2018.05.14
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギーなど脂漏性皮膚炎の治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は扱いにくく、こじれやすいです。
昨日は東京・品川の遠隔診療で5頭のわんちゃんを診ましたが、そのうち2頭がフレンチブルドッグでした。
たしかに難しい体質だと思いますが、うまくいかない理由は案外基本にあり、今の皮膚科医療のスタンダードである「アレルギー」と「痒み止め」に縛られてしまっていることだと思いました。
「フレンチブルドッグの皮膚病はアレルギーではない」「皮膚に痒みの異常があるわけではない」という目線でアプローチしなければうまくいかないと思います。
今日は以前にも2回紹介したわんちゃんの経過報告です。
1回目は、
3月23日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療 (初診)
2回目は、
3月30日UP 過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎治療② (2回目再診時)
今日紹介するのは初診から約6週間後のつい先日の症例報告です。
まずは1回目、2回目と順番医お読みください。
それでは初診時から6週間後との比較をご覧ください。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
顔のシワの皮膚炎がまだ十分とはいえませんが、全体的には劇的な改善ができたいと思います。
この方向性でいけばもう2度と元の状態にもどることはないでしょう。
このタイプの症例には院内薬浴を実施して、サプリメント2種類を併用しています。
当院の薬浴で使用しているスキンケアと、サプリメントは以下のオンラインショップからご購入できます。
適切な診断・治療とともにご使用ください。
投稿者:
2018.05.10
フレンチブルドッグのアトピーやアレルギー、舐め癖など痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
今回は当院で最も受診が多いフレンチブルドッグのわんちゃんです。
【症例】
フレンチブルドッグ 1歳4ヶ月 女の子(避妊手術未)
【経過】
〇生後7ヶ月のころから痒み
〇痒みの部位は身体の側面をかく、四肢端をなめる&噛む、顔をこする
〇食事を変えても、手作り食でも特に改善しない
〇今が最も悪い
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔の正面と、側面からです。
続いて、頚部です。
続いて、右前腕です。
続いて、左前腕です。
続いて、わきです。
続いて、内股です。
最後に、身体の側面の湿疹です。
上の写真は左側面で、斜め後ろからみると小さな穴があいたような脱毛があります。
こういった部位を拡大してみると、
このように、赤い湿疹があります。
それでは初診時から4週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
最もしつこかった手をなめる癖すらほとんどなくなりました。
舐め癖がひどかったため、エリザベスカラーをつけていたそうですが、これも完全になくすことができました。
初診時からわずか4週間ですが、軌道修正は細菌培養感受性結果が返ってきて抗生物質を変更した1回だけです。
あとは初回の想定どおりの治療方法で改善できました。
このタイプは
【膿皮症】 培養感受性テスト、スキンケア、スキンケアECプラス(サプリメント)
【アトピー】 アポキル、スキンケア
【心因性】 ヒーリングケアLFプラス、向精神薬
といったアプローチで十分よくなります。
アレルギーではないため、アレルギー対策の食事療法はうまくいかない原因になりますので、辞めたほうがいいです。
まだ若く軽度ではありましたが、この体質のわんちゃんであれば当院のスキンケア&ECプラス&LFプラスで改善できるでしょう。
当院がフレンチブルドッグの皮膚疾患のために開発したスキンケア&サプリメントは以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.04.14
アポキルが効かないフレンチブルドッグのアトピー・アレルギー・膿皮症などの痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
「フレンチブルドッグの痒い皮膚病にアポキルが効かない・・・」という状況に悩んでいる方は多いと思います。
悩んでいるのは飼主さまだけなく、実は獣医師も同様です。
魔法の痒み止めのように登場したアポキルが効かないときにどうするか?
