し難い体質になっていると思います。
当院のサプリメントは適切な診断と、投薬治療を併用することで、徐々にお薬をへらすことに成功しやすいと考えています。
当院で処方しているサプリメントやスキンケア商品は以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な診断と、適切な投薬治療と併用することでよりより治療結果をえることができます。
当院ではメールと写真で継続する遠隔診療にも力をいれているため、ご希望の方は当院HPの遠隔診療ページのお申し込み欄からお問い合わせください。
また、当院では今年から個人開業に動物病院に向けて、皮膚科での診療提携を行っています。
ご興味のある方はお問い合わせください。
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2017.10.23
フレンチブルドッグの痒みを伴う膿皮症・アレルギー・アトピーの治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は本当に多いですね。
当院の皮膚科の来院で最も多いのがフレンチブルドッグではないかと思います。
ではフレンチブルドッグで多い皮膚病の原因はというと、
①細菌性膿皮症
②アトピー性皮膚炎
③アレルギー性皮膚炎(食物アレルギー含む)
というものが一般的にあげられます。
見た目ではどんな雰囲気かというと、今日の症例報告のようなわんちゃんが典型例なので「よくある典型的なフレンチブルドッグの皮膚病」としてみてください。
【症例】
フレンチ・ブルドッグ 去勢雄 3歳
【経過】
〇1歳の時から痒みを伴う皮膚病を発症
〇季節性はなく、1年通して痒い(梅雨が最も悪化)
〇アポキルを1日1回1年前から継続して服用しているが改善しない
※間近1ヶ月はこのアポキルを1日2回服用中にも関わらず改善なし
〇痒みは、胸の側面を掻く、四肢端をなめる(特に前肢)、ワキ、顔
〇過去に3件の動物病院受診
〇色々な療法食を使うも改善せず、手作り食でも改善せず
それでは初診時の状態をみてみましょう。
正面から。
顔の側面と皺の拡大です。
続いて頚部。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
続いて、身体側面。
一見普通に見えますが、実は痒みを伴っています。
下半身を拡大してみましょう。
被毛が茶色になっているため、頻繁に噛んでいることが推測されます。
続いて右側面の肩のあたりです。
強くかいているため、傷になっています。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部。
続いて、内股です。
それでは初診時からわずか1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みは元々10だったのが2くらいまで減ったそうです。
見た目も赤い湿疹はほぼなくなり、毛並みも綺麗になり、白くなっているのがわかると思います。
被毛が茶色に変色する原因は唾液によるもので、舐めたり噛んだりしなくなったことで、白にもどっています。
フレンチブルドッグに多いしつこい足舐めもかなり軽減されています。
今回のタイプはフレンチブルドッグの典型的な皮膚病で、メジャーな原因3つをそろえています。
それぞれに対して適切な診断・アプローチをとることで、たった1ヶ月で劇的に改善します。
投薬治療を行いましたが、当院が開発したスキンケア&サプリメントもとても重要なアプローチの1つです。
再発を少なくするためには非常に効果的と考えています。
オンラインショップでお買い求めいただけますので、適切な医療を併用しながらご利用ください。
また、遠方にお住まいの方には遠隔診療を提供しています。
ここで一つ疑問があるかと思います。
なぜアポキルを1日2回服用しているにも関わらず痒みが改善せず、当院では改善したのか?