今日はそんな症例報告です。
【症例】
フレンチブルドッグ 4歳 男の子(未去勢)
【経過】
〇約2年前から手足の痒み(舐める)、赤み、腫れ
〇顔の皺の痒み
〇アポキル開始(最初だけ1日2回、その後1日1回)とステロイド外用で緩和はあったが、痒み(舐める)のコントロールはできなかった
〇痒みは、四肢端(前>後)、顔の皺をこする、口唇を掻く
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔の正面と左右の拡大です。
続いて、左口唇(斜め下から)です。
続いて、右前肢と指間です。
続いて、左前肢と指間と足裏です。
初診時から3週間後の状態をみてみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
続いて、右前肢と指の間です。
続いて、左前肢と指の間、足裏です。
わずか3週間の治療アプローチでしたが、痒みは元々10として今2くらいまで改善しました。
赤みも減っていますし、腫れも引きました。
元々アポキルの服用期間があったので、そのアポキルの服用中の状態との比較もお聞きしましたが、「アポキル単独よりずっといい」ということでした。
なお内服についてはアポキル以外は処方しておらず、当院が開発したサプリメント2種類「スキンケアECプラス」と「ヒーリングケアLFプラス」を使っています。
顔の皺のケアにはMedicareローションを使って非常にいいコントロールができています。
皺のケアにはとても相性がいいのでおすすめです。
今回の患者さまですが、大阪から来院されました。
3週間前の初診時に一通り治療方針を決定し、2回目の再診時が今回でしたので「治療方針は初診時に確定できる」ということです。
フレンチブルドッグの手を舐める、足を舐める、癖のような痒み・皮膚病にはアポキル以外のアプローチを組み合わせなければうまくいかないことが多いです。
その次の選択肢が当院のサプリメント、ヒーリングケアLFプラスが主役になると思います。
ヒーリングケアLFプラス単独ですべての皮膚病がなおるわけではないので、的確な診断&投薬治療を併用しながらですが、「医療に足りない部分を埋める」というのがこのヒーリングケアLFプラスとスキンケアECプラスだと思います。
この2種類のサプリメントは当院のオンラインショップでお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.04.11
犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー性皮膚炎、膿皮症、癖のようなしつこい手舐め足舐めなど、痒みを伴う難治性皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグに限った話ではないのですが、原因はが1つとは限りません。
アトピーがあり、感染症があり、食事の影響があり、ホルモン異常があり、心因性もあり・・・というようなことはザラです。
しかも感染症にも抗生物質が適応にならない真菌症、寄生虫疾患というのもあります。
では細菌性であれば抗生物質が効くかというと耐性菌という抵抗力をもった細菌のこともあります。
培養&感受性試験という薬の効きを調べる検査をしたら効くか?といえば、本人の体質との相性もあるので必ずしも効くとは限りません。
またそもそも服用して効かない細菌性皮膚炎もありますので、注意が必要です。
食事の影響があるというなら食物アレルギーなのか?といわれそうですが、そうではない食事の影響もあります。
ホルモン異常といえば甲状腺機能低下症か副腎皮質機能亢進症か?といえば、ホルモン疾患がこの2つだけではないのでそうともいえません。
不妊手術をしていればやっぱりこの2つか?と言われそうですが、違います。
心因性というのはストレスか?とよく聞かれますが、ストレスと思うことはあまりなくて、むしろフレンチはストレスを感じにくいため「遺伝的な性格」と表現するほうが正確だと思っています。
改善にはこれらすべての判断を1つも狂いなく判断しなければ改善しないため、フレンチブルドッグの皮膚病治療は「難しい」と言われるのだと思います。
そして原因が1つでない異常、アプローチも複数です。
そして同時に正しい治療ピースを揃えなければ改善しないことすらあります。
今日紹介する症例も、そんなフレンチブルドッグの典型的な皮膚病症例で、複数のアプローチがなければ改善しない症例です。
【症例】
フレンチブルドッグ 5歳7ヵ月 女の子(避妊済)
まずは初診時の状態をみてみましょう。