理由は複数あるのですが、1つはフレンチブルドッグに食物アレルギーは少ないという考え方です。
世の中では「フレンチブルドッグの皮膚病=アレルギー」といわれているところが多いですが、個人的にはそう考えていません。
あくまで「個人的に」であって正解ではないのですが、「アレルギー」と考えているから改善していないわんちゃんは相当数いるかと思います。
当院ではアレルゲン対策はほとんどしません。
理由は「アレルギーは稀」というスタンスだからです。
「アレルギーがない」という根拠はないのですが、アレルギー対策で改善するわんちゃんは稀ですので、あえて稀なところからアプローチしないだけです。
そして2つめは、アポキルが効く痒みと効かない痒みを区別できることでしょうか。
数字では判断できないので、獣医師の経験からの判断でしかありませんが、「これはアポキルが効く」「これはアポキルでは不十分」という判断ができることが重要だと思います。
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2017.10.14
トイプードルの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
ちょうど1ヶ月前にトイプードルの皮膚病で「以前の病院で原因不明と言われた」というわんちゃんについて記事を書きました。
「治療後にこれだけよくなりました」ではなく、「今日来院されて、今日から治療します」という症例紹介でした。
9月15日にUPしたブログ記事 【0.1秒の診極め】原因不明の痒み
心因性と診断し、2週間後、4週間後(先日)と受診していただき、予測通りの改善をみとめましたので治療後を紹介します。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
局所であるため、その拡大も比較して見ましょう。
右半身の大腿部外側にも同じような病変がありましたので、その比較も紹介します。
ガジガジとかじっていたため、局所的に毛がなくなっていましたが、4週間でほぼ100%の毛並みに戻りました。
前回の記事で書いたように診断は「心因性の痒み」です。
診断のための有効な検査は一切無く、「経験」だけです。
今回治療比較が4週間後の写真になっていますが、2週間後はどうだったのか?というと、ここが意外と興味深いポイントです。
実は2週間後の時点で飼主さまはこうおっしゃっていました。
「特にかわらず痒そう」
ただ、僕の診た目での診断は
「よくなってます。診断は心因性、方向性は変えず1種類お薬を増やしましょう」
でした。
その次の3回目の診察が上の写真の通りで、明らかな改善が認められています。
ポイントは3つ、
①初診時の診断
原因が心因性の場合、その他の治療アプローチでの改善はほぼ見込めません。治療方針のブレをさけるためにも初診時に把握するのがベストです。
②押し切る治療方針
飼主さまの見ていることと、獣医師が診察で診なければいけないポイントが必ずしも一致するとは限りません。そして治療方針が合っていることと、飼主さまの評価がリンクするとも限りません。
飼主さまの「よくなっていない」という判断は一つの評価として受け止めますが、診るべきポイントを押さえると「改善している」と評価することは可能です。ブレてはいけません。
③微調整の手段を準備しておくこと
今回は初診時にすでに「再診時に改善が不十分だったときの次のプラン」を用意していました。その改善のための治療プランが初診時の治療アプローチの変更ではなく、「追加治療」であることが初診時にわかっていることがとても重要です。
基本的で簡単なようですが、本当はかなり大変です。
それでは今回の治療で必須のサプリメントを紹介します。
です。
トイプードル、シーズー、ヨークシャーテリア、ダックスなどのわんちゃんで非常によく使っています。
こちらの商品は以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
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2017.10.02
柴犬の痒みを伴うアトピー・アレルギー性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚病治療専門病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日紹介するのはここ最近の中で最も「会心」だった症例です。
【症例】
柴犬 4歳 去勢オス
【経過】
〇1才のころから皮膚病
〇最初は季節性の痒み発症であったが、この2年は通年性
〇シクロスポリンで改善なし
〇アポキルでも改善なし
〇シクロスポリン+アポキルの同時併用3ヶ月でも改善なし
〇最近はステロイドでも改善なし
〇食事療法は、低アレルゲン、アトピーフード、グレインフリーと変えるも改善なし
さて、初診時の状態です。
正面全体から。
続いて、右側面から。
続いて、顔~頚部(右)。
同じく頚部の右、拡大。
同じく右頚部、さらに拡大。
頚部、正面から。
同じく頚部正面、拡大。
続いて、前胸部。
続いて、右前肢の屈曲部(肘)。
続いて、右前腕内側。
続いて、右前肢外側。
続いて、右胸部側面。
続いて、右肩の側面拡大。
右胸部側面の拡大。
同じく右胸部側面の拡大2箇所目。
同じく右胸部側面、3箇所目。
続いて、右腹部側面。
続いて、右後肢膝~カカトの側面。
続いて、左側面。
左側面をやや斜め後ろから。
右側面の炎症部位の拡大。
右腹部側面の拡大。
続いて、右後肢側面。
かなり重度ですが、この見た目は特徴的なので診断は一瞬です。
万が一のことを考えて、似ている疾患を除外するためにいくつか検査をしますが、頭の中で答えは決まっています。
綺麗に治るまでの軌跡を描いてからゆっくり検査、説明をします。
※検査結果は確認のためで、治療方針を立てるためではありません。
それでは初診時からちょうど12週間後との比較です。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
参考までに
〇甲状腺機能低下症はなし
〇ステロイドの副作用でもない
〇疥癬でもない
〇アポキルは効かない
〇上記の写真で紹介した病変に、抗生物質を必要とするものはない
当院でも初診時に「アポキル」を処方しましたが効果はゼロで、飼主さまから「痒みはまったくかわらない」といわれました。
もちろん現状でアポキルがほとんど効かないだろうというのはわかってたのですが、「副作用はほとんどないし、多少効果があればOK」というつもりで処方しています。
それだけではなく2回目~7回目までの再診時もずっと「よくならない。かわらず痒い」といわれ続けており、9週間後の7回目の再診時でも「痒みはあまり変わらず、元々を10とすると今8くらい」という低調な評価でした。
ただ!改善する自信があったので「治療方針は変えません。よくなります。」と言い続けて初診時の診断は変えませんでした。
そしていよいよ12週間後の8回目の診察時、飼主さまにはじめてうれしい言葉が・・・
「おかげさまで随分良くなりました。散歩でも『別人みたい!』と声をかえてもらえました♪」
痒みも足先をちょっとなめる、口を時々掻く・・・というくらいです。
毛並みも非常によく、ツヤツヤです。
柴犬のこのタイプの皮膚炎はときどき診る事があり、だいたいアトピー、アレルギーといわれて難治性皮膚病になっています。
「アトピーではない」「アレルギーではない」と言うことは難しいのですが、「アトピー」「アレルギー」といっていると絶対治りません。
このタイプはアポキル単独では改善しませんし、食事療法なんてほぼ無意味ですし、スキンケアで改善するわけでもありません。
あることをし続けなければ結果がでません。
結果がでるまでの数ヶ月も痒みが続くのですが、飼主さまの「痒みが改善しない」という返事に対して、自信をもって「このままでよくなります。」とブレずに継続する力が必要です。
この「痒いといわれてもブレない」というのがかなり難しいと思います。
もう1点、これが難しいといわれる理由は「教科書に掲載されていない」ということでしょうか。
また、セミナーで解説されているのも聞いたことがありません。
近い記載はわずかにあるのですが、おそらく誰も気づいていないのが現状です。
当院と皮膚科に関する診療提携を行っている病院の先生には詳しく解説する予定です。
今回の症例でも初診時の診極めで、治療方針を変更することなく改善することができました。
投稿者:
2017.10.01
フレンチブルドッグの膿皮症・アトピー性皮膚炎などの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回紹介する症例は「かなり難治性だった」わんちゃんです。
あくまで「だった」であって、当院での治療が難しかったわけではありません。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇生後10ヶ月のころから身体に湿疹ができはじめる