それでは初診時に組み立てた治療方針だけで改善した治療後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
フレンチブルドッグの遺伝的体質に合った的確な治療をするとこのくらい綺麗に改善します。
こういった典型的な症例には当院の提供する医療と、当院がフレンチブルドッグの体質に合わせて開発したスキンケア&サプリメントが非常に相性がいいです。
〇顔のシワや湿疹のケアにはMedicareローション
〇全身のクレンジングにはMedicareクレンジングオイル
〇基本的なシャンプーにはMedicareシャンプー
〇湿疹(膿皮症)への根本的な体質改善にはスキンケアECプラス
〇四肢端の舐め癖にはヒーリングケアLFプラス
もちろん初診時の的確な診断と投薬治療があってこそですが、すべてのピースが揃うことが重要です。
当院では定期的に関東で遠隔診療を開催しています。
次回は5月13日(日)の夕方で、品川区のかもめカフェで開催します。
詳しい説明はHPの遠隔診療ページと、お申し込みページをご確認ください。
当院が開発したスキンケア商品とサプリメント2種類(ECプラス&LFプラス)は以下のオンラインショップからお買い求めいただけます。
投稿者:
2018.04.08
フレンチブルドッグのアトピー・アレルギー・膿皮症といった痒い皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病のキーワードは
①アトピー
②アレルギー
③膿皮症
④食事療法
⑤痒い(掻く&舐める)
⑥癖(心因性)
⑦脂漏症
が代表的かと思います。
今回紹介するのはこの7つのうち6つが当てはまる「典型的なフレンチブルドッグの皮膚病」です。
一目診た瞬間に治療法が決まり、「絶対に良くなる」という典型例です。
それでは初診時の状態をみてみましょう。
まずは顔正面から。
続いて、右前肢端です。
続いて、腹部です。
続いて、背中です。
治療後(約2ヶ月後くらい)と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
フレンチブルドッグで最も手ごわい足を舐める痒みですら元々10として残りは1~2程度です。
ずっと繰り返しでていた湿疹は完全に消失、今は再発すらしなくなりました。
このタイプは投薬治療とスキンケアが非常に早い改善をもたらしますが、当院のスキンケアECプラスとヒーリングケアLFプラスが再発防止やお薬の減量に非常に役立ちます。
この症例も「アポキルを服用していても痒い!」という状態でしたが、いまは「痒くなったら時々アポキルを服用するだけで十分維持できる」という改善具合です。
フレンチブルドッグの皮膚病に必要なシャンプー(スキンケア)、根本的な体質改善に必要なサプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
※適切な診断&投薬治療があれば最高の治療成績がでます。
当院では関東にお住まいの方に向けて、5月13日(日)の夕方に品川区で遠隔診療を行います。
ご希望の方は当院HPからお申し込みください。
投稿者:
2018.03.30
痒い皮膚病の典型皮膚病であるアトピー・アレルギーや脂漏性皮膚炎など、フレンチブルドッグの皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
先日紹介した記事の続きです。
過去最高のフレンチブルドッグの脂漏性皮膚炎 3月22日初診の紹介記事
このわんちゃんの2回目の診察が3月30日(今日)でしたので、早速経過を紹介します。
まだ途中経過ですので、部分的なハイライトのみの紹介です。
全体をご覧になりたい方は、3月22日のブログ記事をご覧ください。
それでは初診時のハイライトを紹介します。
まずは顔の左側。
続いて、右前腕の肘の内側あたりの拡大です。
続いて、右前肢の第1指~第2指の拡大です。
続いて、胸部とその拡大です。
それではこの初診から8日後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
まだまだではありますが、たった8日にしては「劇的な改善」という評価ができると思います。
ここから悪くなることはまずありません。
参考までに初診時に行った検査の1つに「甲状腺ホルモン濃度測定」があります。
T4濃度は0.8と基準値よりも低めでしたが、甲状腺機能低下症と診断するには不十分として甲状腺ホルモン製剤の処方は行わないことにしました。
1ヵ月後くらいにもう一度測定し、そのときに再度評価する予定です。
例え甲状腺機能低下症があって、投薬が必要である状態だとしても、今の治療で一定のレベルまでは改善できると考えていますので、一生涯の治療が必要な診断には確信をもって望みたいと考えています。