〇以降今日までの3年間、身体から湿疹が消えたことはない
〇季節性はない
〇アトピー検査、食物アレルギー検査を1歳前、3歳前の2回実施済み
〇細菌感受性試験も2回実施済み
〇1年前からアポキルを服用、現在毎日服用しているが、この数ヶ月顔の痒みがひどくなった
〇アレルギー治療、食事療法を続けたが改善せず
それでは初診時の状態です。
初診時に考えられる診断名・原因・治療方針をお伝えしたところ、飼主さまから1つお願いごとをされました。
「あとから『この〇〇〇(薬・サプリ・シャンプーなど)の方がもっとよくておすすめ』と後出しするのはなしでお願いします。」
ということでした。
過去の経験からのリクエストということで、心中もわからなくもありませんが、一般的にはかなりハードルの高い条件です。
とはいえ普段の口癖が「初診時の診極め」ですので、そこは同じ土俵に上がらなければいけません。
とりあえず「絶対ではないですが、まずこれ(初診時の提案)でよくなると思います」とお伝えして治療スタートしました。
それでは7週間後の状態と比較しましょう。
顔の湿疹は消失し、痒みもほとんどなくなりました。
四肢端の赤み・腫れもきれいに改善し、舐め癖もほとんどなくなりました。
写真ではありませんが、身体(胴体)にあった湿疹もきれいになくなりました。
治療成績上はパーフェクトに近いと思います。
※写真は7週間後の比較ですが、痒みの改善は4週間でほぼ達成できています。
そして飼主さまからのリクエストである「治療の後だし」はありませんでした。
初診時の治療方針で飼主さまの満足できるところまで改善させることができたのでよかったと思います。
さて、簡単なまとめです。
アレルギー治療、食事療法で3年間治らない、アポキルを毎日服用していても治らない・・・・・・中々難治性だったようですが、当院の治療方針でこのタイプであれば1~2ヶ月でだいたい改善できます。
おそらくではありますが、治療結果がでない理由は 「アレルギー」と「食事療法」の考え方だと思います。
当院ではこういった皮膚病に対して「アレルギー」と説明することはほとんどありません。
また食事療法についても「アレルギー検査をし、アレルゲン回避の療法食以外食べてはだめ」という指示もほぼしません。
そもそもアレルギー対策やアレルギー食事管理で治る皮膚病は稀ですので、わざわざ稀なところからアプローチすると多くが治らない結果になるのは明白です。
フレンチブルドッグの難治性の多くは今回紹介したような症例のタイプに近いのですが、アレルギーと診断することと、アレルギー食事管理をすることで失敗していることが大半です。
もし同じような症状で慢性的にお困りの方は当院を受診してください。
今回の症例でも使用しましたが、当院のスキンケア&サプリメントが非常に効果的だと思います。
特に四肢の腫れ・炎症をひかせるのに、ヒーリングケアLFプラスが有効だったと思います。
おもしろいはアポキルで改善しないのにサプリメントで改善するところでしょうか。
アポキルの効果が無いわけではないのですが、アポキルの足りないところをサプリメントが補完して相乗効果を生んだという認識がより適切かと考えています。
と、色々かいてみましたが、最大のポイントは「診極め」で、外すことなく「初診時に改善までの軌跡を描けること」かと思います。
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2017.09.15
トイプードルの痒みの診断・治療に力を入れている犬の皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今日紹介するのは本日来院されたばかりのわんちゃんのため、治療後の比較写真はありません。
実際よくなるかどうかは別ですが、診断が非常に早かったのでご紹介しようと思います。
【症例】
トイプードル 1歳弱 女の子
【経過】
〇3ヶ月前から繰り返すかゆみ
〇他院受診するも「原因不明」
〇抗生物質とステロイドで緩和されるも、投薬中止でぶり返す
〇処方&再発を繰り返したため、原因追及のために当院受診
それでは今日の初診の状態を紹介します。
一見普通のトイプードルちゃんですね。
早速痒みがでている部位をみてみましょう。
この上の写真では主に3つの部位が痒みをだしています。
2箇所は腹部の側面、脱毛している?ようにみえる部位です。
拡大してみましょう。
上の写真で2箇所脱毛してる?ようにみえる場所がわかりますか?