2回目の診察から、ECプラスとLFプラスを併用することにしました。
食事療法とともに、腸管免疫の改善をめざします。
※投薬治療は必須です。
今回の症例には毎回院内薬浴を行っていますが、脂漏性皮膚炎のシャンプー・スキンケア療法には当院のクレンジングオイルが非常に有効です。
スキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラス、スキンケア商品ともにオンラインショップでお買い求めいただけますので、ぜひご利用ください。
投稿者:
2018.03.22
アトピーやアレルギーなど難治性皮膚病の筆頭にあがるフレンチブルドッグの治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、愛知県四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病の基本は「体質を診極める」です。
例えみためが違えど、遺伝的な背景はほぼ似ており、必要な治療アプローチの根本的な考え方に差はありません。
見た目の違いは「表現系の違い」と認識しており、特別な理由はないと思っています。
いくつかの治療パターンの中から、どこの部位にどの治療をすればいいのか、そして治療の力を入れ具合の優先順位をつけることができれば大半の皮膚病は改善に向かいます。
今日紹介する症例は、先日の3月22日に当院をはじめて受信されたわんちゃんです。
まだ1回しか診察していないため、まだ治療後の写真は1枚もありません。
【症例】
フレンチブルドッグ 2歳 男の子(去勢済)
【経過】
〇1歳のときにはじめて皮膚病(背中の複数できる円形脱毛)
〇胸~お腹~内股・・・と拡大し、皮膚はゴワゴワになる
〇アポキルを毎日服用するも改善は初期の一過性で、ここ数か月は悪くなっている
〇約6か月前からアミノ酸系のアレルギー対応療法食を継続中
それでは初診時の状態です。
まずはお顔、さまざまな角度からみてみましょう。
続いて、頚部です。
今回のわんちゃんでは頚部のダメージはかなり小さいですね。
続いて、右前腕とその拡大です。
続いて、左前腕とその拡大です。
続いて、胸部~腹部です。
続いて、内股~後肢です。
かなり重度ですが、治療方針は一瞬で決まります。
そう、最優先なのは薬浴ですね。
投薬治療が欠かせない症例ですが、薬浴して帰ることで初期の治療成績がかなり高く、そして早期に劇的な改善が認められると思います。
ただ薬浴そのものでは「皮膚病の原因」には対処できていないため、根本的にはことなるアプローチをしなければいけません。
その根本的なアプローチというのは、スキンケアECプラスであり、ヒーリングケアLFプラスであり、食事療法だと思います。
今回は薬浴実施と食事療法の処方とし、次回改善していることを確認してスキンケアECプラス、ヒーリングケアLFプラスを処方する予定です。
特に今回の症例は「初診日から食事変更で、新しい食事療法開始」としたのですが、これは非常に重要なポイントです。
当院に受診していた当日まで食べていた療法食はアミノ酸系アレルギー対応療法食でした。
アミノ酸系療法食を食べていればよくなるというのはないので、即刻中止です。
参考までに当院の薬浴で使用しているスキンケア商品、このタイプのわんちゃんの体質ケアに必要なスキンケアECプラスとヒーリングケアLFプラスは以下のオンラインショップからお買い求めいただめます。
追記)3月30日
初診から8日後の3月30日に2回目に来院されたときの状態を紹介しています。
投稿者:
2018.01.04
アトピー・アレルギー疾患などの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
昨年の症例報告のほとんどが「アポキルが効かない」でしたが、それはしばらくずっと続くと思います。
アポキルそのものは非常にいいお薬で、当院でもよく処方するのですが、効かない?と感じる場合は2つの原因を考えるようにしています。
1つは「そもそもアポキルが効かない別の疾患」という場合です。
特に感染症ではアポキルはほとんど効かないと考えています。
2つ目は「アポキルが効く痒み以外の痒みが残っている」です。
要するに「痒み」と一言にいっても、原因はさまざまあり、アポキルがどんな痒みにも効くかというとそうではありません。
アポキルにも抑えやすい痒みと、抑えにくい痒みがあるため、そこを診極めなければ難しくなる症例もいます。
アポキルが効く痒み以外の痒みが残っているわんちゃんには、その原因に合わせた追加治療が必要になります。