そのうちの1箇所を拡大してみましょう。
かなり集中的にかじっているため、地肌がみえています。
もう1箇所は右後ろ足の側面、太もも~膝~アキレス付近を広範囲にかじっています。
拡大してみましょう。
見慣れていないとわかりにくいですが、まわりの毛よりもみじかくなっているため、相当は範囲をかじっているのがわかります。
それでは反対の右半身をみてみましょう。
左半身と異なり、最近になって1箇所痒がるようになったそうです。
まずは痒みの強い左半身の2箇所の病変部と同じような部位を拡大してみましょう。
まったく何もありません。
それでは右半身の痒みが強い部位を拡大してみましょう。
ここだけ集中的にかじっているのがわかります。
一応顕微鏡で菌がいないか、寄生虫がいないか・・・とみますが、実は検査をするころには診断は決まっていました。
そう、「心因性」です。
心因性の診断を下すポイントになったのは各種検査ではなく、診察室でわんちゃんに近づいたときに見せたわずかなリアクションがきっかけです。
その0.1秒ほどのわずかなリアクションで「あ、この子の性格は心因性の掻痒を引き起こすタイプだ」と確信できました。
もちろん皮膚をよくみることでも心因性の特徴が数多くでていますので、診断は非常に簡単です。
カルテ情報をみて、飼主さまからお話をきいて、わんちゃんをチラッとみて・・・心因性の診断はここでほぼきまります。
簡単とはいいましたが、心因性の診断には根拠がありません。
あえていうなら「根拠は経験値」、検査がないがゆえに経験で判断するしかありません。
正しいかどうかの判定は難しいのですが、きっと改善すると思います。
参考までにこういった症例には3つほどの治療プランを提案するのですが、そのうちの1つが最も重要なヒーリングケアLFプラスです。
あと2種類は症状にあわせて併用しながらコントロールしていきます。
トイプードルやシーズーには非常に相性がいいため、きっといい結果がでると思います。
オンラインショップでお買い求めできますので、同じような症状の方はぜひお試しください。
投稿者:
2017.07.01
当院は「かゆみ」を主とした皮膚病治療に力を入れている皮膚科動物病院ですが、ポメラニアンやトイプードルの脱毛症の患者さまも非常に多く来院されています。
今回はその「痒み」と「脱毛症」の両方をかかえたポメラニアンの症例報告です。
【症例】
ポメラニアン 2歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇去年の6月のカット以降、毛がはえてこない
〇去年の9月頃から脱毛が進む
〇腹部側面、かかとを昔よりなめる(心因性?)
〇かかりつけの病院にてレーザー+抗炎症薬+サプリメント(R&U、栄養剤)
まずは全体からみていきましょう。
続いて、頚部。
続いて右前腕。
同じく、右前腕側面。
続いて、左前腕。
同じく左前腕側面。
続いて、身体の右側。
同じく、身体の右側の頸部~胸部の拡大。
続いて、身体の左側。
続いて、身体の左側の頸部~胸部の拡大。
ポメラニアンやトイプードルに多い脱毛症アロペシアX(毛周期停止)の特徴をもっています。
ただ「脱毛」しか症状がない通常のアロペシアXとことなり、今回は「痒み」という症状もかなり強くでています。
痒みが強い部分は腹部側面(色素沈着が強い部位)、手首のあたりです。
アロペシア単独であれば顔・四肢の脱毛はほとんどないため、手首の脱毛は「アロペシアX」の症状とはいえません。
それでは、この初診時から9週間後の状態と比較してみましょう。
※画像をクリックすると、拡大してみることができます。
まだ被毛は短めですが、かなりの改善がみとめられました。
毛の数としては80%以上の改善と判断しています。
それでは簡単な解説です。
今回は通常のアロペシアXとは異なります。
理由は「アロペシアX」だけでは起こらない痒み、特に手首の痒みがその特徴を表しています。
そのため今回は脱毛症に対するアプローチと、痒みに対するアプローチの両方を行いました。
では本来の脱毛症ではおこらない「痒み」に対してどのようなアプローチを行ったか?というと、もちろん最初は「アポキル」です。
アポキルは、副作用が非常に少なく、飲みやすく、痒み全般をかなりの精度でおさえてくれる非常にいいお薬です。
しかし今回は処方する時点で「効きが悪い」という前提で処方しました。
もちろん「効けばOK」という期待もありましたが、「効かなければ次は〇〇〇」という次のプランを用意して、あえて最初にアポキルを選択しました。
アポキルの効果はというと、やはり「痒みはまったく改善なし」という効果なしの治療結果でした。
もちろん想定範囲内ですので、アポキルの処方は終了し、予定通り次に考えていたサプリメントを処方しました。
「痒み止めのアポキルを撤回して、次に出すのがサプリメント?」と思われるかもしれませんが、この症例の最大の見せ場はここです。
すると痒みもほとんど収まり、上の写真の通り舐めすぎていた手首の脱毛部位も綺麗な被毛が再生しています。
この流れであればもうお分かりだと思いますが、サプリメントは当院のオリジナルサプリメント、ヒーリングケアLFプラスです。
たかがサプリメントですが、されどサプリメントです。
的確な診断があれば、サプリメントはお薬を超える改善を示すことすらあります。
今回も初診時に「これはLFプラスで改善するだろうな」と判断してあえて「アポキル→LFプラス」という処方の流れをつくりました。
当院では医療を提供するクリニックでもあるのですが、医療だけではないサプリメントの重要性もお伝えできればとも考えています。
脱毛症を治すサプリメントではないのですが、痒み・舐め癖の治療選択肢としてヒーリングケアLFプラスは非常におすすめできます。
当院のオンラインショップで購入することが可能です。
投稿者:
2017.06.22
柴犬の痒みを伴う皮膚病治療に力をいれている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先日待合室でまっている柴犬をみて違和感を覚えました・・・
「誰だろう?診たことあったかな?」
この違和感の原因はそのあとの診察で解決できました。
今日はそんな症例報告です。
【症例】
柴犬 4歳 女の子(避妊手術済)
【経過】
〇去年の夏からつづく痒みを伴う皮膚病
〇冬もよくならず、春から脱毛が進む
〇痒みの部位:頚部、お腹、四肢端
〇過去の投薬歴:痒み止め
まずは顔の左側から。
続いて、頚部。
同じく、頚部のやや左から。
続いて、右前腕。
続いて、身体の左側。
同じく、左側の胸部拡大。
続いて、身体の右側。
同じく左側、腹部の拡大。
続いて、前胸部。
続いて、腹部。
続いて、内股~後肢。
続いて、左後肢の側面から。
それでは、この初診時から7週間後の状態と比較してみてみましょう。
※画像をクリックすると、拡大してみることができます。
まさに「見違えるように」とはこのことですね。
毛並みはほぼ元に戻りましたし、肝心な痒みも元の10分の1までへりました。
もちろん初診時に「まずよくなる」と思ってアプローチしましたが、たった7週間でここまでよくなるとは思いませんでした(笑)
診たのは初診と再診2回の合計3回でここまでよくなるとは・・・自分でもちょっとびっくりしました。
先週の北海道往診から1週間たっても疲れがとれない僕にはまぶしく見えるこの回復力・・・・これが世に言う「若さ」というものでしょうか(笑)
治療のポイントは特になく、診た瞬間に治療方針は決定です。
初診時から治療方針の変更はありませんでした。
投稿者:
2017.05.22
こんにちは、フレンチブルドッグの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院四季の森どうぶつクリニックです。
暑い日が続いており、わんちゃんの皮膚トラブルも増えてきました。
今からケアを欠かさずつづけることで、いいシーズンにすることができますので、がんばっていきましょう。
それでは今日の症例です。
【症例】
10歳 フレンチブルドッグ
【病歴】
〇3年異常前から手先~腕を舐める皮膚病
〇その他、お腹の皮膚炎、頚部~胸の皮膚炎
〇過去の治療歴はステロイドの内服と外用薬
※ステロイド内服、1年365日のうち100日以上服用、3年以上継続
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは正面から。
続いて、頚部~前胸部。
同じく前胸部の拡大、黄色の皮脂がびっしりと付着しているのがわかるでしょうか?
続いて、胸部、円形脱毛があり、湿疹があることがわります。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
同じ部位の拡大をみてみましょう。
同じく左前肢の指先です。
それでは治療後と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
非常に綺麗になりました。
今回の治療にはアポキルを併用しましたが、腕を舐める症状と足先を舐める症状は改善しませんでした。
そのためアポキルに当院のサプリメントを併用したところ、写真のように非常にきれいな改善を認めました。
確かにアポキルは安全性も高く、非常に強力な痒みを抑える作用がありますが、すべての痒みを押さえるわけではありません。
当院のサプリメント、ヒーリングケアLFプラスはこういったアポキルが聞きにくい、特に四肢端や腕を舐めるわんちゃんの体質ケアに非常にお勧めです。
いくつかの商品がありますが、フレンチブルドッグのわんちゃんであれば、掻く・舐めるといった痒み治療のために開発されたスターターセットをお勧めします。
今回のわんちゃんでも、脂漏にはスキンケア、湿疹にはスキンケアECプラス、四肢端の舐める痒みにはヒーリングケアLFプラスと症状に適したケアを行って治療を成功に導くことができました。
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