今回はそんなアポキルが効くかゆみ以外の痒みに追加治療を行ってアポキルを減らすことができた症例報告です。
【症例】
フレンチブルドッグ 女の子(避妊済) 2歳9ヵ月
【経過】
〇アポキル1日1回投与により随分と改善した状態が続いていたが、手足の先を舐めることがだけが続いていた
〇アポキルの服用が1日1回のまま約1年となり、減らすと症状が悪化するため減量が中々できなかった
この時点で初診時よりはるかに改善したいたが、今後のさらなる治療成績のため、新しい追加治療を提案しました。
今回は治療前の写真がみつからなかったため、治療後の写真のみ掲載します。
症状は手足の先(指の間と足裏)を舐めることでしたが、随分と改善しました。
最初1日1回をずっと継続していたアポキルですが、新しい治療を組み込んだことで徐々に減らすことができ、現在は週2~3回投与でコントロールができています。
追加治療の1つは当院のヒーリングケアLFプラス、
このサプリメントを併用しています。
もちろん投薬治療の追加も行ったため、純粋にサプリメントだけでアポキルが減ったわけではないのですが、大事なことは複数併用することで1つのお薬に頼らなくてもよくなり、治療成績が向上するということです。
当院のスキンケア商品・サプリメントは以下のオンラインショップでお買い求めいただけます。
適切な医療の元、ご使用ください。
投稿者:
2017.12.11
フレンチブルドッグの痒みを伴う皮膚病治療に力を入れている皮膚科専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
当院では関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)にお住まいの方に向けて定期的に皮膚科診療を開催し、継続治療のための遠隔診療を提供しています。
基本的に直接診るのは1回だけで、あとはメールと写真だけで改善に導く診療です。
当院の診察を受ける方の多くが「色々治療しているのによくならない」など、かなり難治性皮膚病の症例ばかりになるのですが、たった1回の診察で改善まで導けるのか?というのは疑問があるかと思います。
特に最近はアポキルという新しい痒みを抑える非常にいいお薬がでたことで、一般的には治療成績が出しやすくなっています。
その分、「アポキルが効かないときにどうするのか?」という問題もでてきています。
アポキルが発売されてまだ1年少しですが、すでに当院受診の大半の患者さんが「アポキルを服用しているのに痒い」という状態です。
今回は症例はそんな「アポキルでよくならない」だけでなく、「アポキルの副作用で服用できない?」という驚きのわんちゃんの治療を紹介します。
もちろん関東にお住まいのわんちゃんで、診察は初回の1回きりだけです。
この初回に1回の診察だけで改善までの軌跡を描かなければいけません・・・しかも、アポキルなしで。
【症例】
フレンチブルドッグ 5歳 男の子(去勢済み)
【経過】
〇生後1歳まえからの痒みを伴う皮膚病
〇1年前少し前からアポキルを1日1回1年間継続して服用していた
〇1年間アポキルを毎日服用しても、痒みは元々10として7~8までしか減らなかった
〇1年間アポキルを毎日服用して血液検査をしたところ、肝臓の数値が高くなっていた。
〇アポキル休薬により肝臓の数値は改善へ
それでは初診時の状態です。
※診察室ではないため、室内が暗くいつもよりみえにくいかと思いますがご容赦ください。
この初診時に治療新を立てて、検査結果をみずに投薬治療をスタートさせました。
5週間後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくみることができます。
黒さはありますが、痒みはかなり緩和され、みためも随分とよくなったと思います。
今回の診療では、
〇実際の診療は1回だけ
〇検査も初回の1回だけ
〇肝臓数値の異常の原因がアポキルかどうかの判定はできないが、「アポキルを使わずに治療」
この3つの制限付で治療開始となりました。
アポキルは使いやすいお薬のため、痒み治療の選択肢として処方できない(使えない)というのはかなりのハンデがあるのは否めませんが、以前はアポキルなしで治療方針をくみたてていましたので、イメージできなかったわけではありません。
今回の診察に至る前の過去通院中に、大半の各種検査を実施済みでしたので、初診当日に追加検査したのは培養検査だけでした。
なお治療で選択した内服薬は3つ、
①抗生物質
②過去に服用したことがあるお薬
③今までに服用したことがない薬
でした。
このタイプの皮膚病は抗生物質単独で治るわけではないため、②と③がポイントになります。
ただ②のお薬は過去に継続して服用したにも関わらず改善がなかったというお薬です。
そう、ここでいいたいのは先日のブログでも書いた「パズル」です。
皮膚病を治すときに必要なのは決まったピースもなく、枠もないパズルを完成させるようなものです。
今回のわんちゃんが過去の治療でうまくいかなかった理由は、ピースの選択ミスではなく、ピースが足りなかったのです。
ピースが足りないことに気づいて、適切なタイミングでピースを出すことができればうまくいったでしょう。
もちろんアポキルを使っても同様で、同じように改善することは可能です。
過去に1年間アポキルを服用して痒みが10→7か8程度までしか改善しなかったアポキルでしたが、足りないピースを足せば今回と同様の結果が得られたでしょう。
なおスキンケア&サプリメントは今回の症例でも併用しています。
投稿者:
2017.10.23
フレンチブルドッグの痒みを伴う膿皮症・アレルギー・アトピーの治療に力を入れている皮膚病治療専門動物病院、四季の森どうぶつクリニックです。
フレンチブルドッグの皮膚病は本当に多いですね。
当院の皮膚科の来院で最も多いのがフレンチブルドッグではないかと思います。
ではフレンチブルドッグで多い皮膚病の原因はというと、
①細菌性膿皮症
②アトピー性皮膚炎
③アレルギー性皮膚炎(食物アレルギー含む)
というものが一般的にあげられます。
見た目ではどんな雰囲気かというと、今日の症例報告のようなわんちゃんが典型例なので「よくある典型的なフレンチブルドッグの皮膚病」としてみてください。
【症例】
フレンチ・ブルドッグ 去勢雄 3歳
【経過】
〇1歳の時から痒みを伴う皮膚病を発症
〇季節性はなく、1年通して痒い(梅雨が最も悪化)
〇アポキルを1日1回1年前から継続して服用しているが改善しない
※間近1ヶ月はこのアポキルを1日2回服用中にも関わらず改善なし
〇痒みは、胸の側面を掻く、四肢端をなめる(特に前肢)、ワキ、顔
〇過去に3件の動物病院受診
〇色々な療法食を使うも改善せず、手作り食でも改善せず
それでは初診時の状態をみてみましょう。
正面から。
顔の側面と皺の拡大です。
続いて頚部。
続いて、右前肢。
続いて、左前肢。
続いて、身体側面。
一見普通に見えますが、実は痒みを伴っています。
下半身を拡大してみましょう。
被毛が茶色になっているため、頻繁に噛んでいることが推測されます。
続いて右側面の肩のあたりです。
強くかいているため、傷になっています。
続いて、胸部とその拡大です。
続いて、腹部。
続いて、内股です。
それでは初診時からわずか1ヵ月後の状態と比較してみましょう。
※写真をクリックすると大きくすることができます。
痒みは元々10だったのが2くらいまで減ったそうです。
見た目も赤い湿疹はほぼなくなり、毛並みも綺麗になり、白くなっているのがわかると思います。
被毛が茶色に変色する原因は唾液によるもので、舐めたり噛んだりしなくなったことで、白にもどっています。
フレンチブルドッグに多いしつこい足舐めもかなり軽減されています。
今回のタイプはフレンチブルドッグの典型的な皮膚病で、メジャーな原因3つをそろえています。
それぞれに対して適切な診断・アプローチをとることで、たった1ヶ月で劇的に改善します。
投薬治療を行いましたが、当院が開発したスキンケア&サプリメントもとても重要なアプローチの1つです。
再発を少なくするためには非常に効果的と考えています。
オンラインショップでお買い求めいただけますので、適切な医療を併用しながらご利用ください。
また、遠方にお住まいの方には遠隔診療を提供しています。
ここで一つ疑問があるかと思います。
なぜアポキルを1日2回服用しているにも関わらず痒みが改善せず、当院では改善したのか?
理由は複数あるのですが、1つはフレンチブルドッグに食物アレルギーは少ないという考え方です。
世の中では「フレンチブルドッグの皮膚病=アレルギー」といわれているところが多いですが、個人的にはそう考えていません。
あくまで「個人的に」であって正解ではないのですが、「アレルギー」と考えているから改善していないわんちゃんは相当数いるかと思います。
当院ではアレルゲン対策はほとんどしません。
理由は「アレルギーは稀」というスタンスだからです。
「アレルギーがない」という根拠はないのですが、アレルギー対策で改善するわんちゃんは稀ですので、あえて稀なところからアプローチしないだけです。
そして2つめは、アポキルが効く痒みと効かない痒みを区別できることでしょうか。
数字では判断できないので、獣医師の経験からの判断でしかありませんが、「これはアポキルが効く」「これはアポキルでは不十分」という判断ができることが重要だと思います。
投稿者: